異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

187 / 265
036.創意工夫(その2)

 戦争ネタの勉強会の翌日、珍しく朝練でレドリックとヘルミーネの二人と雑談。

 

「迷宮で上の階層を目指そうと思ったら、パーティー編成をするジョブは冒険者ではなく、

 やはり探索者にした方が良いだろうか?

 ダンジョンウォークが使えないと広い階層では不便だよな」

「普通は冒険者などおらず、探索者がパーティにいるものですが・・・・・・

 タケダ家ならでは悩みかもしれませんね。

 気付けば冒険者がたくさんいましたから」

 彼女のツッコミにレドリックも頷いている。

 

「ヘルミーネは冒険者ジョブも育成するけど、

 並行して探索者も今のLv50から70ぐらいを目指しておくか?」

「その発想もタケダ家ならではですよね?

 普通はどちらかだけですから。

 それに私は今、騎士のジョブの育成もしていますから・・・・・・もう何がなんだか」

 真面目に相談したのに混乱させてしまった・・・・・・解せぬ。

 

「ヘルミーネの騎士のジョブは今Lv44だから、

 もう少しでLv50になるので聖騎士のジョブが取得できると思う。

 冒険者、探索者、聖騎士・・・・・・どのジョブの育成を優先させるべきだろうか・・・・・・うーん」

「はあぁぁぁ?」

 彼女の大口を開けた間抜けな顔もなかなか可愛い。

 

「ご主人様、私も・・・・・・騎士を目指しても良いでしょうか?」

「レドリックも戦士団にいた頃は騎士を目指していたって言ってたよな。

 それが今でも叶えたい望みなら、別に良いと思うぞ」

 彼は強く頷いた。

 

 護衛部隊のメンバーも皆それなりにジョブのレベルが高くなってきたので、セカンドジョブの育成を考えても良い時期かもしれない。

 ラファのように魔道士と巫女なんて常識では考えられないユーティリティープレイヤーの複数ジョブ運用者もいるし。

 

 それにしてもレドリックは今でさえ剣聖なのだが、聖騎士のジョブでも取得したら物語の主人公になれるのではないか?

 剣聖にして聖騎士のレドリック・・・・・・響きが主人公そのものだよ。

 

「どうかされましたか?」

「いや。ではレドリックは騎士のジョブも並行して育成していくことにしよう。

 もう少し、剣聖の育成をしたら騎士のジョブの育成も始めることにする」

 剣聖をLv50近くにしてからにするか。ちょっと時間がかかるかもしれないが。

 

 護衛部隊もドライブドラゴンが待ち受けるクーラタル迷宮の33階層攻略が近づいてきた。

 ターレの23階層で既に戦った経験があるので、全くの初めてという訳ではない。

 今回は俺抜きでドライブドラゴンLv33が相手だが、実力的には問題ないと思っている。

 

 

 気が早いが34階層以降はどうするか。

 暫く33階層で戦うか先に進むか・・・・・・33階層での結果を確認してから二人に相談するか。

 

 ヘルミーネはドロテアの指導に戻り、レドリックはミラのいる方に向かった。

 二人とも指導熱心でありがたい。

 

 そして、俺の前にはケリーとマリーが。

 はいはい、一人ずつね。

 もう、百獣王になった二人を同時に相手するのはシンドイ。

 まあ、良い訓練にはなるのだが・・・・・・今朝は一人ずつじっくり相手しよう。

 

・・・・・・

 

 訓練と朝食を終えて、ドブローに向かった。

 目的は竜革防具の2回目の作業委託契約の納品だ。

 本来ならミラとレイモンドあたりに頼めばよいのだが、今日は会長と話したい別件もあるので自ら行くことにした。

 

 通い慣れた鍛冶師ギルドの建物に行き、ドアをノックした。

 見知った顔の事務員が出てきて、すぐに会議室に通される。

 もはやギルド職員の一人と思われているのではないだろうか。

 

 やがて、いつも事務方の男が入室してきた。

 

「今日は竜革防具の納品に来た」

「もうですか。前回も早かったですが、二回目も早いですね」

 こっちは鍛冶師二馬力だからな。

 

「このまま、次の納品契約を受ける気でいますよね?」

「その通りだ」

 もう、こちらの行動パターンまで読まれている。

 

