異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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039.上位ジョブの取得条件

 前日にターレ迷宮の探索が進められなかったので、今日は迷宮三昧の一日にしてある。

 午前中に42階層の中間部屋から探索を開始。

 途中の魔物部屋も殲滅して、羊のカードもドロップしたのでアイテムボックスへ収納。

 その後も順調に探索を続けて、ボス部屋も発見。

 

「ボス戦の指揮はいつも通り、アミルに任せる」

「はい。ボスのスリープシープが2匹出現します。

 いつも通り、中央にオリビアさん、右にヴィルマさん、左にイレーネさんでお願いします。

 オリビアさんはスリープシープの突進を阻むように牽制をお願いします。

 両翼のお二人は牽制を生かして、攻撃の手数を増やして状態異常に追い込んで下さい。

 私とご主人様は遊撃で援護します。

 魔法は雷魔法でお願いします」

「了解」

「了解」

「了解」

「了解」

 

 慣れたフォーメーションで、それぞれの役割をキッチリとこなしていくだけだ。

 このやり方で44階層までこなして、45階層からどうなるかだな。

 

「じゃあ、始めるか」

 四人がボス部屋の中央に走っていくのを見て、最後に一人でボス部屋に侵入。

 

 入ると同時に駆け出し、ボスの出現位置の手前で歩調を緩めてボス出現エフェクトを見守る。

 事前に入手した通り、スリープシープが2匹出現した。

 スリープシープはビープシープよりも一回りか二回りぐらいデカいな。

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

 さすがにいきなり麻痺は発生せず。

 オリビアが左右のボスの脚の膝を二本の槍で的確に叩く。

 いきなり転倒したりはしないが、二匹のボスはバランスを崩した。

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 イレーネの方のボスに博徒のスキルをかける。

 彼女は左の側面に回り、猛然と刺突を繰り返す。

 俺も更に外側を回って、後ろ足を聖槍で引っ掛ける。

 

 今日から使い始めた聖槍はデカいモンスター相手には相性が良い。

 オリビアの槍の攻撃に時間差をつけて、対角の足元を狙っているので、突進のタイミングを作らせないでイレーネの刺突の援護ができる。

 おっと、石化したな。

 

 そのまま更に左に回って、ヴィルマ達の相対しているボスの背後から槍攻撃を敢行。

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 これで、ほぼ詰みだろう。

 

 一度、魔法陣が浮かび上がったが、アミルがキャンセルした。

 

 オリビアとアミルの小気味よい牽制の攻撃にヴィルマとイレーネの連撃が加わっている。

 先に麻痺して・・・・・・石化した・・・・・・後は刻んで終わりだ。

 

 二手に分かれて、ボスを刻んで戦闘終了。

 ドロップ品は『羊モモ肉』が2つか。

 羊のモモって美味いのかな。元世界でも食ったことなかった気がするけど。

 

 ドロップ品を拾って、43階層に抜けた。

 

 43階層に到達したところで、少し早いが午前の探索を終了とした。

 

・・・・・・

 

 昼食時に護衛部隊の探索状況を確認したが、33階層のドライブドラゴンとボスのランドドラゴンは問題なく対応できたようだ。

 竜のモンスターカードもドロップしたようで竜革も数枚だが入手し、まずまずの探索とのこと。

 午後から別編成の部隊で挑むが、数日間は33階層で習熟訓練をこなすそうだ。

 

 昼食を終えて、ターレの43階層の小部屋から再開。

 

「43階層の新規モンスターはコラージュコーラルで、ボスはコーラスコーラルだ。

 コラージュコーラルは既に戦ったことがあるだろうが、

 頭が固い石の形をした水生のモンスターだ。

 動きは速くないので、こちらから距離を詰めよう。

 通常のドロップ品は接着剤で、ボスドロップは不明だ。

 この階ではコラージュコーラル、ビープシープ、ラピッドラビット、パームバウムの順に多い。

 ビープシープ、ラピッドラビットは突進してくるので、いたら各個撃破に持ち込もう。

 戦い方はいつも通りで状態異常に追い込む。魔法はいつも通り雷魔法だ。

 アミルの方から何か補足があるか?」

「特に何もありません、ご主人様」

 

 小部屋を出て、通路の右へ歩き始める。

 

 初戦はコラージュコーラル2、ビープシープ1匹、ラピッドラビット1匹か。各個撃破だな。

 

