シェルとメリル・・・・・・エルフで未成年の奴隷?
目の前の二人は奴隷商人ではない。
ザフトはどこに?嫌な予感がする。
この二人のエルフを盗賊達が一緒に連れて逃げようとしていたのは何故?
「君達は盗賊に捕まっていたのか?」
「えっ、この者達は何故倒れて・・・・・・死んでいる!其方は一体?」
今、『其方』って言ったのか?これって、ラファと同じパターン?
「俺は盗賊の捜索と討伐を依頼された冒険者だ。
この近辺の盗賊を探していて見つけた盗賊を討伐しただけだ」
「其方が全員倒したのか・・・・・・大した腕前だ」
目の前で盗賊とはいえ、6人が死んでいるのに全然動じていないぞ。
14才の子供にはあり得ない落ち着き。
ジョブが剣士とか戦士だとかに惑わされてはいけない気がする。待機ジョブを見るのが怖い。
別にパーティに加えなければ見えないし、鑑定した情報も見なかったことにするのは可能だ。
討伐が終わったので、『では、自分はこれで・・・・・・』と言って帰ろうかな。
ザフトの件があるから、そうもいかないか。
「盗賊達にザフトという奴隷商人が捕まっていると聞いたのだが、君達は見なかったか?」
「ザフト?あの奴隷商人はザフトという名前だったのか」
奴隷商人に会ったことはあるのか。
「そのザフトは君達が出てきた小屋にいるのだろうか?」
「いない・・・・・・というか、恐らく殺されたのだと思う」
まあ、そんな感じはしていたよ。
一度捕虜にした者を連れずに生かしたまま、小屋に置き去りにするとは思えなかったから。
「ザフトには会ったのだな?」
「あの奴隷商人は盗賊達に脅されて、私達二人を奴隷に落とす手続きをやらされていた。
その後に殺されたのだと思う。どこかに連れていかれるのを見たが、戻ってこなかったので」
淡々と説明するな。子供とは思えない。
「もう、あの小屋には誰も残っていないのか?」
「その通りだ。誰もいない。急に移動すると言われて外に出されたのだ」
これ以上、質問して回答を聞いてしまうと後戻りができなくなる気がしてきた。
「君達の事情を詳しく知ろうとは思わない。もし良ければドブローに送ろうと思うがどうだ?」
「ドブローとは?」
ドブローを知らない?本当にラファと同じパターンか?
「お姉様、絨毯の有名な産地にドブローという街があったかと」
「そうか、そういえば聞いたことがあるような・・・・・・」
一応、この二人は姉妹なのか。ドブローを知っているのなら話が早いか。
「それで、ドブローの騎士団詰所にでも送ってやるから、
後はそちらに説明して助けを求めたらどうだ?」
「騎士団は困る・・・・・・」
ラファも当初は奴隷身分で連れていかれると拙いとか言っていたっけ。
彼女の場合は密入国扱いで犯罪奴隷にされてしまうという理由だが。
二人と話をしながらも、せっせと左腕を切り離して袋にポイポイ入れる。
装備品も引き剥がして、アイテムボックスにひょいひょい入れる。
『君達の事情は興味がないから聞きたくないよ』という雰囲気を出しているつもりだが、伝わっているだろうか。
「困ると言われてもなぁ。では、どこに送れば良いのだ?
行ったことがある地なら君達を送ることができるぞ。
ボーデはどうなのだ?あそこはエルフの公爵様が治める地だが」
「ボーデも困る・・・・・・」
ドブローもダメ、ボーデもダメ・・・・・・で、どうしろというのか。
「今、我々の手元にはお金が全くない・・・・・・其方の家に泊めてもらえないだろうか?
手紙を書いて迎えにきてもらう。それまで、其方の家に匿ってもらえないだろうか?」
「泊めて・・・・・・ではなく、匿ってもらいたい?見ず知らずの君たちを?」
厄介事にしか思えない。
「では、我々の事情を話そう。私は伯爵様の・・・・・・」
「待て、待て!話さなくて良いから!迎えの者が来るまで泊めてやれば良いのだな?」
匿うのではなく、あくまで宿泊場所の提供をするだけだ。
たまたま迷子になったエルフの子供二人を一晩二晩泊めてやったというだけだ。
なんか、『伯爵』という言葉が聞こえた気もするけど、きっと気のせいだ。
最近は公爵様関係の仕事もしているから、それに比べれば大したことはないはず。
装備品を全て回収し終わり、左腕6本も確保して布袋に入れた。
盗賊のバンダナがあったから、先程の討伐した者の中に首領クラスが居たのだろうか。
リュックに入っていた活動資金らしい金貨の入った袋も接収。
そして手紙か・・・・・・ワーレンに丸投げしよう。
遺体は、獣道から少しはずれた場所にまとめて遺棄した。
明日にでもワーレンに報告する時に場所も伝える事にしよう。
今晩はこのまま帰宅させてもらおう。この二人を連れていけない訳だし仕方ない。
「悪いが、一度、先程の小屋に戻っても良いか?
