異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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107.我儘

 自宅に戻り、エネドラ達に一声かけて二階に上がった。

 作業部屋にいたアミルにも声をかけて、竜革とダマスカス鋼の素材を倉庫に格納。

 

「ミラの鍛冶師の試験が明日か明後日になりそうだ。

 アミルからも何か助言できることがあれば、教えてやってくれ」

「そうですか。ミラちゃんにも伝えておきますね。

 いつかは試験を受けてもらうとは言いましたが、まだ心の準備はできていないと思うので」

 事前に相談なしに決めてしまって悪いね。

 

「実はまだ昼食を食べてないので、食べ終わったら迷宮に行くつもりだ」

「そうですか、二人にも伝えておきます」

 スマンが宜しく頼む。

 

 昼食のために一階に降りた。

 

・・・・・・

 

 食事をしながら、エネドラから午前中の報告。

 

「シェルちゃんの書いた手紙を商人ギルドで出しておきました。

 明日には届くので、相手が留守でなければ明後日には反応があると思います。

 待ち合わせの時間は明後日の午前中で、冒険者ギルドを指定したようです」

「結構、急な日時指定だな」

 そんなに急な指定でも大丈夫なのだろうか。

 

 でも、俺もルークからの伝言に直ぐ反応しているから、優先順位の問題なのかな。

 手紙は冒険者という速達便があるので、商人ギルドまでは比較的早く輸送されるし。

 

「シェルちゃんの話では、信頼のおける騎士様のようですが、

 我々は会ったこともない人物なので、なんとも言えません。

 二人の不在中に起きたことを早く確認したくて、その騎士となるべく早く会いたいようです」

「そうだな。その騎士の人柄等はこちらでは判断しようのないことだ」

 では、判断する材料集めをするかと言われてもできない訳だが。

 

 せめて待ち合わせの当日、早めに出向いて遠くから確認する程度か。

 

 

「夜の会議で詳細は報告するが、竜人族の落札は失敗に終わった。

 延長戦を試みているが望み薄かもしれない。

 ドブローの方でスキル融合武器の納品と盗賊討伐の報告、懸賞金の受領をしたので、

 ダマスカス鋼、竜革の素材はかなり手に入ったし、懸賞金は白金貨1枚を超えていた」

「承知しました」

 手元の資金がいきなり倍になったのだよな。資金は幾らあっても良いのだが。

 

「その他の件ですが、商人ギルドでスキル融合武器の打診をした商人と会いました。

 こちらの用意したスキル融合武器で問題ないそうです。

 相手側が準備できる素材とモンスターカードの候補をもらいましたので、

 会議で確認させて下さい」

「分かった。ありがとう」

 こちらも順調だな。

 

 ルークに打診した複数スキル付与された武器の方の回答は流石にまだのようだ。

 こちらはじっくりと待つしかないな。ある意味、回答を楽しみにしているのだが。

 

・・・・・・

 

 食事を終え、二階に急いで上がって準備を整えた。

 当初の予定よりも遅くなってしまったので、ヴィルマもイレーネもきっと焦れているだろう。

 階下に降りると既に三人が待ち受けていた。

 

「待たせて悪かったな。迷宮に行こうか」

 

 玄関の壁にゲートを開いて、クーラタルの32階層に繋げて移動した。

 

 

「この階層からモンスターの最大出現数が6匹になる。

 32階層の新規モンスターはロックバードで、ボスモンスターはファイヤーバードだ。

 空中を舞う鳥型のモンスターで体が岩でできているらしい。

 ドロップ品は通常モンスターが羽毛で、ボスモンスターのドロップ品は不明だ。

 ボス部屋への到達を優先する方針で、魔物部屋は運良く見つけたら攻略する程度だ」

 

「この階層はロックバード、ノンレムゴーレム、ハーフハーブの順に多く出現する。

 モンスターの移動速度がバラバラなので、各個撃破が可能なはずだ。

 特に空を飛ぶロックバードとの接敵が早いだろう。

 戦い方は今まで通りと変わらない。魔法は雷魔法のサンダーストームを使う」

 雷魔法で硬直したら、石のように飛んでくるのだろうか。

 

