チクルスと甘々の夜を過ごした翌朝は少しバタバタしている。
既に朝練と朝食を終えて、これからクーラタルの商人ギルドに向かう予定。
今日はオークション会場に張り付かなければならない。
一番の目標は威霊仙もしくはエリクサー。
出品予定一覧になかったが、万が一飛び込みで出品された時の対応のためだ。
ルークの話では望み薄とのことだが、魔法使いや竜人族の奴隷目当てで会場にも行くし、今日はタケダ家も出品予定なのだからオークション会場に長く腰を据えるつもりだ。
バタついているのは俺ではなく、後方支援メンバーや護衛部隊の方だ。
クーラタルのメンバーの結構な人数を今日はザビルに送る予定になっている。
新拠点の家具類の運び入れやら、掃除の対応をするためだ。
エネドラとチクルスは拠点間移動のスキルで、まずはザビルの新拠点に下見に行くらしい。
厨房を確認したり、部屋を確認して家具や調理器具で必要そうなものを確認する。
ザビルの邸宅は既にタケダ家の3つ目の拠点として登録してある。
拠点リーダーはカラダンだ。
迷宮ドロップ品と交換で家具類と調理器具も調達することをオネスタさんと交渉済とのこと。
クーラタルの増築で大工と契約した際にオネスタさんとエネドラでざっくりと方針を決め、その後細かく詰めの交渉を行なったと言っていた。
錫や黄銅、それに板とブランチも交換材料になるそうで、今朝は倉庫から懸命にアイテムボックスに収納していた。
そんなこんなで、朝からなかなかバタバタしている状態。
こちらから助力を申し出ると断られてしまうので、遠くから見守るしかないのだが。
・・・・・・
玄関からクーラタルの商人ギルドの壁にワープで移動。
壁から出た瞬間に凄い人だ。
今までギルドにそれなりに通ってきたが、ここまで人が多いのは初めて見た。
身なりの良い商人風の人間も多いが、護衛っぽい厳つい感じの者もいる。
やはり季節毎のオークションとなると一大イベントということなのだろう。
受付の近くに列をなしている人達がいる。
そこから離れると二階に上がっていくので、参加費を払っているようだな。
オークション会場は二階だと聞いている。
仕方がないので俺も並ぶことにした。
参加費は確か1000ナールだったはず。
事前に銀貨10枚は別に用意して、リュックの中に入れてある。
列はスムーズに進んでいるようで、すぐに俺の番になった。
前の男が支払う際に職員が伝えた金額が聞こえたので、言われる前に銀貨10枚を出してスンナリと支払う。
参加費を支払うと紙切れをもらった。
これで今日一日は出入り自由らしい。失くさないようにしないとな。
「おう、おめえら、知ってるか。今日は魔法使いの奴隷が出るらしいぞ!」
原作でもあったがコレか。魔法使いとは縁のなさそうな、むさ苦しいオッサンだ。
もちろん魔法使いが出品されるのは知っている。
ここの商人ギルドにエネドラが入会しているから、事前に出品リストをもらっているからな。
俺はギルド登録していないから、参加費は別に払わなければ入場できないけど。
「俺はなんとしても手に入れるぞ。白金貨の用意はできてるか?できてねえなら帰るんだな!」
宣伝用に声がデカい奴を雇ったのだろうか。
この男が入札に参加しているといった原作の記載はなかった記憶だが。
いつもの応接室は出品用の展示室となっているようで、人がひっきりなしに出入りしている。
部屋の入口には何が出品されているかの表示がないので、入って確認するしかないようだ。
仕方ないので近くの部屋から片っ端から入ってみることにしよう。
一つ目の部屋・・・・・・入るなり薄着の綺麗処が一斉にこちらに視線を向けてきた。
失礼しました。部屋を間違えました。
瞬時に鑑定して、全員が村人ジョブであることを確認してから踵を返した。
