コボルトソルトとコボルトスクロースを持って、ベイルの旅亭に夕飯を食べに行く。
旅亭の受付に顔を出して、夕飯を食べに来たことを伝える。
夕飯の対価は朝確認してた通り、コボルトスクロース6個。
ドロップ品と交換で木札をもらい、食事をもらう時に提示して、食べ終わったら、受付に返却すればよいとのこと。
食事券みたいな感じなのかな。
木札を提示して、食事にありつく。そして、ベイル亭の夕飯はやはりそれなりに美味い。
肉やスープにしっかりと味付けがされているし、ドレッシングこそないがサラダも量が多い。
パンだけは、俺の好みの問題かもしれないが、ちょっと硬い。
それでも、初めに転移した村で頂いたパンよりは美味しかった。
どういう食材をどう味付けしてるのかは、父子家庭で自炊派だった俺には気になるところだ。
食材は、迷宮ドロップ品のような高級品を使ってるはずはなく、その辺の普通の食材でこの味を出しているだろうから、かなり凄いことなのではないだろうか?
感心しながらも、シェフを呼べぇ...とは言えないので、食べ終わった後、ボイルに美味かったと感想を伝え、また来ると告げて、旅亭を後にした。
もう、陽はとっぷり暮れていて、かなり薄暗い。腹ごなしの散歩をしながら、新居に戻る。
玄関のドアの鍵を開ける...前に、新居全体のエリアを索敵で確認。
うん、別におかしな奴らがうろついてたりはしない。
最近、盗賊にかなり遭うのだが、さすがに住宅街ではうろつかないか。
新居を構えたばかりなので、ちょっと警戒してしまう。
玄関の鍵を開けて、廊下と食堂の照明をつけた。
厨房の火はいったん落としてしまったのだが、火をつけなおして、お湯を沸かした。
ポットにハーブティーの葉っぱを適当に入れて、沸かしたお湯を注ぐ。
しばらく置いて、コップにハーブティーを注いでみる。
さすがにこの程度では料理人のジョブは得られなかった。
次にポットに注がれた熱々のハーブティーを食糧庫にそのまま収納してみる。
ちゃんと収納できた。数時間後に取り出してみて、どうなるのか実験だ。
ハーブティーをちょびちょびすすりながら、夜食の準備をしよう。
元の世界の紅茶やお茶と比べると、すこし癖のある味だが、飲めなくはない。
技術がある人が淹れると美味しいのかね。
肉を適当な大きさに包丁で切って、軽く塩でもみこんで、油を引いたフライパンを火の上にかけて、熱くなった時点で肉を軽く焼く。
香ばしい香りと音とともに、肉がジリジリと焼けていく。
適当なところでフライパンから肉を取り出して、包丁でさらに切ってみる。
まだ完全に火は通ってないな。切った肉をフライパンに戻して、更に弱火で焼いていく。
洗った野菜を軽く刻みながら、十分火が通っただろうというところで、フライパンから肉を取り出す。
買ってきた、少しお高めのパン2つに切れ込みを入れて、野菜と肉を挟んで、簡単なBLTサンドの出来上がりだ。
全くベーコンは存在しないし、謎の野菜なのだが、BLTサンドに見えなくもない。
だが、これで料理人のジョブが取得出来た。最低、肉くらいは焼かないとダメなのかね。
BLTサンド2つは同じく食糧庫に入れて保管した。
新居では夜は照明が使えるので、ちょっと2、3時間ほど迷宮で残業してみるか?
