昨日の朝は自らイロイロと実験したが、今日は普通に朝練を見学。
目の前ではトカラとミラが昨日に引き続き、木刀と盾を持って模擬戦をしている。
近接戦闘の技術はミラの方が数段上なので、トカラは攻めあぐねている状態だ。
だけど、ミラだけでなくトカラの方も楽しそうに木刀を振り回している。
彼はジョブが魔法使いであっても、体を動かすのが好きなのかもしれない。
それはともかく、先日得た空きスロット4つの聖槍を誰に使わせるのが適切だろうか。
今は俺とラファの二人で、空きスロット5つの聖槍に知力二倍とMP吸収をスキル融合してもらって、魔法武器とMP吸収を兼ねながら使っている。
ドロテアは完全に後衛職だから、ひもろぎのスタッフを使っているので対象外だよな。
でも、原作ではエルフヒロインも聖槍を使っていたからアリなのか。
候補としては、クーラタルならトカラとドロテアで、ザビルだとマチルダあたりだろうか?
魔法使いも常に全員が迷宮に入ってる訳ではないから共用で使うだろうけど。
ザビル拠点にも最低一つは知力2倍をスキル融合した『ひもろぎの聖槍』を置いておくか。
トカラは近接戦闘の訓練を真面目にやっているし、今の年齢から近接戦闘を覚えてもらえば、武闘派魔法使いになる可能性を秘めた期待のルーキーというところか。
ドロテアはモンスターが状態異常になった時だけ、槍で攻撃してMP吸収を利用する使い方もありかもしれない。
マチルダも騎士Lv17を持っていたぐらいだから、槍を使いこなせるかもしれない。
魔法使いのレベルは47階層の二日間のレベリングで、マチルダもレベッカもLv30を超えた。
そろそろ、マテウスも交えてマチルダ母娘の戦闘訓練の相談をするか。
彼が魔法職に知見があるかは疑問だが、近接戦闘の技術についての意見は聞けるだろう。
そのマテウスも剣匠がLv50になり、剣聖のジョブを取得した。
やはり輜重隊の育成能力はかなりのものだ。
ザビルの連中は小荷駄隊、輜重隊に優先的に加えていたので、レベル上昇が著しい。
まだ上位職のジョブでないということもあり、レベルも上がり易い。
ローザとロベルトはこれから育成だが、探索者のレベル上げなら一日、二日あれば十分だ。
オリハルコンの槍を使うとしたら、オリビアとフレイヤ、俺ぐらいか。
あまり俺は積極的に使いたいと思わないから、竜人族娘達で使ってもらっても構わない。
オリハルコンの剣も同じ三人かなぁ。
なんせ、オリハルコン装備品は重いので腕力が必要だ。
高レベルの鍛冶師であるアミルなら使いこなせるかもしれないが、彼女は遊撃でダメージディーラーではないので戦闘スタイルと合わなくなるかも。
ハイコボルトのカードが使えるようになるまで、暫くは倉庫で保管しておくか。
良い武器は良いモンスターカードでスキル融合すべきだろう。
先日は隻眼が生成する装備品を運良く得られたが、簡単に入手できるとは思えないので焦ってスキル融合するのは拙いかもしれない。
今、クーラタルで戦闘スタイルとジョブが完全に一致していないのは、トカラ、ミラ、マヤの15才トリオか。
トカラは我が家に加わったばかりで、近接戦闘の訓練を始めたばかりだし、迷宮探索の経験もこれから積んでもらうから焦る必要はない。
武闘派魔法使いなら、槍を使うラファと同じ道を歩むのが王道だと思う。
槍ではなく剣や盾を使いたいというのなら、考え直す必要があるが。
あとは、ミラとマヤか。
ミラのジョブは剣匠Lv45と鍛冶師Lv47。
最近の迷宮での戦闘では鍛冶師のジョブはほとんど使っていない。
鍛冶師は腕力中上昇があってパーティーへの貢献度は高いが、アクティブ系攻撃スキルがない。
盾を使ったタンク職が彼女の好みのようだが、剣士系の上位ジョブである剣匠も剣聖も両手に剣を持つのが王道のスタイルだ。
剣匠のアクティブ攻撃スキルは剣士と同じスラッシュで、片手でも利用できるから剣匠のまま成長させていくのが無難だろうか。
盾を持って前線を支え、隙を見て片手剣でスラッシュを叩き込む役目を今はこなしている。
剣匠は腕力小上昇、敏捷微上昇、HP微上昇のパーティー効果を持つので、前衛職のパーティーメンバーへ貢献できる。
