異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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104.ドブローの盗賊(その2)

 出発の準備をしていた馬車と護衛達に盗賊達が襲い掛かった。

 南側から包囲しようと盗賊達が移動しているように見える。

 俺から一番近いのは馬車の進行方向である東側から押し寄せようとする盗賊達だ。

 

★ドブローの盗賊襲撃図(馬車、建物、地形のサイズは分かり易くするため変更してます)

 

【挿絵表示】

 

 

 奴等は背を向けている。だが、こちらも正面から正々堂々と戦う気など全くない。

 相手のレベルが低かろうが、複数人で取り囲まれたら万が一ということもある。

 

 ダッシュで駆け寄り、一番後方の盗賊の首を後ろから刎ねる。

 そのままスピードに乗って、前に居た盗賊二人の首も続けざまに刎ね飛ばした。

 

 右に居た盗賊が気付いたようだが、デュランダルを伸ばして盗賊の腹にブッ刺した。

 

「グッ・・・・・・」

 声を出そうとした首をそのまま刎ねる。

 

 左側にいた盗賊は気付かずに鬨の声を上げて、馬車に向かって歩いている。

 

「おい、こっちの盗賊達は任せろ。加勢するぞ」

 

 馬車の周りに居た護衛達に、ここで初めて声をかけた。

 

 俺の声に左に居た盗賊が驚いてこちらを向いたが、もう距離を詰めている。

 

「お前は・・・・・・」

 

 剣をこちらに向けてくる前に、胸にデュランダルを突き、腹を蹴飛ばして首を刎ねた。

 

 そのまま、馬車を中心に時計周りに移動して、盗賊達へ側面攻撃を加えていく。

 誰か一人ぐらいは捕虜に・・・・・・などという余裕はない。

 こちらから見えない方面の戦局が不明だから、目の前の敵を速やかに排除したい。

 

 索敵で状況を確認したいが、その時間すら惜しい。

 目の前に見える敵をひたすらデュランダルで切り捨てていく。

 

 ようやく馬車の護衛達全員が見えてきたが、中には一人で二人と戦ってる者もいる。

 

「こちらの盗賊達は全滅させたぞ。今、加勢に行くから守りに徹しろ!」

 

 適当なブラフを大声で叫んで、盗賊達の意識をこちらに向けさせる。

 

 そして、目の前で剣を構えた盗賊にデュランダルを牽制で使いながら、硬直のエストックの刺突を連続でかます。

 腹を押さえて前屈みになった盗賊の頭をデュランダルでカチ割った。

 

「おい、こっちの仲間が全然いないぞ・・・・・・」

 盗賊の一人が、東側の戦況に気付いたようだ。

 

 味方の士気を落とす発言をしてくれた盗賊も袈裟懸けで斬りつけ、首を刎ねた。

 そろそろ、数で逆転してないだろうか。

 

(索敵)

 

 マップに見えるグレーの点は8つ。現時点では減ってないが、負傷者の数は分からない。

 赤い点は6つだ。馬車側の戦力に俺を入れれば頭数ではこちらが多くなった。

 

 素早く、西側に布陣した盗賊達の背後に回り込んだ。

 これで盗賊の全滅は時間の問題だろう。

 

「もうお前達6人しかいないぞ。諦めて降伏しろ!」

「そ、そんな馬鹿な・・・・・・」

 

 狼狽えても武器を捨てないので、構わず後ろから斬り捨てた。

 

 こちらの圧力に怖気づきながら振り向いた盗賊を護衛達二人が一斉に斬りかかって斬殺した。

 これで残りは4人か。

 

 4人のうち、2名がこちらと向かい合っていて、2名が護衛達の方を向いて背中合わせに布陣している。

 

(鑑定)

 

 

クレッグ(人間族 男 41才)

兇賊Lv18

装備 エストック 硬革の鎧 硬革の靴 硬革のグローブ 盗賊のバンダナ

 

盗賊Lv28

装備 鋼鉄の剣 硬革の鎧 硬革の靴 硬革のグローブ

 