流石に何も調べずに立ち去る訳にはいかないので」
「そちらの指示に従う」
急に素直になったというか、俺以外頼れる者がいないのか。
話をしているのはシェルばかりでメリルはほとんどしゃべらない。
まあ、この年齢の子供だとメリルの方が普通だろう。
どんな辛い目に遭ったのかは分からないが、理不尽な境遇なはずだ。
小屋に戻って家探しをしたが、大量の食糧と予備の装備品が多数見つかった。
この大量の装備品は商隊の護衛達を始末した時のものなのだろうか。
盗賊の補充をして、この装備品を渡せば、食料さえあれば戦力がどんどん増えていく?
住居が必要だから無制限には増やせないか。今、俺の考えることではないが。
装備品はアイテムボックスに全て収納した。出てきたインテリジェンスカードも回収。
衣類や日用品もそれなりにあった。
そこそこ長い期間、ここに潜伏して活動していたのが想像できるな。
これだけの物資があるということは、ただの盗賊集団ではないのだろう。
だが、その先の詮索は俺の任務の対象外だ。ワーレンやドブローの騎士団に任せよう。
「待たせたな。ざっと調査が終わったので、俺の家に向かうことにしよう。
二人とも俺のパーティに入ってくれ」
パーティ編成の詠唱をして、二人がパーティに加わった。
見るのが怖いが、パーティジョブ設定だと・・・・・・。
シェル(エルフ族 ♀ 14才 奴隷)
剣士Lv2
待機ジョブ:村人Lv7、戦士Lv1、
メリル(エルフ族 ♀ 13才 奴隷)
戦士Lv2
待機ジョブ:村人Lv6、剣士Lv1、
おいおい、未成年なのにジョブが多過ぎるだろう。
魔法使いや探索者はともかく、巫女や僧侶は何もしないで取得できるジョブではないだろう。
貴族でジョブ取得のサポートが手厚かったということか?いや、もう何も考えまい。
俺は何も見えていないことになっているから、何も突っ込まないぞ。
奴隷であることも知らない事になっている訳だし。
「食事はちゃんともらえていたのか?喉は渇いていないか?」
「碌な食事ではなかったが、飢えない程度には食べていた。喉は乾いている」
しまった。水だけでも確保して飲ませてやれば良かったか。
だが、もう移動するから、俺の自宅の水を飲ませる方が良いな。清潔な水だし。
小屋の壁にゲートを開いて、クーラタルの自宅に繋げた。
俺が先に入り、三人で移動。我が家に帰ってくるとホッとするな。
「ここが、其方の家か?随分と立派な・・・・・・」
「悪いが、俺の家では玄関で外靴と家の中で履く靴を履き替えるルールになっているのだ。
ここにある皮の靴を履いてもらえるか?
その履いてきた靴はそこに置いておいてくれ」
シェルの言葉には答えずに、淡々と我が家の土足厳禁ルールを説明した。
二人の靴は装備品ではなく、普通の革靴だ。
そうこうしている間に、エネドラとチクルスがやってきた。さて、どう説明したものか。
説明論理を全く考えずに連れてきてしまったな。
「旦那様、体中、血塗れのようですが・・・・・・その二人はいったい」
「この二人はだな。ドブローの盗賊捜索任務で出会った迷子のエルフの子供達だ。
迎えの者が来るまで、我が家に泊めることになった。
申し訳ないが部屋の用意と食べ物と飲み物の用意をお願いできないだろうか?
