異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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082.ジョブとレベル

「次は、士爵家への支援契約の件だ。

 エネドラに作成してもらった契約で当主とは、ほぼ合意できそうだが、

 今日の場にはカミーユ様が不在だったので、明日揉める可能性がある。

 それに備えて、2種類の契約書を用意しておきたいと思う」

 エネドラ達に今日の交渉経緯と改善版の契約のポイントを2種類用意して説明した。

 

「なるほど。攻め口は当主にするのですね」

「そうだ。カミーユ様がいくらごねても、

 最終的には当主の意向が反映されるだろうから、当主が気に入りそうな案を作っておこう」

 塩爺が遠出して、たくさんのカードを持って帰ってきたら話が変わる可能性もあるが、今は考えても仕方ない。

 

 契約内容の細かい修正箇所を確認して、大枠は決まった。

 

「エネドラ、申し訳ないが明日の午前中までに修正版の契約書を作成しておいてくれ」

「はい。今はミモザさんも家事をやってくれていますし、大丈夫です」

 これで、明日の午後に向けた準備の指示はできたかな。

 

「では、これで終わりにする。

 みんな遅くまで、ありがとうな。ゆっくり休んでくれ」

「はい。おやすみなさいませ、旦那様」

 

 

 自室に戻って、今日の実施内容の整理。

 

 

【拠点名】クーラタルの邸宅<本城>(2/4)▶

 

【拠点名】ベイルの屋敷<支城>(1/4)▶

 

■人材育成/採用(ユキムラ)▼

①人材育成 ※新規加入メンバ中心にパワーレベリング。迷宮での習熟訓練を行う

<軍事系>

ユキムラ(百鬼夜行Lv52/英雄Lv52/勇者Lv52/遊び人Lv52/禰宜Lv26/沙門Lv26/聖騎士Lv26)

アミル(冒険者Lv26)、ヴィルマ(百獣王Lv24)、イレーネ(刺客Lv27)

レドリック(剣匠Lv23⇒剣聖)、モニカ(剣匠Lv24⇒剣聖)、レイモンド(冒険者Lv6)

ケリー(獣戦士Lv29)、マリー(獣戦士Lv29)、フラウス(巫女Lv22)

ラファ(巫女Lv28)、ヘルミーネ(探索者Lv28⇒冒険者)※ラファの魔法使い育成は保留

 

<後方支援>

カラダン(商人Lv30/探索者Lv24⇒奴隷商人)、ミモザ(薬草採取士Lv23⇒薬師)

ピコ(村人Lv2⇒探索者/商人)、ビンス(村人Lv2⇒探索者)、リック(村人Lv2⇒探索者)

 

【育成保留中】エネドラ(武器商人Lv47)、チクルス(薬師Lv34)、ポーラ(僧侶Lv29)

 ※アミル:隻眼のジョブ取得条件は不明のまま。装備品のスキル融合数を増やす

 

②採用

 後方支援メンバ、護衛メンバ、迷宮探索メンバを拡充(逐次奴隷商館巡りをする)

  ⇒奴隷商人限定のオークションへ参加し、五人奴隷を補充

  ⇒迷宮探索メンバ、護衛メンバの拡充を図る

 

■軍事(ユキムラ/レドリック)▶

 

■商業/取引(ユキムラ/エネドラ/カラダン)▼

①ビー玉(ビッカー):8個52000ナール(在庫:32個)

  ⇒次回より8個単位で売却。次回は20日後、ビッカーに納品

 

②鏡(ルーク):2枚39万ナール(在庫:6枚)

 

③モンスターカード取引:ルークにオークション依頼中

  ⇒本日、カードを引き取り済。継続依頼中

 

④スキル融合防具(ルーク)    :等価交換取引継続依頼中

  ⇒激情の鋼鉄剣で等価交換の取引の打診中。ルークからの返事待ち

 

⑤スキル融合武器(エネドラ知人):初回取引完了

  ⇒本日、激情の鋼鉄剣の取引実施済。次回未定。

 

⑥鏡(ペルマスク製)取引(ハルツ公爵領):初回納品済。次回取引の予約有

 ⇒ペルマスクで購入し、15枚納品済。次回は28日後に15枚納品予定。

 