新しいジョブも増えたので、レベリングをしてみたいし、迷宮入口の盗賊達も気になる。
夜に時間があっても、ゲームもTVもないから暇なんだよね。
この世界では贅沢な悩みなのだろうけど。
盗賊との遭遇を考慮して、近接戦闘ジョブを多めにして、魔法使いもセットしておく。
盗賊相手では、経験値も結晶化促進も不要だろう。
デュランダル装備で、後は腕力とMP回復上昇に少しだけ割り振る。
装備はデュランダルのみ佩刀して、後はアイテムボックスから取り出そう。
マントを羽織ってるので、デュランダルもアルフレイルも見えないだろう。
ユキムラ タケダ(鬼人族 ♂ 17才 自由民)
探索者Lv33 英雄Lv33 鬼武者Lv33 戦士Lv33 剣士Lv33 騎士Lv33 魔法使いLv33
装備 デュランダル アルフレイル 革の靴
15万9940ナール
ボーナスポイント(230)(初期値198+32(Lv上昇分))
・キャラクタ再設定(1)
・武器6(デュランダル)(63)
・防具5(アルフレイル)(31)(防御力2倍、魔法ダメージ削減、状態異常無効、レベル補正無視)
・鑑定(1)
・ジョブ設定(1)
・異世界言語(10)
・索敵(5)
・拠点構築(5)
・MP回復速度五倍(15)
・腕力上昇(29)
・セブンスジョブ(63)
・詠唱省略(3)
・ワープ(1)
・メテオクラッシュ(1)
余剰ポイント(1)
玄関を出て、ドアのカギを締めて、迷宮に向かうことにした。
途中、索敵でエリアを確認するが、赤い点はない。
カンテラはないが、鬼人族は夜目が少し利くので、歩く分にはさほど問題ない。
門を出て、迷宮に向かい、迷宮入口の辺りを索敵スキルで確認。
入口に一人、林の奥の方に4人、人がいる。そして、入口の人間含め、五人とも赤い点だ。
こいつらは、昼間に居た2グループの盗賊のうちのレベルの高い方の1つだな。
盗賊Lv29
装備 シミター 硬革の鎧 革の靴
盗賊Lv21
装備 鉄の剣 革の鎧 革の靴
盗賊Lv24
装備 鉄の剣 革の鎧 革の靴
盗賊Lv18
装備 鉄の剣 皮の鎧 皮の靴
探索者Lv27
装備 鋼鉄の槍 革の鎧 革の靴
見えている入口の一人は探索者だ。当然、昼間見た探索者とは別人。彼はグレーだった。
今、見ている探索者は赤い色なので、つまり盗賊の仲間ということだ。
注意しながら、近づいていくと、向こうから話しかけてきた。
「こんな遅くに頑張るね。どこか行きたい階層があれば案内するけど」
気さくな感じで話しかけてくるが、油断を誘っているのだろう。
「いや、3階層でコボルトを相手にするだけなので、大丈夫だ。
さすがに一人だとコボルトぐらいしか倒せないからな」
俺も相手の油断を誘うために、適当な出まかせを言う。
「そうか、気をつけてな」
赤色の探索者は俺に道を空けて、視線を外した。
視線の先で、四人の盗賊の方に目くばせをしたような気がした。
俺は、3階層の小部屋にワープして、そのまま、もう一度、別の部屋に直接ワープで飛んだ。
ここからは、ちょっと忙しいぞ。
ボーナスポイントは盗賊討伐用にしてあるので、エストックとほむらのレイピアを取り出す。
索敵で確認すると、赤い点が小部屋に出現して、通路側に移動し始めた。
俺は、部屋を出て、彼らの視線の先の十字路を横切るように横断した。
当然、盗賊達の方に視線を向けないようにしている。
俺が十字路を横切った後、盗賊達は歩く速度を速めたように近づいてくる。
少し先の左に扉が見えているが、元居た小部屋に再度ワープして戻った。
盗賊達は十字路を曲がって、左側の扉の方に近づいて固まった。
その先の小部屋で俺を始末するつもりの相談だろうな。
小部屋に五人が突入して散開したようだ...だが、目標とする俺はいない。
俺は、盗賊達五人の入った部屋の内側の壁にワープでゲートを繋いで移動した。
オーバーホエルミング..から全力でダッシュして、まずは後ろに居た探索者の首を刎ねた。
手近な盗賊からデュランダルで次々と屠っていく。
オーバーホエルミングが切れた時点で、生き残った盗賊は一人だけだったが、そのまま盗賊の首も刎ねた。
急いで、五人分の左手首を切り離した。
やがて、装備品とリュックを残して、盗賊達は迷宮に飲み込まれていった。
残ったリュックの1つの中身を出して空にして、五本の左手首を放り込んだ。
