異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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096.検証

 昼食の際に、午前中の探索状況をレドリックから確認。

 

「昨日と同様に問題は起きてないとの事です。

 モニカと双子の前衛陣が後衛への攻撃を許さず、

 ラファの魔法攻撃が威力を発揮するパターンがうまくハマっているようです。

 たまにダメージを受けてもフラウスの全体手当が直ぐに行われるので、

 今のところ問題は発生していないとヘルミーネが言ってました」

「そうか、分かった」

 だが、明日はどうしようかな。ミラとマヤの件もあるし。

 

「明日のことは、午後のミラとマヤの探索での状況を見てから判断しようか」

「そうですね。明日の編成を考えるにしても材料が足りていませんので」

 ラファ抜きの確認をしてから、上の階層に上げたいな。まあ、焦ることはないか。

 

 ミラは午前中に剣匠Lv11までレベルが上がっている。

 午後からの迷宮探索は5階層と10階層だから、Lv11なら何とか形にはなるだろう。

 剣士とスキルのスラッシュも同じだし、違和感なく戦えると良いのだが。

 

 

 護衛部隊の話が終わり、次はエネドラが俺に話があるようだ。

 

「旦那様、二つお伝えしたいことがあります。

 一つ目は、家具屋からタライが出来上がったと伝言があった旨、カラダンが伝えて参りました。

 二つ目は、ルーク殿からモンスターカード落札の伝言です」

「そうか、分かった。午後の迷宮探索は早めに終わるので、二つの件はその後に対応しよう」

 先にタライの納品を済ませてからルークの所に行くか。

 

「アミル、探索が終わったら昨晩の会議の後に話をしたスキル融合をしてもらっても良いか?

 倉庫に条件に合う鋼鉄の槍があったはずだ」

「分かりました、ご主人様」

 少し早い気もするが、情報収集がてら仕掛けてみよう。

 

 原作でも主人公とルークのやりとりはいくつもあるが、今一つルークの家の実力が測りにくいのだよな。

 落札金額を正確に覚えている記憶力、ハルツ公からの信頼、定期的にカードを落札できる実力・・・・・・今回もその辺りは変わらないようだ。

 元の世界から持ち込んだ鏡の取引にも価値を認め、等価交換という新しい取引にも順応してくれている。

 もう一押ししてみて、実力の限界らしきものを見てみたい。

 今回の取引だけで判断ができるかは分からないが。

 

・・・・・・

 

 昼食を終えて、午後の探索を再開。

 歩き回り、時折ワープで移動しながら魔物部屋を探す。

 やがて、見慣れた10m四方の辿り着けないエリアを特定。

 

 いつも通り、壁をペタペタと触りながら入口を探す。

 ガクンと引き込まれたところで、

 

(オーバーホエルミング)

 

 超速スキルをかけた後、ワープを使って脱出。

 

 視界に収めたので索敵でクリアになり、魔物部屋の任意の壁にワープ移動が可能になった。

 後はモンスターの密度の薄い場所の近くの壁にワープで移動して、サンダーストームを放ち、オーバーホエルミングをかけながら適度にデュランダルでMP回復するのを繰り返す。

 23階層以降はモンスターが少ししぶとくなったので、殲滅に要する時間がわずかに長くなったが探索の効率を落とすほどではない。

 

 殲滅が終わった後に四人で入って、ドロップ品拾いを行う。

 装備品もモンスターカードもない・・・・・・と思ったら、トカゲのカードがドロップしていた。

 ヴィルマが見つけて嬉々として、俺の所に持ってきた。

 これを使って、護衛部隊の耐熱装備を作れということだろうか。

 

 その後も、ボス部屋を求めて探索を続けた。

 ようやくボス部屋を見つけたのは、午後の探索再開から3時間後ぐらいだろうか。

 それでも、十分早い発見だったのかもしれないが。

 

 いつも通り、ボス部屋に入りフォーメーションを組んだ。

 

「ボスのマザーリザードは俺が引き受ける。二人はお供を頼む。

 アミルは遊撃でヴィルマのフォローだ。

 マザーリザードはお供のモンスターを呼び出すらしいので、

 万が一誰も相手する者が居なければアミルが対応してくれ。

 なるべく俺が片づけるようにするから」

「了解」

「了解」

「了解」

 

 ピコを小荷駄隊に移動させて、ボス戦開始。

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 イレーネの方に出現したブラックフロッグに博徒のスキルをかける。