盗賊Lv24

装備 レイピア 硬革の鎧 革の靴 革のグローブ

 

盗賊Lv15

装備 シミター 硬革の鎧 革の靴 革のグローブ

 

 

 こいつら盗賊にしては武装が良過ぎるだろう。

 これらの武器で何人の商隊の者や護衛達を殺してきたのか。

 

 盗賊のバンダナをしている奴は、この盗賊集団の頭目なのだろうか。

 頭目だからバンダナをしているとは限らないが、ゲーム的な観点で考えてしまう。

 

 

 逃走を図ろうと兇賊Lv18と盗賊Lv28の二人が武器を振り回しながら俺に突撃してきた。

 二対一の戦闘を避け、兇賊をデュランダルで横一文字に切り払い、背後に回って首を刎ねた。

 

「頭領がやられて。もうダメだ・・・・・・」

 

 前方で盗賊の誰かが発した声が聞こえたが、構っていられない。

 やり過ごした盗賊Lv28を全力で追いかけて後ろから斬り捨てた。

 ヨタヨタと後ろを振り返りながら逃走しても、逃げ切れるはずがない。

 

 馬車の方に戻ると、残った二人の盗賊のうち一人は切り捨てられ、一人は武器を投げ捨て両手を上げて命乞いをしていた。

 一番レベルの低かった盗賊のようだ。

 

「おい、そちらに怪我人はいないか?」

「ああ、少し負傷したが、僧侶が二人いるから大丈夫だ。

 そっちこそ、血塗れだが大丈夫なのか?」

 俺の方は全て返り血だよ。

 

 奴等の刃は一度たりとも俺には届いていないはずだ・・・・・・だが、確かに俺の鎧やグローブは酷く血に汚れている状態だ。

 後でエネドラ達に凄く怒られる未来が想像される・・・・・・が、まだ終わった訳ではないから気を引き締めないと。

 

「あんたは何でこんな所に?」

 剣士の男が俺に話しかけてきた。こいつが護衛部隊のまとめ役か?

 

 横に雇い主と思われる商人もいる。

 

「俺の名前はユキムラでジョブは冒険者だ。

 ドブローの鍛冶師ギルドから盗賊を捜索する任務を請け負っていてな。

 たまたま見つけたら襲撃を受けていたので、討伐の支援をさせてもらっただけだ」

「支援って、お前がほとんど切り捨てていたじゃないか。

 捜索任務ではなく、討伐任務を請け負ったのではないのか?」

 それは成り行きというものだ。

 

 それに、まだ全ての盗賊を見つけ出した訳でもないだろうし。

 引き続き、()()()()任務は続行だ。

 

「それで、この商隊はこの後どうするつもりだ?このまま目的地に向かうのか?」

「いえ、さすがにこのまま向かうのはちょっと・・・・・・一度、ドブローに戻ろうと思っています。

 捕まえた盗賊もいますし」

 あ、そうだ忘れていたけど、捕虜が居たのだった。

 

「この後の捜索もあるので、そいつに尋問させてもらっても良いか?」

「ええ、それは構いませんよ。

 あと護衛達に盗賊達の装備品やインテリジェンスカードの回収をさせて、お渡ししますので」

 それはとっても助かるな。

 

「ああ、頼む。じゃあ、ちょっと盗賊と少し話をさせてもらうな」

「私もご一緒させてください」

 まあ、仕方ないか。あまり聞かせたくない話もあるのだけど。

 

 俯せにさせられ後ろ手で縛られている盗賊の所に向かった。

 

「おい、お前達の他の仲間のことを教えろ。

 ちなみに向こう側の小屋にいた8人は俺が全員切り捨てた。

 盗賊のバンダナをしていた首領っぽい奴の首も刎ねたぞ。

 それから、その小屋の方に向かっていた6人も切り殺した。

 俺が知りたいのは、それ以外の人数だ。

 馬車を襲撃しにきた盗賊仲間はお前を除けば16人のはずだが、全員死んだぞ。

 もう一度言うが、それ以外の奴等の人数とアジトの場所を教えろ」

「・・・・・・」

 盗賊だけでなく、俺の横にいる商人も『こいつ真面(マジ)?』という顔をしている。

 