彼らのリュックの魔結晶と貨幣をまとめて、俺の持ってきた小袋に入れ、残りは放り捨てた。
騎士のジョブを武器商人に付け替え、床に散らばった装備品を淡々と収納する。また洗浄か。
少し憂鬱になったが、ほぼ予定通りの計画だったので、文句を言う筋合いでもない。
だからと言って、洗浄が楽になる訳でもないのだが。
ただ、作業がこなれてきたというかルーティン化してきて、やってることは賞金稼ぎだよな。
インテリジェンスカードはどうしよう。
今度はベイルじゃなくて、クーラタルの騎士団に提出してみるか。
ギルド神殿を使えば、どこの盗賊でも処理できるのかとかを確認しておきたい。
確か原作の設定では、ギルド神殿は親子関係がある場合があると言ってた気がするが、それも含めてどう関係するのかも気になる。
ついでにクーラタルの迷宮に入るか。
まだ一度も入ってないから入場料が必要か。でも一度は入っておかないとな。
盗賊達のインテリジェンスカードが出てくるまで時間がもう少しかかるだろう。
俺は1階層の小部屋にワープした。小部屋には誰もいない。
索敵で見える範囲には、モンスターだけで、他のパーティも盗賊達の赤い点も見当たらない。
別の場所にワープして、魔物部屋を索敵で確認。
午前中に一度殲滅したのに、もう10匹くらい出現している。
三日もすれば満タンになるのだろうか?恐ろしいな。
そして、この見える範囲にも盗賊は居なさそうだ。
俺は2階層の小部屋にワープした。
1階層同様、小部屋には誰もいなかった。3階層も同じだったよな。
夜に探索するパーティが居ると原作小説では言っていた気もするが、ベイルみたいな新しい迷宮では、まだそこまでの探索者はいないのかもしれない。
まあ、俺がそのレアケースに該当するのか。目的が盗賊討伐と魔物部屋なのだが。
いろいろと無駄に考えてる間にインテリジェンスカードが出てきた。
5枚のカードを俺のリュックに放り込んだ。
まだ時間があるから、残業を続けよう。
魔物部屋の近くの通路の逆側の壁にワープした。
通路に五本の左手首が入っているリュックを放り捨てた。
先に飲み込まれた本体と同じく迷宮の養分になるのだろう。
我ながら無慈悲な行動だが、盗賊相手に慈悲は不要だと思っている。
彼らは、こちらを殺そうとしていた訳だから。
昼間には、もう1グループ居たんだよな。他にも居るだろうからキリがないのだろうが。
見つけたら、これからも積極的に討伐しよう。
それよりも今は、魔物部屋の方に集中しよう。
ジョブ編成は前回とほぼ同じ。
探索者、英雄、鬼武者、魔法使い、薬草採取士、武器商人、騎士
ボーナスポイントの編成も同じにして、デュランダルを装備した。
周りに他のパーティが居ないことを確認済。壁に触れながら慎重に歩いていこう。
午前中と同様にモンスター部屋の壁に沿って、ペタペタ触りながら歩き始める。そして再び、ガクンッと引き込まれた。
魔物部屋を視界に入れて、ワープでいったん脱出。
視界に入っていたのは、ほぼニードルウッドだが、グリーンキャタピラーもチラホラ。
サイズ的にでかいニードルウッドが目につくが、グリーンキャタピラーも相当数いたはず。
索敵で確認すると、今回も40匹をはるかに超える集団だ。
グリーンキャタピラーがかなりいるため、糸の攻撃に要注意で、優先的に倒す必要がある。
それでも、今回もブリーズストームとデュランダルで行けるだろう。
前回と同じ戦略だ。集団の密度の薄いところの壁にワープ...と。
突入したら、ブリーズストーム...からのオーバーホエルミング。
デュランダルで撫で斬りしていく。
MPが減り、気分が悪くなるのを我慢しつつ、グリーンキャタピラーを優先して倒していく。
デュランダルで打倒すると気分は急回復。あまり気持ち良いことではない。
ニードルウッドは無視しながら、下から救い上げるようにグリーンキャタピラーを両断する。
オーバーホエルミングの効果が消えて、モンスターが通常の速度で動き始める。
グリーンキャタピラーが視界に入らないうちは無闇に動き回らないようにする。
ジリジリと四隅の一角に退却しながら、もう一度、ブリーズストーム。
そして、オーバーホエルミングを唱えて、再度、突撃。
もう、種類にこだわらず、近場の奴から撫で斬りにしていく。
オーバーホエルミングの効果が消える頃には魔物部屋のモンスターは数匹になっていた。