⑦取扱商品の拡充:ターヘラの瑪瑙を検討する

  ⇒タケダ家で販売会を企画する

 

⑧石鹸の販売:取引ルートの検討から

  ⇒貴族向け、一般富裕層向けなど商品毎の商流と初回ターゲットを確定させる

 

■開発(エネドラ/カラダン)▼

①石鹸試作(貴族向け):完了。量産中。

 

②石鹸試作(一般向け):エネドラからカラダンにレシピの引き継ぎ完了

 ⇒子供達を受け入れ済。ベイルでの生活に慣れたら、石鹸作成の作業習熟を行う

 

③新商品開発(エネドラの負担見合いで検討):保留中

 

■生産(チクルス/アミル)▶

 

■その他/クエスト▼

①カードハンターとの取引(ベイル)

 ⇒コボルトハンター経由で依頼中(5日後、来訪予定)

 

②ダマスカス鋼工房の対応(ドブロー)

 ⇒スキル融合防具の依頼の可能性有

 

③硬革工房からの依頼(ドブロー)

 ⇒肉3種を納品(ザビルの25階層攻略時?)

 

④ゴッゼル士爵への対応(ベイル)

(1)盗賊討伐作戦(成功/完了) ※懸賞金の半金(43万7000ナール)を譲渡済

 

(2)支援策検討及び交渉

 ⇒士爵家へ支援策(装備、住居、生薬)を打診済。当主からは了承の意思確認。

 ⇒明日の午後、士爵家に最終確認予定。

 

⑤剣術指南所の対応(ターヘラ)

(1)ケリー&マリーの受入

 ⇒ターヘラの商店との食料移送契約は締結済(27日後に延長契約)

 ⇒双子の迷宮探索ドロップ分の食材アイテムの初回提供は完了。

 

(2)業務提携

 ⇒子供達の一組目の受入完了。まずは7日間、習熟させてみる。

 

⑥ベイル旧宅の商店開業準備

(1)カラダンの商人ギルド加入(ザビルの商人ギルドの予定)

 

(2)家具類補充(剣術指南所からの作業員受入用)

 ⇒家具搬入、調理器具、食器等を補充も完了。

 ⇒ベイルでの風呂設備購入(家具店から3日後に5日周期で納品(初回完了、残り2回))

 

⑦ハルツ公爵領迷宮探索依頼(ボーデ、ハルバー、ターレの迷宮のいずれか)

 ⇒明日午前からターレの迷宮に入る予定

 

⑧アルマー所有奴隷の育成(完了)

 ⇒探索者、僧侶、剣士のジョブ取得条件を満たしたので、各ギルドで取得可能なはず

 

明日の予定

(午前)

・俺   :ターレ迷宮探索、パワーレベリング

・アミル :装備品作成、スキル融合

・ヴィルマ:迷宮探索(教導)

・イレーネ:訓練

・エネドラ:朝食・昼食準備、士爵家契約書作成(修正)

・チクルス:朝食・昼食準備、洗濯、生薬生成

(午後)

・俺   :士爵家との契約締結、ベイル物件購入、ターレ迷宮探索、パワーレベリング

・アミル :装備品作成、スキル融合

・ヴィルマ:訓練

・イレーネ:迷宮探索(教導)、(ブラヒム語勉強)

・エネドラ:夕食・朝食の準備、石鹸量産(with ポーラ、ミモザ)

・チクルス:夕食・朝食の準備、(掃除)、生薬生成

※夜は定例会議

※ポーラ/ミモザ(家事)、レドリック/レイモンド/モニカ(護衛、訓練、迷宮探索、雑用等)

※ラファ/ヘルミーネ/ケリー/マリー/フラウス(護衛、訓練、迷宮探索、掃除、雑用等)

※カラダン(ベイルでの商売検討、剣術指南所の子供達の作業習熟統括、ベイル物件清掃統括)

※ピコ/ビンス/リック(剣術指南所の子供達の生活指導/ベイル物件清掃)

 

 

