玄関に戻って部隊編成で確認すると・・・・・・レイモンドの部隊は既に帰宅しているな。
厨房に向かいエネドラに帰宅の挨拶。
「レドリックがどこにいるか分かるか?」
「多分、裏庭でミラやマヤと訓練をしていると思います」
「分かった、ありがとう」
新しく入った二人につきっきりなのかな。
裏庭の修練場に行くと、確かにレドリックとレイモンドがミラとマヤに訓練を施している。
「レドリック、忙しいところ悪いが、知ってたら教えてほしいことがあるのだけど」
「なんでしょうか。ご主人様」
「剣士の上位ジョブに剣匠ってあるじゃないか。今、レドリックやモニカが就いてるジョブな。
あのジョブの取得条件って分かるか?」
「ああ、剣士の修行を一定程度積んで、両手で階層ボスを倒すことですね」
ん?それは剣士のジョブ取得条件とほぼ同じ?
「両手剣で倒すのは剣士のジョブ取得と同じような意味か?」
「あ、いや違います。
両手剣ではなく、右手と左手の両方で片手剣を使って階層ボスを倒すという意味です」
右手と左手で?なんで、そんなことを?
えーと、
ジョブ 剣士
効果 腕力小上昇 HP微上昇
スキル スラッシュ
ジョブ取得条件は、モンスターを剣で倒すのと村人Lv5以上だっけ。
ジョブ 剣匠
効果 腕力小上昇 敏捷微上昇 HP微上昇
スキル スラッシュ、二刀流(片手剣)
ジョブ取得条件が、右手と左手の両方で片手剣を使って階層ボスを倒す?
二刀流を身に付けるために、右手と左手で強い敵を倒すということなのか。
こんなの次のジョブの内容が分かってないと、さすがにやらないだろう?
わざわざ利き手と違う方で階層ボスに挑むかぁ~?宮本武蔵じゃあるまいし。
「レドリックは、そのジョブ取得条件を知ってたから階層ボスを右手と左手で倒したのか?」
「そうですね。モニカにも教えて、倒すようにさせましたよ」
そうだったのか・・・・・・あれっじゃあ、俺は何故?
というか、俺もやったことあるか。
ベイルの3階層のコボルトケンプファーのボスマラソンやった時に、右手でデュランダル使ったり左手で使ったりしたな。
あの時は鬼武者のジョブ取得後だったから、右手でも左手でも片手で両手剣を使えていたわ。
原作の主人公は・・・・・・そんなことやらないか。
デュランダルは村人Lv1でも使えるとはいえ、両手剣だし。
わざわざ利き手と違う手で、エストック等を持って階層ボスと戦ったりはしないよな。
だから、剣士の上位ジョブが取れていなかった?
もしくは、こっちの世界と原作の世界でジョブが違う可能性だってあるよな。
こっちの世界も原作とは似て非なる感じだし。
うーん、まあ良いか、その辺りのことは。分かったところで、どうしようもないし。
「それでマヤなのだけど、今は剣士の経験は十分に積んだので、
さっきの条件・・・・・・両方の手で階層ボスを倒せば剣匠のジョブが取れると思うんだ」
「もうですか?では、迷宮に行って条件を満たしますか?」
そうだな。今日はまだ時間があるし、善は急げか。
「では、マヤを少し借りても良いか?ベイルの3階層に行ってこようと思うから」
「はい。大丈夫です。私もご一緒しても良いですか?」
えっ、まあ別に良いか。
「いいぞ。じゃあ三人で行くか。二人とも俺のパーティに入ってくれ」
「はい、分かりました」
レドリックとマヤを俺のパーティに加えた。
庭の適当な木陰からベイルの3階層の中間部屋にワープで移動。
ボス部屋にも待機部屋にも誰も居なさそうだな。
三人で待機部屋にワープで移動した。
ピコを小荷駄隊から通常部隊に移した。これで準備完了か。
「今から、マヤに階層ボスと戦ってもらう。