魔法使いジョブの者がいたら、そのまま中に入ったかもしれないがそんなことはなかった。
まさかの暗殺者ジョブの女性がいるというサプライズもなし。
二つ目の部屋・・・・・・暇そうな高い服を着た商人ジョブの者が座っていた。
壁際に美術品っぽい商品がたくさん並べてある。ここも外れかな。
鑑定しまくったが、スキル融合装備品が紛れ込んでいるようなこともなく、俺が見る限り全く価値の分からない美術品が所狭しと置いてある。
俺以外にも暇そうに見ている男がいたが、こちらは暇ではないので部屋を後にした。
俺の振る舞いは、ぱっと見は冷やかし以外の何者でもないよな。
ちゃんと鑑定してから、退出しているのだけど。
三つ目の部屋・・・・・・部屋の真ん中にローブを着た見覚えのある男が立っている。
鑑定すると魔法使いジョブの者。
更に索敵スキルを発動すると予想通り赤色。
こちらに気付いたのだろうか、恐れと若干の敵意を籠った目で見てきた。
会話したくなかったので、直ぐに回れ右して出ることに。
サボーとの決闘の際にいたバラダム家との魔法使いだな。
ちょっと前まではドロテアの先輩魔法使いだったのかもしれない。
彼女がタケダ家に合流した時よりもジョブのレベルが高かったよな。今は彼女の方が上だが。
彼は出品予定一覧にあった魔法使いジョブの男かもしれない。
記載のあった年齢と同じだったし。
彼を奴隷としてオークションで売って、バラダム家は借金の返済に充てるのだろうか。
次の部屋は竜騎士か。
「いらっしゃいませ。当店はこちらの竜人族の男を出品いたします・・・・・・げぇっ」
見覚えのある商人と竜騎士の男。それにしても、『げぇっ』はねえだろう?
一時はオリビアとセットで別の家で購入されそうになった男と買い手の商人だ。
そして彼女と竜騎士の男性の相性は良くない。決して彼のせいではないのだが。
俺の顔を見るなり、なんとも言えない表情になっている。
索敵で確認する限りは二人ともグレーの色だった。
大丈夫だよ、君を購入することはないから。
なんか、微妙な部屋ばっかりだな。
次の部屋はスキル融合装備品の展示か。
傍目には普通の武器や防具にしか見えないが鑑定で確認すると・・・・・・強権の鋼鉄槍、激情の鋼鉄剣、硬直のエストック、防毒の硬革鎧。
未使用の空きスロットの数も少なく、素材も微妙だ。
硬直のエストックに少しだけ惹かれる程度か。
いくらぐらいの値がオークションで付くのかは興味があるが、落札したいとまでは思わない。
落札結果は後で掲示板を確認すれば分かるし。
次の部屋へ行こう。
部屋に入ろうとしたら、難しい顔をした商人がしきりに首をかしげながら退出してきた。
なにか変わったモノが出品されているのだろうか。
部屋に入ると・・・・・・ここも奴隷の出品か。
背の高い男性が部屋の中央に立っているが・・・・・・デカいな。彼は竜人族の奴隷か。
(鑑定)
ん?あれっ?
(鑑定)
勘違いではないのか。ええぇ・・・・・・でも、なんだろう。
トカラ(竜人族 ♂ 16才 奴隷)
魔法使いLv2
竜人族の魔法使い?近接戦闘職ではないのか。
いせはれでは別にエルフだからといって、特別何か魔法使いジョブに有利な知力のアドバンテージ等はない。
竜人族の魔法使いであっても、特に不利なことがある訳ではないはず。
ある訳ではないのだけど、何かもったいない気がするのは偏見なのだろうな。
「ようこそ、いらっしゃました。
魔法使いの者をお求めでしたら、うってつけの人材です。
是非、御覧いただければと思います」
「確かに魔法使いの者を探している。
だが、竜人族の魔法使いは珍しいな。
竜人族で出品される場合は近接戦闘系のジョブの者が多いのではないか?」
俺の指摘で、目の前の奴隷商人の男は汗を拭きながら苦笑している。
それにしても、どう御覧になればよいと言ってるのか?