喉が渇いてるらしいので、水でもハーブティーでも先にあげてくれないか」
エネドラは呆れた顔を一瞬浮かべたようだが、二人の顔を見るなりスイッチが入ったのか、キビキビとした対応に変わった。
「お任せ下さい、旦那様。では、お二方はこちらに・・・・・・」
「チクルスはちょっと残ってくれるか?」
エネドラが二人を食堂の方に連れていった。
「チクルス、二人は内緒にしているつもりだろうが、俺の見る限りは貴族の関係者だ。
必要以上に畏まることはないが、丁寧に扱ってやってくれ。
長い間、盗賊に拉致されていたようだから風呂に入れてやってもらえるか?」
「はい。お母さまにも伝えておきます」
チクルスは鼻歌でも歌い出しそうな顔をして去っていった。
こっちもスイッチが入ってしまったか。
そして、こちらもどうしたものか。
廊下にアミルとヴィルマ、イレーネの三人が俺を見据えている。
「ご主人様、無理はしないようにとお伝えしたはずですが・・・・・・」
「主、置いてきぼりにしないでって言ったのに・・・・・・」
「盗賊何人討伐した?」
最後の質問は、数を言ったらキルマークでも刻んでもらえるのだろうか。
「盗賊の
これで、
明後日ぐらいからは竜革の装備品がまた作れるな」
「何か誤魔化そうとしていますよね?」
ソンナコトナイヨー。
「先程、エルフを二人見かけましたが、彼女達はどうしたのですか?」
「あれは捜索任務中に見つけた迷子の子供達だ。
迎えの者が来るまで我が家で預かるが、そのうち居なくなるはずだ」
万が一、迎えが来ないとかあるのだろうか。そこまで考えていなかったな。
「ドワーフなら誰でも、貴族、盗賊、エルフ族の者には注意しろと言われて育ちます。
簡単に気を許してはなりません」
「そ、そうか・・・・・・」
ゾク繋がりとはいえ、その3つは同列なのか?ドワーフ族だってゾクは付与可能だが。
「どうかされましたか?」
「いや、なんでもない。それより、血塗れなので風呂に入ってきたい。
詳細の報告は会議の時にするので、質問はそこで頼む。皆で共有した方が良いだろう」
先送りだ、先送り。
「分かりました。ともかく盗賊
「まあ・・・・・・そうだな。多分」
他にも盗賊が隠れていたり、後から増援が来ることはあるかもしれない。
だが、それは俺の引き受けた任務の範囲外だ。騎士団に頑張ってもらおう。
ゲートを風呂場に繋げて顔を出したが、誰も居なかったのそのまま移動。
体中に付着した血を洗い流して、装備品についた血も拭き取る・・・・・・が長時間放置したせいもあり、洗い落とすのが大変だった。
・・・・・・
夕食の時間になり、お互いの今日の出来事を共有。
とは言っても、ドブローの盗賊関連は会議で共有するので、それ以外の情報共有だ。
「19階層の攻略は午前、午後ともに問題はありません。
恐らくは、このまま22階層までは問題なく探索できるのではないかと思います」
「そうか。では22階層を攻略した後のことを考えなければならないな」
迷宮組も33階層の攻略が近づいてきた。
どちらも節目を迎えるので次のステップに進むか、それとも少し趣向を変えるか。
「シェルちゃんとメリルちゃんは、用意した部屋でぐっすり寝てると思います。
食事と水分を十分に与えたので、疲労回復のためにしっかり休ませた方が良いでしょう。
お風呂で少しはしゃいでいたようですけど、その反動でよく眠れるかもしれません」
「そうか、突然、部屋や食事の準備を頼んでしまって申し訳なかった。ありがとう。
詳細は会議の場で説明するので、明日以降も宜しく頼むな」
エネドラとチクルスはニッコニッコなので・・・・・・俺のやった事は不問にしてもらえるだろうか。
それにしても、もう『ちゃん』付けなのか。
このまま、我が家に居ついたりしないだろうな・・・・・・不安だ。
・・・・・・
夕食と風呂が終わり、会議を開催。
まずは、ドブローの盗賊捜索、討伐任務の経過や討伐数、捕虜の確保、商隊を救援したことについて、ざっと説明した。
「そこまで大規模な盗賊集団となると自然に発生したとは思えないですね。