3階層はコボルトの階層で、ボスはコボルトケンプファーだ。戦ったことはあるか?」
「はい。パーティのみんなで戦ったことはあります。
先程のお話だと私一人で倒すのですか?大丈夫でしょうか?」
大丈夫、余裕だから。
「ああ。大丈夫だ。俺がお膳立てをしてやるから」
「はい。頑張ります」
マヤは真面目だね~。
「じゃあ、これを・・・・・・重たくないか?片手で扱えるか?」
「はい。大丈夫です」
彼女に俺が普段使っている硬直のエストックを渡した。
俺のセブンスジョブも乗ってるし、マヤは今は剣士Lv30だから大丈夫かな。
「では、ボス部屋に入るぞ。俺の後に続いてくれ」
「はい・・・・・・あれっ、扉が閉まらないのですけど」
今はピコを通常部隊に入れてるから、閉まらないのだよ。
「ああ、そのうち閉まるから、気にしないで良いから」
我ながら適当な説明。
三人で配置についた。
「まずは、俺が準備をするから攻撃はちょっと待ってな。
で、今から扉が閉まるので心の準備をしてくれ」
「はい・・・・・・あっ、本当に扉が閉まりました。
ご主人様は武器を持ってないのですが・・・・・・」
ピコを小荷駄隊に移したからね。あと、俺は素手で戦うから。
煙の中から、コボルトケンプファーが現れた。そして、俺に背を向けている。
素早く近づき、コボルトケンプファーの頭にハイキックをかました。
背が低くて、蹴りを入れるには丁度良い位置だ。
コボルトケンプファーは転倒して、持っていた武器を取り落とした。
俺は、俯せで背を向けるコボルトケンプファーの両足を掴んで、少し持ち上げた。
「マヤ、準備ができたから、この状態で右手の剣でひたすら叩きつけてくれ」
「えっ、このままですか?・・・・・・分かりました」
彼女は右手に持ったエストックでコボルトケンプファーの頭をガンガン斬りつけ始めた。
全力での斬撃が十回も超えないくらいでコボルトケンプファーは煙になって消えた。
「なにか、あっという間に終わったのですが。これが普通なのでしょうか?」
「マヤ、私もこんなやり方は初めてだ。普通じゃないぞ」
彼女の当惑する視線に、レドリックも同調している。結果良ければ全てヨシでしょ。
その後もう一階、ワープで待機部屋に移動して、同じことを繰り返し、左手でもマヤに階層ボスを倒してもらった。
うん、マヤの待機ジョブに剣匠が現れた。そのまま剣匠Lv1にジョブ変更。
「レドリック、ありがとう。おかげでマヤは剣匠のジョブが取得できたようだ。
マヤのジョブは今は剣匠に変更しておいたから」
「はい。後でマヤにも言っておきます。今、説明しても理解が追いつかないでしょうから」
まあ、そうだな。悪いけど、後のフォローは頼んだ。
一応、4階層に抜けておいた。
4階層の小部屋から自宅の裏庭に面した壁にゲートを繋げて二人と一緒に帰宅した。
「自宅から迷宮に、迷宮から自宅に・・・・・・移動できると聞いていても、
実際に目にして初めて実感できますね」
そっか、レドリックと迷宮で戦ったのは初めてだったか。
「訓練の邪魔して悪かったな。無理しない程度に頑張ってくれ」
「はい。ご主人様、頑張ります」
でも、マヤは基本的には盾を使うのだよな。二刀流は生かせないかもしれないか。
ミラもそうだけど、彼女達の特性を生かした育成を考えないといけないな。
出てきた木陰から、ベイルの自宅の玄関の壁にワープした。
ベイルの自宅でカラダンとピコと合流して、コボルトハンター達の宿に向かった。
コボルトハンター達とのモンスターカードと装備品の取引は、そろそろカラダン達にやってもらいたいと思っている。
まずは今回の取引を通じて、顔つなぎから始めよう。
将来的には他の街でも同様の事を行なって、カード集めの場を増やしていきたい。