魔法使いのジョブは体の丈夫さや腕力でアピールするものではないから、外見だけ見ても良し悪しなんて分からないと思うぞ。
タケダ家には近接戦闘をこなす武闘派魔法使いもいるけどね。
「確かに竜人族の魔法使いというのは珍しいかもしれません。
この者はエレーヌの神殿で神託を受けて魔法使いのジョブを取得したそうです。
その後は紆余曲折がありまして私の手元に流れてきまして、今回の出品になりました」
「紆余曲折ねぇ」
あまりにアバウトな説明でよく分からない。
だが、どこかで自爆玉を飲まされたのだろうな。
でなければ、魔法使いのジョブにはなれないはず。
「ブラヒム語は大丈夫なのか?」
「はい。全く問題ありません」
魔法使いは詠唱のバリエーションが多いので、ブラヒム語がダメだと話にならない。
「他に特徴は?」
「いえ、特には。立派な魔法使いです」
そんな説明ってあるか?
原作では竜人族の竜騎士Lv1の男にイロイロと商人が説明をしていたが、この若者にはそういったセールストークはないらしい。
Lv2だから経験豊富な魔法使いという訳でもなさそうだしな。
魔法使いだからなのか、屈強な若者というよりは背の非常に高いスラっとしたモデル体型だ。
目元も優し気な感じで、顔だちも整っていて普通にイケメンだ。いや普通以上か。
竜人族のイメージの筋肉質という感じではなく、細マッチョなのかもしれない。
髪も綺麗な金髪だし、元の世界だったら間違いなく女性が放っておかない存在だっただろう。
魔法使いに必要なことかと言われれば微妙だが。
「彼と少し話をさせてもらっても?」
「もちろん、構いません。是非とも」
同じ魔法使いでも、バラダム家の男のような典型的な魔法使いでないから売れにくいのかね。
「質問に答えてくれるかな?迷宮に入ってもらうつもりだが問題ないか?」
「はい。問題ありません」
魔法使いで迷宮が嫌だとかはさすがにないか。
「奴隷として受け入れようと思った場合の、君の一番の願いはなんだ?」
「魔法使いとして・・・・・・扱ってもらえることです。
奴隷契約した後、竜騎士のジョブを取得させようとする主人の下には行けません!」
初めは小さな声だったのに、終わりの方ではハッキリと意思を示したな。
「魔法使いに拘りがあるのか?」
「約束ですから」
誰かと何か約束したのか。
個人的な話は落札してから聞き出すか。
まだ落札できると決まった訳でもないし。
「本人はこのように魔法使いに拘ってるようだが、奴隷契約上可能なのか?」
「ええと、奴隷契約とは別に附帯契約を結んで、
定期的に奴隷商人協会から監査が入ることになりますので、
よほど悪質なことをしない限りは遵守させられると思います」
悪質なことって、竜騎士にした後に売りさばくとかかな。
「そんな制約がついても売れるものなのか?」
「まあ、その・・・・・・なんと言いますか」
これが退室する商人達が首をかしげていた理由なのかな。
それ以前に竜人族の魔法使いに疑問を抱いてたのかもしれないが。
「じゃあ落札できるか分からないが、我が家に来ることになったらよろしくな」
「はい、お願いします」
トカラという若者は丁寧に頭を下げていた。
実は奴隷になる前は良い家のおぼっちゃんだったとかするのかな。
この男を落札したら、オリビアの矛先が俺から彼に移ったりするのだろうか。
まあ、その時はその時だ。
退室して、他の部屋も回ることにした。
・・・・・・
少し駆け足で威霊仙など目的のブツがないかを確認して回ったが、見当たらなかった。
かさ張らないから部屋に展示する必要もないし、飛び入りで出品される可能性はまだ残されているだろうが。
トカラとバラダム家の男以外には魔法使いはいなかったので、飛び入りの魔法使いというのはやはりトカラのことなのだろう。
竜人族も顔見知りの竜騎士以外にはトカラしかいなかったように見えた。
トカラが飛び入りの竜人族で魔法使いということなのだな。
白金貨がどうのこうのというオッサンはまだ喚いている。
自分がセリ落としたいのか、宣伝マンなのか知らんが大変だな。
ひとしきり確認は終わったので会場に行ってみるか。
二階の会場に移動。
入口を見ると、出品の順番が記載された紙が貼ってあった。
だが、順番の記載があるのは午後の部のようだ。
バラダム家の魔法使いの男も記載がある。
これは事前にもらった出品リストの順だな。
これから始まりそうな午前の部の方は出品順の記載された紙が貼られてないようだ。
直前で変更でも入って、書き直しになったのだろうか。
気にしても仕方ないので会場に入ろう。
入口に立っている職員に紙切れを見せて中に入った。
会場はそこそこ広いが、出品物が目視で確認できる程度までの広さという感じか。
この世界ではオペラグラスなんてないから、目で見えないものに応札なんてできないしな。
会場を見回すとルークがいるな。隣に座っているのは武器商人のヌートか。
こちらに気付いたのか会釈をしている。
ルークの所に行ってみよう。
知り合いがいると、つい近くに行ってしまうのは日本人気質を引きずっているな。
まずは挨拶を交わした。その後は場所取りの話。
「ここに座っても?」
「もちろん。どうぞ」
ルークの右隣のイスに座った。
パイプ椅子ではなく、木のしっかりしたイスだけど固そうだから長時間座るのはキツイかも。
「何かお目当ての出品はありましたか?
