ベイルから戻ると次はターレ迷宮の探索だ。
今のところは順調に探索が進んでいるので、このペースを守りたい。
自宅で俺を待ちわびていたヴィルマ達と食堂で合流して玄関へ。
増築工事が進めば、屋敷の外側に応接部屋を増やして今の応接室にケリー達が引っ越す。
空いたケリー達の部屋を取り壊して玄関を拡張する予定になっている。
まだ、そこまで工事は進んでいないので玄関は狭く、集合場所は食堂になることが多い。
今は二つの部隊が迷宮探索しているから、混雑回避のために玄関集合にしていない。
雨の中で歩くのは最小限にしたいので、ターレ迷宮の傍の木陰にワープで移動。
索敵で確認すると、騎士団から派遣されている兄ちゃんは・・・・・・いた。
迷宮の入口から少し離れた木の下で雨宿りしている。
だが、あれではあまり雨が避けられていないな。
騎士団の仕事もなかなか大変そうだ。
迷宮の入口に近づくと俺達に気付いたようで、走ってやってきた。
「31階層まで到達しているんですよね?
パーティーに加えてもらえますか?雨が酷くて・・・・・・」
「ああ、問題ない」
兄ちゃんをパーティーに誘って31階層へ。
「では、これが規定の金額となります」
「ああ。確かに」
銀貨31枚を受領したが・・・・・・兄ちゃんは入口へは直ぐに戻らないようだ。
ここで少し雨宿りをするのだろう。
このまま40階層に移動するのもアレなので、兄ちゃんに会釈して小部屋を出て通路に出た。
索敵で確認してモンスターがいない方向に進み、元の小部屋から十分離れた壁からワープで40階層の小部屋に移動。
「40階層の新規モンスターはパームバウムで、ボスはカナリアカメリアだ。
ウドウッドよりも背が低くて、木の姿をした移動速度の遅いモンスターだな。
クーラタルの迷宮で戦ったことがあるから問題ないと思っている。
ドロップ品はパームオイルで、ボスドロップがカメリアオイルだ。
この階ではパームバウム、ウドウッド、パーン、ハチノスの順に多い。
遭遇するモンスターの大半が植物系で動きが遅い。
移動速度が速いパーンやハチノスは各個撃破が可能だと思う。
戦い方はいつも通りで状態異常に追い込む。魔法はいつも通り雷魔法だ。
アミルの方から何か補足があるか?」
「いえ、大丈夫です」
ヴィルマとイレーネは相手が植物系モンスターと聞いて、テンションがダダ下がりだ。
ドロップ品が肉でもないし、パーンのような人間臭い動きもないから退屈なのだろうか。
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:
午前中の探索は淡々と進んだ。
飽きないように手を変え品を変え攻撃パターンを試したのだが、あまり効果はなかった。
そのうち、俺が魔法の発射頻度を上げて殲滅速度を増すようにした。
ダレを防ぐのが一番の目的なのだが。
ハチノスやパーンの時だけ、ヴィルマ、イレーネ、オリビアに順番に任せる程度にして、未クリアのエリアをどんどんクリアにしていく。
中間部屋を見つけて、魔物部屋も殲滅したところで午前中の探索を終了にした。
この階層は攻略速度を優先した方が良いだろうな。
・・・・・・
昼食を終えて迷宮探索を再開。
魔法の利用頻度を上げたので、MP切れにならない程度に俺もデュランダルで参戦。
ヴィルマ達のためにハチノスやパーンを残して、なるべくパームバウムでMPを回復した。
ボス戦もアミルの指揮の下でなんなく終了。
カナリアカメリアとオリビアの相性が良過ぎる。
彼女一人で二匹のボスに相対して一歩も引かずにいると、あとはヴィルマとイレーネが攻撃し放題で状態異常にするのもあっという間だ。
ドロップ品のカメリアオイルを拾って、41階層に抜けた。
来たるべき日に向け、カメリアオイル大量入手のためにボス周回をしたかったが今は自重。
・・・・・・
「41階層の新規モンスターはラピッドラビットで、ボスはフラッシュラビットだ。
通常モンスターもボスモンスターも動きが早いので注意してくれ。
ドロップ品はウサギの肉で、ボスドロップの情報は持ってない。
この階ではラピッドラビット、パームバウム、ウドウッド、パーンの順に多い。
