異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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■2章 探訪
001.迷宮討伐に向けて


 朝の訓練と朝食を早々に終えて、午前中はターレの迷宮探索だ。

 迷宮組と護衛部隊の再編成に向けて22階層か23階層までは到達しておきたい。

 

 ターレ迷宮の16階層の小部屋にワープで移動。

 ボス部屋到達を優先するマラソンの続きだ。

 

 今回は一人だから、さすがに迷宮入口で走破した階層の報告はできない。

 今まで散々、人数を三人だったり、四人だったり、メンツを代えたりして報告してきたが、さすがに今から迷宮に一人で入りますというのは拙いだろう。

 

 ターレの16階層では、新規にケトルマーメイドが出現する。

 15階層まではマーブリーム、ハットバット、ラブシュラブの順だった。

 飛行系もいれば、陸上移動系もいて、移動形態も違えば移動速度も異なる。

 すり抜けを行うには丁度良い相手だ。

 

 事前準備としては・・・・・・。

 どうせレベルは上がらないから、セブンスジョブは止めてフィフスジョブをセット。

 

 セットするジョブは、

 

百鬼夜行Lv64 勇者Lv64 英雄Lv64 遊び人Lv64 刺客Lv64

 

 遊び人には勇者の敏捷大上昇と魔道士の雷魔法をセット。

 これで5つのジョブには全て敏捷の上昇する効果がついたな。

 百鬼夜行は敏捷中上昇があるし、刺客も敏捷小上昇がある。

 

ジョブ 百鬼夜行

効果 腕力大上昇 体力中上昇 敏捷中上昇

スキル 戦闘回数増加 小荷駄隊(4人)

     パーティ編成 アイテムボックス操作(50) フィールドウォーク

 

ジョブ 刺客

効果 知力中上昇 精神中上昇 敏捷小上昇

スキル 状態異常確率アップ 状態異常耐性アップ クリティカル発生

 

 刺客より百鬼夜行の方が敏捷って不思議な気もするけど。

 

 

 ボーナスポイント編成は・・・・・・いつものボーナス武器と防具にフィフスジョブ。

 一応、育成のために獲得経験値二十倍をセットして、俺の経験値系は外す。

 あとは、MP回復速度四倍をセットして、残りは敏捷・・・・・・53ポイントも割り振れるのか。

 

ボーナスポイント(261(初期値198+63(Lv上昇分))

・キャラクタ再設定(1)

・武器6(デュランダル)(63)

・防具5(アルフレイル)(31)(防御力2倍、魔法ダメージ削減、状態異常無効、レベル補正無視)

・鑑定(1)

・パーティジョブ設定(3)

・パーティ項目解除(1)

・索敵(5)

・拠点構築(5)

・必要経験値三分の一(7)

・獲得経験値二十倍(63)

・敏捷上昇(53)

・フィフスジョブ(15)

・詠唱省略(3)

・パーティライゼイション(1)

・ワープ(1)

余剰ポイント(0)

 

 こんなものかな。

 

 さて、とにかく前に進むしかない。

 索敵をかけながら、モンスターの数が少ない通路に向けて走り始める。

 まずはジョギング程度の速度。

 

 前からやってくるのは、ケトルマーメイドが2匹とハットバットが1匹・・・・・・か。

 うーん、横一列になってしまったか。

 

(オーバーホエルミング)

 

 ハットバットが浮かんでいる下を潜り抜けて・・・・・・ついでにデュランダルでハットバットを一撃・・・・・・さすがにハットバットは消滅したりはしないか。

 でも、軽いMP回復ぐらいにはなるだろう。

 

 できる限りモンスターは回避しながら、先へ先へとひたすら駆ける。

 5匹が詰まってる時は避けきれない。

 仕方なくオーバーホエルミングとデュランダルで撫で斬りにして通路をこじ開ける。

 