頂いた一覧にあった威霊仙やドープ薬等は今のところ何も情報が入っていません。
先日もお伝えしましたが、出品される可能性は低いかもしれません」
「そうだな。
ここに来る前に一通り回ってみたが、こちらの求めているアイテムや装備品はなかったな」
聖槍は既に入手したし、威霊仙も先日の商人と取り引きした。
「ところで、飛び込みでオークションにかけたい場合はルークを通した方がよいのか?」
「必ずしも私経由でなくても構いませんが、ご相談には乗りますよ」
彼の感想も聞いてみたいから依頼してみるか。
「では、お願いしようか。これになるのだが・・・・・・」
「これは?」
リュックから石鹸セットが入った木の箱を取り出した。
富裕層の平民用ではなく、貴族用として売っている石鹸セットだ。
まずは、貴族用を季節のオークションにかけて、その感触を得てから平民用を平日のオークションに出す計画だ。
「とある貴族と取り引きをしている貴族向けの高級石鹸というところだな」
「貴族用の石鹸ですか。
先日、私に装備品やモンスターカード以外の商品での取り引きの問いかけをされたのは
この件が関係するのでしょうか?」
さすがに覚えているか。
「まあ、そんなところだな。この1箱だけだが、オークションにかけることはできるか?」
「可能ですが、手数料として500ナールと落札金額の1割をいただくことになります。
あと最低入札金額・・・・・・入札開始時の金額の指定が必要となります」
ぶっちゃけ落札金額の1割よりも手数料の方が大きいかもしれないな。
「開始時の金額は2500ナールでお願いしたい」
「随分と安い金額から始めるのですね。大丈夫でしょうか?」
通常小売価格が2500ナールだから、開始時の金額はそれで構わない。
「この金額は貴族と取り引きする時の標準価格だから、開始金額としては妥当だ。
それで頼めるだろうか?」
「分かりました。では、お預かりします。
オークション開始時の商品説明はいかがいたしましょうか?
どちらの貴族と取り引きしているかを公表できますか?」
彼の言葉に首を横に振った。
ハルツ公と取り引きしていることは現時点では伏せておこう。
そのうちルークには伝わると思うけど。
「では、係の者に適当にお話ししておきます」
「すまないな。宜しく頼む」
彼はヌートをそのまま残して、石鹸セットを持って奥の部屋へと消えていった。
武器商人のヌートと二人っきり。
原作には未登場のキャラクターだから、正直どのような話題を振るべきか分からない。
「ルークとの付き合いは長いのか?」
「ええ。ルーク様が子供の頃から存じておりますので」
となると、ルークを支える腹心というところか。
かなりの頻度でルークと一緒にいるのを見かけるものな。
「彼は子供の頃から、あんなに落ち着いた感じだったのか?」
「いえ、それがそうでもなくてですね・・・・・・」
何故かルークの子供時代がやんちゃだったというエピソードに花が咲く。なんだこれ?