ラピッドラビットだけが突出して素早いので、まずそいつらから倒していこう。
戦い方はいつも通りで状態異常に追い込む。魔法はいつも通り雷魔法だ。
アミルの方から何か補足があるか?」
「いえ、大丈夫です」
小部屋を出て、通路の右へと歩き始めた。
:
初戦はラピッドラビットが3匹か。
「前にラピッドラビットが3だ。1番だ」
「了解」
「了解」
「了解」
「了解」
少し進んでから、立ち止まって待ち受ける。
前衛は中央にオリビア、右にヴィルマ、左にイレーネで後衛には俺とアミル。
やがて、ラピッドラビットがスゴイ速度でかっ飛んできた。
(サンダーストーム、サンダーストーム)
雷魔法2発を撃ったが、疾走してきているので麻痺しているのかどうかも分からない。
(ガンッ、ゴンッ、ガッ・・・・・・)
ヴィルマ、オリビア、イレーネに突っ込んできたラピッドラビットに彼女達の剣と槍がぶつかり、三匹は急停止させられた。
三人とも目が良いな。あんな高速で突っ込んでくるモンスターに的確な攻撃を加えている。
(状態・・・・・・)
動きが速くてイレーネのラピッドラビットに博徒のスキルがかけられない。
逆にヴィルマの前のラピッドラビットは麻痺したので、かけても無駄だ。
オリビアのラピッドラピッドは槍二刀流で空中に放り上げられて、お手玉のように串刺しにされていて地面に着地できない。
あんなことされたら持ち前のスピード勝負に持ち込めずに手詰まりだろう・・・・・・哀れな。
というか、相変わらず彼女は槍を使わせると驚くほどの器用さを発揮するな。
イレーネが戦っているラピッドラビットは距離を取って、また突撃を敢行するようだ。
(サンダーストーム、サンダーストーム)
新しく麻痺になった奴はいないか。
イレーネに突進してきたラピッドラビットは方向を変えて、オリビアの方に突っ込んできた。
(ゴンッ・・・・・・)
彼女の左の槍が突っ込んできたラピッドラビットの顔面にヒットした。
そのまま、掬い上げられてイレーネのいる方向に放り上げられた。
その間、右の槍でラピッドラピッドは空中に放り上げられた状態。
彼女の槍技は大道芸人の領域ではないか?
(状態異常耐性ダウン)
放り上げられたラピッドラビットにようやく博徒のスキルがかけられた。
空中に浮かんだところに、イレーネの連続刺突が炸裂する。
回転しながら地面に転がったラピッドラビットに今度はオリビアの槍が上から振り下ろされた。
鈍い音とともに地面と槍のサンドイッチにされ、そのまま膂力で地面に押さえつける。
足をジタバタさせているが、とても逃れられそうには思えない。
そこにイレーネの連続刺突が追い打ちをかけ・・・・・・石化したか。
左の槍が空いたので、彼女は二本の槍を使ってラピッドラビットをお手玉し始めた。
なんか、シャチが狩りでアシカを空中に何度も放り上げる映像を元の世界で見た記憶が・・・・・・うちの竜人娘もなかなかえぐい攻撃をするな。
最後は地面に叩きつけられたラピッドラビットを二本の槍で押さえつけ、イレーネが連続刺突で止めを刺した。
右側の奴もヴィルマとアミルが麻痺した奴を煙に変えていた。
俺もイレーネが石化させた奴をデュランダルで刻んで・・・・・・戦闘終了。
「なかなかスピードがあるモンスターだな」
「木よりも面白い・・・・・・」
イレーネも楽しんでいたな。
オリビアの方は元の世界では動物虐待に見えてしまう。
まあ、あちらも
ドロップ品のウサギの肉を3つ拾って、次の獲物を探す。
・・・・・・
その後もラピッドラビットだけが突出して突っ込んでくるので、うちの前衛陣の娘達が代わる代わる楽しみながら狩りを続けた。
40階層と比べると適度に緊張感というかアクセントがあって、ダレが発生せず良かった。
中間部屋を見つけたところで、本日の探索は終了にした。
ここまで上の階層に来ると、1日に2階層を攻略するのはとても無理だな。
それでも、十分過ぎるペースで攻略は進めていると思うが。
俺とオリビアのジョブのレベルはレベルキャップ制限のLv71に到達しているが、新しいジョブは取得できてない。