 クリアになったエリアが索敵のマップで徐々に広がっていくが・・・・・・簡単にボス部屋までには辿り着けない。

 ワープも駆使して、未解放のエリアを減らしながら、ボス部屋を探しまくる。

 

 

 走りながら、回避しながら・・・・・・昨晩考えていた・・・・・・エリクサーへ至る道のりを再考。

 

 威霊仙を得るシンプルな方法は、クーラタルの63階層のボスを倒してドロップ品を得ること。

 その次はオークションで威霊仙かエリクサーが出品されたら落札すること。

 

 その他は・・・・・・持っていそうな者と直接取引をすることだろうか。

 エリクサーや威霊仙を所有していそうな者・・・・・・実力のある迷宮探索者、有力な商人、そして身分の高い貴族だ。

 

 ゴスラー騎士団長は贈り物に『威霊仙』と言っていた。

 簡単ではないのだろうが、それでも口に出すということはそれなりには贈っているのだろう。

 

 ハルツ公と交渉したら、なんとか入手できないだろうか。

 どうすれば、ハルツ公に認められるのか。

 

 石鹸との交換・・・・・・はさすがに無理だろう。

 いくらカシア様が贔屓にしてくれたとしても、石鹸の詰め合わせと交換に威霊仙をもらえる訳がない。

 

 そうなると迷宮でも討伐するか?・・・・・・力を見せるには丁度良い機会にはなるかもしれない。

 

 

 ハットバットが3匹飛んできた。下層のモンスター3匹は珍しいな。

 ヒラヒラと空中を舞いながら、こちらに近づいてきて鬱陶しい。

 

(オーバーホエルミング)

 

 ハットバットの間を潜り抜けながら、デュランダルで軽く小突く。

 超速スキルが切れる頃には3匹は遥か後方だ。

 そのまま、また走り続ける。

 

 

 『迷宮討伐したら、威霊仙をいただけますか?』とはさすがに訊けないよな。

 逆に威霊仙をネタに更に要求のハードルを上げてきそうな気もする。

 相手は身分の高い貴族だから、交渉事はお手の物だろう。

 

 

 迷宮を討伐したら、士爵位を得る審査がほぼ確実に通るだろうとヘルミーネは言ってたか。

 別に貴族になんかなりたくもない。

 それとは別に50階層のボスぐらいは倒せるぐらいの強さは必要だ。

 63階層のボスを倒して威霊仙を得るつもりなら、それはただの通過点でしかない訳だし。

 

 エネドラの左腕、チクルスの怪我の跡、フラウスの傷痕、ポーラの出産、誰かが何かの重い病にかかる場合もあるだろう。

 エリクサーを1つ2つ手に入れたところで、その次が欲しくなるのは容易に想像がつく。

 

 

 やはり、迷宮を討伐してみるか。決めた。討伐しよう。

 63階層に至るまでの前哨戦にして、討伐したら公爵と交渉してみよう。

 先日のシェル達の件の交渉ではないが、迷宮討伐にプラスアルファできないかも考えてみるか。

 

 

 マーブリームとラブシュラブか・・・・・・マーブリームを軽く避けて、ラブシュラブの遠隔攻撃をいなして脇を通り過ぎた。

 このぐらいなら、超速スキルも不要だ。

 だが、30分もすれば結構しんどくなってきた。走りっぱなしだからな。

 

 モンスターから遠い場所で小休止。

 魔法使いのジョブに入れ替え、ウォーターウォールを出してコップに水を入れてがぶ飲み。

 

 

 迷宮討伐のターゲットをどこにするか。

 ベイル、ザビル、ターレ、ボーデ、ハルバー・・・・・・ボーデとハルバーはないな。

 ハルツ公の騎士団が注力している横から割り込む訳にもいかない。

 ザビルは放置されていて、どこまで階層が伸びてるのか分からない。

 ベイルもターレも出現したばかりだから、最上階でも50階層か51階層だろう。

 