「前にビープシープ1、コラージュコーラル2、後ろにラピッドラビット1。1番だ。

「了解」

「了解」

「了解」

「了解」

 

 ラピッドラビットとビープシープが突っ込んできた。

 

(サンダーストーム、サンダーストーム)

 

 跳んできたラピッドラビットはイレーネがカウンターの刺突で撃ち抜いて墜落させた。

 

 ビープシープは前足をオリビアが引っ掛けて転ばして、ヴィルマの斬撃とアミルの槍が追い打ちをかける。

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 転がったビープシープに博徒のスキルをかけた。

 ラピッドラビットは速過ぎて、博徒のスキルをかけにくい。

 

 オリビアは前に進みながら、左のラピッドラビットにちょっかいをかけてイレーネを援護する。

 そのまま前に進んで、コラージュコーラル二匹に対峙した。

 俺も左側から回り込み、一匹を側面から連打しながら聖槍で転ばせた。

 

 ラピッドラビットを石に変えたイレーネも加わったので、コラージュコーラルの背面に回った。

 あとは連打して、石化させていくだけだ。

 

 残った三匹も状態異常に追い込み、煙に変えて終了。

 ドロップ品を拾って、次の獲物を求めて歩き始めた。

 

・・・・・・

 

 それにしてもイレーネのモチベーションの落ち込みが激しい。

 前階層が肉系ドロップが多かったのに、一気に非食材比率が増えたからなぁ。

 

 ポーカーフェイスを装っているが、尻尾の動きで一目瞭然だ。

 

 それでも淡々とモンスターの攻撃を避け、エストックでひたすら刺突を叩きつけている。

 なんか早く終わらせてあげたくなるが・・・・・・残念ながら階層面積が広いので時間がかかる。

 

 魔物部屋を殲滅して探索を続け・・・・・・ようやく、ボス部屋を発見。

 待機部屋でアミルからのブリーフィング。

 

 ボスもいつも以上にアッサリと倒してボスドロップも・・・・・・硬化剤・・・・・・鍛冶用だから必要なものなのだが、なんだか切ない。

 

・・・・・・

 

 翌日もターレ迷宮の探索を実施。

 だが、44階層の新規出現モンスターはコボルトケンプファー。

 次からモンスターの強さが一段階上がるという最後の階層でコボルト系が来るのか。

 もはやイレーネだけでなく、ヴィルマやオリビアの目にもやる気が感じられないような。

 

 コボルトケンプファーとコラージュコーラルで7割以上を占める階層。

 こんな時こそ、凡人組の出番だ。

 俺とアミルでひたすらコボルトを切り刻み、弾き飛ばす。

 コボルトにはなんの恨みもないけど。

 俺の四本の腕が大暴れしながら、コボルトを殲滅していく。

 アミルは下から掬い上げて、天井にコボルトケンプファーを叩きつけている。

 なんとなくだが、俺とアミルはこの時は通じ合えた気がした。

 

 オリビアもなんとはなしに俺達に付き合ってコボルトをぶっ叩いてくれてはいるが、無表情で単純作業をしているように見える。

 それでも、時々コボルトを槍の重い一撃で昇天させてはいるが。

 

 俺達二人だけテンションが高いままに、中間部屋に辿り着いた。

 午前の探索はここで終了だ。

 

 だが・・・・・・アレっ?嬉しいけど、どうして?

 ちょっと整理が必要だから、昼食時に考えよう。

 

 ワープゲートを自宅の玄関に繋げて、五人で帰宅した。

 

・・・・・・

 

 昼食の時間に皆と雑談しながら、さきほどの内容を再確認。

 イレーネが新ジョブ『()()()()』を取得していた。

 それ自体は喜ばしいことなのだが、俺は何故『忍者』のジョブを取得できてないのだ?

 

 

ジョブ くのいち

効果 知力大上昇 精神大上昇 敏捷中上昇

スキル 状態異常確率アップ 状態異常耐性アップ クリティカル発生 ()()

 

 忍者系の割には知力や精神の方が敏捷よりも効果が高い。

 頭脳や精神力・・・・・・忍耐が忍者としては重要なのだろうか。

 

 そして、最後の『一閃』というのはアクティブ系攻撃スキルなのかもしれない。

 暗殺者や刺客にはアクティブ系攻撃スキルはなかったよな。

 これ知ったら、イレーネは大喜びしそうだ。

 百獣王や剣士系ジョブにはアクティブ系攻撃スキルがあって、羨ましそうにしてたからな。

 