 

 ヴィルマの方にはケープカープなので、アミルが槍で牽制して隙を作ろうとする。

 

(オーバーホエルミング)

 

 お供が出現する前にボスを倒せるか・・・・・・。

 超速スキルをかけて、マザーリザードにデュランダルと硬直のエストックと激情のダマスカス鋼剣で滅多打ちにする。

 オーバーホエルミングが切れる前に・・・・・・ボスは煙となって消えた。

 お供のモンスターを呼び出すことなく、ボスは倒せたか。

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

 イレーネの方は既に石化させていたが、ヴィルマ達の相手しているケープカープはひらひらと飛び回って面倒くさい。

 雷魔法2発を撃って、援護射撃だ。

 

 だが、そう都合良く麻痺になったりはしない。

 とはいえ、ケープカープ側も降りてこないと攻撃はできないので膠着状態だ。

 

 先にボスとブラックフロッグを削り倒そう。

 俺とイレーネは分担していたモンスターをガンガン削っていく。

 たまにサンダーストームをかけながら・・・・・・と麻痺になったか。

 

 アミルが槍で突いて固定して、ヴィルマが剣で乱打し始めた。

 麻痺付与を優先するため、手数を増やしてひたすら素早い斬撃を与え続けているようだ。

 やがて全てのモンスターが煙に変わった。

 

 ボスドロップも革か。通常モンスターのレアドロップと同じなのか。

 お供が落とした肝と軟膏を拾ってアイテムボックスに収納。

 

「フォーメーション変えて、ここのボスと数回戦ってみるか?

 今日は次の階層攻略はしないのでボスと戦わないなら、これで迷宮探索を終えるけど」

「主、やろう」

「ボスと戦いたい」

「私はどちらでも・・・・・・」

 予想通りの答えだ。

 

 一戦目はヴィルマがボスを担当。アミルがフォローで、博徒のスキルもボスにかけた。

 マザーリザードの攻撃を避けつつ、カウンターを見事に決め、5度目の反撃で麻痺が発生。

 その後はずっとヴィルマのターンで延々と殴り続ける・・・・・・彼女の顔に笑顔が・・・・・・怖っ。

 俺とイレーネは早々に石化させて、ノンビリと石削り。

 全体火魔法を一度だけ撃たれたけど、ほぼ完勝。

 

 

 二戦目はイレーネ単独でボスに挑んだ。博徒のスキルは一応ボスにかけた。

 マザーリザードの攻撃はイレーネにかすりもせず、淡々と硬直のエストックの刺突を繰り返す。

 10回も超えない程度に刺したところで石化となった。その後はひたすら削り倒していく。

 ヴィルマもお供を麻痺させて、その後は斬撃を継続。

 俺の方は早々に煙に変えて、二人の戦闘を見学。

 

「もう良いか?」

「そうだな。思っていた程でもなかった」

「もう少し手強い相手がほしい」

「あはは・・・・・・私はやりませんよ。ご主人様」

 

 28階層に一度抜けて、自宅にワープで戻った。

 

「じゃあ、アミル、例のスキル融合武器を頼むな。俺はベイルの方に行ってくるから」

「分かりました。作業部屋に居ますので、戻ったらお声がけ下さい」

 今日の午後はミラが迷宮探索だから、作業部屋はアミル一人か。

 

 

 ベイルの自宅にワープして、世話人の店に行って前回と同じく浴槽となるタライを引き取った。

 自宅の廊下からクーラタルの風呂場に拠点間物資輸送で転送。

 これで、クーラタルの自宅の風呂場は浴槽が3つとなった。

 仕切りの向こうの女湯側の方に新しい浴槽を設置。

 給湯設備も給水設備も設置した。

 

 桶が足りなくなるかも・・・・・・と思っていたが、既に予備がたくさん増えていた。

 恐らくエネドラの差配だろう。さすがに抜かりないな。

 

 食堂に居たエネドラに新しい浴槽と給水・給湯設備の設置を報告。

 

 次はルークの所に行くか。

 

「旦那様、私もご一緒しても良いでしょうか?」

「ああ、別に構わないぞ」

 

「では、護衛にはヘルミーネに付いてもらおうと思いますので彼女にも声を掛けてきます」

「分かった。俺は二階の作業部屋に行ってくる。

 アミルからスキル融合武器を受け取るから、玄関で合流しよう」

 商談が終わったら、商人ギルドで情報収集でもするのかな。

 