 ベイルはないよなぁ。

 さすがにジーク様やキャロルの事を考えると横から搔っ攫うのは気が引ける。

 

 やっぱり、ターレ一択か。

 今のところはターレは独占状態だ。

 その分、誰の手も借りられないから独力で片づけなければならないが。

 

 

 休憩を終了にして、また走り始めた。

 

 

 ターレ攻略の期限をどう考えるか。

 

 原作では、ハルバーをゴスラー騎士団長達が討伐したのが、夏の40日を過ぎてから・・・・・・主人公がこの世界に来てから130日過ぎだったか。

 ハルバーが討伐されたら、次は手薄なターレに目が向くかもしれない。

 

 こちらは今が61日目だから120日目ぐらいまでに討伐するか。

 季節毎のオークションが90日目過ぎてからだから、そこで威霊仙かエリクサーを得られなければ63階層を目指すか、別の手段を模索する必要があるだろう。

 90日目までに63階層を攻略できるか・・・・・・そこまで楽観的には考えられないな。

 若い迷宮である50階層よりも更に13階層も上な訳だから。

 

 60階層を越えると、一般的には迷宮討伐が困難になるのではないかと予想している。

 通常のボスと迷宮のボスでは強さのレベルが違うのかもしれないがどうだろうか。

 

 

 一流の探索者なら7、80階層に出入りしているという記載もあった気がするが、一流の目安も分からないし。

 

 

 ケトルマーメイドが二匹・・・・・・これは簡単に避けられるな。

 一匹を小突いて、脇をすり抜けた。

 

 

 120日目まで、つまり、あと60日ぐらいでターレを討伐できるか。

 今が16階層で、44階層までは1日1階層ぐらいのペースで攻略すると44階層攻略までに29日・・・・・・そこで約90日目ぐらいか。

 22階層までは俺が一人で最速攻略を目指すから、その分は余裕ができるか。

 

 23階層から33階層までなら、今までの経験上は1日2階層でもいけるが、護衛組と組むなら1日1階層だろうな。

 商売の関係もあるから、毎日迷宮に行けないかもしれないので多少の余裕を見ておく必要もある。

 

 34階層からは迷宮組と組んで攻略しても良いかもしれない。

 クーラタルと違って、案内人がいないから1階層ずつ上がっていくしかないのだが。

 ヴィルマ達の俺抜きの迷宮探索に区切りがついている必要もあるのかな。

 

 いずれにしても44階層まで攻略できたら、そこからは慎重にいく必要があるだろう。

 原作主人公達もそんな感じだったよな。

 主人公の考えとは別にドンドン上に上がっていた気もするが。

 

 44階層から50、51階層までの7、8階層分は1階層3日かけると最大で24日間か。

 そう考えると120日目までの討伐も意外に余裕がないな。

 

 実際にはやってみないと分からないが。

 

 それだけ苦労しても、迷宮討伐した報酬に威霊仙やエリクサーがもらえるとは限らない。

 ただ、いずれは50階層を走破できる実力を身につけなければならないのだから、無駄にはならないだろう。

 

 

・・・・・・

 

 ようやく、ボス部屋を見つけた。

 待機部屋に来たが、当然、扉は開いている。

 

 小荷駄隊から、ラファを通常部隊に移してボス部屋に侵入。

 まずはお供を瞬殺してから、ボスを叩くか。

 

 ラファを小荷駄隊に移動させて、ボス戦開始。

 

 お供は・・・・・・ケトルマーメイドか。

 

(オーバーホエルミング)

 

 デュランダルで滅多打ち・・・・・・ケトルマーメイドを煙に変えたところで・・・・・・ボスも滅多打ち。

 

 石化した・・・・・・か。これで終了だな。

 ボトルマーメイドを刻んで煙に変えて、17階層に抜けた。

 ここまでで1時間半ぐらいか。やっぱり時間かかるな。そして体力も使う。

 

