昼食の時間となり、エネドラから報告を受けた。
シェル、メリル達の滞在していた部屋にヴェロニカ用のベッドを運び入れて、日用品などの小物も配備済で既に三人はそちらに移って昼食を摂っているとのこと。
知らない集団と一緒に食事するよりは、見知った三人だけでの食事の方が安心できるだろうという計らいだ。
「エネドラ、急な対応だったのにありがとう」
「この程度のこと、なんでもございません。ポーラもミモザもよくやってくれていますので。
ですから、旦那様におかれましては事前の相談を・・・・・・」
やべぇ、昨晩のカラダンとの秘密会議の件はまだ怒りが収まってなかったか。
「ああ、エネドラ達にも事前に相談する機会を増やすことにするから・・・・・・」
「よろしくお願いいたします」
逃げ道をドンドン塞がれていく。そもそも逃げるなということか。
「それと石鹸の量産もかなり軌道に乗ってきました。
カラダンからも、試作品の木箱を受領したので試しているところです」
「そうか、引き続き頼む」
石鹸の入れ物の方は作りが簡単だから試作品がすぐ提供されたのだろうな。
鏡の方も気になるから、カラダンに確認しておくか。
明日は剣術指南所の子供達の二組目の習熟期間終了日だったな。
ターヘラに送り届けるのは、カラダンとレイモンドに任せるか。
双子も里帰りの日だ。孤児院に支給する食材や薬の調整だけ注意しよう。
レドリックから午前中の訓練の状況を確認。
「昨日、ヘルミーネが言っていたオリビアの槍の腕前は本物のようですね。
迷宮組と一対一で戦ってましたが、槍のリーチと二刀流で全く寄せ付けなかったです。
ダメージを与えられませんでしたけど、相手の攻撃を完全に遮断していました」
「ヴィルマやイレーネでも一太刀も入れられなかったのか・・・・・・」
それは想定外だったな。
ヴィルマやイレーネは午前中は訓練のためにパーティから外していた。
一方でオリビアはパーティから外してなかったので、セブンスジョブのパーティ効果分だけオリビアの能力が下駄を履いている状態だが、それにしても互角とは。
「予想以上にオリビアと槍の相性が良いのだな。
近距離攻撃主体だと槍の間合いに対しては不利だろうが、
懐に入れば勝機がありそうに思えるのだが」
「それが、器用に誘い込んで短い間合いでも槍の攻撃を当てようとするのですよね。
槍が二本ということもあって、遠近双方に嫌らしい攻撃をかけてくるのですよ」
それは性格が出ている戦い方じゃないかな。
パワーファイターに見えて、意外に小技を絡めた戦い方にも精通しているのか。
槍限定なのだろうけど。
彼女の特性を生かそうとすれば、槍を使った攻防のフォーメーションを考えざるを得ないのか。
「分かった。ありがとう。俺も訓練に参加して実際に確認してみよう。
なにか彼女の生かし方を思いつくかもしれないので」
「はい。お願いいたします。
それと午前の護衛部隊の迷宮探索も特に問題なく進められたそうです」
レドリックの報告に頷いたものの問題は次だな。
22階層の探索を続けるか、次のステップに行くか。
クーラタルにしろ、ベイルにしろ23階層の迷宮探索に行かせるための準備が整っていないのだよな。
・・・・・・
玄関に迷宮組が集合。オリビアはまだ訓練を続行だ。
竜騎士のレベルも上がったので迷宮組に入れたいのだが、フォーメーションや立ち位置が決まっていないので暫くは訓練を続けてもらう予定だ。
クーラタルの34階層攻略だが、その前に久しぶりにターレの迷宮でアリバイ作りだ。
ターレの冒険者ギルドに行き、迷宮入口に向かった。
入口に詰めているのは顔なじみの騎士団員だ。
「お久しぶりですね」
「そうだな。ちょっとイロイロ用事があって来られなかったのだ。