竜騎士の次のジョブというのがあるのか分からないが。
アミルの鍛冶師もLv71に達してるが、隻眼のジョブは取得できず。
こちらはレベルではなく、もっと別の条件を満たさなければならないのだろう。
ヴィルマは百獣王Lv63、イレーネは刺客Lv64なので、今の階層ではもう少し成長が見込める。
刺客の次は『くのいち』があると予想しているのだが、取得条件はどうなのだろうか。
自宅の玄関にゲートを繋げて、皆で帰宅した。
・・・・・・
夕食と風呂を終えて、会議の前に勉強会を開催。
今日の講師役はヘルミーネとラファでテーマは戦争全般。
参加者はいつもの会議メンバーだけでなく、レイモンドやモニカ、ミモザなんかもいる。
二階の談話室では狭いので開催場所は食堂を使って、お茶を飲みながら実施することにした。
参加希望者が概ね揃ったので勉強会を開始。
「ヘルミーネ、ラファ、遅い時間に悪いな。前回に引き続き、よろしく頼む」
「私達にできることであれば、何なりとお申し付けください」
ラファが俺の言葉を引き取り、講師役として力を尽くすことを宣言。
だが、14才の彼女に戦争の話というのもどうなのか。
迷宮探索に駆り出しておいて今更か。元貴族の子弟だから気にしないのかも。
「それで、今日はどのようなことを説明すれば良いのでしょうか?」
「そうだな。まず基本的な点から知りたい」
ヘルミーネから戦争に対するトピックの確認。
「そもそも、帝国は何故戦争を仕掛けられているのか、あるいは仕掛けているのか
という点なのだがどうだろうか?
もちろん複合的な原因があるのだろうし、歴史的な背景もあるのだろうが」
「えっ?そこからですか?」
彼女の顔が少し呆れた表情に・・・・・・これって、知らないと恥ずかしいこと?
でも聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥というから、確認せざるを得ない。
「いろいろと言い出すと細かい話はあるのですけど、根っこの話としては
クーラタルの迷宮になりますね」
「クーラタルの迷宮?」
俺の疑問に、ラファとヘルミーネはうんうんと頷いている。
「クーラタルの迷宮の攻略を狙っているのか?」
「いえ、迷宮攻略はさすがに無理・・・・・・というか、迷宮を手に入れたいということです」
迷宮を手に入れる?
「迷宮を手に入れるということは、クーラタルの街を占領するということか?」
「クーラタルの街は帝都に近いですから、事実上は帝都を占領して、
クーラタルを傘下に組み入れて、クーラタル迷宮の管理を奪いたいということになりますね」
文字通り迷宮を手に入れたいのか。
「えーと、それは何故なのだろうか?」
「クーラタルの迷宮はご存じの通り、初代皇帝が91階層まで到達していて、
他に例を見ないほど高い階層まで存在することが知れ渡っています。
一方で迷宮は通常50階層を超えるとモンスターを近隣に解き放ちますので、
見つけると直ぐにでも討伐することが推奨され、実際に迷宮討伐が迅速に行われています」
「そうだな。その話は聞いたことがある」
原作にもそんなことが表現されていたと思う。
「迷宮は放っておくとドンドン高い階層まで成長して、討伐が困難になります。
そして周りにモンスターを放ち、近くに更に迷宮が出現すると手が付けられなくなり、
その近隣の領地の管理が困難になります。
なので、見つけ次第討伐するので、
60階層以上の迷宮というのはなかなか存在しないのが現状です。
逆に成長した迷宮が多数存在してしまうと領地を放棄せざるを得なくなります」
「なるほど、確かにそうだろうな」
グリニアに行く話とか鷹の森迷宮の話で似たようなことが語られていたかな。
「ですが、例外的にクーラタルの迷宮は非常に高い階層まで到達できるにもかかわらず
安定した管理が行われている稀有な迷宮という扱いになります。
そして、高階層の中には貴族階級が欲している自爆玉や威霊仙が入手できる階層が存在します」
「ん?まあ、そうなのかもしれないが・・・・・・」
だから戦争で奪えって?普通に迷宮探索すれば良いのでは?