 午前中にいけるのは、もう1階層ぐらいが限界か。

 3階層分を突破するのは無理だな。体力的にもたない気もする。

 無理して午後の探索に支障をきたすのは拙い。

 

 17階層を突破して、午前中の残りの時間を魔物部屋の殲滅にあててクールダウンするか。

 魔物部屋でクールダウンというのもアレだが。

 

 

 ターレの17階層の新規モンスターはロートルトロール。

 ロートルトロール、ケトルマーメイド、マーブリーム、ハットバットの順か。

 ロートルトロールだけ気をつけるべきだな。行く手を塞がれそうだし。

 すり抜けにくそうな相手だ。

 

 

 とはいえ、前に進むために走り出す。

 

 おっと、いきなりロートルトロール3匹だ。

 これはすり抜けられないな。

 

 でも・・・・・・近づいてきたところで、

 

(オーバーホエルミング)

 

(ワープ)

 

 後ろにゲートを開いて、ゲートを抜けた後はダッシュで逃走。

 

 超速スキルが切れる頃には、もう追いつけない場所に移動。

 そのまま、前に駆け出す。

 

 

 ハルツ公の騎士団員への報告はどうするか。

 44階層ぐらいまでは、今と同様に攻略済の階層の報告を適当にしておけば良いか。

 馬鹿正直に最新の到達階層の報告をする必要はないよな。

 

 ハルバーの攻略がされるまでは、ターレに注意が向けられることは少ないのではないか。

 44、45階層まで到達したら、報告の方法やタイミングは慎重にするべきだろう。

 

 原作の描写で、迷宮討伐をハルツ公の臣下に経験を積ませたり、箔をつけさせるのか知らないが上手く融通し合っていたよな。

 せっかく40階層後半まで到達したのに取り上げられてしまったら、たまったものではない。

 

 忙しそうな時に47、48階層の報告をして、一気に攻略して討伐してしまうのが良いか。

 邪魔が入る前にケリをつけると・・・・・・それが良いな。

 

 

 今度は、ロートルトロールが2匹か。

 

(オーバーホエルミング)

 

 横をすり抜ける時に、デュランダルで小突いてMP回復と。

 

 

 そうなると討伐直前に、原作のイベントを確認してハルツ公が忙しそうなタイミングがどこにあったか確認しておくか。

 何かあったかな。

 

 思い出せない・・・・・・が、セ二号作戦はもっと後の方だったよな。

 

 ゴスラー達が迷宮討伐した時には、エルフヒロインはいなかったはず。

 セ二号作戦の後は死ぬほどハルツ公は忙しかった記憶があるけど、それは利用できないか。

 

 こちらから何かハルツ公を忙しくするように仕向けるか?

 相手に負荷をかけて、その隙に悪さをするなんてハッカー集団みたいだな。

 いや、迷宮討伐だから悪さ・・・・・・ではないな。真面目なお仕事だ。

 ざっと考えたけど、こんなところで良いかな。

 

 あとは自室に戻った時に文書化して、チェックをしよう。

 

 迷宮討伐を目標にすることは、もうしばらく黙っておくか。

 元々、迷宮討伐できる程度の実力を身に付けたいとは言ってたしな。

 

 実際に迷宮討伐を実現させるとなったら、ヘルミーネやラファの野心に火を付けてしまうかもしれないしなあ。

 あいつらが本当のところ、どう考えてるのかまでは分からないのだけど。

 

 ただ、ラファは護衛部隊の中では魔法使い系のジョブを持つ重要なポジションだ。

 これから育成を加速させて魔道士のジョブにつけたいと思っている。

 魔道士のジョブを得たら、迷宮討伐できる実力を得たと普通は思うよな。

 その時はどのような行動に出るのだろうか。

 