 二階に上がって、アミルの居る作業部屋に。

 

・・・・・・

 

「私もご主人様と商談の場に行きたいのですが・・・・・・」

「えっ、でも先日話をしたと思うけど

 アミルの失敗扱いの話にしてしまうのだが良いのか?」

 話の持っていき方としては、そういうことにしているので。

 

「はい。大丈夫です。私もルーク様がどのような反応をするのか見てみたいと思います」

「そうか、そこまで言うのなら一緒に行こう」

 自分の作ったものが相手にどう思われるのか気になるのかな。

 

 それとも、久しぶりに護衛任務に就いてみたいと思ったのか。

 

 自室で着替えて、アミルと一緒に一階に降りて玄関に向かった。

 既にエネドラも商談用の服装で待っていた。

 ヘルミーネも護衛装備で傍に待機している。

 アミルの方も護衛っぽい服装。

 男女比が1:3だが、商人エネドラに護衛三人と見えそうな気もするな。

 

 ちょっと悪目立ちしてしまうかな。直ぐに受付から応接室に移動すれば良いか。

 

「では行くか」

 

 玄関から商人ギルドの壁にワープゲート繋いで四人で移動した。

 

 受付でルークとの商談の希望を告げ、応接室でルークの到着を待つことに。

 

 さして待つこともなく、ルークとお付きの武器商人がやってきた。

 次は等価交換の取引だと告げていたから連れてきたのだろう。

 こちらが四人も居るから警戒したのかな。

 受付の人がこちらの人数を伝えているのかまでは知らんが。

 

 一通りの挨拶の後、商談へ移行。まずは、落札カードの件から。

 

「こちらが落札したカードとなります」

 

コボルト1、サイクロプス1、つぼ式食虫植物1

 

 3枚か。コボルトがもう一枚くらい欲しかったのだが仕方ない。

 

「いつも通り、全部いただこう。継続して落札の方を頼む」

「承知しました」

 落札に要した金額と3枚分の追加手数料を支払った。

 

「次の取引なのだが、こちらでスキル融合した装備があるので、

 等価交換での取引を行いたいと思う」

「左様ですか。どのような装備品なのでしょうか?」

 アミルに目配せして、アイテムボックスから槍を取り出してもらった。

 

「これになる。そちらで武器鑑定して確認してもらえるか」

「承知しました。では、ヌート・・・・・・」

 お付きの者に槍を手渡した。

 

 付き人のヌートと呼ばれる武器商人が武器鑑定の詠唱・・・・・・して鑑定を終えた。

 

「催眠の鋼鉄槍です。旦那様」

「なるほど、良い槍のようですな」

 ルークからは、良い装備品とはとても思えない表情に感じるのだが。

 

「そうだな。実はその槍には手違いがあってスキルが2つ融合されてしまっている」

「・・・・・・!」

 ルークの表情が揺らいだように見える。

 

「御戯れでおっしゃっている訳ではないのですよね?」

「もちろんだ。

 催眠の鋼鉄槍の融合に成功した後、

 別の槍で詠唱中断のものを融合しようと計画していたのだが、

 誤って融合済の槍に二重の融合をしてしまったのだ。

 我が家では、多数の融合を一人の鍛冶師が行なっているので、

 残念ながらこのような事故が起きてしまった。

 だが、不幸中の幸いで、二度目のスキル融合は成功してしまったようだ。

 なので、それには催眠と詠唱中断の2つのスキルが融合されている」

 ルークは黙ってしまった。

 

「ご存じかと思いますが、

 武器鑑定でも防具鑑定でも融合されているスキルは一つしか鑑定できません。

 過去に複数のスキルが融合されたことが、非常に稀ではありますがございました。

 その場合でも初めに融合されたスキルしか鑑定できませんでした。

 なので、複数のスキルを融合したと主張するのは、

 その装備品を持ち込んだ者の信用に依存する取引となります」

「そうなのか、それは不勉強で知らなかった。

 だが、今回に関しては信用に関係なく検証可能であろう?」

 ルークは不審気な顔でこちらを見ている。

 

「2つ目の融合は詠唱中断だと伝えたはずだ。

 試しに詠唱している者を槍で突いてみれば、

 この槍に詠唱中断のスキルがあることは自明となるはずだ」

「・・・・・・確かに!・・・・・・おっしゃる通りです」

 こちらの理屈が分かってもらえたようだ。

 

「旦那様、私が武器鑑定の詠唱を行いますので、

 その槍で私の足を軽く突いて下さい。それではっきりするでしょう」

「そうか。そうだな・・・・・・試させてもらっても・・・・・・?」

 ルークの言葉に頷いた。

 

 それにしても、言葉遣いからも動揺が読み取れるし・・・・・・ルークらしくないな。

 そんなに重大事件なのだろうか?