「アミルから、何か補足はあるか?」

「ロックバードは岩を飛ばしてくることがありますので、注意して下さい」

 

「アミルの指摘通りだ。空から岩を飛ばしてくるから十分気を付けてくれ」

「了解」

「了解」

「了解」

 

 32階層は今日中に突破して、明日は33階層の攻略をしたい。

 

「よし。攻略を開始しよう」

 

 初戦の相手は・・・・・・ロックバード3匹、ノンレムゴーレム1匹か。

 

「前にロックバード3、後ろにノンレムゴーレム1。3番だ」

「了解」

「了解」

「了解」

 

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

 雷魔法二連発を放ちながら、皆に遅れないように駆け出した。

 

 ロックバード3匹が急速に近づいてきた。麻痺にはならなかったか。

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 いつも通りにイレーネの前のロックバードに博徒のスキルをかけた。

 

(オーバー・・・・・・)

 

(ヒュッーーーー)

 

 超速スキルをかけてようとしたところで、岩が飛来して後方に凄い勢いで飛んでいった。

 

(・・・・・・ホエルミング)

 

 オーバーホエルミングの効果でゆっくり進むロックバードをデュランダルで何度も斬りつけた。

 目の前のロックバードが煙に変わった。

 

 ノンレムゴーレムは遥か遠くにいる。

 仕方ない。距離を詰めるか。

 

 更に前方に駆けてノンレムゴーレムへと迫る。

 まだ、超速スキルの効果は持つか。

 

 ノンレムゴーレムに三本の剣で滅多切りに・・・・・・煙に変えるとオーバーホエルミングが切れた。

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

 再び雷魔法二連発をかけ、三人の戦っている所まで戻る。

 

 

 イレーネは既に石化させて地面に転がるロックバードを刻んでいた。

 ヴィルマの前にいるロックバードは空中にいるせいで捉えきれていないようだ。

 とはいえ、アミルの槍で牽制しているおかげで岩を飛ばす隙も与えていない。

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 動いている残りのロックバードに博徒のスキルをかけた。

 

 やがて接近してきたロックバードをアミルが器用に引っ掛けて、地面に誘導・・・・・・ヴィルマが上手く叩いて地面に転がした。

 アミルの槍で固定されたロックバードをヴィルマが連打を与えて・・・・・・麻痺したな、これは。

 そのまま再び飛び立つことなく、煙に変わった。

 

 これで全滅させたか。

 

「ロックバードは空中を飛び回って距離を取られると少し面倒だな。

 だが、時間をかければ大して問題にはならないか?」

「そうですね。

 リーチのある武器を持っているのが私しか居ないので、遠くから岩を撃たれると厄介ですね。

 それでも、ご主人様の魔法もありますから問題という程ではないと思います」

 魔法を少し多めに撃つように心がけるか。

 

「岩の攻撃はどうだ?」

「うーん、遠ければ当たらないし、近ければ撃たせないから大丈夫かな」

「あの程度、避けられる」

「当たってしまっても、この防具ならほとんどダメージはないので大丈夫です」

 アミルだけはダメージを受けるが、戦闘後の手当1回で十分らしい。

 

 ダマスカス鋼のプレートメイルなら岩が少々当たっても問題ないそうだ。

 

「では、探索を続けよう」

 

 その後も降りてこないロックバードに煩わされはするが、雷魔法で麻痺させたり、麻痺しなかったところでアミルが槍に引っ掛けたりしながら順調に探索は進んでいく。

 アミルはノンレムゴーレムをコロコロ転がしたり、ロックバードを地面に上手く引きずりおろしたりと器用な一面を見せてくれる。

 

 6匹の集団にも度々遭遇したが、多ければ雷魔法で麻痺になる事も多いので数の多さはほとんど問題にはならなかった。

 

 魔物部屋も見つけ出し、魔法で削り倒して全滅させた。

 全滅したパーティも無く、ドロップ品をひたすら拾ってボス部屋を目指して探索を進めた。

 

 目的としていた待機部屋も発見。扉も開いている。

 

 小荷駄隊外しの小技を使い、陣形を整えてからボス戦開始。

 