「では、納品作業を先に終わらせましょうか。

 合わせて、次の契約のための素材と報酬の素材も持ってこさせます」

「そうか。助かる」

 既に一度納品で検品OKになっているから、今回もNGが出るとは思ってないのだろうな。

 

 前回納品作業をした部屋に連れていかれて、納品検査担当者の前のテーブルにひたすら防具を取り出して置いていく。

 

「では、こちらに次の契約書を置いておきますので防具の取り出しが終わったら、

 確認して署名をお願いします」

「了解した」

 もう、ほとんど流れ作業だな。

 

 防具の取り出しが終わり、契約書を確認して署名。

 振り向くと別の担当者が俺の傍にいた。

 

「では、こちらで素材の受取をお願いします。

 納品用の素材だけでなく報酬の素材もありますので、別々に数を確認して下さい」

「了解」

 もはや運送業の作業者のような状態。

 

 ひたすら素材をアイテムボックスに収納しながら、数を確認。

 

「防具の納品検査が終わりました。全て、問題ありません」

「了解」

 いつの間にか俺の語彙が『了解』だけになってきた。

 

 3回目の納品契約の素材と2回目の納品契約の報酬素材の確認と収納がようやく完了。

 

「数は問題ない。書類に署名したので確認を」

「はい。こちらで確認します」

 書類を渡すと事務方の男が一瞥して署名した。

 

「これで終了ですね」

「ああ、ありがとう」

 午前中のタスクが一つ完了した。

 

「委託契約をバンバン引き受けておいて言うのもアレだが、こんなに納品して売れるのか?

 ドブローではダマスカス鋼製の方が売れ筋なのではないか?」

「確かにダマスカス鋼製品目当てに来る客が多いのですけど、

 筋力が足りずに竜革の装備品で妥協する方も意外に多いのですよ。

 試着すると全然使えそうにないことに気付くみたいで」

 まあタケダ家でもダマスカス鋼の防具を装備しているのは少数派だからなぁ。

 

 ドワーフ族のアミルや竜人族の二人・・・・・・オリビアとフレイヤぐらいか。

 装備できないことはないけど、重くて動きが制約されるから敬遠する者もいるし。

 

「では、また納品できそうになったら来るから」

「はい。お願いします。スキル融合装備品の納品も待ってますから」

 実は既に準備はできているのだが、あまりに早く納品すると悪目立ちするから自重している。

 

「分かった。そちらの方も善処する。ところで・・・・・・」

「ああ、ワーレン会長から依頼された件ですね。納品が終わったので、今から案内します」

 

 納品部屋を退出し、彼に連れられて廊下を歩きだす。

 こちらの方向の部屋に行くのは初めてだな。

 

 やがて奥にある一室・・・・・・これは会長の執務室か・・・・・・のドアを彼はノックした。

 名前と用件を伝えて中に入っていくので後に続く。

 

「おっ、待っていたぞ。試作品とやらはできたのだろうな?」

 

 挨拶もそこそこに会長が確認してきた。

 

「報酬の準備もできていると考えて良いのでしょうか?」

「くっ、がめつい商人と話をしているようだ・・・・・・」

 商人じゃなくても報酬なしでタダ働きはしないでしょ。

 

「ダマスカス鋼防具の委託契約なんて報酬があると、

 良い試作品が出てくるような気がしますが・・・・・・」

「・・・・・・足元を見やがって」

 元々、無理筋の課題を振ってきたのはそちらなのに。

 

 事務方の男が面白がって俺達を見ている。止める気配はない。

 

「まあ、出来が良ければ考えなくもない・・・・・・」

「そうですか・・・・・・まあ、いいでしょう」

 せっかくアミルが作ってくれた試作品だから、お披露目しない訳にはいかない。

 

 アイテムボックスから鋼鉄製の試作品を出すか。

 

「ちょっと広い所に出しますから・・・・・・そこの場所を借りますよ」

「ああ?まあ良いけど・・・・・・デカいのか?」

 かなりデカいのだ。

 

 空いたスペースに試作品の1つを取り出して置いた。

 置いたと言っても、手で持ってないと倒れてしまうので、右手で軽く支えている。

 

「なんだコレは?」

「これは鋼鉄の大楯ですね」

 大きさは大楯より少しデカいが、盾っぽい湾曲がいっさいない厚みのある板を支えている。

 

「これが大楯?こんなヘンテコな大楯は見たことはないな。

 それよりも大楯で落盤事故をどうやって防ぐのだ?