 

 ヌートが武器鑑定の詠唱をゆっくりと開始し、ルークが彼の足を槍で小突いた。

 

「グッ・・・・・・」

 付き人が少し顔を歪めた。ってか、ルーク強く突き過ぎじゃないか?焦ってる?

 

 まあ、見た目には詠唱が途中で中断されたように見える。

 痛かったから中断した訳ではないよね?

 示し合わせてやっているのならば、単なる夫婦漫才なのだが。

 

「旦那様、詠唱は途中からできなくなりました。

 確かに、その槍には詠唱中断のスキルが付与されているようです。

 今一度、申し上げますが、武器鑑定をした際には催眠の鋼鉄槍としか判定されておりません。

 その槍には二つのスキルが付与されていると判断して間違いないと考えます」

「・・・・・・そうですか・・・・・・本当に二つのスキルが付与されているのですね」

 ルークの顔はいつものポーカーフェイスの表情がなくなってしまった。

 

 槍が返却され、アミルに手渡してアイテムボックスに仕舞ってもらった。

 

「タケダ殿は、この槍をオークションにかけずに等価交換の取引をされるのでしょうか?」

「そのつもりだ。オークションにかけるつもりはないな」

 オークションでは、有力商人に有利な状況に持ち込まれかねない。

 

 最低落札金額を非常に高額に設定する手もあるのかもしれないが、そこまでしてもな。

 大金が全く欲しくない訳ではないが、今は金よりもモンスターカードと素材の方が必要だ。

 

「それで、偶然できあがってしまった2つのスキルが融合された槍、

 これにルークならどの程度の素材とモンスターカードの価値を認めるのだろうか?」

「即答致しかねます」

 ここまでは想定通りだ。

 

 あとは、後日の返答を待って、取引を行うのか流すのか決めればよいだけだ。

 

「まあ、そうであろうな。こちらとしても、この場で返事がもらえるとは思っていない。

 いつも通り、回答内容がまとまったら伝言をお願いできるだろうか?」

「承知しました。今回は少しお時間をいただくことになりますが、

 まとまり次第、伝言するようにいたします」

 ルークの言葉に頷いた。

 

「こちらの要望としては、素材はダマスカス鋼もしくは竜革だ。両方でも構わない。

 モンスターカードについては、アリ、羊、灌木、サンゴ、トカゲ、蝶、人魚、ゴーレムだ」

「承知しました」

 相手側が何枚カードを出してくるのか分からないので、最大限の幅を持たせるために種類を多めに言っておきたい。

 

 ここで、一気に魔法耐性と状態異常耐性の装備品への目処を付けたいというのもある。

 

 どの程度の時間をかけて、どの程度の回答をもらえるのか・・・・・・今回検証したい情報はそこなので、丁寧に検討して回答してもらいたい。

 この検証結果によって、今後の取引も考え直す必要があるだろうから。

 

 二人に礼を言って、俺達は引き揚げることにした。

 ルークの挨拶はいつもより余裕がなく、興味深い一面が見られてような気がした。

 

「旦那様、私は商人ギルドで情報収集をしようと思います。

 護衛にはヘルミーネが居ますので心配ありません」

「そうか」

 護衛としてはヘルミーネは全く心配ないと思う。

 

 元は貴族であるラファの護衛だったし。捕まって奴隷になってしまったとはいえ。

 

 どちらかというと元貴族で所作が優雅な所が悪目立ちしないかという点が気になるか。

 まあ護衛だから、それ程目立つことはないだろう。

 ああ、でも髪とか肌とかが凄く綺麗という点では目立つか。

 石鹸販売の事前プロモーションになるか?