 イレーネは午前中の探索で刺客Lv70に達した。

 なので、それがジョブ取得の引き金のように思える。

 

 問題は俺の方だ。新規のジョブが取得できていない。

 俺だって刺客はLv70を超えているのだから、忍者のジョブが取得できそうに思うのだが。

 

 暗殺者、刺客のジョブというのは、

 

ジョブ 暗殺者

効果 知力小上昇 精神小上昇

スキル 状態異常確率アップ 状態異常耐性アップ

 

ジョブ 刺客

効果 知力中上昇 精神中上昇 敏捷小上昇

スキル 状態異常確率アップ 状態異常耐性アップ クリティカル発生

 

 というスペックで、暗殺者から刺客のジョブ取得の際には、状態異常にしたモンスターの数が条件だったはずだ。

 俺が刺客のジョブを取得する際には、追試でモンスターを状態異常にしまくったものな。

 となると刺客から忍者のジョブ取得の条件になるのは、『クリティカル発生』に関するものなのかもしれない。

 

 今、イレーネの武器は

 

硬直のエストック 片手剣

スキル 石化添加 攻撃力2倍 HP吸収 クリティカル二倍

 

 クリティカル二倍のスキルが付与されている。

 

 

 一方で俺の武器は四本の腕に、

 

デュランダル 両手剣

スキル 攻撃力五倍 HP吸収 MP吸収 詠唱中断 レベル補正無視 防御力無視

 

硬直のダマスカス鋼剣 両手剣

スキル 石化添加 攻撃力2倍 MP吸収 空

 

激情のダマスカス鋼剣 両手剣

スキル 攻撃力2倍 MP吸収 HP吸収 空

 

ひもろぎの聖槍 槍

スキル 知力2倍 攻撃力2倍 MP吸収 HP吸収 空

 

 この四つの武器を使って戦っている。

 

 四つの武器にはクリティカル発生確率を上昇させるスキルはない。

 あえて言うと、俺が刺客のジョブをセットしているときはクリティカル発生のスキルがあるので、その時ぐらいか。

 だが刺客のジョブは他のジョブを育成している時には外すこともあるから、イレーネ程にはクリティカル発生はしてないかもしれない。

 イレーネは刺客のジョブを常時使っている上に、『クリティカル二倍』のスキルが付与されたエストックを使っているのだから。

 

 アミルにお願いして、二本の両手剣に『クリティカル二倍』のスキルを付与してもらい、デュランダルをなるべく使わずにダマスカス鋼の両手剣での攻撃回数を増やすか。

 クリティカル系のスキルを付与するのは、『鯉』のモンスターカードだったよな。

 午後の探索開始前にお願いしておこう。

 

 もう一つの疑問は、オリビアの取得した新しいジョブだ。

 

ジョブ 竜将軍

効果 体力大上昇 体力大上昇 体力中上昇

スキル 二刀流 クリティカル発生 ダメージ軽減 ()()()()()()()()

 

 騎士から将軍に格上げか。

 体力系効果がモリモリなのは変わらずだ。

 そして最後の『ドラゴンファング』はイレーネの『一閃』同様にアクティブ系攻撃スキルかもしれない・・・・・・『竜の牙』か?

 なんか怖そうなスキルだな。

 

 竜騎士のジョブは、

 

ジョブ 竜騎士

効果 体力中上昇 体力小上昇 体力微上昇

スキル 二刀流 クリティカル発生 ダメージ軽減

 

 であるからアクティブ系攻撃スキルはなかったが、今回取得できたのかもしれない。

 

 オリビアは午前中の探索で竜騎士Lv74までレベルが上がったが、イレーネと違いLv70は条件の対象外なのだろうか。

 それともLv70以上の条件に加えて、やはりクリティカル発生に関する条件の何かを満たしたのかもしれない。

 竜騎士ジョブのスキルにはパッシブで常時、『クリティカル発生』があったからな。

 

 まあ、現時点でジョブ取得条件は確認しようがないな。

 フレイヤに早めにクリティカル上昇系のスキル融合した武器を持たせておくか。

 彼女の武器にも『クリティカル二倍』のスキルを付与していないし。

 

 

「アミル、イレーネとオリビアが新しいジョブを取得したようだ。

 『くのいち』と『竜将軍』というジョブで、

 どちらも攻撃時のクリティカル発生がジョブ取得に関連しているかもしれない」

「そうなのですか。新しいジョブですか。また、迷宮探索が捗るかもしれないですね」

 オリビアがニンマリとしながら、俺の顔を覗き込んできたが今はスルーだ。

 