 これを持って上からの衝撃に耐えろってのか?無理だろう?」

「いやいや、こんなの持ってたって天井が崩れてきたらどうしようもないでしょう。

 これは他の大楯と組み合わせて使うものですから」

 

 アイテムボックスから追加で3つほど大楯を取り出して組み立て始める。

 この大楯は接合する突起と窪みがあり、4つの大楯を組み合わせると口の字型の四角い筒のような形状になる。

 

「組み立てるとこんな感じになります」

「むっ、これは・・・・・・坑道の中にこれを組み合わせて置くということだな」

 会長の言葉に頷いた。

 

「装備品なので、アイテムボックス持ちのジョブなら持ち運びは自由です。

 取り出して組み立てる時はある程度は腕力がある者が必要になりますけどね。

 これで完璧に落盤事故が防げる訳じゃないですけど、

 大楯が耐えている間に筒の中を通って、逃げ出す時間ぐらいは稼げるんじゃないですか?

 一応、こんな感じに接合部分を作っておくと、それなりの重さには耐えられるはずです」

「そうだな。確かに・・・・・・このつなぎ目の部分はもう少し工夫できそうだが」

 あくまでアイディア提供の試作品だからイメージが伝わればそれで良いのだ。

 

「筒状じゃなくて、底面の部分を無くして3枚で組み立ててもできるでしょうけど、

 強度が弱くなるので・・・・・・その辺りは実際の使い勝手を確認しながら工夫して下さい。

 底面にあたる部分は、このように滑り止めがついてザラザラさせてあります。

 これなら歩くのにも不自由しないですし、平らですから荷車を引くこともできると思います。

 底面の部分は地面に接するので、あまりに凸凹があると置きにくいでしょうけど。

 ただ、坑道の全てにこの大楯を置く必要もないので、

 あくまで必要な所だけに置けば良いと思ってます。

 側面の部分はこのように何かをひっかける突起もつけたので、

 道具をぶら下げたりすることもできますけど、好みに合わせて作って下さい。

 で、この試作品はどうでしょうか?

 現地をこの前見たのですが結構、役立ちそうに思いますけど・・・・・・」

「お前、バカだろう?」

 えっ、いきなりバカ呼ばわり?・・・・・・この世界に来てイロイロ言われてきたから今更か。

 

 

「よく、こんな馬鹿げたモノを考え出したな・・・・・・でも、工夫すればきっと使える気がするわ」

「バカ呼ばわりは酷くないですか?」

 バカとなんとかは紙一重なのだからバカじゃない方で呼んでほしかった。

 

「でも、使えるってことは十分報酬に値するってことですよね。

 いやぁ、ダマスカス鋼の委託契約楽しみだなぁ・・・・・・」

「くっ・・・・・・」

 俺は揉み手をしながら、悪い笑みを浮かべた商人を装う。

 

「ちなみにこちらは鉄製です。強度は少し落ちるでしょうけど安価に作れます。

 さすがにダマスカス鋼製で試作品は作りませんでしたが、その辺りの選択はお任せします。

 素材の調達具合や鍛冶師の人達に工夫してもらって、イロイロ試してみたらどうですか?

 実際に使う段になったら、かなりの量を作らなければならないでしょうし。

 大きさも一つだけでなく、数種類は作らなければならないでしょう?

 キッチリと組み立てられるだけの精度が装備品に必要となるので、

 ある程度の腕の鍛冶師が複数人は必要になるでしょうから」

「それで鍛冶師が必要だって言ってやがったのか・・・・・・全く」

 会長の顔には全然困った表情はない。

 

 むしろ嬉しそうな感じだ。

 取引は成立しそうかな・・・・・・こちらとしては肝心の報酬がもらえれば良いだけなのだが。

 

 この大楯を組み立てるアイディアは秘密基地の備品からヒントを得たものだ。

 装備品を合体させて、機能を強化するというのは男のロマンなのだよ。

 子供の頃から、合体ロボのアニメをよく見ていたから。

 

「そして、こちらが試作品を作らせた時の設計図になります。参考までに差し上げます」

「おう・・・・・・結構、緻密な設計図を作ってやがるんだな」

 一応、元の世界では工学部を卒業しているからな。

 

 大学では、あまり図面とか作らなかったけど。

 