 だから商人の方には聞かせたくなかったのだが。

 護衛が二人討伐して、捕虜が一人だから、午後だけで全部で28人切り捨てたのか・・・・・・確かにドン引きだ。

 これからまだ増える予感もするが。

 

「他の生き残っている仲間は6人のはず・・・・・・。

 アジトに残してきたのが6人だから」

「そうか」

 こいつの話が本当なら、やっと終わりが見えてきたな。

 

 そいつらを見つければ終わりか。

 日が暮れると面倒になるだろうから、さっさと終わらせたいな。

 

「アジトのおよその場所を教えろ」

「はい・・・・・・」

 

 本当はギルドから借りてる地図の写しで説明を求めたいが、これは他人に見せられないし、そもそも地図で正確に教えられるとも思えない。

 捕虜の盗賊から、だいたいの場所と目印の情報を聞き出した。

 

「アジトに居る捕虜の情報を話せ」

「下っ端なので、捕虜のことは全然分からない。

 最近、奴隷商人が一人連れてこられたと聞いたぐらいだ」

 それがリディ達の雇い主のことだろうな。

 

「この近辺で活動を始めたのは、いつ頃からだ?」

「自分は10日前ぐらいに盗賊仲間に誘われてきたので、それ以前のことは分からない」

 盗賊達の活動期間を今更知っても仕方ないか。

 

 尋問を終えると、剣士の男がやってきた。

 

「左腕は回収したので、インテリジェンスカードが出てくるまで、もう少し時間がかかる」

「そうですか、では、もう少し待ってからドブローに戻りましょうか。

 あなたは、この後、盗賊の捜索を続行されるのですよね?

 もし、よろしければ私の方で鍛冶師ギルドの方に説明しておきますけど」

 作業をしてくれた剣士の言葉や商人の申し出がとても嬉しい。

 

 本当に助かるな。この後、どれぐらい時間がかかるかは出たとこ勝負だし。

 ドブローの騎士団はともかく、ワーレンには今日中に少しでも情報を入れておきたい。

 

「ああ、そうしてくれると助かる。俺に依頼したのはワーレンという人だ。

 それと盗賊捜索と別でやることがあって、

 直ぐに戻ってくるから待っていてもらって良いだろうか?」

「はい。構いませんよ」

 あの二人をいつまでも放置はできないからフォローしておかないと。

 

「あと頼みがある。

 別の商隊の護衛二人が生き残っているのを見つけたので、

 ドブローまで一緒に連れていってやってほしい。

 二人の仲間の一人が殺されたのだが、その遺体も一緒に運んでもらえないだろうか?」

「分かりました。それくらいなら大丈夫ですよ」

 商人は痛ましい顔をして、俺を見つめている。

 

「じゃあ、ちょっと行ってくる」

「はい。お気を付けて」

 

 向かいの森の中に急いで分け入った。

 商隊の者から見えなくなった所で、北の小屋の壁にワープで移動。

 

 索敵で確認すると、小屋の北側のすぐ近くの林の傍に二つのグレーの点がある。

 その近くまで行って、声をかけた。

 

「おい、もう大丈夫だから出てきても良いぞ」

「・・・・・・」

 憔悴し切った二人が森から出てきた。

 

 生き残ったら生き残ったで、今後のことが心配なのだろう。

 殺されてしまった四人の後始末もあるのかもしれない。

 どういう仲間達だったのかまでは知らないが、涙を流すくらいだから親しかったのだろう。

 

「お前達二人はこれからどうするのだ?」

「どうすると言われても・・・・・・」

 二人は涙目でお互いの顔を見合わせている。

 