「確かにその通りだ。

 一方で、俺の方はイレーネと違ってジョブ取得ができていない。

 恐らくだが、武器に『クリティカル二倍』のスキルが付与されてないことも原因の一つかかもしない。

 イレーネの武器には付与されているからな」

「そういえば、そうですね。ご主人様の武器にも同じスキルを付与すべきでしょうか?」

 アミルの言葉に頷いた。

 

「ああ、お願いできるか。今、使っているダマスカス鋼の両手剣二本にだ」

「分かりました。迷宮に行くまでに付与しておきます」

 直ぐに対応してくれる彼女に感謝だ。

 

「それと同じ理由でフレイヤの武器にも付与した方が良いかもしれない。

 だが、フレイヤの今使っている武器は空きスロット全てにスキル付与したので、

 新しく付与する先がない。

 空きスロット4つのダマスカス鋼の両手剣を用意する必要があるかもしれない」

「分かりました。

 では、ダマスカス鋼の両手剣の方も量産して空きスロットが多いモノを確保します」

 

「ああ、急ぎではないので時間がある時に頼む。

 それと、二人の新しいジョブにはアクティブ系攻撃スキルが増えたかもしれない。

 だから・・・・・・」

「MP吸収のスキル融合が必要になりますね」

 さすがにアミルは分かっている。

 

「そうだ。最終的には午後の探索で実際のスキルを把握してからだがな。

 そして、イレーネのエストックには今は空きスロットがない。

 なので、新しくエストックを調達してスキル融合させるか、

 それともエストックではなく両手剣に乗り換えるかイレーネに希望を確認しよう」

「確かに攻撃力を増やすのなら両手剣の方が良いかもしれませんね。

 イレーネさんに確認してから決めようかと思います」

 そんなところかな・・・・・・だから、オリビアは俺を背後から抱きしめるのは止めろっての。

 

「午後は新しいジョブのテストも兼ねて、探索を進めよう。

 午前中は少し退屈していたみたいだから、午後は少し刺激になるかもしれないな」

「そうですね。お二人の動きを見ながら、武器の調整も考えてみます」

 戦う者にベストフィットする装備品を調達しようとする彼女には頭が下がる。

 

・・・・・・

 

 昼食を終えて、食堂に迷宮組が集合。

 アミルの方は早速、俺の両手剣に融合してくれたようだ。

 

「イレーネ、新しいジョブが取得できたようだぞ。

 新しいジョブは『くのいち』というジョブで

 今の『刺客』以上にクリティカル攻撃に向いたジョブかもしれない。

 ひょっとしたら、アクティブ系攻撃スキルが使えるようになるかもしれない」

「アクティブ系攻撃スキル?」

 

「ヴィルマが使っている『ビーストスラッシュ』のような攻撃スキルのことだ」

「お、お、お、お・・・・・・」

 そんなに嬉しいのか。

 

「という訳で、イレーネは新しいジョブに変更するか?」

「うん」

 言葉だけでなく、顔も全力で頷いている。

 

「オリビアの方も新しいジョブへ変更するか?」

「もちろん!」

 こちらは昼食時に俺とアミルの会話を聞いてたから話が早い。

 

「二人ともアクティブ系攻撃スキルが取得できているかもしれないから、それを試そう。

 だがジョブを変更して直ぐは、力が弱まってるから無理しないようにな」

「分かったよ、ユキムラ君!」

 イレーネもコクコク頷いているが、攻撃スキルを使いまくる未来が想像される。

 

 玄関に向かって、ターレの44階層の中間部屋にワープで移動。

 

 中間部屋を出て、探索を再開した。

 基本的にはコボルトは俺が倒すことにした。

 コボルトでクリティカル発生数を稼ごうという算段だ。

 クリティカル発生させれば良いのか、クリティカル攻撃で倒せばよいのか条件が不明だが、コボルトは両方にうってつけの相手だ。

 

 それ以外の相手はイレーネ、オリビアの新しいジョブの慣らしに利用することにした。

 二人とも当初はブラヒム語の詠唱に戸惑っていたが、慣れてくるとスキルを上手く使い始めた。

 新ジョブの新しいスキルはやはりアクティブ系攻撃スキルだった。

 