 ボスのファイヤーバードは俺が受け持ち、お供を三人に任せた。

 

 出現したお供は二匹ともロックバード。ボス部屋は広いので少し面倒な相手だ。

 

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

(オーバーホエルミング)

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 イレーネとアミルの前のロックバードに博徒のスキルをかけ、俺は目の前のボスを滅多切り・・・・・・石化の確認する間もなく煙に変えた。

 

 出現と同時にアミルが槍で地面に引きずりおろしたようで、直ぐにロックバードは石となった。

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 ヴィルマの前のロックバードに博徒のスキルをかけた。

 

 後は降りてきて、アミルの槍に引っ掛けられるのが早いか、

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

 雷魔法の麻痺にかかるのが早いかの問題だ・・・・・・麻痺したか。

 

 麻痺して墜落したロックバードをヴィルマが刻み始めた。これで終わりだな。

 

 ヴィルマとイレーネがほぼ同時に煙に変えて、ボス戦も問題なく終了。

 

「これで32階層までは、問題なく戦えたな。明日は33階層のドライブドラゴンだな」

「楽しみ」

「竜皮、竜肉・・・・・・」

「こんなに早く、ドライブドラゴンと戦うことになるなんて」

 確かにな。

 

 原作でも異世界に来てから100日以上は経過してからドライブドラゴンと戦っていたはず。

 肝を投げて低い階層で戦ったのだって、結構経ってからだった記憶だ。

 こちらは今、まだ57日目。相当早いペースでここまで来ている。

 

 明日、念のため低い階層で肝を使って予行演習してみるか。

 

 ボスドロップは、オストリッチ・・・・・・なんか押したくなるな。

 カバンに使って、貴族女性に人気だとか原作では言ってたっけ。

 羽毛も結構ドロップしたけど、倉庫行きだな。

 

 羽毛布団はなくても、我が家は拠点構築のスキルのおかげで冷暖房完備だから寒くないし。

 

 33階層に抜けて、本日の迷宮探索は終了とした。

 

 ワープゲートを自宅の玄関に繋げて、四人で帰宅。

 

・・・・・・

 

 エネドラ達に帰宅を告げに食堂に行くと伝言があった事を告げられた。

 

「帝都の奴隷商館から旦那様宛に伝言のようです」

「そうか・・・・・・」

 伝言を見ても詳細の用件の記載はなく、商館に明日来てほしいと記載されているだけだ。

 

 手紙が功を奏したのか、それともだたの問い合わせか。

 まさか次の竜人族の斡旋ではないと思うが。

 

「分かった。ありがとう。時間を作って明日出向くことにするよ」

 あの商館は用件を記載せず、来てくれと伝えてくるパターンが多いな。

 

 それでも、こちらも気になるから行ってしまうのだが。

 

・・・・・・

 

 夕食と風呂を終え、参加者が集まってきたので会議を開催。

 

「明日の予定だが、午前中にドブローでミラには鍛冶師の試験を受けてもらう予定だ。

 ドブローにミラを送るのは俺がやるが、帰りはレイモンドに任せたい。

 なので、レイモンドも連れていく予定だ」

「既にミラちゃんには伝えてあります。

 私の試験の時は特に何も準備しなくても大丈夫だったと教えましたので、

 安心して臨めると思います」

 まさか、ドブローだけ『ダマスカス鋼の鎧を生成するのに必要な素材と数を述べよ』とか、筆記試験があるとは思えない。

 

 鍛冶師のジョブが取得できていれば、ギルド神殿でジョブ変更されるだけだろう。

 

「レイモンドを午前中借りるので、レドリックは迷宮探索の編成を考慮してほしい」

「承知しました、ご主人様」

 最近のレイモンドは午前が家の護衛で、午後が迷宮探索になっていたから大丈夫だろう。

 

 人員輸送はピコ達の誰かに任せたい気もするのだけど、ミラとピコ達の誰か二人だけをドブローに残して立ち去るのは心配なのだよなぁ。

 まだ15才だから・・・・・・15才って、この世界では成人だから心配し過ぎなのだろうか。

 