「一緒に盗賊を討伐した者達に頼んでおいたから、

 ドブローまでお前たちを送ってやることができる。ベイトという男の遺体も一緒にだ。

 だが、送り届ける先は鍛冶師ギルドだ。

 自分達が盗賊にどのように襲撃されたのかをそこで説明してもらいたい。

 お前達が護衛していた商人は俺がこれから探してみる。

 盗賊達のうち20数名は、さきほど他の探索者達の活躍もあって討伐した。

 その際に捕虜も1名確保してアジトの場所や残りの盗賊の人数も把握した」

「そんなことが・・・・・・でも、ドブローに帰れるのですね。ベイトと一緒に・・・・・・」

 リディの言葉に頷いた。

 

 盗賊を倒したのはほとんど俺だが、そんな説明は二人にはできない。

 それよりも片づけたいことがある。

 

「これから護衛なり迷宮探索なりを続けるのか、辞めるのか知らんが金は必要だろう?

 盗賊のインテリジェンスカードは俺がもらうが、

 小屋の装備品やそこに転がってる盗賊の装備品はお前たちが持っていけばよい。

 今お前らは丸腰に近い状態だから、その装備品は役に立つだろう?」

「良いのですか?あなたが討伐したのに」

 

「全く構わないから好きにしろ」

「ありがとうございます」

 

 三人で小屋の方に戻り、俺はインテリジェンスカードを回収し、装備品の方は二人に任せた。

 

「終わる頃に、またこちらに来るから手早く頼むぞ」

「はい。分かりました」

 

 小屋の壁から、今度は切り捨てた6人の盗賊の近くにワープで移動。ちょっと忙しいな。

 左腕からインテリジェンスカードは出ていたので回収し、6人の装備品の回収作業を開始。

 

 迷宮と違って、装備品だけ残らないから面倒だが仕方ない。

 遺体になっている盗賊を見ても、全く心が揺らがないのは不思議な感じだ。

 この世界に順応し過ぎているのかもしれない。相手が盗賊だからというのもあるのだろうか。

 ひたすら装備品を引き剥がしていく。芥川龍之介の『羅生門』を思い出すな。

 

 回収作業が終わったので、再び二人の所に戻った。

 

「どうだ?終わったか?」

「はい。終わりました」

 ベイトの遺体には、大きな布袋が掛けられていた。

 

「他の三人の遺体は後から探し出せるか?

 盗賊達がどこかに埋めているかもしれないが・・・・・・」

「今はドブローにベイトと三人で帰りたいです」

 それなら、もう俺が言うことはないか。

 

「分かった。では、俺のパーティに入ってくれ」

 

 パーティ編成の詠唱をして、二人がパーティに加わった。

 

 フィールドウォークの呪文を詠唱して、小屋の壁から商隊の居る近くにゲートを繋げて四人で移動した。

 布袋がかかったベイトの遺体を俺が運び、荷馬車の所まで二人を案内した。

 

「悪い。遅くなった。この二人をドブローまで頼む。

 あと、これがその二人の仲間の遺体だ。荷馬車に乗せてもらえるだろうか?」

「はい。大丈夫です。こちらへ・・・・・・」

 既に場所を空けてくれていたようなので、そこに丁寧に置かせてもらった。

 

「これが、そちらの倒した盗賊達のインテリジェンスカードと装備品一揃いです。

 こちらの護衛が倒したのは2人なので、あなたの倒した14人分となります。

 確かめてみて下さい」

「あ、ありがとう・・・・・・」

 リディ達の前で俺が倒した人数を言わないでほしかった。

 

 いずれはバレるのだろうけど・・・・・・もう、今更か。

 

 インテリジェンスカード14枚を受け取った。北側で倒した14枚と合わせて28枚になった。

 これを騎士団の詰所に持っていくのか・・・・・・ドン引きされそうな・・・・・・でも、この世界に来た時にベイルで提示した枚数と大して変わりないか。

 もう開き直ろう。

 

 14セットの装備品をアイテムボックスを開いて、粛々と収納していく。

 北側で回収した6セットの装備品と合わせれば20セットだ。

 

 明日以降、大がかりな洗浄作業が発生するなぁ。エネドラ達になんと説明したものか。

 それ以前に今日の出来事の説明の方が頭が痛い。

 自重・・・・・・自重しながら戦ったよな?・・・・・・多分。

 

 まだ、これから6人の盗賊を倒すのだよな。奴隷商人の人質もいるのだっけか。

 先の事を考えるのは止めて、任務の遂行・・・・・・目的の達成のことだけを考えよう。

 元々は竜革の素材が欲しくて引き受けただけだし。

 あれっ?・・・・・・それが何故こんな大袈裟な事態に???