 ベッドに横になって、中期的な計画を睨みながら直近のタスクで片づけるべきことを考える。

 

 まずは、なんと言っても士爵家との契約締結と新居の用意だな。

 これを3、4日中に片づけたい。

 契約に合意してもらう事が前提だが、引き渡しが3日後だから、引き渡しの場でスキル融合武器や装備などの配布もする必要があるだろう。

 スキル融合武器の供与にあたっては、武器屋に行って鑑定してもらう必要もあるな。

 士爵家側は誰も武器商人が居ないのだから。

 

 その後は、入居後のクレーム対応がどこまであるか。

 隣接しているからと言って、カラダンに丸投げする訳にもいかない。

 ターヘラの子供達の対応で忙殺されているだろうし。何より貴族対応なのだから。

 

 クレームの俺への取次程度は我慢してやってもらうか。

 今後の付き合いもあるから、同一敷地内で全く顔を合わせないという訳にもいかないだろう。

 

 士爵家の対応と並行して、ターレの迷宮探索を進めるか。

 我が家としての重要度は高くはないのだが、公爵に依頼された手前、全く行動しない訳にもいかないし、ターレの住民が不安に思っているなら緊急度は高いか。

 迷宮入口に騎士団員が配備されているのなら、一定程度の頻度で迷宮に入ってますというアリバイ作りも必要だ。

 

 そして、アミルにスキル融合装備をある程度、作成してもらったら、23階層以降の迷宮攻略に取り掛かろう。

 5日後くらいからだろうか。

 

 

(コン、コン・・・・・・)

 

 

 ノックの音にドアを開けてみれば・・・・・・ラファの姿が!

 

 いや、年齢的に対象外なのですけど・・・・・・と思ってたら、後ろに保護者のヘルミーネも居る。

 それだけでなく、フラウスまで。

 

 これは、真面目な相談だろうな。

 

「夜分遅く、恐れ入ります。ユキムラ様に御相談したいことがありまして」

「そうか、三人とも入ってくれ」

 三人をテーブルのある場所まで案内して、椅子にかけてもらった。

 

「それで、相談というのは?」

「私は巫女と魔法使いの両方のジョブで迷宮に挑みたいと思います」

 ついに決断したか。フラウスが加入したことが大きかったのかな?

 

「フラウスが巫女として参加する場合に、ラファは魔法使いで戦うという想定だろうか?」

「はい、その通りです。

 魔法使いで戦った経験はほとんどないので、初めのうちは手探りですが頑張ります」

 俺から彼女に魔法使いとしての助言ができるだろうか。

 

 俺の戦闘スタイルはかなり特殊だからな。

 

「その決断をするきっかけとなったのは何か訊いても良いか?」

「ヘルミーネからの助言です。

 彼女はユキムラ様のパーティに加入して経験が共有され、

 探索者のレベルが急速に上がったと言ってます。

 もし、二つのジョブを同じように成長させられるのなら、

 巫女も魔法使いも中途半端にならずに

 迷宮で十分に戦えるのではないかと彼女から言われたのがキッカケです」

 なるほど、だけど注意が必要だな。

 

「ラファの言い分は分かった。

 その上で、俺からも助言させてくれ。

 助言の前にまず、三人に理解してもらいたいことがある。

 信じ難いかもしれないが全てのジョブには探索者に限らず、

 『レベル』というものが存在するのだ。

 例えば、ヘルミーネは探索者Lv28だが、ラファは今、巫女Lv28で、フラウスは巫女Lv22だ」

「探索者以外にもレベルが存在するのですか・・・・・・」

 この説明をしておかないと、後の説明がやりにくい。

 

「そうだ。俺には他人のジョブのレベルというのが見えるのだ。

 例えば、戦士は一定の経験を積むと槍でモンスターを倒していれば

 騎士のジョブ取得ができることはラファもヘルミーネも知っているだろう?」

「はい、存じ上げています」

 ラファもヘルミーネも頷いた。

 

「戦士はLv30になると、戦士としての経験が十分に蓄積されたということで、

 騎士のジョブ取得条件を満たすのだ。

 それを俺はギルド神殿なしで、判断することができる」

「それは・・・・・・なんとも」

 まあ、初めて説明された者はなかなか信じられないよな。

 

「ヘルミーネの探索者のレベルも日々変化しているのに、俺は正確に言い当てていただろう?