 イレーネの『一閃』はクリティカル攻撃を必ず発生させるかのような、ダメージの大きい攻撃を誘発する攻撃スキルのようだ。

 彼女の口角が心持ち上がり、尻尾も高速回転していることから上機嫌が窺える。

 

 一方で、オリビアの『ドラゴンファング』も強烈なクリティカル攻撃だ。

 剣聖のダブルスラッシュと同様に二刀流による攻撃スキルで、まさに竜の牙にモンスターを挟みこむような大ダメージを与える攻撃スキルだ。

 

 やっぱりアクティブ系攻撃スキルがあると、なんとなく華やかというか見栄えのするジョブって感じがするよな。

 俺の百鬼夜行のジョブにはアクティブ系攻撃スキルはないんだよ。畜生。

 

 オリビアの使っていた槍の片方は空きスロットが一つ余っていたので、アミルが探索中に『クリティカル二倍』をスキル融合した。

 まさに至れり尽くせりだ。

 

 イレーネの剣には空きスロットがない。

 だから、スキルを連発し過ぎるとMP切れ(ガス欠)が発生する。

 仕方ないので、俺の両手剣とイレーネのエストックを一時的に交換することにした。

 

硬直のダマスカス鋼剣 両手剣

スキル 石化添加 攻撃力2倍 MP吸収 クリティカル二倍

 

硬直のエストック

スキル 石化添加 攻撃力2倍 HP吸収 クリティカル二倍

 

 俺の両手剣は出発前にアミルが『クリティカル二倍』を融合してくれたが、元から『石化添加』と『MP吸収』が付与されているので彼女にとってスキル効果としては遜色ない。

 違いがあるとすれば、片手剣から両手剣になることだ。

 昼食時にアミルと相談していた彼女の新ジョブを生かすために両手剣にするかどうかというテストにもなるだろう。

 彼女が使っていた盾を俺のアイテムボックスへ仕舞って、新ジョブのならしがてら使い勝手の確認をしてもらうことにした。

 

 俺の方は彼女のエストックを使って、クリティカル発生の攻撃回数を増やすことにした。

 

 暫くは接敵するモンスターをひたすらスキル攻撃で倒すのを延々と続けた。

 俺、イレーネ、オリビアのテンションはちょっと高い。

 次々とモンスターを煙に変え続ける。

 俺の方は超速スキルまで使って、クリティカル発生回数を増やすことに専念した。

 

 途中、魔物部屋も殲滅し、その後も探索を続行。

 

 イレーネとオリビアのレベルも上がってきたが、さすがに上位ジョブだけあって上り方は遅い。

 レベル云々よりも、彼女達は新ジョブの新スキルの習得に余念がなさそうだ。

 午前中の退屈そうな探索の雰囲気はどこかにいってしまったようだ。

 

 そして、ヴィルマの方は百獣王がLv70を超えたが、こちらは新ジョブの取得はなかった。

 そもそも上位ジョブが存在するかすら分からないが。

 

 小荷駄隊に入れていたヘルミーネの騎士がLv50に達し、聖騎士のジョブを取得した。

 探索の休憩時に自宅に一時的に戻って、彼女に聖騎士ジョブ取得を伝えたら感激していた。

 そのまま聖騎士にジョブを変更して、パワーレベリングを続けることにした。

 

 新ジョブの取得ラッシュだな。

 

 ボス部屋もようやく発見。

 ボスのコボルトイェーガー二匹はイレーネとオリビアにそれぞれ任せて他のメンバーは待機で臨んだが、アッサリと二人が倒すのを見守るだけだった。

 いまさら二人が上位モンスターとはいえ、コボルトに後れを取ることはない。

 

 45階層の小部屋に抜けたので、本日の迷宮組の探索は終了とした。

 少し時間があるが、45階層の攻略を始めるには時間が中途半端だ。

 

 もちろん、俺が忍者のジョブを取得するようなことはなかった。そう簡単ではないのだろう。

 だが、わざわざ追試を一人でやるのではなく、迷宮探索を続けながら新ジョブが取得できるのを気長に待つことにした。

 

 そして45階層の小部屋から出て通路を確認したが、道の幅がグッと広がっていた。

 1階層の幅と比べれば倍ほどはあるように思える。

 やはり45階層以降のモンスターはデカいし、階層のエリアも広がるのかもしれない。

 まあ、それは明日確認だ。

 

 イレーネは俺が貸した両手剣がかなり気に入ったようだ。

 もう少し考えてからアミルに相談するらしい。

 