 それを恐れて、ラファを飼い殺しにする訳にもいかないよな。

 貴重な魔法使いジョブ持ちだし、可能ならラファ以外でも魔法使いのジョブを持つ者を増やして護衛部隊の強化もしたいと思っているぐらいだし。

 ターレの迷宮討伐の目標はどこかで宣言するか。

 タイミングはちょっと考えよう。

 威霊仙のためと言うとエネドラが気にするだろうから、そちらの目的も秘密にしておきたい。

 

 ああぁ、隠し事ばっかりになってしまうな。

 

 

 次はロートルトロール3匹とケトルマーメイド2匹か。

 

 

 ちょっと戦うか。考え事のケリもつけられたし。

 

 

(オーバーホエルミング)

 

(サンダーストーム)

 

 右のロートルトロールにデュランダルを滅多打ち・・・・・・しながら、中央の奴に硬直のエストックの連撃。

 

 右の奴が煙に変わったので、右から回り込んで、ケトルマーメイドを滅多打ち。

 

(オーバードライブ)

 

 後ろのケトルマーメイド二匹をデュランダルで仕留めて、残りのロートルトロールを硬直のエストックで連打して石に変えた。

 残っている石化したロートルトロールを刻んで終了。

 

 やっぱりドン臭いロートルトロールは超速スキルとの相性が良いな。

 これぐらいの相手だと、味方がいない分だけ被害を気にせず、単独行動で戦闘した方が早く終わらせられる。

 

 毎回、戦っていると先に進めないから自粛するけど。

 

 

・・・・・・

 

 

 ようやく、ボス部屋に到着。

 

 結構、しんどかったけど意外に達成感が。

 やっていることが逃げてばかりだから恰好悪いけど。

 

 当然、扉は開いていると。

 

 ボスのロールトロールはローリング攻撃が要注意だったか。

 動き出す前に仕留めるのが良いな。

 今回はボスから片づけよう。

 

 小荷駄隊から、ラファを通常部隊に移して、ボス部屋に侵入。

 ラファを小荷駄隊に移動させて、ボス戦開始。

 

 お供は・・・・・・ロートルトロールか。

 

(オーバーホエルミング)

 

 デュランダルと硬直のエストックで滅多打ち・・・・・・ボスを石・・・・・・煙に変わったか。

 

 続けて、ロートルトロールも同じく滅多打ち。

 煙に変えて終了と。

 

 ドロップ品を拾って18階層に抜けた。

 これで3時間ぐらいか。

 

 時計で確認すると、昼まであと1時間半ぐらいはあるな。

 

 風呂でお湯でもかぶってサッパリしたい。

 

・・・・・・

 

 ワープで移動して風呂場でお湯を浴びた後に、自室で少しだけ休憩。

 ターレの迷宮でイロイロ考えた事をメモに書き写しながら、火照った体を冷ました。

 水分を多めに取って・・・・・・パワーレベリングへ行くか。

 

 玄関から、クーラタルの32階層の中間部屋にワープで移動。

 索敵で見ると、魔物部屋は・・・・・・満員御礼だな。

 

 32階層、31階層、30階層の魔物部屋を殲滅して回った。

 通常部隊は俺とオリビアのみ、小荷駄隊にはフラウスしか入れてなかったので育成効果は高い。

 オリビアは竜騎士Lv40、フラウスは巫女Lv46まで上がった。

 フラウスは上位のジョブが射程圏内に入ってきたかもしれない。

 

 全滅したパーティも特にいなかったし、モンスターカードもドロップしなかった。

 ドロップ品だけを拾って、自宅にワープで戻った。

 

・・・・・・

 

 昼食になり、午前中の子供達の受け入れ状況をエネドラから教えてもらった。

 ターヘラから子供達を引き受けて、ベイルに連れてきたのだが子供達も慣れたものだそうだ。

 前回と異なり説明などは不要なので自分達の部屋に移動して荷物を置くと、直ぐに昼食の準備やら水汲みやらの作業を始めたらしい。

 

 午後からは石鹸作成の作業をピコ達と一緒に始めるそうだ。

 今回は習熟期間ではなく、正規の作業期間なので14日間。

 この14日間にホームシックにかからないものなのか心配してしまう。

 

 はじめのうちは物珍しさが先行するけど、今度はどうなるのだろうか。

 ナナイの話では、ベイルの方に早く来たかったらしいが、そんなに面白いものなのだろうか。

 元の世界で言うところの林間学校やら社会科見学のノリ?