その辺りの将来構想はカラダンやエネドラとは既に話し合っている。
ピコ達の冒険者ジョブや商人ジョブの取得ができたら、徐々に手を広げていければと思っている。
「ピコ達には、売買の経験をさせましたので、
三人とも商人のジョブを取得させることは可能になっていると思います」
「そうか、ピコは冒険者のジョブが取得できたら商人のジョブの経験を積ませよう」
まずは武器商人のジョブの取得を目指すのだったよな。
「ピコ達だけでなく、剣術指南所から来た子供達にも同様に売買の経験をさせています。
パンを買いに行かせたり、探索者ギルドにドロップアイテムを売りに行かせたりしてます。
商人のジョブに就きたいと思っているかは分かりませんが、何事も経験ですから」
「確かにそうだな。ナナイの所に居ても経験できるかもしれないけど、
別の街の別の場所でそういう経験を積むことは悪い事ではないだろう。
どこで何の経験が役立つかは分からないからな」
「今は一日の半分は食事の準備に費やされていますね。
食事の献立も自分達で考えさせるようにしようかと思っています。
平民の子供達はそれが普通のことですから。
なので、同じように経験させようと思っています。むしろ遅いくらいかもしれません」
「そうだな。ナナイ達のやってきたことを否定するつもりはない。
単純にそういう機会を作ってみるってことで、やってみれば良いだろう」
別に教育に注力する訳ではなく、簡単に機会が作れるのなら提供すれば良いという程度だ。
「朝の訓練は結構、盛況のようだな」
「そうですね。思っていたよりも参加者が多くて裏庭が狭く感じますね」
まあ、クーラタルの自宅と比べると空地の面積は狭いからなぁ。
「実は剣術指南所の子供達も混じっていまして・・・・・・」
「そうか。昼間の作業に影響ない程度で気分転換になるのなら良いのじゃないか?」
「はい。怪我だけはさせないように・・・・・・そこだけ少しハラハラします」
まあ、カラダンは訓練中に割って入るなんて無理だしな。武闘派じゃないし。
その後も子供達の石鹸作成作業の状況などを教えてもらったりしながら、コボルトハンター達の宿に着いた。
・・・・・・
旅亭の親父さんに挨拶をすると、酒場兼食堂の方を指さされた。
笑っているので、好意的な態度だ。この後も酒代の差し入れをしてやろう。
食堂に行くと、ガルム達が既に待ち受けていた。
「今日は三人で来たのか?」
「ああ、うちの商会の者だ。こっちがカラダンで、こっちがピコだ。よろしくな」
ガルムは右手を少し上げ、こちらの二人も会釈で返す。
「その二人にカードと装備品の取引を引き継ぐつもりか?」
「そうだな。そうなるかもしれないし、そうならないかもしれない。今後の成り行き次第だな。
この二人に引き継いだ後も顔を出すと思うし、まあ、適当だ」
曖昧な返事をしながら、ガルム達のテーブルの席に着いた。
「それで、カードの方はどうだ?」
「ああ、今回はちょっと渋くてな。コボルトが1枚だけだ」
いやいや、コボルト1枚だって十分だよ。
「コボルト1枚なら・・・・・・こんなのはどうだ?」
「どれどれ・・・・・・」
テーブルの上に、硬革の靴、硬革の帽子3、硬革のグローブを出した。
「なるほど。鎧はもう硬革になっているから他の防具か。悪くないな」
「じゃあ、選べるようにいくつか出していくぞ」
テーブルの上に、数点の硬革の靴、帽子、グローブを出していく。
ガルム達が選び始めたので、別のテーブルに移ることにした。
視線を向けると、手招きされたからだ。
「こっちの景気はどうだい?」
「うちは、羊1枚とサンゴ1枚とコボルト1枚だ。すげぇだろう?