「これで説明と情報提供は一通り終了です」

「・・・・・・」

 俺は揉み手をしながら、無言の会長を見据えた。

 

「・・・・・・ってやる」

「えっ?」

 いつもの会長の声に似つかわしくない小声だ。

 

「紹介状を書いてやるって言ったんだよ」

「紹介状・・・・・・」

 最近、紹介状に良い思い出がないのだけど。

 

 持っていったら、肉を持ってこいって言われたりとか。

 

「帝都の鍛冶師協会にダマスカス鋼防具の委託契約ができるように紹介状を書いてやる。

 そこに行けば作業委託の契約がもらえるだろう。

 別にドブローでなくても良いのだろう?」

「まあ、仕事がもらえるのなら」

 納品先が分散すると面倒だけど、ドブローでもらえないのなら仕方ないか。

 

 それにしても帝都か。

 

「会長、大丈夫なのですか?推薦人が・・・・・・」

「大丈夫だ。二人必要だが、ここには丁度資格を満たした者が二人いるから」

 会長の言葉に事務方の男は少し渋い顔をしているが、なんか面倒な話なのだろうか。

 

 それにしても推薦人が二人とかって、アルマーの遺産の時の話を思い出すな。

 だいたい良くない話の前触れのような気もする。

 

「ちょっと書類を作るから待ってろ」

「了解」

 まあ仕事がもらえれば良いや。

 

 帝都の鍛冶師協会に行ったら、『幻の酒を三種類揃えて持ってこい』とかクエストが始まらなければ良いのだが。

 鍛冶師⇒ドワーフ⇒酒・・・・・・の連想だ。

 

・・・・・・

 

 執務室を出て、元の会議室で待っていたのだが、かなりの時間待たされた。

 紹介状を持ってきてくれたのは、そろそろ正午になろうかという頃だ。

 紹介状を用意するぐらいは直ぐだと思っていたのだが、そうでもなかったようだ。

 

「お待たせしました。これが帝都の鍛冶師協会への紹介状となります。

 これで作業委託契約が受注できるようになります」

「帝都の鍛冶師ギルドに属している鍛冶師は我が家にはいないのだが大丈夫なのだろうか?」

「問題ありません。そのための推薦人でもありますから」

 なるほど。

 

 推薦人はそれなりの地位の者でなければならないのか。

 なんだかんだ言って、ドブローのワーレン会長には融通を利かせてもらってるし。

 でも、こちらも盗賊集団の殲滅をしたり、スキル融合装備を納品したり、鉱山の対策を提案してるからお互い様か。

 まあ、Win-Winということで。

 

「では、次はスキル融合装備が準備できたら納品に来ると思うので」

「お願いしますよ。待ってますから」

 実はもう納品準備はできているから、適当に日数経ってから来ることにしよう。

 

 事務方の男に礼を告げて、ギルドを後にした。

 もう昼ごはんの時間だな。

 適当な木陰から自宅にワープで戻った。

 

・・・・・・

 

 昼食を終えて、迷宮組はターレ迷宮へ出発した。

 いつも通り、兄ちゃんに階層案内をして案内料金を受領。

 41階層の中間部屋に移動した。

 昨日途中で中断したラピッドラビットの階層の探索を再開。

 

 ラピッドラビットはすばしっこい動きで、こちらを翻弄しようとするのだが、ヴィルマ、イレーネ、オリビアの前衛陣の厚い壁を抜けることはできない。

 俺の素の能力だったら、彼女達三人みたいにカウンターで的確に捉えて攻撃できない。

 せいぜいオーバーホエルミングを使って、スロー状態にしてからデュランダルで叩くぐらいが関の山だろう。

 

 三人のレベルが上がって、元の動体視力に器用補正がレベル分追加になってステータスが上昇したのだろうか?