「クーラタルの迷宮が他に例を見ない状況だとは分かるのだが、
別に戦争で奪わなくても、探索してドロップ品を取得すれば良いのではないか?」
「帝国の方達はそうかもしれませんが、隣国の者はそうもいきません。
威霊仙や自爆玉がドロップする階層には騎士団が詰めておりますので、
簡単には隣国の者は入れません。
その階層の出入りの際にインテリジェンスカードのチェックがされますので」
ふーん、そうなのか。
「それでも、探索者に依頼してドロップ品をもらえば良いのではないか?
「隣国への輸出は禁じられています。
法を犯せば盗賊に落ちる可能性がありますので、密輸は危険な行為だと考えられております。
帝国から見て友好的な第三国には輸出されてますから、そこから輸入する手もありますが、
数も限られていますし、そもそも第三国でも欲しいアイテムは易々と渡したりはしません。
なので、他国から見ればクーラタルの迷宮は垂涎の的の扱いになるのです」
他にやりようもある気もするが、俺が思いつくようなことは他国でも考え尽くされてるのかな。
「私やラファ様のいた国ではたまたま入手できた自爆玉が回ってきたり、
他国から上手く入手できたものや、隣国から亡命してきた者が持ち込んだもので
なんとか魔法使いのジョブの者を生み出しているのが現状です。
それと・・・・・・全くの非合法な手段ですが、隣国の魔法使いの者を誘拐することも
実際には行われております」
「それはまた強引な手段だな」
ひょっとして・・・・・・。
「まさかと思うが、シェル達が誘拐されてドブローで見つかったのは・・・・・・?」
「帝国貴族内の内輪もめかもしれませんが、
そこに他国の貴族のいずれかが介入をしている可能性も否定できません」
あのドブローの盗賊集団の武装レベルは異常だったよな。
他国の介入と言うか援助があるとしたら、納得できるか?・・・・・・いや、情報が少ないから断定できないか。
「ひょっとして、他国と戦争する目的の一つにクーラタルの占領よりも
魔法使いの略取をすることも含まれているのではないか?」
「その一面も強いと思います。
実際にクーラタルの街は国境から遠く、占領するのも一筋縄ではいかないでしょう。
国境の街、領地を奪って魔法使いの者を入手するのに
戦争を仕掛けている側面は確かにございます」
うーん、なんかそんな漫画を元の世界でも読んだような・・・・・・『金の雛鳥』がどうとか・・・・・・いや今はその話はいいか。
「クーラタルの迷宮で威霊仙や自爆玉を得るのは難しいということなのか?」
「私はその階層を経験したことがないので、なんとも言えませんが・・・・・・
確かボス部屋に到達するための一番近い部屋がボス部屋からかなり遠くて、
何日もかかるのだと聞いた記憶があります。
そして、出入りするための小部屋や中間部屋には騎士団が常駐していて、
他国の者が紛れ込まないか、インテリジェンスカードのチェックを行なっているのだとも」
「なるほど、ドロップ品を入手するのに何日もかかるのか」
そして、威霊仙や自爆玉がボスドロップのレアドロップだから、更に稀少性が高まるのか。
ダンジョンウォークでボス部屋から待機部屋に移動できないのは既に迷宮で確認してある。
一度、ボスに勝ったら、もう一度ボス周回をするにもかなり時間がかかるのか。
そしてその度に騎士団からのチェックも入ると。
数日かかるのなら、一度倒したモンスターもリポップして行く手を阻むだろうしな。
それにしても高階層では一番近い小部屋からボス部屋まで数日かかるって、どんだけ広いのだという話だよな。
今は護衛部隊のパーティー編成のジョブを冒険者にしているが、探索者に切り替えなければならないかもしれない。
ダンジョンウォークが使えないと広い階層での探索が不便過ぎるからな。
アミル、レイモンド、ヘルミーネあたりは探索者も育てた方が良いかもしれない。
俺も探索者のジョブを育てようかな。
他の者がレベルを上げてると、つい自分も上げたくなるのはゲーマーの性か。
インテリジェンスカードのチェックをしているぐらいだから、その者がその後に階層を攻略できたのか、できずに小部屋に戻ってきたのかぐらいは管理しているかもしれないな。
ボス周回が簡単にできず、見張りもいて、レアドロップだとすると入手は難しいのか・・・・・・普通の探索者なら・・・・・・ということだが。
「そうなると、クーラタルの街に拠点を構えているというのは必ずしも安全とは言えないのか」
「実際にクーラタルの街が危機に瀕するのは帝都が落ちて、
帝国が滅びるのと同じタイミングなのかもしれません。
実際にそのようなことが発生するのが、
どの程度起こり得るのかと予想するか次第ではないでしょうか?」
そうだよなぁ・・・・・・この話を聞いて、クーラタルから逃げ出すのはいくらなんでもないよな。
別の場所に拠点を作って、BCP対策する感じかな。
隣国から遠い街とか友好国に拠点を作るとか?