まあ、1枚は他のパーティから買い上げたのだけどな」
それは確かにスゴイ。
「で、今回は金か?装備品か?」
「装備品だな。前回、鎧と交換したから、今回は武器が良いな」
こいつらは、片手剣、両手剣と槍持ちか。
「こんなのでどうだい?」
アイテムボックスから、鋼鉄の剣、レイピア、鋼鉄の盾、鋼鉄の槍を出した。
「おお、こいつは良いな」
「じゃあ、選べるようにいくつか出すから、ちょっと待ってくれ・・・・・・」
テーブルの上に、数点同じ種類の武器を並べていく。
その後も、別のパーティとコボルト2枚と硬革の鎧3つ、コボルト1枚と革の鎧3つを交換した。
この旅亭だけで、コボルト5枚と羊1枚、サンゴ1枚を入手できたので大満足だ。
「ガルム達も装備品がかなり良くなったのじゃないか?この後も続けてくれるのか?」
「そうだな。コボルトの階層は終わりにして、上の階層に上がろうかと思っている。
今は三人だけど、人数を増やして7階層以降に上がるかもしれない」
彼らは防具は硬革装備で武器も鋼鉄製だし、7階層以降でも全然問題無さそうな気はする。
回復役でもゲットできれば9階層ぐらいまでは、安全な気がする。
ずっと3階層にいても迷宮探索者としての成長は望めないから、上に行くしかないよな。
「じゃあ、また10日後くらいに来るから、よろしくな」
「おお、次はもっとカードを用意しておくわ」
是非、そうお願いしたいです。
ガルム達や他のパーティに礼を言って、食堂を後にした。
旅亭の親父に銀貨10枚を渡して、ただ酒を振舞うサービスも頼み、旅亭を立ち去った。
「って感じのことをいつもやってるのだけど、大丈夫そうかな?」
「そうですね。顔を繋いでもらいましたから、次は私の方でやってみることは可能です。
問題はカードの信用で、こればっかりはギルド神殿がないので、
騙される時は騙されてしまうのですけど、それは割り切りますか?」
そうなのだよねぇ。俺以外は鑑定が使えないからなぁ。
カードは基本的にはアイテムボックスに入るが、思っていたカードと違うという事故や詐欺に遭う可能性も捨てきれない。
でも、所詮は拾い物の装備品等との交換だから、モンスターカードであるならばリスクは感じないのだよな。
付け入られて、外れカードばかり掴まされるとムカつくけど。
「初見の取引客がいる場合もあるから、俺も来ようとは思っている。
この旅亭では顔なじみばかりになってきたから、基本は大丈夫だと思うけど、
たまに商人ギルドのギルド神殿に行こうか・・・・・・みたいな感じにしておけばどうだろう?」
「そうですね。それが良いかもしれません。
別の街に行って、このやり方を広める時は、初回は取引せずに口コミだけ広めておいて、
実際の取引の場に旦那様に来ていただくのも良いかもしれません」
完璧なやり方なんてないから、ある程度はどこかで手を抜かざるを得ない。
あまりに効率が悪ければベイルだけに縮小しても良いし、いろいろな街で試して有望そうな街だけに絞る手もあるはず。
二人とベイルの自宅で別れて、クーラタルへと戻った。
・・・・・・
夕食と風呂を終えて、会議が始まる前にカラダンと雑談。
「士爵家からは、新居に関する問題などは聞いてないだろうか?」
「そうですね。特にベイルの自宅の方には何も伝わってきてないですね。
まだ、使い始めたばかりですから、これからかもしれませんが。
家事をやっているイネスという女性と、うちで預かっている子供達の間では