「ドブローに二人を送り届けて受験の受付を済ませたら、

 俺はそのまま帝都の奴隷商館に行く予定だ。用件は不明だが呼び出しを受けているのでな」

「竜人族の奴隷の件でしょうか?ご主人様」

 それ以外にはないだろう。ドタキャンがあったのでどうですか?・・・・・・は無いはずだし。

 

「恐らくはな。こちらから提案をしたので、その内容についての話だと思う。

 ひょっとしたら、直ぐにでもスキル融合装備を生成することになるかもしれない。

 アミルは意識しておいてもらえるだろうか?」

「はい。お任せください」

 まあ、スンナリと提案が通るとも思ってないけど。

 

「午前中はそんなこともあり少し流動的だが、午後からは迷宮探索だ。

 クーラタルの33階層でドライブドラゴンに挑む予定だ」

 若干2名のモチベーションが爆上がり中で心配なのだが。

 

 今日は大人しく寝て、明日に備えてほしい。

 

 会議の途中にヘルミーネが入室してきた。この後の話のために呼んだからな。

 

「ドブローの盗賊捜索任務が終了して、討伐した懸賞金でかなり我が家の資金は潤った。

 素材もダマスカス鋼と竜革が大量に入手できたので、

 鍛冶師試験が終わって、ミラが正式に鍛冶師となるはずなので

 アミルとミラで手分けして装備品の生成を行なってほしい」

「はい、ご主人様」

 

「あと、ミラが正式に鍛冶師になれば、

 ドブローで装備品を納品する受託契約作業を引き受けるつもりだ。

 アミルには会議の前に説明したが、

 納品内容を確認した上で今後の装備品の量産計画を考えたい。

 ドブローで受託契約を引き受けた後にまた相談させてほしい」

「分かりました」

 どの程度の装備品をどの程度の期間で納品するのか次第だよな。

 

 やっぱり鍛冶師がもう一人必要です・・・・・・なんて作業量ではないと思うけど。

 ギルド加入する前には、さすがに詳細は教えてもらえないだろうし。明日以降だな。

 

 エネドラからスキル融合武器を打診した商家から素材とカードのリストが提示されたので、俺の希望を伝え、そのまま取引をするように伝えた。

 

「では、会議はこれで終了とする。明日もよろしく頼む」

 

 お休みの挨拶をして、各自が自室に戻っていった。

 

 談話室に残ったのは俺、エネドラ、チクルス、アミル、カラダンとレドリックの6人。

 講師役はヘルミーネだ。

 

「ヘルミーネ、夜遅く悪いな。貴族に関連することで教えてほしいことがあるのだ」

「私が説明できることであれば、なんでも申しつけ下さい」

 大した理由はないのだけど今回はラファは外した。未成年は寝る時間だ。

 

「貴族の子息が万が一奴隷に落ちた場合、

 奴隷身分から解放された後に成人しても、領地や爵位の継承権は失われてしまうのだろうか?」

「一般論から言えば、失われます。

 奴隷に落ちた時点で、その貴族の家の者ではなくなるという扱いです。

 その後、奴隷から解放されたとしても家系から外れてしまっていることは変わりませんので、

 継承権の自然復活はありません。

 ただし、継承権を持つ者と新たに養子縁組などをすれば家系に復活しますので、

 継承権を復活させることは可能です」

 なるほど、元の世界での戸籍から出たり入ったりするのと似た仕組みだろうか。

 

「あのエルフの子供二人の件でしょうか?」

「そうだな。二人は俺が確認した限りでは奴隷身分で家名も存在しなかった。

 だが、魔法使いのジョブを持っていたので貴族の関係者ではないかと予想している」

 

 あの二人は元の家から外れてしまったので、その復活を願って迎えの者とアクセスしようとしているのだろうか。

 

「あの二人を我が家の奴隷として迎え入れる予定はないのですか?」

「それは現時点では本人の望みではないだろう。

 無理に我が家に迎え入れるつもりはないし、

 二人の背後関係や暗躍した者・・・・・・恐らくは対立していた同じ家の者か別の家の者だろうが、

 その者達と表立って対立するつもりはない」

 ヘルミーネは少し意外そうな顔をしているのか。

 