それで先日、12階層の突破をしたのだが案内は必要だろうか?」
「もちろんです。宜しくお願い致します」
ほとんど俺達しか攻略していないみたいだから、俺達が案内しない訳にはいかないよな。
騎士団員をパーティに入れて、12階層へ移動した。
「あっ・・・・・・」
「ん?どうかされましたか?」
面倒なことになったな。
「いや、大丈夫だ」
「そうですか。ではこれが規定の金額です」
銀貨12枚を俺に渡すと騎士団員は迷宮の入口へと戻っていった。
さて、なんと説明したものか・・・・・・。
「あのさ、ちょっと急で悪いのだけど・・・・・・」
(ガシッ・・・・・・)
(ガシッ・・・・・・)
(ガバッ・・・・・・)
アミルに右の上腕と下腕を掴まれ、ヴィルマに左の上腕と下腕を掴まれ、イレーネは俺の背中に飛び乗ってきた。
「ご主人様、一人で行くのはナシですよ」
「主、置いてきぼりはダメだ」
「盗賊何人いた?」
行動パターンを見透かされ始めたか・・・・・・。
この階層で索敵を念のためかけたら、赤い点が5つ動いているのが見えた。
12階層だから、最大モンスター数は4匹なので5つ同じ方向に動いてるのは怪しい気がする。
絶対に盗賊とは断定できずモンスターがたまたま同じ方向に動いている可能性もあるが、盗賊の懸念がある以上は確認するしかないよな。
ほとんど俺達しか入ってないし、15階層までは攻略済だから用事がなければ、この12階層へはもう来ないだろう。
盗賊だった場合、今狩らなければ放置状態になってしまう。
ターレの12階層はクーラタルの迷宮とは違って、キッチリと全てのエリアをクリアにはしていないが、盗賊5人くらいなら何とか先回りして準備できるだろう。
一応、こちらへの攻撃意思を確認してから討伐するというは方針ではあるけど。
三人には、この前注意を受けたばかりだし・・・・・・仕方ない連れていくか。
「分かった。でも相手の実力が分からないから慎重にいくぞ」
「了解」
「了解」
「了解」
12階層だから、そんなに大した相手ではないと思うけど、油断は禁物だ。
「盗賊達の近くまで移動するから、声を出さずに付いてきてくれ」
三人が無言で頷くのを確認してから移動の準備に入る。
まずは、5つの赤い点のそばの後ろの小部屋にワープで移動。
索敵で確認すると・・・・・・5つの赤い点に2つの赤い点が近づいていく。
モンスターとの戦闘か。まずは念のため鑑定で確認してからだな。
もう少し別の位置に・・・・・・中間部屋まで移動するか。
「悪い。位置が良くないので、もう一度移動する」
三人が頷いたので、ゲートを開いて中間部屋まで移動した。
(索敵)
ん?赤い点が7つになって同じ方向に移動している・・・・・・これはいったい?
7つの赤い点を追って、斑にクリアになったエリアをワープで移動する。
斑になっていると少し分かりにくいな。
まあ移動するとクリアになっていくから大丈夫か。
長い直線通路を進む7つの点の後方から、
(オーバーホエルミング)
(ワープ)
ゲートから顔を出して鑑定を実施。
やはり盗賊集団だな。だけど、この集団は?
やがて、7つの赤い点は小部屋にいる3つの赤い点と合流して10個の赤い点となった。
ああ、こいつらはアレだ・・・・・・ハインツの一味か。
さきほど鑑定した7人の中にエルマーという名の者がいた。
確かハインツの一味にそんな名前の奴がいた記憶がある。
しかし、原作ではハインツはターレの迷宮ではなく、ハルバーの迷宮で出現したはずなのに。
原作とは異なるのだろうか。ここで遭うとは全く思っていなかった。
ハルツ公の騎士団の迷宮攻略がボーデとハルバーに集中したせいで、ターレに流れてきたのか?