 まさか修学旅行ではないよな。観光する訳でもないし。

 でも知らない土地に行くってことでは修学旅行なのだろうか。

 よく分からないが、カラダンに監督してもらおう。

 

「旦那様、カラダンの話では装備品の受け渡しも完了したそうです」

「そうか、ありがとう」

 

 双子が稼いだドロップ品の1/3相当を武器や防具の装備品で渡すことにした。

 ナナイの要望だったのだが、あの子供達の何人かが装備品を身に着けて戦うのか?・・・・・・いや、訓練でもするのか。

 

 というか、今までそのような装備品無しで訓練してたってことなのか。

 子供達が使っていたのは、木刀や木の剣ではなく、鑑定したら『木の棒』だったものな。

 遊ぶのなら、安全面からも『木の棒』の方が正解な気もするけど。

 

 けれどそれで、よく双子は獣戦士のジョブが取得できたものだ。

 ニムラルのオッサンは獣戦士の取得をさせられるようなノウハウでもあるのだろうか。

 

 双子に今度確認してみようかな。

 でも、アイツらノリとフィーリングで訓練しているから、ノウハウとか明文化可能な情報って提示できなさそうなのだよな。

 

 こちらも知ったところで誰に適用するのかって話もある。

 マヤは獣戦士って感じではなさそうだし。

 

 取れそうな奴は皆、獣戦士のジョブを持っている。

 原作でも獣戦士のジョブ取得条件って明かされていなかったよな。

 今すぐ必要な情報でもないから別によいか。

 

 レドリックとも迷宮探索の情報交換。

 

「午前中の護衛部隊の迷宮探索は特に問題ありませんでした」

「そうか」

 既に22階層は攻略していたから、二度目以降は問題ないか。

 

「それで、あの・・・・・・」

「ん?どうした?」

 何か問題が発生したのだろうか。

 

「ご主人様が昨晩お話ししていた件ですが・・・・・・」

「昨晩の件?」

 

「はい、一人で16階層を攻略するとおっしゃっていた件です」

 そちらの件か。計画通りには進まなかったな。

 

「ああ、それか。残念ながら思っていたより厳しくてな。

 午前中に16、17、18階層を攻略しようと思っていたのだが17階層までだった」

「えっ?午前中だけで2つの階層を一人で?」

 あれっ、昨晩宣言していたはずなのだが。

 

「まあ、避けることに徹していたから。無理はしなかったので問題は起きなかった」

「・・・・・・」

 レドリックの表情が硬い。

 

 おかしいな。

 俺は、『フッと動いたときに・・・・・・ハッと引けば』とか『目を瞑っていても避けられる』などとは言っていないのだが。

 ただ、ほとんど回避して逃げまくってボス部屋に辿り着いて攻略しただけなのに。

 

「まあ、そんな訳で明日以降も午前中に2階層ずつ毎日、攻略していこうと思う」

「・・・・・・」

 

「私達は3日後にはご主人様と一緒に迷宮の探索を行うのですよね。本当に大丈夫でしょうか?」

「全く問題ないと思うぞ」

 まあ、慣れてもらうしかないな。アミルもそうだったし。

 

 

 午後からはクーラタルの35階層の攻略か。

 34階層はコボルトが多くて楽だったので、34階層以降のモンスターの手強さがよく分からかった。

 

 その意味では今日からが本番だろうな。

 それはそれで楽しみだな。

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