「では、どうして我が家に泊めているのですか?放っておく選択肢もあったのでは?」

「あの二人が未成年だからだ。未成年の子供を放り捨てるのは忍びなかっただけだ」

 エネドラの事を甘いだのと言えないけど、それが本音だ。

 

 泊めるだけでもリスクを背負いこむことになるのは理解しているつもりだ・・・・・・だからって放り捨てる勇気もなかった。

 

「甘いですね・・・・・・でも、その甘さのおかげで、ラファ様と私は救われたのですが」

「どうだかな。今回は俺の我儘だ。それにラファ達の時は当人に意思確認はしたぞ。

 今回はこちらから積極的に意思確認はしないけどな」

 彼女だけでなく周りの皆が俺を生暖かい目で見てる気がして、居たたまれない気持ちになる。

 

 その後も貴族に関する相続の話や、ヘルミーネが見聞した内部抗争の事例を説明してもらい質疑応答を繰り返した。

 今回の件というよりは、今後に備えての頭のトレーニングという感じだったかもしれない。

 

「話はこれで終わりだ。あの二人は二日後には我が家を離れる。

 そうなれば、過去に我が家に遊びにきた事があるただの二人の子供だ。

 だが、我が家に居る間は身の安全は絶対に守る。そのつもりでいてくれ」

「承知しました。旦那様」

 エネドラが皆を代表して答えた。

 

 用事は終わったので、各自解散としたが・・・・・・カラダンが残ったままだ。

 まだ、俺に用事があるのか?

 

「旦那様、お時間を少しだけいただけますでしょうか?」

「ああ、構わないぞ」

 

 カラダンはテーブルの上に、紙片を並べ始めた。

 

「これはなんだ?」

「この前、複数のスキルを融合した武器の話をされた時に理解できなかったのですが、

 私なりに少し考えてみたので、旦那様の意見をいただきたくて・・・・・・」

 

 紙片をたくさんテーブルに広げて、カラダンが説明を始めた・・・・・・。

 

・・・・・・

 

「ほとんど正解だ。よく独力でここまで辿り着けたな。大した努力だ」

「そうですか。良かったです」

 

 夜通し考えて、半ば力業で理解した感じだな。でも、面白かった。

 

「これ、どこかでエネドラ達の居る時に説明してもらっても良いか?」

「はい。大丈夫です。でも皆さん、興味が本当にあるのかどうか・・・・・・」

 まあ、そうだよな。

 

 こんなの理解しなくても、分かってる奴が対応すれば良いって話だし。

 

「まあ、説明してみれば誰か興味を持つ者も出てくるかもしれないので。

 余興と思ってやってみてくれ」

「はい。承知しました」

 

 一日の最後に面白いものが見れたので、ヨシとしよう。

 

 カラダンが退出して、俺も自室に戻った。

 

 

【拠点名】クーラタルの邸宅<本城>(2/4)▶

 

【拠点名】ベイルの屋敷<支城>(1/4)▶

 

■人材育成/採用(ユキムラ)▼

①人材育成 ※新規加入メンバ中心にパワーレベリング。迷宮での習熟訓練を行う

<軍事系>

ユキムラ(百鬼夜行Lv62/英雄Lv62/勇者Lv62/遊び人Lv62/魔道士Lv62/刺客Lv62/博徒Lv62)

アミル(鍛冶師Lv62/冒険者Lv33)、ヴィルマ(百獣王Lv44)、イレーネ(刺客Lv44)

レドリック(剣匠Lv35⇒剣聖)、モニカ(剣匠Lv35⇒剣聖)、レイモンド(冒険者Lv22)

ケリー(獣戦士Lv32⇒百獣王)、マリー(獣戦士Lv32⇒百獣王)、フラウス(巫女Lv32)

ラファ(巫女Lv28/魔法使いLv48)、ヘルミーネ(冒険者Lv13)

ミラ(鍛冶師Lv31)、マヤ(剣匠Lv24⇒剣聖) ※マヤの最終ジョブは要検討

 

<後方支援>

ピコ(冒険者Lv8/商人Lv28⇒武器商人)、ビンス(冒険者Lv8)、リック(冒険者Lv8)

 