「主、どうした?盗賊は討伐しないのか?」
「いや、討伐はするが思っていたよりも敵が多くて強敵のようだ。
ちゃんと作戦を練ってから戦いたい。一度、自宅に戻ろう」
ゲートを開いて自宅にワープで移動した。
「少し確認したいことがあるから、食堂で待っていてくれ」
「分かったけど、置いてきぼりは無しだぞ!」
前科があると、なかなか信用してもらえないな。
・・・・・・
二階に上がって、元の世界から持ってきた原作をもう一度チェック。
12階層は12階層だが、原作はやっぱりハルバーの迷宮の方で討伐しているな。
それは言っても仕方ないか、どこの迷宮であろうと討伐することには変わりないのだから。
ハインツの一味は・・・・・・兇賊Lv24、海賊Lv67、盗賊Lv48、探索者Lv42でぐっと落ちて、Lv20台が2名とLv10台が4名となっているな。
さきほど、鑑定で見た7人の情報とおおよそ一致する。
原作だとLv20台とLv10台の6名に誘導されて、高Lv者4名と挟み撃ちになったのだよな。
海賊のシモンが一番強敵で、次点が凶賊のハインツだったか。
原作ではハルバーの12階層でハインツを討伐したのが、主人公が来てから60日目ぐらいか・・・・・・こちらとあまり変わらないな。
討伐のポイントは挟み撃ちに遭うことなく、こちらが奇襲をかけることか。
奇襲をかけるのなら、俺単独の方がやり易いのだが・・・・・・今回はダメか。
三人を安全な場所で囮にして、背後から俺が奇襲・・・・・・そんな感じでいくか。
食堂に降りて、紙に図を描いて作戦を説明。
「相手は10人いるようだが、正面から10人全員と戦うつもりはない。
三人にはこのようにまず、盗賊達の前面に出て囮の役割を果たしてほしい。
囮だから、相手を深追いして包囲されたりしないように注意してくれ。
適度に攻撃を加えて自分達の被害を最小限にするようにしてほしい。
恐らくは戦闘能力の低い6人の盗賊達が初めに前面にでてくるだろう。
ある程度、敵が前のめりになったところで俺が後ろから奇襲をかける。
作戦は理解できたか?」
「大丈夫だけど、主も奇襲した時に逆に包囲されてないように注意してほしい。
一人で突っ込んでいかないでよ」
「倒せたら、目の前の奴等倒しても良い?」
「二人に攻撃が当たらないように槍で牽制します。
こちらも無理はしないですから、ご主人様も絶対に無理しないください」
三人の言葉に頷いた。
「では、もう一度ターレの迷宮に戻るぞ」
「了解!」
「了解」
「了解」
玄関からターレ12階層の中間部屋にワープ。
索敵でマップを開きながら、相手に遭遇しないように慎重に近づく。
赤い点は奥の部屋に4つ、手前の部屋に5つ、入口付近に1つ・・・・・・は見張りか。
奥の4つはシモンやハインツ達主力部隊だろうな。
入口に一番近い通路の角にワープで移動。
「では、先程説明した通りの作戦で盗賊を討伐するぞ。
まずは三人でそこの角を右に曲がって通路を真っすぐに歩いてくれ。
一人だけ盗賊が立っているはずだ。
奥に引っ込んだら、その方向に10人の盗賊集団がいるはずだ。
すぐに突っ込まないで、ある程度人数が出てくるまで待機しよう。
盗賊集団が出てきたら戦闘を開始して構わない。
少し時間が経過したら、俺が後ろから奇襲をかける。
理解できたか?」
「了解」
「了解」
「了解。ご主人様も気を付けて下さい」
アミルの言葉に頷く。
「では、作戦開始だ」
三人がゆっくりと角を曲がって、真っすぐ進み始めたのを索敵のマップで確認。
入口にいた盗賊は奥の通路に引っ込んで・・・・・・5人を引き連れてヴィルマ達3人のいる通路に出てきた。
角から顔を少し出して覗くと、既に戦闘が始まっている。女3人だと思って甘くみたのか。
奥に引き込まずに戦闘か。無理するなよ。
奥の四人はまだ、前に出てこない・・・・・・というか奥の部屋に居座っている。
獲物がおびき出されるまで待つつもりか?
そんな事している間に6人の盗賊は全滅してしまうぞ。
やがて異変に気付いたのか、主力部隊が奥から出て前に進み始めた。
ここだ。
(ワープ・・・・・・)
ゲートが奥の部屋で開けない・・・・・・何故?