グリーンキャタピラーの詠唱紋が出ないか注意しながら、ひたすら切り付けていく。
最後のニードルウッドを倒して、魔物部屋の殲滅が完了した。
デュランダルと知力上昇を外して、フラガラッハとMP回復を限界まで上げておいた。
目の前には多数の糸とブランチ、若干のリーフ。
ブランチよりも糸の方が多い分だけガランとした感じ。
あとは全滅したパーティのものと思しき、装備品。
今回の方が数は少ないが、ここに引き込まれた探索者が少なかったせいか。
15分ほどで、ドロップ品、装備品の回収は完了した。
戦果は、大量の糸とブランチ、あとはリーフが2個、モンスターカードはなし。
迷宮探索者の装備品が3セット?薄汚れたリュックも3つ。
ここで命を絶たれたのは3人だったのだろう。
銅の剣3、皮の鎧3、皮の靴3
貧弱な装備品から想像するに、やはり初心者レベルの探索者3人だろう。
魔結晶とお金は手持ちの小袋の中へ放り込んだ。
ドロップ品と装備品は粛々と武器商人側のアイテムボックスへ収納。
このまま、3階層の魔物部屋も攻略するか。
また、装備品を取得する未来が想像できるのだが。
俺は先ほども出入りした3階層の小部屋にワープした。
小部屋には誰もいないし、索敵で見える範囲に盗賊も他のパーティも存在しないようだ。
盗賊はさきほど、俺が討伐した訳だが、そうそう盗賊は湧いて出たりはしないか。
そのまま、中間部屋にワープ。索敵で、魔物部屋の周囲を確認。
モンスター以外は特に発見できず。
近くにモンスターの居ない、魔物部屋の壁の近くにワープした。
先ほどと同様にモンスター部屋の壁に沿って、ペタペタ触りながら、歩き始める。
残念、今回はハズレだ。外周の端から端まで歩けてしまった。
さきほど、モンスターが近くに居たのでパスした方の魔物部屋の壁の方にワープ。
面倒だが、ニードルウッド1匹をデュランダルで切り捨てた。
再び、モンスター部屋の壁に沿って、ペタペタ触りながら、歩き始める。
そして、ガクンッと中に引き込まれた。
魔物部屋を視界に入れて、ワープでいったん脱出。
今回はコボルトの割合が多かったので視界はかなり良好だった。
サイズ的にでかいニードルウッドは目につくが割合的に少なかったようだ。
索敵で確認すると、今回は40匹前後だ。
グリーンキャタピラーもいるため、そちらは優先的に倒す必要がある。
今までのパターンからいけば、ブリーズストームとデュランダルで問題ないはず。
パターン化した戦略だが、集団の密度の薄いところの壁にワープ...と。
突入したら、ブリーズストーム...からのオーバーホエルミング。
MPが減り、気分が悪くなるのを我慢しつつ、グリーンキャタピラーを優先して倒していく。
グリーンキャタピラーの数は多くないので、近くのニードルウッドも両断する。
オーバーホエルミングの効果が消えて、モンスターが通常の速度で動き始めた。
残っているグリーンキャタピラーの数は多くなさそうだが、念のため視界に入らないようにする。
四隅の一角にゆっくりと後退しながら、もう一度、ブリーズストーム。
そして、オーバーホエルミングを唱えて、再度、突撃。
もう、種類にこだわらず、近場の奴から撫で斬りにするだけだ。
オーバーホエルミングの効果が消える頃には魔物部屋のモンスターは全滅していた。
デュランダルと知力上昇を外して、フラガラッハとMP回復を限界まで上げておいた。
残ったのは、多数のコボルトソルトと糸と少数のジャックナイフとブランチ。
ドロップ品が小さいのか先ほどよりも更にガランとした感じ。
そして、全滅したパーティはいなかったようだ。装備品は特に残されていない。
既に迷宮に飲み込まれてしまってる可能性もがあるが、3階層がコボルトが多い階層ということも影響しているのだろうか?
それでも40匹はいた訳なので、実力のないパーティでは、とても攻略はできないだろう。
10分ほどで、ドロップ品の回収は完了。
戦果は、大量のコボルトソルトと糸、そしてジャックナイフ2本とブランチ少々。モンスターカードはなし。
このベイルの迷宮を探索し始めてから自力でのモンスターカード取得はない。
結構、渋いドロップ率なのだろうか。
今回は、コボルトカードのドロップを期待していただけに残念だ。
3階層までは綺麗に攻略したので、今日の残業は終了にしよう。
新居の玄関にワープした。