剣聖になると、その3つの上昇がワンランク上がるのだが、アクティブ攻撃系スキルが剣を両手に持つ前提になるので彼女の戦闘スタイルに合わない。
今のまま剣匠のジョブを育てて様子を見るか。
マヤのジョブは剣匠Lv60で、一応剣聖のジョブも得ているが育ててないのでLv1のまま。
ミラと同じく盾を使ったタンク職が合っているようで、狼人族だが俊敏な動きではなくベタ足で立ち位置を固定して、守りながら隙を突いて攻めるパターン。
現時点の方針はミラと同じく剣匠のジョブで育てていく予定。
ミラとマヤには、剣士系と違うジョブの道もあると思っている。
例えば騎士のジョブを取得して、聖騎士を目指して防御の要にする構想もアリかも。
騎士や聖騎士のジョブは少々目立つので、あまり積極的に推奨はしていなかった。
だが、ヘルミーネやレドリック、マチルダのようにセカンドジョブとして育成するのはアリかもしれない。
タンク職との相性も良さそうだし。
マヤについては、獣戦士のジョブを何とかして取得することを模索する手もある。
ひょっとしたらターヘラの剣術指南所で鍛えてもらえば、ワンチャン取れないだろうか?
獣戦士のジョブが取得できたら、百獣王を取得して前衛タンク職という道もありえるか。
あくまで取れればという仮定の話だが。
あのターヘラのオッサンは教えるのが上手いとは思えないのだが、双子が若くして獣戦士になった実績があるのでなんともだ。
まだミラもマヤも15才だから、複数ジョブを鍛えて開花させられるかもしれない。
今は剣匠のまま、しばらく様子見しよう。
・・・・・・
朝練と朝食を終えて、迷宮組はターレ迷宮へ。
昨日同様、騎士団の兄ちゃんを45階層に案内。
「とうとう45階層ですね。ここから厳しい相手になるのでしたよね?」
「そうらしいな。
階層攻略まで日数がかかるらしいから、直ぐに46階層への案内とはならないだろう」
既に経験済なのだが、それらしく言っておく。
「階層の案内よりも、命の方を大事にして下さいよ。
ここで諦めたって、騎士団の方から派遣されてくるパーティーがいずれは迷宮討伐しますから」
「全くその通りだな。気を付けるようにするよ」
気を付けるつもりではあるが、騎士団に迷宮討伐を譲るつもりはない。
ここまで来たのだから、迷宮討伐ができる実力があるのか試してみたい。
実力を認めさせる意味もあるし、報酬にエリクサーをおねだりしたいというのもある。
無理だったら、ワープで皆と逃げるけどね。
迷宮ボスは別格かもしれないという懸念も頭にある。
兄ちゃんが入口に戻るのを確認し、昨晩探索を終了した47階層の場所にワープで移動。
昨日に引き続き、パットバットをオーバーホエルミングで聖槍とデュランダルで蹴散らしながら、皆と探索を進めた。
この3日間に山ほどドロップ品の『蝙蝠の爪』を拾った。
装飾品に使えるらしいから、ターヘラのマリアおばちゃんの店に納めることもできる。
迷宮ドロップ品と孤児院の食料を交換することで契約しているので、そちらに回したいな。
双子を引き受ける際に、孤児院の食料一年分をこちらで用意することにした契約の関連だ。
既に4か月分を前納しているが、このまま50階層まで攻略を進めるとかなりの量になってしまうので、残り8か月分を賄えそうな勢いだと思う。
昼食の前になんとか、ボス部屋を発見。
サクッと終わらして昼食にしたいところだが、油断は禁物。
「アミル、ボス戦の指揮を任せたい。
通常戦闘と同じく、ボス戦でも俺はオーバーホエルミングを使うので、
それを頭に入れて考えてみてくれ」
「はい。分かりました。不足する点があれば指摘をお願います。
47階層のボスはバットバットで、巨大な蝙蝠のモンスターです。
お供のモンスターも二匹登場しますが、
そちらもパットバットになると、空中を飛び回るモンスターが増えるので手強くなります。
フォーメーションは今までのボス戦と同じで臨みたいと思います。
ボス二匹はご主人様とオリビアさんで一匹ずつ受け持って下さい。
右側がオリビアさんで左側はご主人様で対応をお願いします。