 ちなみにアミルも俺と同様にラピッドラビットの動きは捉え切れないようだ。

 二人とも凡人枠ということだな。

 

 探索は順調に進み、魔物部屋も発見した。

 ラピッドラビットが多数存在したので、魔法である程度削った後は超速スキルで叩きまくって殲滅を完了した。

 あんなのが山ほどいて、跳びまくっていたら通常の攻撃で捉えるのは難しい。

 『あってよかった オーバーホエルミング』ということだ。

 

 ラピッドラビットのおかげで、三人の機嫌がすこぶる良い。

 速い獲物を狩るのに喜びを覚えているのだろうな。

 ドロップ品もウサギの肉だし、狩りの報酬としてはテンションが上がるのかもしれない。

 ヴィルマとイレーネの尻尾の動きがそれを表している。

 二人の尻尾の所ばかり見ているとイロイロ拙いので、チラ見しかしていませんが。

 

 ラピッドラビットがいない時は俺の出番。

 パームバウムやウドウッドは主に俺が倒している。

 適材適所というやつだ。

 

 探索も順調に進んで、ボス部屋も発見。

 待機部屋で作戦会議。

 

 指揮はいつも通りアミルに任せる。

 

「ボス戦の指揮は頼むぞ」

「はい。お任せ下さい。

 ボスはフラッシュラビットが二匹出現しますので、

 いつも通り、中央にオリビアさん、右にヴィルマさん、左にイレーネさんでお願いします。

 今までのボス戦と比べて、相手は素早い動きになりますので注意して下さい。

 ご主人様はいつもの雷魔法をお願いします」

「了解」

「了解」

「了解」

「了解」

 

 

「では、始めよう」

 四人がボス部屋の中央に走っていくのを見て、最後にゆっくりとボス部屋に侵入。

 

 入ると同時に駆け出して、ボスの出現位置に辿り着く前にスピードダウン。

 

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

 麻痺は発生せず。

 

 

(状態異常・・・・・・)

 

 博徒のスキルをかける前にフラッシュラビット2匹が動き出してしまった。

 かろうじて目で終えるが、博徒のスキルをかけるのが難しい。

 

 ラピッドラビットより断然速い!

 

(オーバーホエルミング・・・・・・状態異常耐性ダウン)

 

 

 これでなんとか、イレーネの近くにいたフラッシュラビットに博徒のスキルをかけた。

 それにしても、イレーネもヴィルマもフラッシュラビットに対してカウンターで剣の攻撃を楽々と決めている。

 ラピッドラビットよりも速い動きなのに・・・・・・素直に感心してしまう。

 

 剣技というよりは動体視力の賜物なのだろうか。

 その後は数回素早い動きでイレーネもヴィルマの攻撃を仕掛けられたが全てカウンターを決めて・・・・・・石化と麻痺の状態にさせた。

 

「よくあんなスピードのモンスターに剣を当てられるな」

「えっ、主・・・・・・剣を置いておいたら、勝手にぶつかってくる感じだから簡単だ」

 イレーネもコクコク頷いているが、それはセンスのある者が言うセリフだ。

 

 俺には超速スキル無しでできる気はしないのだよな。

 

 二匹を削り倒して、煙に変えた。

 ドロップ品は、『ウサギのヒレ肉』・・・・・・通常のウサギの肉より美味いのだろうな。

 数が少ないから暫くは倉庫の肥やしかな。

 

「主、もう一度戦いたい!」

 イレーネもオリビアも乗り気のようだ。

 

 アミルを見ると苦笑いしている・・・・・・まあいいか。

 三人ともノリノリだし、食材アイテムだから。

 

「分かった。何周かやってみるか」

 

 数回かと思っていたら1時間半ぐらいボス周回した。

 この迷宮、ほとんど俺達しかいないし、最新突破階層は本当に俺達だけだから気兼ねする相手もいない。

 

 散々ボス狩りを楽しんだ後、42階層に抜けて本日の探索を終了にした。

 これだけボスドロップの食材を集めたら近々、食卓に並ぶかもしれないな。

 自宅の玄関にゲートを繋げて、皆で帰宅した。




お読みいただき、ありがとうございました。
これで今年最後の投稿となります。

7月末頃から投稿し始めて五カ月ぐらいですが、楽しい時間を過ごせました。
読者の皆様の感想、ここすき、誤字指摘の賜物だと思っております。
当初の予定では年内に戦乱の話を投稿しているはずでしたが、思いの外時間がかかっています。
読者様に伝えることの難しさを感じながらも、閑話や皆様からいただいたアイディアを膨らませて話を作るのが予想以上に楽しくて、気持ちの良い回り道をさせていただいております。
来年の春頃には戦乱の話が投稿できていると良いなと気楽に考えております。
引き続き、拙作にお付き合いいただきたく。

来年は多分、1月1日から投稿すると思います(想定外の家族サービスが無ければ)。
皆様、良いお年をお迎えください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。