 護衛も毎回違うという点で、我が家の力を見せていることになるかもしれないな。

 

「あの・・・・・・旦那様?」

「いや、なんでもない。気を付けて行ってきてくれ」

 いろいろと思考の迷路に入り込んでいたようだ。反省。

 

 二人と別れて、アミルと一緒にギルドの壁から自宅にワープで移動。

 

「アミル、ルークの今日の態度はどう思った?」

「そうですね。いつものルーク様と比べてかなり焦っているように思えました。

 複数のスキルが付与されているというのは、それほど衝撃的なことなのでしょうね」

 そのようだな。

 

 だが、確率的に見れば俺にはそれほど大した事には思えないのだよなぁ。

 まあ、ルークからの回答待ちだから気長に構えていよう。

 

 アミルを自宅に送り届け、俺はオネスタさんの店へと向かった。

 

・・・・・・

 

「そろそろ、今の家が引き渡されたから30日経過するが、

 これを機に賃貸ではなく購入をしたいと考えている」

「そうですか。それはこちらとしても歓迎いたします」

 エネドラと昨晩のうちに決めていたことだ。

 

 もう、空き部屋もほとんど無くなってきたので、増築するためには購入せざるを得ない。

 増築する部屋数もそうだが、周りの土地も確認して可能なら敷地を広げたい。

 

「購入するのは確定だ。そしてできれば増築したいとも考えている。

 あの家を作った大工の紹介や増築に際しての相談に乗ってほしいと思っている。

 それに加えて、あの家の近辺で購入できそうな土地があれば、

 買い上げて今の我が家と繋げた一軒の家にしたいとも考えている」

「それはまた、壮大なお話ですね。商売繁盛でなによりです」

 か、軽いノリだなぁ。

 

「今日は購入の手続きを済ませて、また別の機会にこちらに来るので、

 その時までに何か良い提案をしてもらえないだろうか?」

「はい。大丈夫ですよ。大工にも相談しておきますし、周りの地主にも確認をとってみます」

 さすがに敏腕な世話人だ。頼りにしている。

 

 インテリジェンスカードのチェックもなく、大工の紹介料と合わせて3割引を効かせた金額で購入金額を支払った。

 

 持ち金は100万ナールちょっとになったな。

 土地も買いたいし、増築もしたい。将来はザビルに商店も構えるのだっけ。

 これからも頑張って稼がなければ。

 

 こちらの土地の要望や建物に対する希望も彼女に一通り伝えて、店を後にした。

 

・・・・・・

 

 自室に戻って久々にマッタリと。

 

 二軒目の家を購入してしまった。

 自分はこの世界では一応17才という年齢になっている。

 

 17才で家を二軒も購入して、迷宮探索に挑み、自分の所有する奴隷も20人以上、そして日々ハーレム三昧。

 ゲームの世界でなければ実現し得ないような事ばかりだ。

 自分は完全にゲームの世界の住人になってしまったということなのだろうか。

 

 この夢がいつ覚めるのか、そのまま突き進めるのかは分からない。

 分からないが・・・・・・覚めないことを願って、これからも自分のやりたい事をやっていこう。

 まだまだ、いせはれの世界でやってみたいことはあるのだから。

 

・・・・・・

 

 夕食の時間となり、レドリックとエネドラから情報の共有。

 

「ミラとマヤは盾を持ってさえいれば、低階層は問題なく探索可能でした。

 一度ぐらいは毒を受けるのではないかと思ったのですが、

 盾を上手く使って、スパイスパイダーやニートアントの攻撃をいなして、

 結局、一度も毒を受けることはありませんでした」

「そうか、頼もしいな。

 ミラは鍛冶師を継続するから問題ないが、マヤは剣匠のままジョブを育成するか悩ましいな。

 剣匠のスキルはスラッシュで片手での剣でも問題ないが、

 上位ジョブの剣聖は両手で剣を使ったスキル攻撃だからなぁ」

 剣聖は俺のような四本腕とは相性が良いのだが、盾持ちで片手で剣を操る者とは相性が悪いのではないだろうか。

 

「そこは悩みますね。

 戦士にする手もありますが、戦士も派生ジョブがちょっとマヤとは合わなそうですし」

「そうだな。当面は焦らずに剣匠のままでいってみるか。

 そのうち良い方法が見つかるかもしれないから。

 今は迷宮に慣れることを目標にしておくか」

 俺の言葉にレドリックも頷いた。

 

「明日からの迷宮探索にミラとマヤを組み入れた編成を考えてみます」

「分かった。よろしくな」

 ミラは鍛冶師のLv40以上までにはしておきたい。

 