(ワープ・・・・・・)
ダメだ。やはり開かない。畜生、何故だ。
別の場所で、
(ワープ)
今度は開いた!・・・・・・側面からだが仕方ない。
(オーバーホエルミング)
鑑定すると、確かにハインツとシモンが見える・・・・・・こちらに気付いていない。
全力で駆け寄り、海賊Lv67・・・・・・シモンの右の横腹にデュランダルを刺し入れ・・・・・・そのまま首を刎ねる。
二振りでいけるのか。
こちらに全く気付かれることなく、シモンを葬れた。
一番の難敵らしいから、これで勝利をぐっと引き寄せたことになるはず。
右後方から兇賊Lv24・・・・・・ハインツの背中にデュランダルをブチ込んだ。
引き抜いて、そのまま後ろから首を刎ねた。
エルマーともう一人が並んでいたので、片方を背中からデュランダルで滅多切りして、もう片方も硬直のエストックの連撃を繰り返す。
オーバーホエルミングの効果が消えた。
(オーバードライブ)
(鑑定)
後ろにいた四人は確かに死体になっている。
そのまま、前の6人・・・・・・は3人に減っているが構わず、襲い掛かる。
ヴィルマ達の方に注意が向いていた盗賊3人は、俺の滅多切りに遭って全滅した。
★ハインツ一味討伐作戦マップ
(索敵)
この辺りには赤い点はもうどこにも存在しない。
「盗賊達の左腕の回収するぞ。迷宮に飲み込まれる前に急ごう!」
「了解」
「了解」
「了解」
ハインツやシモンなど主力部隊の左腕も確保できた。6人の低レベル盗賊達の方も三人で手分けして切り離したので全て回収が終わった。
「ふうぅー、なんとか討伐できたな」
「こっちに来た奴らは全然大したことなかったな」
「二人しか討伐できなかった・・・・・・」
「私は牽制だけで討伐できませんでした」
いやいや、怪我人が出なくて良かったよ。
やがて、10人の死体は装備品を残して迷宮に飲み込まれていった。
原作だと主人公とハインツ達が多少なりとも会話していたが、今回は速攻で倒したので相手の表情すらよく見ていない。
相手が強敵だと分かってるので、悠長に会話を楽しんでる余裕なんてないから。
シモンのカードも回収できたから、ちゃんと引き渡すかな。ゴスラーのためにも。
奥の部屋に移動して、ワープのゲートを開こうとすると・・・・・・今度は開いた。
ああぁ、これって遮蔽セメントを塗られたからか。
遮蔽セメントを塗っていても、塗った後に目視したらワープゲートは開く。
けれど俺がターレのマラソンで確認した後に遮蔽セメントを塗られてしまったら、俺が過去に見たものと別扱いになるのか。
ワープがあくまでフィールドウォークやダンジョンウォークを拡張したようなボーナス魔法と言っても、見た物が変わったり動いたりしたらダメになるってことか。
ベイルの自宅との移動の際でも、絨毯動かしたらワープでも移動できなかったものな。
絨毯のない所にはワープで移動できたけど。
まあ、そんな考察は後でいいや。
今はこの奥の部屋の家探しを・・・・・・。
さすがに今度は手紙は見つからなかった。
そこそこの軍資金と食料品、日用品が若干か。
あとは、残った装備品を回収しよう。
主力部隊の装備品でも、あまり大した事ないな。
レイピア、鋼鉄の剣、鋼鉄の盾・・・・・・この辺りは原作通りだったかな。
鎧は硬革と革か。レベルの低い盗賊もいたし仕方ないか。
ああ、あとはこれか。
決意の指輪(攻撃力上昇、対人強化)
結納品だったっけ。これはキッチリと回収しておこう。
これって、ボーナスポイントを増やすことができるのだっけ。
ちょっとやってみたい誘惑に駆られるけど、大した数値じゃないから止めておくか。
それと魔結晶が10個・・・・・・で一つが黄色魔結晶か。これも原作通りだな。
でも、装備品がしょぼい・・・・・・この前ドブローで討伐した盗賊集団の方が良い装備品だったな。
激情のレイピアもあったし。
インテリジェンスカードが出てきたので、10枚回収。1枚は探索者だが念のため回収だ。
こんなところか。
「では、一度、クーラタルの自宅に戻るぞ」
「はい、ご主人様」
アミルの言葉と同様に不完全燃焼だった二人も頷いた。
遮蔽セメントも関係なくワープゲートを開いて、自宅に四人で移動。
「今日は時間が中途半端になったので、クーラタルの迷宮探索は中止だ。
明日、また頑張ろう」