 

「その盗賊はそちらで捕縛して、そちらで連行するのだから、

 俺は一切権利を主張しないので好きにしてくれ」

「よろしいのですか?あなたが居なければ、とても降伏しなかったと思いますけど・・・・・・」

 商人の言葉に頷いた。

 

 これ以上、面倒な手続きには関わりたくないというのが本音だ。

 盗賊なら村人ジョブに戻されるのだろうか。いずれにしても大した金額ではないだろう。

 山ほどインテリジェンスカードが手に入って結構な懸賞金になるから別に惜しくもない。

 

「時間が惜しいので、俺はこれから盗賊捜索を再開する。道中、気をつけてな」

「あなたの方も、気をつけてくださいね」

 商人とリディ達に手を振って別れ、森の中へと進むことにした。

 

 

 森に入って暫くしてから、双眼鏡で見える高所にワープで移動。

 索敵スキルを東西南北に向けて実施しながら、高所をワープで渡り歩く。

 

 捕虜になった盗賊から聞いた話だと、もうしばらくすれば目的地のはずだが。

 獣道のような間道を歩いて南北のアジトを行き来していたと言ってたから、説明した内容と実際の地形が異なっていることは十分あり得る。

 

 こちらは、ひたすら高所移動を使って、とにかく網にかかるまで続けるしかない。

 森の中を闇雲に探しても効率が悪そうだし。

 

 日暮れが迫ってくる中、ようやく目標となる小屋を発見。

 北側にあった小屋よりも大きな建物だが、丘の向こう側なので見つからなかったのだろうか。

 

 見張りらしき者は一人か。

 捕虜の話が正しければ、あの小屋の中に盗賊の一味が他に5人と捕虜になった奴隷商人がいるのか。

 

 見張りに見つからないように注意しながら、小屋をグルッと回るように高所となる場所をワープで移動して周囲のエリアをクリアにしていく。

 窓は・・・・・・南側にあるな。太陽の光が入るようにか。

 小屋が大きいだけあって、窓が二つ開いている。

 二つの窓の間の間隔からすると二部屋以上はあるのだろうか。

 周りは遮蔽物となる林や木が多いので、小屋に近づくための隠密移動には最適だ。

 

 いつも通り、小屋の壁にワープで移動するか。

 

 ん?窓が二つとも閉められた。日暮れまでには、もう少し時間があるはずだが。

 強行突入がやりにくくなったな。

 

 窓が閉じられているのなら、遠慮なく南側の壁にワープで移動できるか。

 手近な木の幹から、小屋の南側の二つの窓の間の壁にワープゲートを繋いだ。

 ゆっくりと静かにゲートから出て壁に張り付いて、小屋の中の音に聞き耳を立てた。

 

 小屋の中は何やら慌ただしい音がする。

 

(ギィー・・・・・・)

 

 小屋のドアが開いたような音だ。

 

(索敵)

 

 小屋の周囲のマップを開くと、赤い点が6つとグレーの点が2つ外に出てきた。

 移動するのか。

 

 商隊を襲った連中が戻ってこないから警戒されたのか、それとも確認しに行くのか。

 確認するだけなら全員で移動する必要はないか。

 それにしてもグレーの点が2つということは、捕虜が2名いるのか。

 奴隷商人の他に、前から捕まっていた者がいるのかもしれないな。

 

 マップを確認しながら8人が移動する方向に注意を向ける。

 商隊を襲った地点・・・・・・街道の方とは逆方向に移動し始めた。

 逃走するつもりか。

 

 いつまで経っても、仲間が戻ってこなければ警戒するのは当たり前か。

 確認に何名か寄越してくれれば各個撃破できたのだが、用心深いのだろうか。

 