水汲みを通しての交流というか会話はあるようですね。
子供達がイネスさんの水汲みを手伝っていたりするそうです」
へぇ~そんなことがね。まあ、井戸を一緒に使っていれば接点は生まれるのか。
クーラタルの自宅では拠点構築のスキルの給水設備があるから、そんな接点は近所とは生まれないのだけど。
カラダンから、会議後に石鹸の販売について提案があるらしく、エネドラも同席の上で話を聞くことにした。
やがて、参加者が集まってきたので会議を開催。
「明日も迷宮組は引き続き、クーラタルの迷宮の探索を行う。
25階層と27階層に挑戦したいと思っている。
朝一でアイリス家への装備の納品があるので、それが終わり次第探索を始める。
護衛部隊は本日の迷宮探索では問題がなかったと報告があったので、
17階層への挑戦を行うことにしたいが、レドリック、大丈夫だろうか?」
「はい。大丈夫です。
ただ、ミラとマヤの迷宮への順応訓練もしたいので、
午前中にヘルミーネとラファを中心に17階層に挑戦して、
午後は5階層と10階層へミラとマヤを連れて探索したいと思います。
ケリーとマリーは午後の迷宮探索は休みにします」
なるほど、5階層と10階層に行けば10階層までのモンスターとは一通り戦えるな。
「分かった。それで頼む。
危なさそうだったら、途中で引き返しても構わないので無理は禁物だぞ」
「はい。ミラとマヤの状況を見ながら判断します」
育成は大事だが、迷宮は命の危険を伴うので安全重視でお願いしたい。
・・・・・・
会議は終了して、カラダンから石鹸販売に関する提案を確認することに。
その場には、カラダンの他にエネドラ、チクルス、アミルも参加。
「平民の富裕層向けの石鹸は商人ギルドのオークションにかけてみるのはどうでしょうか?
もちろん、貴族用の石鹸がある程度普及した後の話になりますが」
「オークションにかけるということは、
商人の方で手を回されて、安く買いたたかれることも前提での出品ということだよな?」
俺の指摘にカラダンも頷いた。
「つまり、オークションで儲けるのではなく普及のために目立つ行動を取ったり、
その後の継続購入への手掛かりにするという意味だな?」
「一度手にしてもらえれば、気に入れば次も欲しくなるはずですから、
例えばオークションで一日置きに3、4回ほどオークションにかけて
次からはオークションに出さずに店で購入する客を待つようにすれば良いと思っています。
オークションに出す石鹸に販売する店の情報も添えて出品すれば、
継続して購入する客が得られるのではないかと思っています」
確かにそれはアリかもしれないな。失敗しても大した痛手ではないし。
「そのオークションにかけるのも、クーラタルの商人ギルドだけではなく、
他の街の商人ギルドで同様のことを行なっても良いと思っています」
「なるほど。確かにそれは面白いかもな。
どの街にも大して伝手はないのだけど、リスクなしで顧客を得る機会が作れるかもしれない」
カラダンも面白いことを考えるな。外の街に飛び出したい性格が功を奏しているのかも。
となると、いくつかの街へ派遣できるように冒険者と商人と護衛を三人セットで動かせるように冒険者の育成を急ぎたいな。
その後、カラダンを中心にいくつかの細かいすり合わせを行い、実際の販売が近づいたらまた議論することにした。
「旦那様、私の方からも提案があります。
今度、ペルマスクに鏡の購入に訪れる際に、
ペルマスクの工房へ石鹸の販売を依頼するのはいかがでしょうか?