【育成保留中】エネドラ(武器商人Lv47)、チクルス(薬師Lv34)、ポーラ(僧侶Lv29)

        カラダン(奴隷商人Lv15)、ミモザ(薬草採取士Lv45⇒薬師:保留中)

 ※アミル:隻眼のジョブ取得条件は不明のまま。装備品のスキル融合数を増やす

 

②採用

 後方支援メンバ、護衛メンバ、迷宮探索メンバを拡充(逐次奴隷商館巡りをする)

  ⇒迷宮探索メンバ、護衛メンバの拡充を図る

  ⇒帝都の奴隷商館で竜人族奴隷の購入検討(落札失敗後、追加提案実施中)

 

■軍事(ユキムラ/レドリック)▶

 

■商業/取引(ユキムラ/エネドラ/カラダン)▶

 

■開発(エネドラ/カラダン)▶

 

■生産(チクルス/アミル)▶

 

■その他/クエスト▶

 

 

 ベッドに寝転がり、ヘルミーネから聞いた話を思い返した。

 あの二人は現時点では、家から外れた何の力もない子供。

 何故、ドブローの盗賊のアジトに居たのか・・・・・・アジトにあった手紙から、少なくとも帝国内の貴族の内部抗争らしきものが読み取れた。

 ラファ達みたいに外国が関与していたのかまでは分からない。

 いずれにしても、貴族の権力闘争に二人は巻き込まれたのかもしれない。

 あの14才と13才の子供が・・・・・・。

 

 貴族間の抗争では、よくあることだとヘルミーネは言っていた。

 事実、彼女達も似たような境遇な訳だし。

 

 だが、この胸の中のモヤモヤはなんなのだろうか・・・・・・『よくあること』の一言ではとても腹落ちできない。

 

 

 資金は潤沢になった。

 モンスターカードも素材、装備品も順調に増えている。

 我が家の人員も増え、育成も良好で迷宮探索の速度も悪くないと思っている。

 

 でも、力はまだ足りないか。経済力では竜人族の落札に失敗したし、情報収集能力もまだまだ。

 

 武力は公爵領の最高戦力であるゴスラーの部隊程度を3つも持てば自信がつくのだろうか。

 1つぐらいなら今でも実現できているだろう。

 迷宮組は4名だが、俺が一人で二役、三役もこなしていて全てのジョブが高レベルだ。

 魔道士のレベルもゴスラーとほぼ同じ、遊び人に無詠唱で2連発も可能だから。

 

 別に貴族社会をどうこうできると思っている訳ではないし、勝手にしやがれという気持ちだ。

 だが、どうにも・・・・・・このモヤモヤが払拭できない。

 

 

(コン、コン・・・・・・)

 

 

・・・・・・

 

 エネドラの豊かな胸に顔を埋めて、日中の諸々の葛藤を静めていく。

 彼女が俺の頬を触れるのに合わせて、こちらも掌に胸を包み込む。

 伝わってくる鼓動が速くなるのが分かり、笑みが零れる。

 

 直ぐに頭を抱きしめられて、再び胸に埋められ・・・・・・ちょっと息苦しい。

 不興を買ったようだ。

 

 仕方がないので、唇を奪って胸と真ん中の先端を弄ぶ。

 抗議の言葉も塞ぎ、溶け出す愉悦の顔を眺めながら体を重ねる。

 

 その後は、久しぶりに獣のように貪り合った。

 いつもは上に乗らない彼女を乗せて荒々しく扱いながら頂きへ何度も上らせた。

 

 

 

 激しく交わした後のクールダウン。

 

 先程までの表情とは打って変わって、彼女は俺を包み込むような笑顔で見つめている・・・・・・ような気がする。

 

「あの二人は私の見えない所で泣いてましたね」

「そうか・・・・・・」

 あんな境遇で悲しくない訳がないよな。

 

「旦那様、怖い顔をしていますよ・・・・・・」

「・・・・・・」

 

 

「エネドラ、お前、俺を煽っているだろう?」

「さあ、どうでしょうか・・・・・・」

 

 

 優し気な笑みを浮かべているけど、彼女も二人の境遇に何かを感じているのかもしれない。

 

 

・・・・・・

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