それにしたって、まずはクーラタルの迷宮で自爆玉・・・・・・はもういくつか入手したから、威霊仙を入手してからだよな。
威霊仙は我が家にとっては安定供給させたいアイテムの一つだし。
「なるほど、ちなみにレドリックはこの話は知っていたか?」
「はい。自爆玉を得るために戦争を仕掛けているということは知ってました。
魔法使いを捕虜にできたら、報奨金がかなり出るというのも聞いたことがありますね」
こ、怖っ・・・・・・。マジで略取を目指しているのか。
我が家の魔法使いも、護衛をつけた方が良いのかもしれないな。
「帝国から隣国を攻める理由は?」
「宣戦布告されたからでしょうか・・・・・・詳しくは存じ上げないですが。
あまり積極的に帝国から攻めてくるという話は聞いたことがないのですが」
専守防衛なのだろうか。
こちらから攻めて魔法使いを奪われるとダメージがデカいのかもしれない。
その後も帝国から独立した隣国の話も教えてもらった。
威霊仙や自爆玉などの配分について不満を持った貴族達が徒党を組んで反逆をしようとしたが撃退されて、仕方なく国を設立したらしいと。
なんだかグダグダだな、この国も。
異世界に来る時の初めの選択で『戦争を少し多め』にしてしまったせいだろうか。
必要な情報が少し増えたが、考える材料はまだ足りていない。
今だけの情報では、帝国から別の国へ行くべきだという単純な話ではないよな。
帝国にはクーラタルの迷宮があるが、隣国にはない。
隣国に行くと魔法使いのジョブも者が少なく迷宮討伐に失敗する可能性もあり、領地やへたすると国が亡ぶ可能性があるのかもしれない。
魔法使いなしでも迷宮討伐は可能だが、魔法使いがいるといないとでは難易度が変わるはずだ。
タケダ家にとって都合の良いシナリオはなんだろうか。
現状維持で・・・・・・戦争が起こらない・・・・・・は俺の初めの選択のせいでダメなのだろうか。
周りが友好国だけになれば、戦争は起きないのだろうが無理かな。
クーラタルを当面の拠点にして、力をつけていくというのが無難なシナリオな気がするな。
そして、戦争には極力関わらないようにしたい。
今日の大きな話題は話のネタが尽きたようなので、ヘルミーネとラファに礼を言って勉強会は解散とした。
お読みいただき、ありがとうございました。
本話は戦争の原因を説明するとともに3章の終わりに繋がる話にする予定です。
ボス部屋から待機部屋にダンジョンウォークで移動できない件はWeb原作での『シザーリザード』の話で冒頭、「二十二階層でボス戦を続けることにした。ボス部屋近くの小部屋にダンジョンウォークで移動し、ボス部屋へと向かう。」との記載があったため、できないと解釈して拙作では扱うことにしました。
できるなら待機部屋に移動しているはずで、ワープで直接移動すると万が一にも他のパーティーに見られたら拙いと判断して、原作主人公は慎重に行動しているのかと想定しました。