背後に何か大がかりな謀略が感じられます」
「レドリックの言う通りだな。装備品が妙に高品質だったのも気になる。
食料などもアジトに大量に備蓄されていたので、
支援を定期的に行なっている何某かの組織が存在するのだろう。
だが、それを調査するのはドブローの街の騎士団の仕事なので、
現時点でこれ以上は我が家が関与することは考えていない」
俺の言葉にレドリックとエネドラも頷いた。
「明日、ドブローの商人ギルドに行って、今日の顛末の報告や現場への案内をする予定だ。
朝一で帝都の奴隷商館に行くので、それが終わったらそのままドブローに移動する。
報酬となる竜革の受取や、ミラの鍛冶師試験の要請も行うつもりだ。
昼には戻る予定だが、遅くなるようだったら昼食は待たずに食べていてくれ」
「承知しました。旦那様」
迷子の二人の世話もあるから、いろいろと変則的かもしれないな。
「それから、あのエルフの二人だが間違いなく貴族の関係者だ。
パーティに入れて、ジョブを確認したが魔法使いのジョブがあった。
二人のジョブは剣士と戦士になっていて、その意図は不明だな。
迎えの者に手紙を書くと言っていたが、宛先は貴族の関係者のはずだ。
俺達は手紙を出すことの手伝いはするが、貴族の揉め事に関わる気はない。
あの二人が貴族の関係者であることも知らないフリをするので、皆もそのつもりでいてくれ」
「承知しました、旦那様。手紙を書く道具やギルドへの仲介は私の方で手配します」
エネドラは納得したようだが、二人の説明をした時のアミルの目がキラリと光ったような。
それ見たことかという感じだろうか。ゾク繋がりの偏見が過ぎる気もするが。
「午後はクーラタルの32階層の迷宮探索を行う予定だ。
モンスターの最大出現数も増えるので、対応できるか確認をしっかり行う予定だ」
「楽しみだ」
ヴィルマが再起動した。イレーネの目も嬉しそう。
その次はいよいよ33階層で、ドライブドラゴンか。
ドロップ品の肝もあるから、コボルトにぶつけて事前練習でもやるかな。
「あと、ドブローに行く時にダマスカス鋼の工房に頑強のダマスカス鋼鎧を納品する。
アミルから先程、融合した防具は受け取った。ありがとう、アミル」
「このぐらい何でもありません、ご主人様」
とはいえ、ちゃんと皆の前で褒めることは重要だと思っている。
「他に何もなければ、これで会議を終了する・・・・・・では、解散だ。
遅くまでお疲れ様。しっかりと休んでくれ」
お休みの挨拶をして会議を終了して、自室に戻った。
【拠点名】クーラタルの邸宅<本城>(2/4)▶
【拠点名】ベイルの屋敷<支城>(1/4)▶
■人材育成/採用(ユキムラ)▶
■軍事(ユキムラ/レドリック)▶
■商業/取引(ユキムラ/エネドラ/カラダン)▶
■開発(エネドラ/カラダン)▶
■生産(チクルス/アミル)▶
■その他/クエスト▼
①カードハンターとの取引(ベイル)
⇒コボルトハンター経由で依頼中(5日後、来訪予定)
②ダマスカス鋼工房の対応(ドブロー)
⇒スキル融合防具の依頼有(頑強のダマスカス鋼鎧を明日に納品予定)
③ゴッゼル士爵への対応(ベイル)
(1)盗賊討伐作戦(成功/完了)
(2)支援策検討及び交渉
⇒士爵家へ支援策(装備、住居、生薬)の契約を締結。
⇒ドロップ品、モンスターカード等を逐次引取り中(記録簿管理)
(3)アイリス家支援対応
⇒三人の装備品を納品済。個別取引は随時実施中。
④剣術指南所の対応(ターヘラ)
(1)ケリー&マリーの奴隷契約対応
⇒ターヘラの商店との食料移送契約は締結済(17日後に延長契約)
(2)業務提携
⇒子供達の一組目の習熟作業完了。二組目の受入終了、習熟作業開始
⑤ベイル旧宅の商店開業準備
(1)カラダンの商人ギルド加入(ザビルの商人ギルドの予定)
(2)従業員育成
⇒ピコ、ビンス、リックは冒険者ジョブ取得済
⇒ピコは商人を育成中(武器商人ジョブを取得予定)
⑥ハルツ公爵領迷宮探索依頼(ボーデ、ハルバー、ターレの迷宮のいずれか)