「主、あたしは修練場に行ってくる」
イレーネもコクコク頷いて、玄関を出ていった。
盗賊討伐の欝憤を訓練で晴らすのだろうか。
あの二人を満足させるのは厳しい気もする。オリビアと戦えばそうでもないのかな。
中途半端な残りの時間をどう使おう。
エネドラにエルフの三人の様子を確認してみるか。
・・・・・・
「エネドラ、その後はあの三人の様子はどうだ?」
「かなり悩んでいる感じに見えました。
遠くから見ただけですが何か妙案がある雰囲気でもなく、行き詰っているようですね」
直ぐに打開策が思いつくのだったら、こんなことにはなってないはず。
あのヴェロニカという騎士がこちらと接触を持とうとしたことも簡単に検知されているのだから、敵はあの三人よりも一枚も二枚も上手なのだろう。
正直なところ、元の家で貴族として復帰するのは望み薄だと思う。
敵方の当主を打倒しても、あの二人は未成年なので家を直ぐには継げないはず。
お家騒動の原因は不明だが、周りが全部敵というのなら用意周到に準備された策略なのだろう。
そうなる前に対策を取れないようでは、今後貴族としてやっていくのも難しいと思う。
未成年だったという境遇には同情するが、それで敵や周りが容赦してくれないことは今回の件でも明らかな訳だし。
「それと、旦那様、ルーク殿から伝言がありました。
例の取引の件で、時間がある時にお越しくださいとのことです」
「そうか、やっと回答がもらえるのかな。今から行ってくるか。エネドラはどうする?」
結構、時間がかかったな。どのような回答か楽しみだ。
「私は今日は手が離せないので、遠慮したいと思います」
「そうか、分かった。では、俺一人で・・・・・・」
「ご主人様、私もご一緒して良いでしょうか?」
先程まで傍らにいたアミルが会話に割って入ってきた。
「じゃあ、一緒に行くか」
「はい」
俺が無茶しないか監視役を務める気じゃないだろうな。
ただの取引内容の確認だし、無茶はしないぞ。
・・・・・・
アミルと二人で商人ギルドに行き、ルークとの商談。彼の傍にはいつもの武器商人もいる。
挨拶もそこそこに、対価となる素材とモンスターカードの説明をしてくれた。
「こちらが我々の提案内容となります」
「確認させてもらおう」
言葉でも説明があったが、数が多いのでリストも用意してくれていた。
(素材)
ダマスカス鋼33個もしくは竜革44個
(モンスターカード)
コボルト40、アリ5、灌木5、羊5、サンゴ5、トカゲ5、蝶5、人魚5、ゴーレム5
「40枚相当か・・・・・・」
「むっ、少なかったでしょうか?
では追加でコボルト4枚と各魔法属性を1つずつ合計8枚を増やすことでどうでしょうか?」
ここまで多いのは予想外だったな。
稀少価値を評価したのだとしてもどうなのだろうか。
こちらの期待値よりも大幅に上振れしている。
だが、こんなものなのか・・・・・・少しガッカリした気がする。
ルークの商家だけがこのような評価なのだろうか。
他の大手の商家でも同じ評価になるのか確認してみたいが、まだ時期尚早だろうな。
「では、それで手を打とう。素材は全てダマスカス鋼にしてほしい」
「そうですか、ありがとうございます。
枚数が多いので用意するのは3日後とさせていただきたいのですが」
「さすがに、この枚数だから仕方ないだろう」
俺の言葉にルークはホッとしたようだ。いつもと比べても感情が漏れている気がする。
ルーク達と別れて、アミルと一緒に自宅に戻った。
「ご主人様、かなりの枚数のモンスターカードだと思うのですが、浮かない表情に見えます。
カードの枚数が思っていたよりも少なかったのでしょうか?」
「いや、むしろ期待していたよりもカードの枚数も素材も多かった。
多かったのだが、回答内容に少しがっかりしたというか・・・・・・上手く説明ができないのだが」
「がっかりですか。何故なのでしょうか?」
「その理由はカラダン達がいる場で説明したいと思う。
今回はまあ、カードが多く入手できたので良かったと思っておこう」
アミルは小首を傾げて納得できないのだろうが、これ以上の質問はしてこなかった。
次は、ドブローに行くか。
あちらも、まだ取引の契約内容の詰めをしなければならないので。
アミルと別れてドブローの冒険者ギルドにワープした。