 それも一つの証拠だ。

 ただ、それは探索者に限らないのだ。

 話を戻すが、先程も言ったが、ラファは今、巫女Lv28で、フラウスは巫女Lv22だ。

 フラウスは我が家に来た当初は巫女Lv10だった。

 それを、俺のパーティに入れて短期間にレベルを伸ばしたことになる」

「そうなのですか・・・・・・いや、それにしても」

 混乱させてしまったか。

 

「なかなか信じられないかもしれないが、今はいったん無理やりにでも信じてくれ。

 で、重要なのは、フラウスが我が家に来た時に巫女Lv10だったということだ」

「は、はい?」

 さて、分かってもらえるかどうか。

 

「一方でラファは巫女Lv28だと言っただろう。

 それで、最近、朝にラファとフラウスで模擬戦をやっているのを見かけたけど、

 ハッキリ言って、ラファはフラウスに全く歯が立たないだろう?」

「はい、おっしゃる通りです」

 ラファは悔しそうだが、実力の差を認めている。なかなかできる事ではないな。

 

「そうだ。槍を使って戦ってもラファはフラウスは勝てない。

 そして、フラウスは我が家に来た時は巫女Lv10で今は巫女Lv22だが、

 巫女Lv28のラファはフラウスに模擬戦で勝てない。

 これの意味する事が分かるか?」

「それは、探索者のレベルに該当するものが強さを意味しないということですか?」

 俺は、首を縦にも横にも振らない。

 

「少し違うのだ。

 俺がやったような、パーティに加入だけさせて経験だけ共有させても

 強さが必ずしも上がらない場合があるということだ。

 貴族だったラファやヘルミーネなら、

 子供のうちにパーティにだけ入れて経験を共有させるやり方があることは知ってるだろう?

 あれをやったからと言って、子供が急に強くなる訳ではない。

 ただ、次のジョブの取得条件に向けて有利になるというだけだ。

 俺のパーティに入れると、貴族のやり方以上に急激に経験を積むことができるが、

 実際にそれで強くなれるかというと、そうではない事があるということだ」

「はい。それでしたら、理解できます」

 一部は理解してもらえたか。

 

「その一方で、そのやり方でも強くなる場合もある。

 レベルが上がれば、身体的な強度や治療魔法を使う回数、MPが上昇する。

 その意味では、経験だけ共有するやり方でも、確かに強くなる部分はあるのだ。

 それが強さの全てではないのは、フラウスとの模擬戦で嫌というほど分かっただろう?」

「そうですね。確かに身に沁みました。今の方がより一層沁みたかもしれません」

 ラファは苦笑いしている。

 

「魔法使いについても同じことが言える。

 経験だけ共有して、レベルを急激に上げれば、魔法の威力や魔法の使用回数は確実に増える。

 その意味では、そのやり方でも魔法使いは強力な戦力になり得るということだ」

「なるほど、分かりました。

 レベルという強さの指標の一つと

 戦闘経験や技術といった強さの土台をしっかりと把握しなさいということですね」

 14才なのに、これだけの説明で正確に理解できるのは凄いな。貴族教育の賜物?

 

「俺の言ったことを正確に理解してくれて嬉しいよ。

 別に二つのジョブで迷宮で戦うことを止めろと言ってる訳ではないのだ。

 魔法使いや巫女としての自分の強さを

 レベルというものと、戦闘経験や技術という二つの物差しを理解した上で

 迷宮で戦って成長してもらいたいと言いたかったのだ」

「なるほど、分かりました。これからも槍の技術の研鑽を怠らないように努力いたします」

 槍はこれからも頑張るのか。まあ、巫女をやるならそうなるか。

 

「ラファは、魔法使いの時の武器はどうしたいのだ?

 普通の魔法使いが使うワンドやスタッフを使いたいのか?