⇒ターレの迷宮探索中(11階層まで到達報告。15階層まで攻略済、次は16階層から)
⑦盗賊討伐任務(ドブロー)
⇒ワーレンから盗賊捜索・討伐任務を受領。
⇒36名の盗賊を討伐、捕虜1名。明日午前中に詳細説明予定
明日の予定
(午前)
・俺 :帝都奴隷商館来訪、スキル装備納品/盗賊討伐任務の結果報告(ドブロー)
・アミル :訓練、装備生成
・ヴィルマ:訓練
・イレーネ:訓練
・エネドラ:朝食・昼食準備、石鹸量産(with ポーラ、ミモザ)、エルフ姉妹対応
・チクルス:朝食・昼食準備、洗濯、生薬生成、エルフ姉妹対応
(午後)
・俺 :クーラタルの迷宮32階層攻略
・アミル :クーラタルの迷宮32階層攻略
・ヴィルマ:クーラタルの迷宮32階層攻略
・イレーネ:クーラタルの迷宮32階層攻略
・エネドラ:夕食・朝食の準備、石鹸量産(with ポーラ、ミモザ)、エルフ姉妹対応
・チクルス:夕食・朝食の準備、生薬生成、エルフ姉妹対応
※夜は定例会議
※ポーラ/ミモザ(家事)、レドリック/レイモンド/ヘルミーネ(護衛、訓練、迷宮探索)
※ラファ/モニカ/ケリー/マリー/フラウス(護衛、訓練、迷宮探索、掃除、雑用等)
※ミラ(鍛冶師習熟、訓練、掃除、雑用等)、マヤ(訓練、掃除、雑用等)
※カラダン(剣術指南所の子供達の作業習熟統括、ザビル店舗検討)
※ピコ/ビンス/リック(剣術指南所の子供達の生活指導/石鹸作成習熟)
ベッドに寝転がる前に机に向かい、手紙を作成。
熱意を伝える必要もない。淡々と事務的な手紙を書こう。
これが明日、役に立つのかどうか・・・・・・元の世界に居た時には直接会って話ができない時はメールではなく、手書きの手紙が有効だった気がする。
ダメ元だし元手もかかってないのだから、やるだけやってみれば良い。
(コン、コン・・・・・・)
・・・・・・
ヴィルマをベッドに俯せにさせてマッサージ。
盗賊討伐の際に置いてきぼりにして不機嫌だったので、ご機嫌取りの意味合いもある。
「主、一人で盗賊討伐した・・・・・・置いてかないでって言ったのに」
「置いていくつもりはなかったのだけど、急に討伐することになったのだ。
迎えにいくだけの時間がなかったのだから・・・・・・」
言い訳がましいが、全てが嘘ではない。全てが真実でもないけど。
「主は危険な時、いつも一人で戦おうとする。もう少し頼ってほしいのに・・・・・・」
「頼りにしているって。時間をかけると目の前の命が失われるかもと思うとついな・・・・・・」
時間勝負の時だってあるのだよな。
「それでも主の命が失われるよりはマシだ。危険な時はみんなで力を合わせようよ」
「そうだな。そうだろうな・・・・・・」
彼女の正論に反論の余地もない。
これ以上、この話は止めよう。もう少し甘々の時間を過ごしたいのだ。
素早く衣服を脱がして、俯せのまま背中を愛撫しながら、下へ下へと移動していく。
「あ、主、誤魔化そうとしている・・・・・・」
誤魔化されて下さい。
四本の腕で優しく丁寧に揉みこんでいく。
彼女の両脚にかけての美しいラインに汗が滲んできた。
「だ、だめだって・・・・・・」
彼女の防波堤から零れた水分がシーツを濡らしている。
仰向けに姿勢を変えさせて、唇を奪う。
額にじわりと浮かぶ汗も、焦点を失いそうな眼も全てが愛おしい。
左右の胸の先端を弄びながら、下の両腕で脇の下を揉みこむ・・・・・・彼女の弱点の一つだ。
「いっ・・・・・・ダメだって、主」
ダメと言われても止められない。
三つの硬くなった先端を更に愛撫しながら、愉悦に消え入りそうな表情を堪能。
お互いに我慢の限界な気がする。
彼女の中に侵入して、甘い声の出る唇を蹂躙する。
汗に濡れた豊かな胸はキラキラと輝き激しく揺れている。
灯りを点けていて正解だった。
薄目を開けて潤んだ目を見つめながら、お互いに頂きを迎えた。
・・・・・・
「次は一緒に付いていく・・・・・・」
「そうだな・・・・・・」
誤魔化せていなかったか。
そんなに直ぐに次があるとは思えないけど・・・・・・どうだろうか。
・・・・・・