 ワープゲートを自宅の玄関に繋げて、五人で帰宅した。

 

 自宅に戻るとイレーネとオリビアは新ジョブの慣らしを更に進めるため修練場に向かった。

 イレーネとオリビアはニッコニッコの表情だ。

 ヴィルマもそれに続く。

 アミルは二階に上がって、装備品の生成だろうな。

 

 俺は残りの時間をパワーレベリングにあてるため、小荷駄隊に入れるメンバーを探しに修練場に向かうことにした。

 対象はドロテアとフレイヤだ。ヘルミーネは元々、小荷駄隊に入ってる。

 ドロテアはこの際、魔道士にしてしまおう。

 修練場で二人を小荷駄隊に加えて、ターレ迷宮の41階層の中間部屋にワープで移動した。

 

 通常部隊の方には迷宮組をそのまま入れてある。

 イレーネとオリビアも、この機会に新ジョブのレベル上げをしよう。

 

 41階層の魔物部屋を殲滅。

 ドロテアは魔法使いのLv50になったが、魔道士のジョブは取得できなかった。何故?

 俺が魔道士のジョブ取得をした時はあっさりできたはずだが。ラファの時はどうだったか。

 調査や考察は後回しにするか。

 ドロテアはパワーレベリングから外して、ヘルミーネとフレイヤを上げよう。

 

 その後、40、39、38階層の魔物部屋を殲滅してパワーレベリングを終了とした。

 

 イレーネはくのいちLv16、オリビアは竜将軍Lv20、ヘルミーネは聖騎士Lv18、フレイヤは竜騎士Lv47までレベルが上がった。

 それにしても、ドロテアは何故?

 

 

・・・・・・

 

 自宅に戻り、ドロップ品を倉庫に収納して自室で着替え。

 

 原作本やWebの出力を確認。

 魔道士関連の記載は・・・・・・。

 原作主人公は魔法使いLv50を取得した際に魔道士のジョブを得ているな。

 それは俺も同じだったはず。

 

 他には・・・・・・ドープ薬の記載・・・・・・『魔道士など上位のジョブを得るには十年以上も研鑽しないといけない・・・・・・ドープ薬ではうまくいかない』か。

 だが実際には、原作主人公も俺もジョブ取得は短期間でできている。

 本当に十年の経験が必要ではないが、ドープ薬ではダメと。

 ドープ薬って、レベルだけ上がって強さが伴わないイメージがあるんだよな。

 

 となると、強さを伴った一定の経験か?

 レベルが上がった状態での経験で良いならドープ薬でドーピングしてから、迷宮で魔法をぶっ放せば取得できるはずだよな。

 

 実際の強さを伴った経験?ラファの魔道士取得の時はどうだったっけ。

 ラファは魔道士のジョブを取得できているよな。十年もかけずに。

 記録を確認してみると、魔道士にする前に魔法使いを高レベルにしてから、それなりに迷宮で経験を積んでいるか。

 この辺りか?

 

 いせはれのジョブ取得は経験がものを言うことが多いので、魔法使いの経験もシッカリ積めということなのだろうか。

 いずれにしても、今はドロテアが魔道士ジョブを取得ができていないのだから、しばらくは魔法使いのまま様子見するか。

 上手くいけば、そのうち魔道士のジョブ取得ができるかもしれない。

 

 ドープ薬か・・・・・・成長が頭打ち・・・・・・Lv99になって全く上がらなくなったら限界突破用に服用するとかはありだろうか。

 Lv99デスのことを考えると、限界突破は無理かな。

 

 今はレベルが順調に上がっているから、弱体化の可能性があるドープ薬の服用はないかな。

 そもそもタケダ家でドープ薬を所有していないってものあるけど。




お読みいただき、ありがとうございます。
次回投稿日は2026/1/12(月)の予定です。

魔道士のジョブ取得条件ですが、Web原作の記載(ドープ薬の箇所等)を自分なりに紐解いて以下に設定しました(詳細は曖昧にしていますが)。

条件1)魔法使いLv50
条件2)一定以上の魔法攻撃ダメージを●回与えること

 条件2は『ドープ薬のレベル上げだけでは満たせない』ことと『原作主人公及び本作主人公は複数ジョブ持ちで容易に魔法攻撃力を上げられること』で矛盾ないかと考えました。

 なお、本作では他の上位ジョブでも条件2)に該当するような取得条件を入れているジョブが多数あります。
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