 マヤも剣匠でLv40前後までは育てて、その後また考えるか。

 本当は盾職のジョブがあれば良いのだが見当たらないし、あえて挙げるのなら騎士なのだよな。

 騎士はでもちょっとねぇ。

 

 レドリックの次はエネドラからの報告。

 

「前に激情の鋼鉄剣の取引をした商人から次のスキル融合装備品の要望がありました。

 詠唱中断の槍か耐毒の硬革防具が希望のようです」

「そうか、夜の会議でまた相談しよう。基本的には受ける方向で検討しよう」

 我が家のスキル融合武器の取引の噂が広まってるらしく、他にも打診があったようだ。

 

・・・・・・

 

 夕食も風呂も終えて、会議の時間となった。

 

「明日の迷宮組はクーラタル29階層と30階層の突破を予定している。

 そして、明日の夕方には7日間の作業習熟期間を終えて

 剣術指南所の子供達を帰宅させることになるので立ち会う予定だ。

 レイモンドは子供達をターヘラに送ることになるので、

 レドリックは迷宮探索の終了時間には気を付けてくれ」

「承知しました。旦那様」

 大枠の予定はこの通りか。

 

「レドリック、明日の迷宮探索の編成はどうする?」

「午前はヘルミーネ、ケリー、マリー、ミラ、フラウス、ラファの6人で15階層攻略です。

 午後はレイモンド、ミラ、マヤ、モニカ、フラウスと私の6人で同じく15階層にします。

 いずれも新人の慣らしが目的となります」

 午前はピコ達の冒険者の育成して、午後はラファ達4人のレベリングにするか。

 

 ピコ達はアルマーが出自の経緯を知ってるから、冒険者としてターヘラに向かわせられない。

 この前まで村人だったのに、今は冒険者とか意味不明だし。

 

「ピコ達は冒険者のジョブが取得できたので、午前中は冒険者のジョブで経験の共有を行う。

 午後はラファ、ヘルミーネ、ケリー、マリーに経験の共有を行う予定だ」

 ピコだけは商人のジョブも育てなければならないから注意しないと。

 

 そして、ピコ達が冒険者のジョブを取得したことにヘルミーネは衝撃を受けたようだ。

 気持ちは分かる。

 この前まで村人ジョブだったのに、追い越されてしまったのだから。

 

 その後は、チクルスとアミルから生薬や装備品についての生成報告があり、若干の質疑応答。

 生薬はかなり倉庫に貯まってきたので、そろそろ薬師ギルドに納品したいとの事。

 

 エネドラの旧知の商人へのスキル融合武器は強権の鋼鉄槍か耐毒の硬革鎧のどちらでも良いと助言しておいた。

 

「では、これで会議は終了とする。明日もよろしく頼むな」

 

 お休みの挨拶をして解散とした。

 

 

 会議が終わっても、俺は本日のとりまとめをしなければならない・・・・・・。

 

 

【拠点名】クーラタルの邸宅<本城>(2/4)▶

 

【拠点名】ベイルの屋敷<支城>(1/4)▶

 

■人材育成/採用(ユキムラ)▼

①人材育成 ※新規加入メンバ中心にパワーレベリング。迷宮での習熟訓練を行う

<軍事系>

ユキムラ(百鬼夜行Lv56/英雄Lv56/勇者Lv55/遊び人Lv56/魔道士Lv56/刺客Lv56/博徒Lv57)

アミル(鍛冶師Lv56/冒険者Lv29)、ヴィルマ(百獣王Lv31)、イレーネ(刺客Lv32)

レドリック(剣匠Lv27⇒剣聖)、モニカ(剣匠Lv30⇒剣聖)、レイモンド(冒険者Lv22)

ケリー(獣戦士Lv29⇒百獣王)、マリー(獣戦士Lv29⇒百獣王)、フラウス(巫女Lv32)

ラファ(巫女Lv28/魔法使いLv45)、ヘルミーネ(探索者Lv44⇒冒険者)

ミラ(鍛冶師Lv25)、マヤ(剣匠Lv11⇒剣聖) ※マヤの最終ジョブは要検討

 

<後方支援>

ピコ(冒険者Lv1/商人Lv1⇒武器商人)、ビンス(冒険者Lv1)、リック(冒険者Lv1)

 

【育成保留中】エネドラ(武器商人Lv47)、チクルス(薬師Lv34)、ポーラ(僧侶Lv29)

        カラダン(奴隷商人Lv15)、ミモザ(薬草採取士Lv45⇒薬師:保留中)