おっ、噂の人が戻ってきた。
「随分、盛り上がってるようですね」
「そうかな?他愛もない世間話をしていたのだが」
話題の本人が戻ってくると後ろめたい気分になるのは何故だろう。
別に悪口を言っていた訳でもないのだが。
「出品の手続きは終わりました。飛び入りの出品は全て午前中に実施されます。
オークションが開始されてから30番目前後だと思います」
「そうか、助かった。結果が出た際に手数料などを支払えばよいのだろうか」
ルークは頷いた。
落札結果の1割を払うとのことだから一括で払うのだろう。
そろそろ始まるようだな。
「本日はご来場いただき、ありがとうございます。
ただいまより商人ギルド主催のオークションを始めさせていただきます。
最初の出品者はどうぞ」
最初の出品は『強権の鋼鉄槍』か。
先程、応接室で見た商品で、説明しているのはその部屋にいた商人だ。
こちらは出品者が直接商品の説明をするのか。
なんか説明しているけど詠唱中断ができるだけだから、多くの説明はいらないのでは?
それでもどんなモンスターに有効だとか蛇足に近い説明を懸命にしている。
鋼鉄槍の形状も一般的な形をしているから、あまり奇をてらった使い方もできないだろう。
あれでアピールになるのだろうか?
「最低入札価格は12万ナールからです。それではどうぞ」
「12万」
「13万」
:
:
「17万」
「他にありませんか・・・・・・ありませんね・・・・・・
それでは、17万ナールでの落札とさせていただきます。
出品者と落札者は奥の部屋へ移動してください」
意外に高い最低入札金額から、それなりに高額な金額まで上がっていったな。
やっぱり競り合うと金額がドンドン上がっていく傾向にあるのかもしれない。
それでも今は金よりもモンスターカードや素材が欲しいからオークションに出す気はないが。
美術品や女性の奴隷など、出品のペースは思っていたよりも早い。
そもそも、商品の説明など誰も聞いてないのではないだろうか?説明もかなり簡素だが。
事前に自分の入札したいものを決めていて、その者達だけが競り合ってるだけに見える。
トカラが奴隷商人に連れてこられて、出品の舞台の上に立った。
落札しようとしている癖に、彼を見ると心が痛んで目を逸らしたくなる。
全くの偽善だと分かっていてもだ。
なるべく早く終わらせてしまいたい。
「次の出品は、竜人族のオスの魔法使い、16才です。
最低入札価格は20万ナールからです。
この奴隷にはジョブの転職制約がついておりまして・・・・・・
:
:
それではどうぞ」
竜人族の魔法使いと説明があった瞬間、会場が少しざわついた気がする。
あまり好意的な反応ではなかったな。
そして魔法使い以外のジョブに就けることができないことの説明がされると、それが更に増幅された気もした。
「20万」
口火を切って、入札をしかけた。
「21万」
おっと、さすがに競争相手がいるようだ。
「30万」
とりあえず20、30、40・・・・・・と上げていこう。
「31万」
まだ来るか。
「40万」
「41万」
だいぶ間があったが、競りかけてきた。
「50万」
これでどうだ?
本来なら魔法使いは白金貨なのだろう?まだまだ続けるかな。
「他にありませんか・・・・・・ないようですね。
では、50万ナールでの落札とさせていただきます。
出品者と落札者は奥の部屋へ移動してください」
なんか周りからは変わり者のように見られているが、魔法使いをゲットしたぞ。
別に本人にやる気があれば、竜人族の魔法使いだって問題ないさ。
ルーク達に断って、奥の部屋に行くことにした。
部屋に入ると先程会った奴隷商人とトカラがいる。
「ありがとうございます」
「ありがとうございます、ご主人様」
二人に向かって、手を上げた。
「オークションで落札した商品に関しましてはギルドより1000ナールの補填がございます。
落札金額の50万ナールから1000ナールを引きまして、
この度はせっかく落札いただいたので、特別に34万9300ナールとさせていただきます」
「そうか。では代金を・・・・・・」
原作でも3割引の描写があったので、セットしておいて良かった。
「支払いは後ほどで構いません。私共は先ほどの部屋で待っております。
入札を続けられるなら、戻っていただいてもかまいません」
「そうか。では、待っていてもらえるだろうか」
自分が出品したものがあるので、その確認に立ち合いたい。
「では、後ほど」
奴隷商人とトカラは俺に頭を下げると退室していった。
魔法使いや竜人族の奴隷を獲得するというオークションの目的を果たしたことになるか。
ちょっと想定していた奴隷のイメージとは違うけど。
出品した商品もあるので、オークション会場に戻ることにした。
お読みいただき、ありがとうございます。
次回投稿日は2026/1/26(月)の予定です。