 それとも、慣れている槍を使うのか?」

「えっ、それは普通の魔法使いの武器の方が良いのではないですか?」

 それはどうだろうか。

 

「いや、ラファぐらい槍が使えるなら、槍に例えばMP吸収のスキルを付与して、

 戦いながらMPを吸収して魔法の利用回数を増やすという選択肢もあるかと思ってな。

 槍にすると、もちろん魔法の威力は落ちるが、その分回数を増やすことができるから、

 完全に槍を選択肢から外さなくても良いかと思ったのだ」

「確かに、そんな戦い方もありますね。えー、どうしましょう」

 まあ、今決めなくても良いし、やりながら考えても良い、槍だし。

 

「二つのスキル融合武器を用意して、迷宮で戦いながら、どちらがそのパーティで戦い易いか

 確認しながら決めても良いと思うぞ」

「しかし、そんな二つのスキル融合武器を用意するなんて・・・・・・

 いえ、タケダ家ならできてしまうのですね」

 はい、できてしまうのですよ。

 

 どこかの武器屋で見た残念スキル融合武器・・・・・・を真似して、知力2倍を付与したひもろぎのダマスカス鋼槍でも作って、MP吸収と攻撃力2倍も付与しても面白いかな。

 

 本当なら、聖槍って選択肢もあるのだけど、あれは簡単に入手できないからな。

 我が家の倉庫にも在庫がないし。

 

 それに、魔道士になって雷魔法が使えるようになると、威力よりも攻撃回数を増やして麻痺にする頻度を上げる方が重要かもしれない気もする。

 魔法威力によって、麻痺を誘発する確率にどの程度影響があるのか分からないが。

 槍とスタッフでサンダーストームを同じ回数やって統計データでも取ったら分かるだろうか。

 相手のモンスターも毎回違うと正確な統計データを取れないか?うーん、難しい。

 

 

 ラファは珍しく、近接戦闘も魔法戦闘も単一ジョブでこなせるオールラウンダーになれる可能性を秘めているな。

 いや、意外に巷の貴族ではありふれたケースなのだろうか。

 

 彼女は頭も良いし、狼人族で身体能力も高いから、護衛パーティの要になる可能性もある。

 

「ラファのジョブを魔法使いに変更することは直ぐにでもできるがどうする?」

「詠唱は子供の時に練習してましたから、直ぐにでも魔法を使うことはできると思います。

 ただ、経験が浅いと使用回数が少ないので直ぐには戦力にはなれないと思います」

 今も子供だと思うけど・・・・・・という言葉は飲み込んで、まあパワーレベリングしてからか。

 

「じゃあ、レドリックとも相談して、俺のパーティに入れて経験を共有させよう。

 明日の午後の探索は巫女をフラウスにやってもらって、

 その間に魔法使いのレベルを上げてしまうか」

「本当に、急速に成長させられるスキルをお持ちなのですね」

 そうなのだよね。

 

 明日の午前中はフラウスのレベルを上げて、午後はラファの魔法使いを上げるか。

 なんだか、楽しいな。

 

「ヘルミーネもたまにはレイモンドにパーティ編成役をやってもらって、

 迷宮探索を外れてみたらどうだ?

 その間に、俺のパーティに入ってもらって、レベルを上げるというのも良いと思うが」

「そうですね。それはありかもしれません・・・・・・」

 あれ、あまり乗り気じゃないのかな。何だか、心ここにあらずという感じだけど。

 

 

「あの、他にも相談があったのですが、そろそろ時間も遅いですし、お暇しましょう」

 ん?ヘルミーネがさっきから、そわそわしているような。

 

 これは、この前経験したアレのせいか?

 イレーネがバタバタしていた・・・・・・また、誰か来たら?・・・・・・来たらどうしよう?

 

「わ、分かった。確かにもう遅いし、これでお開きにしよう。

 一晩考えて、もし気が変わったら、また明日教えてくれ」

「はい、分かりました。相談に乗っていただき、ありがとうございました」

 

 ラファは優雅に礼を言って、二人と共に部屋から去っていった。

 

 そうか、これで我が家にも俺以外にも魔法使いが活躍し始めることになるのか。

 ちょっとワクワクするな。

 

 

(コン、コン・・・・・・)

 

 

 ドキッ、セーフだったか。タッチの差?ニアミスしなかっただろうな?