 小屋の南側に向かって移動し始めたので、出会い頭で見つからないように、オーバーホエルミングをかけて急いでワープで移動。

 高所に移動したので、8人の集団の移動方向を確認。

 まだ、先程、索敵でクリアにしたエリアの中だが、森の中をゆっくりと移動している。

 チラっと見えたが、捕虜らしき者はフードのあるコートのような者を着ていて、両腕には縄のようなもので縛られて捕虜同士が繋がれているようだ。

 逃走防止のためだろうな。

 

 索敵のマップで確認する限りは前に2名の赤い点、その後ろにグレーの点が2つ、後方に4名の赤い点。

 後ろから追いつかれることを警戒しているのだろうか。街道のあった方向が後ろだからな。

 

 これは集団の前方から強襲した方が効果的かもしれない。

 先程、索敵で移動した高所の一つにワープで移動。

 

 集団の前方に少し開けた場所がある。ここで強襲しよう。

 盗賊集団を左斜め前方から襲撃できるようにワープゲートの設置位置にあたりをつけた。

 

 索敵のマップで確認しながら、タイミングを測る・・・・・・今だ。

 

(オーバーホエルミング)

 

(ワープ)

 

 ゲートをくぐり、集団の左前から全力で走って前にいる二人の盗賊に向かった。

 

 盗賊達は警戒のためか、全員抜剣した状態だ。

 鑑定で確認したいが時間が惜しい。

 

 向かって右側の盗賊の首を刎ねて、隣の者の首も直ぐに刎ね、左側に回り込む。

 

 間にいる二人の捕虜に当たらないように、後ろに居る四人の盗賊達・・・・・・の一人の腹にデュランダルをブッ刺し、蹴りを入れて頭をカチ割った。

 残り3人。

 

 

(オーバードライブ)

 

 先にかけた超速スキルが切れる前に、次の超速スキルを発動。

 

 後方に居た残り3名の盗賊の首を次々に刎ねて・・・・・・これで終了か?

 

 索敵で確認したが、グレーの点2つ以外に赤い点は周囲になし。

 小屋の中に残っている可能性もあるが、それは後で確認すればよい。

 

 やがて、オーバードライブの効果が切れた。

 

 俺に背を向けた捕虜二人に盗賊達の返り血を浴びせてしまい酷い状況になってしまった。

 だが、生きてさえいれば問題ないはずだ。

 

「おい、大丈夫か?護衛のリディ達を雇っていたザフトというのはあんたか?」

「えっ?」

 

 こちらを振り向いた顔・・・・・・2名とも女性に見えた。

 ザフトが男性と考えたのは俺の思い込みだったか。

 

 

(鑑定)

 

 

シェル(エルフ族 ♀ 14才 奴隷)

剣士Lv2

 

 

メリル(エルフ族 ♀ 13才 奴隷)

戦士Lv2

 

 

 いや、もう・・・・・・こういうのは要らないって。




お読みいただき、ありがとうございました。
本作ではNPCっぽいキャラ(例:ワーレン、リディ、パラミツ、ザフトなど今回の盗賊討伐に関連するキャラ達)は名前メーカーというサイトでランダムに生成された名前から短い名前をチョイスして適当に命名してたりします。
適当に付けた名前なのに後々まで使うキャラになって後悔することもなくはないのですが、私の場合は名前自体にはそれほど拘りはないので割り切ってます。

なお、文章内に盗賊襲撃のマップを作成して挿入しましたが、戦乱に向けてのマップ作成テストの意味合いです。
戦乱では、言葉による描写に限界があるので、マップを挿入しようと計画しています。かなり先の話になりそうですが。

マップについても、「サイズが大きくて読みにくい・・・・・・」等、ご意見があれば感想欄にいただければ幸いです。
PC、タブレット、スマホなど閲覧環境やNW環境によって不具合もあるかもしれませんが、それも含めて感想をいただきたく。
なお、マップが下手なのは・・・・・・これから上手くなる可能性もありますが、あまり期待できないかもしれません。
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