 ※アミル:隻眼のジョブ取得条件は不明のまま。装備品のスキル融合数を増やす

 

②採用

 後方支援メンバ、護衛メンバ、迷宮探索メンバを拡充(逐次奴隷商館巡りをする)

  ⇒迷宮探索メンバ、護衛メンバの拡充を図る

 

■軍事(ユキムラ/レドリック)▶

 

■商業/取引(ユキムラ/エネドラ/カラダン)▼

①ビー玉(ビッカー):8個52000ナール(在庫:32個)

  ⇒次回より8個単位で売却。次回は14日後、ビッカーに納品

 

②鏡(ルーク):2枚39万ナール(在庫:6枚)

 

③モンスターカード取引:ルークにオークション依頼中

 

④スキル融合防具(ルーク)    :等価交換取引継続依頼中

  ⇒本日、複数スキル融合武器(催眠の鋼鉄槍(催眠、詠唱中断))の取引打診。返事待ち

 

⑤スキル融合武器(エネドラ知人):初回取引完了。継続取引中。

  ⇒本日、商人ギルドで詠唱中断の槍、耐毒防具の要望の打診有。

 

⑥鏡(ペルマスク製)取引(ハルツ公爵領):初回納品済。次回取引の予約有

 ⇒ペルマスクで購入し、15枚納品済。次回は23日後に15枚納品予定。

 

⑦取扱商品の拡充:ターヘラの瑪瑙を検討する

  ⇒タケダ家で販売会を企画する

 

⑧石鹸の販売:取引ルートの検討から

  ⇒貴族向け、一般富裕層向けなど商品毎の商流と初回ターゲットを確定させる

  ⇒一般富裕層向けはオークション出品、ペルマスクへの委託販売の検討を行う

 

■開発(エネドラ/カラダン)▶

 

■生産(チクルス/アミル)▶

 

■その他/クエスト▶

 

 

 

明日の予定

(午前)

・俺   :クーラタルの29階層攻略

・アミル :クーラタルの29階層攻略

・ヴィルマ:クーラタルの29階層攻略

・イレーネ:クーラタルの29階層攻略

・エネドラ:朝食・昼食準備、石鹸量産(with ポーラ、ミモザ)

・チクルス:朝食・昼食準備、洗濯、生薬生成

(午後)

・俺   :クーラタルの29/30階層攻略、剣術指南所の子供達の帰宅対応

・アミル :クーラタルの29/30階層攻略、装備品作成、スキル融合、ミラの指導

・ヴィルマ:クーラタルの29/30階層攻略、訓練

・イレーネ:クーラタルの29/30階層攻略、訓練、(ブラヒム語勉強)

・エネドラ:夕食・朝食の準備、石鹸量産(with ポーラ、ミモザ)

・チクルス:夕食・朝食の準備、生薬生成

※夜は定例会議

※ポーラ/ミモザ(家事)、レドリック/レイモンド/ヘルミーネ(護衛、訓練、迷宮探索)

※ラファ/モニカ/ケリー/マリー/フラウス(護衛、訓練、迷宮探索、掃除、雑用等)

※ミラ(鍛冶師習熟、訓練、掃除、雑用等)、マヤ(訓練、掃除、雑用等)

※カラダン(剣術指南所の子供達の作業習熟統括、剣術指南所の子供達の帰宅対応)

※ピコ/ビンス/リック(剣術指南所の子供達の生活指導/石鹸作成習熟)

 

 

 ベッドに横たわりながら・・・・・・

 

 

(コン、コン・・・・・・)

 

 

・・・・・・

 

 エネドラの豊かな胸に埋もれながら、至福の一時・・・・・・。

 彼女の胸の中は良い香りがして、いつまでも埋もれていたい衝動に駆られる。

 

 でも、することはシタから余裕がある訳で、先程まではそんな余裕はとてもなかった。

 何故ならベッドの中で確認したら、エネドラの下の方はLv3の状態だったので。

 何がLv3だったのかの詳細は割愛するが・・・・・・。

 

 チクルスがどうやって説得したのかは確認していない。

 ドアを開けた時のエネドラの真っ赤な顔はとても可愛かった。理性がはじけそうになった。

 訪ねてきた時には、ちゃんとズボンを履いていたので理由はよく分からなかったのだが。

 

 ともかく、効果の検証はできたので十分だろう。

 

 

・・・・・・

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