 

 

 ドアを開けると、チクルスの姿が・・・・・・下を履いてないのだけど。

 

 いや、履いてはいるのだけど・・・・・・前に組んだ両手の横から白い下着が見えている・・・・・・いつかどこかで見た光景。

 

「あの・・・・・・そんなに見つめられると恥ずかしいのですが・・・・・・」

 恥ずかしかったら、そんな恰好しないで・・・・・・いや、してほしいから、そんな事は言わない。

 

「そうか、すまなかった」

「その・・・・・・初めてだから、前の方ではなく後ろの方です」

 えっ、初めてに前とか後ろとかあるの?

 

 そういえば、アミルも初回は後ろだったか?

 確かに、初めから前というのはアレか?何がアレかというと説明できないけど。

 

 初回は後ろ、次は前?その次は前と後ろ?Lv1、Lv2、Lv3・・・・・・という感じだろうか。

 穴あきパンツLv1?この前のアミルはLv3だった?

 

 そんなジョブは存在しないのだろうが。

 念のためチクルスをパーティジョブ編成で確認したが、妙なジョブは生えてなかった。

 人間族なので、ワンチャンで種族固有ジョブの発生を疑ったのだが。

 何がワンチャンかは置いておくとして。

 

 

「きゃっ」

 考察はさておき、今はベッドにGo!・・・・・・だ。チクルスを抱え上げてベッドに一目散。

 

(オーバーホエル・・・・・・)

 

 いやいや、焦るな。自重が大切だとエネドラにいつも言われていたではないか。

 

 ここでオーバーホエルミングを使えば、ルパンダイブを凌ぐ高速脱衣が可能だが、脱げるのは俺だけだし、そもそも俺の体感的な時間に変化はないのだから。

 普通が一番だよな。

 

 

・・・・・・

 

 ベッドで横になりながら、チクルスとまったりトーク。

 チクルスは、パーティから外れることをやはり気にしていたようだ。

 

 別にパーティから外れたとしても彼女の価値は何も変わらない・・・・・・と言葉で伝えても何かが足りない気がする。

 ジョブとレベルだけ見て、その者と付き合っている訳ではない。

 会議の場では育成の重要性を口にするけど、それだけではないつもりで話をしていたはずだったのに。

 

 もっと、お互いに頼り、頼られる関係にならなければならないのか。

 仕事の上だけではなく、気持ちの面でも。

 

 抱きしめながら、彼女の口から出てくる昔の話に耳を傾ける。

 

 本当の母親と過ごした子供の頃の話。

 二人目の母親に疎まれていた時の話。

 エネドラが父親の妾として来た時の話。

 彼女が二人目の母親からチクルスを庇ってくれた話。

 そして・・・・・・盗賊に襲撃された時の話。

 

 震えながら語る彼女の言葉に一つ一つ頷きながら、頭を撫でるが、返す言葉が見当たらない。

 盗賊の襲撃で辛い目に遭ったことは理解していたが、ここまで辛い過去を体験していたとは。

 

 悪戯心あふれる彼女の振る舞いからは、とても想像つかなかった。

 

 彼女の唇を奪い、震える体を優しく抱きとめる。

 

 

・・・・・・

 

 それはそれとして、何度も何度も、高性能下着の有効性を堪能させていただいた。

 機能性というのは、使ってナンボだと実感。

 

 次は是非、Lv3でお願いしたいが可能だろうか・・・・・・エネドラにLv2でお願いするのが先か。

 

 何というか・・・・・・山があるから登るのだというか・・・・・・穴があったら入りたいというか。

 自分でもよく分からなくなってしまった。

 

 チクルスの悪戯は、俺の理性を破壊するのに十分のようだ。

 

・・・・・・




お読みいただき、ありがとうございました。
人間族の種族固有ジョブ(女性版)は何なのでしょうね。原作でもそのうち語られるのか、気になっています。

なお、ラファ(巫女)が取得する予定の上位ジョブは『斎王(さいおう)』という呼び名にするつもりです。禰宜の女性版ですね。
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