元々、鏡の購入先に石鹸を販売することを考えていましたが、
いっそのこと鏡の販売元の総本山であるペルマスク側で
鏡と石鹸を合わせて販売するように持ち掛けてみるというのはダメでしょうか?」
「それもアリかもしれないな。
ただ、ペルマスクの工房と信頼関係を築けた後でなければ難しいかもしれない。
ペルマスク側には何のメリットもないのだから。
琥珀や瑪瑙の安定供給や、何か他に便宜を図るようにした方が良いかもしれない。
ただ、方向性は間違っていないので、実現に向けてこれからも考えていこう」
二人の提案について今後も話し合ってアイディアを出していくことにして、この議題は終了。
「次回のルークへのスキル融合装備について相談がある。
ルークのような有力商人に対してちょっと仕掛けてみたいことがある・・・・・・」
この世界の有力商人の実力を測りたいということで、今まで考えていたアイディアを皆に相談。
「それは・・・・・・ちょっと私にはよく分かりませんでした・・・・・・」
まあ、エネドラにもさすがに理解できないだろうな。確率・統計なんて概念がないのだから。
「ご主人様のおっしゃっていることは私も分かりませんでした」
アミルも撃沈。
「私にもよく分かりませんでしたが、この後、ちょっと考えてみたいと思います。
ただ、相手の情報を得るということは重要なので、面白いと感じました」
カラダンは夜通し考えるのではないだろうな。この中で唯一力業で理解できる気もするが。
「いずれにしても相手に渡っても大した装備ではないから、仕掛けてみたいと思っている。
それで、こちらの期待通りの結果になるかはなんとも言えないが、情報収集の一環だ」
少し危険を伴う気もするが、オークション情報では得られなかったので仕方ない。
「では、これで終わりにする。遅くまで悪かったな。ゆっくり休んでくれ」
皆とお休みの挨拶をして解散にした。
・・・・・・
【拠点名】クーラタルの邸宅<本城>(2/4)▶
【拠点名】ベイルの屋敷<支城>(1/4)▶
■人材育成/採用(ユキムラ)▼
①人材育成 ※新規加入メンバ中心にパワーレベリング。迷宮での習熟訓練を行う
<軍事系>
ユキムラ(百鬼夜行Lv53/英雄Lv53/勇者Lv53/遊び人Lv53/魔道士Lv53/刺客Lv53/博徒Lv53)
アミル(鍛冶師Lv53/冒険者Lv28)、ヴィルマ(百獣王Lv28)、イレーネ(刺客Lv30)
レドリック(剣匠Lv27⇒剣聖)、モニカ(剣匠Lv30⇒剣聖)、レイモンド(冒険者Lv22)
ケリー(獣戦士Lv29⇒百獣王)、マリー(獣戦士Lv29⇒百獣王)、フラウス(巫女Lv32)
ラファ(巫女Lv28/魔法使いLv45)、ヘルミーネ(探索者Lv44⇒冒険者)
ミラ(鍛冶師Lv23)、マヤ(剣匠Lv1⇒剣聖)
<後方支援>
ピコ(探索者Lv46⇒冒険者/商人Lv1⇒武器商人)
ビンス(探索者Lv46⇒冒険者)、リック(探索者Lv46⇒冒険者)
【育成保留中】エネドラ(武器商人Lv47)、チクルス(薬師Lv34)、ポーラ(僧侶Lv29)
カラダン(奴隷商人Lv15)、ミモザ(薬草採取士Lv45⇒薬師:保留中)
※アミル:隻眼のジョブ取得条件は不明のまま。装備品のスキル融合数を増やす
②採用
後方支援メンバ、護衛メンバ、迷宮探索メンバを拡充(逐次奴隷商館巡りをする)
⇒迷宮探索メンバ、護衛メンバの拡充を図る
■軍事(ユキムラ/レドリック)▶
■商業/取引(ユキムラ/エネドラ/カラダン)▶
■開発(エネドラ/カラダン)▶
■生産(チクルス/アミル)▶
■その他/クエスト▶
明日の予定
(午前)
・俺 :アイリス家装備納品、クーラタルの25/27階層攻略
・アミル :クーラタルの25/27階層攻略
・ヴィルマ:クーラタルの25/27階層攻略
・イレーネ:クーラタルの25/27階層攻略
・エネドラ:朝食・昼食準備、アイリス家装備納品、石鹸量産(with ポーラ、ミモザ)
・チクルス:朝食・昼食準備、洗濯、生薬生成
(午後)
・俺 :クーラタルの27階層攻略、(時間があれば奴隷商館巡り)
・アミル :クーラタルの27階層攻略、装備品作成、スキル融合、ミラの指導
・ヴィルマ:クーラタルの27階層攻略、訓練
・イレーネ:クーラタルの27階層攻略、訓練、(ブラヒム語勉強)
・エネドラ:夕食・朝食の準備、石鹸量産(with ポーラ、ミモザ)
・チクルス:夕食・朝食の準備、生薬生成
※夜は定例会議
※ポーラ/ミモザ(家事)、レドリック/レイモンド/ヘルミーネ(護衛、訓練、迷宮探索)
※ラファ/モニカ/ケリー/マリー/フラウス(護衛、訓練、迷宮探索、掃除、雑用等)
※ミラ(鍛冶師習熟、訓練、掃除、雑用等)、マヤ(訓練、掃除、雑用等)
※カラダン(アイリス家装備納品、剣術指南所の子供達の作業習熟統括)
※ピコ/ビンス/リック(剣術指南所の子供達の生活指導/石鹸作成習熟)
ベッドに横たわりながら・・・・・・
(コン、コン・・・・・・)
・・・・・・
チクルスと一戦交えた後にマッタリトーク。
彼女は傷のことがあるので、夜伽の時は明るい環境は好まない。
今日も照明は点けていないが、俺には夜目の特性があるから苦にはならない。
彼女も鬼人族の特徴は知っているものの、気持ちの問題なのだろう。
俺の視線が彼女の傷を見ているのを敏感に感じ取ったのだろうか。
「私の傷よりもお母さまの腕の回復が優先ですからね・・・・・・」
暗闇の中で、彼女の小声が耳元に届く。
エリクサーを狙っていることが彼女にはバレているのだろう。
自分の理性でも、エネドラの方が優先だとは思っている。
だけど、今晩のベッドの上では彼女の分別臭い言葉が俺は気に入らない。
チクルスは悪戯するときは、分別はどこに行ったの?・・・・・・と思うぐらい全力で悪戯するのに、こんな時は自分の母親を優先する。
盗賊に襲われた時に自分を庇って左腕を失った母親への罪悪感のせいなのかは、俺から確認できない。
もっと、我儘でいても良いのに・・・・・・と思う。
体を下にずらして、舌で彼女を弄ぶ。
理性を失くして本能の赴くままに大きな声を彼女に上げさせよう。
身じろぎをして逃れようとするが、四本の腕でそれを阻止する。
「はああ!ううぅっ・・・・・・」
一段と大きな快楽が押し寄せてきたのか、彼女は全身を震わせ始めた。
昼間だけでなく、夜も羽目を外させよう。
更に舌での責めを続ける。
「あっ、あっ、あっ・・・・・・」
既に陥落寸前なのが伝わってきた。
でも、もっと恥も外聞もなく、絶叫させてみたい。
少し、舌の攻撃を緩めると安心したのか、体を少し弛緩させたようだ。
不意を突いて、彼女への侵入を試みる。
「・・・・・・」
絶息したような、息づかいを感じながら一段と動きを強める。
チクルスの体がビクンと撥ねて、歯を食いしばって顔を反らすのが暗闇の中で見えた。
二回、三回・・・・・・と大きく揺れながら痙攣しているのが合わせた肌から感じ取れる。
暗闇の中、彼女の哀願するような顔が見え、俺も欲望を解き放った。
声は大して上げさせられなかった。残念。まあ、何度でも挑戦させてもらおう。
・・・・・・
お読みいただき、ありがとうございました。
原作では、剣士の上位ジョブが出て来なかったのですけど、戦士Lv30で騎士のジョブが取得できているので、剣士Lv30で上位ジョブだよなぁ~と思いながら剣匠のジョブを勝手に作りました。
原作では主人公が剣士をLv30以上にしたのに次のジョブが取得できてなかったので、こちらで勝手な理屈を作りました。
原作の続巻で剣士の上位ジョブが出てきたら、本作の設定も変えるかもしれません(でも、今更変えるのは難しいかもしれませんが)。