お供のモンスターについては、右側をヴィルマさん、左側をイレーネさんでお願いします。
私はお供でパットバットが出現した方を支援します。
もし、両方パットバットでしたら、イレーネさんの方の支援に回ります。
その場合は、オリビアさんがヴィルマさんの相手のパットバットの牽制をお願いします。
ご主人様は雷魔法とイレーネさんのモンスターに博徒のスキルをかけるのをお願いします。
何か補足はありますか?」
「今回はボス戦でもオーバーホエルミングを使うので、雷魔法を撃つ頻度が上がるはずだ。
麻痺になる奴が出たら、なるべくそちらを優先して倒していこう。
今回のボス戦は小荷駄隊外しを使って、万全の体制にしてから戦うぞ」
「了解」
「了解」
「了解」
「了解」
モニカを小荷駄隊から外して、いったん通常部隊に加えた。
待機部屋からボス部屋に5人で入ったが、ボス部屋の扉は閉じないまま。
五人ともアミルの指示通りの配置についたことを確認。
「では、始めるぞ」
モニカを通常部隊から小荷駄隊に戻した。
モンスター出現のエフェクトとなり、煙から4つのモンスターが現れる。
お供は両方ともパットバットだ。外れだが仕方ない。
四匹とも飛行モンスターで面倒な相手。
(オーバーホエルミング)
(サンダーストーム、サンダーストーム)
(状態異常耐性ダウン)
イレーネの前のパットバットに博徒のスキルをかけた。
雷魔法で麻痺したのかは、超速スキルが解けるまで分からない。
目の前のバットバットは空中に浮かんだまま、ほぼ静止状態なので聖槍しか届かないが、とにかく突きまくった。
雷魔法のクールタイムが切れたところで、
(サンダーストーム、サンダーストーム)
2セット目の雷魔法二連発を放った。
ここで、オーバーホエルミングの効果が終了。
ヴィルマの前のパットバットが墜落した。麻痺になったか。
そちらはヴィルマに任せよう。
オリビアが目の前のボスの羽を二本の槍で突き刺し、地面に叩き落とした。
全く器用な奴だ。こちらは胴体に当てるのがようやくなのに。
「ユキムラ君、スイッチ!」
「了解!」
確かに空中を浮遊している奴はオリビアに任せた方が得策だ。
オリビアが叩き落としたバットバットに聖槍を突き刺して、もらい受けた。
彼女と場所を交換して、
(オーバードライブ)
(サンダーストーム、サンダーストーム)
3セット目の雷魔法二連発を放った。
墜落したバットバットを硬直のエストックで連打しながら、デュランダルでも叩く。
4セット目の雷魔法を放つ前に石化させ・・・・・・煙に変えた。
(サンダーストーム、サンダーストーム)
クールタイムが切れたので、4セット目の雷魔法二連発を放つ。
ヴィルマが斬撃を見舞っているパットバットに近づき、硬直のエストックとデュランダルで連打を叩きつけた。
ここで、オーバードライブの効果が切れた。
目の前のパットバットは煙に変わった。
左側に目を向けると、オリビアがボスのもう一匹を地面に引きずり降ろしていた。
イレーネはそのボスに対して、連撃をひたすら繰り返している。
石化させるつもりだな。
アミルは残ったパットバットに槍を振り回して、牽制をしている。
もう一匹のボスに近づいて・・・・・・いや、これはもう石化しているな。
残りはお供が一匹だけだ。
オリビアが空中に舞っていたパットバットの羽を串刺しにして地面に引き摺り降ろした。
あとは俺とイレーネが連打し、石化させた。
石になったモンスターをそれぞれ煙に変えて、ボス戦は終了した。
ボスドロップは『蝙蝠の牙』か。
蝙蝠シリーズは皆、装飾品のドロップアイテムだったから、こいつもそうなのかな。
いったんアイテムボックスに収納して、後はマリアおばちゃんに確認だな。
「さすがに、ボスもお供も全て飛行型だと厄介だったな」
「それでも、ご主人様のオーバーホエルミングでの雷魔法があったので、
随分楽に殲滅させられたと思います」
そうだよな。いつもは使ってなかったから。
45階層以降は、やっぱり積極的に超速スキルを使っていくべきだな。
オリビアではないが、剣のもう一本を長巻型の剣にするか槍をもう一本持つべきなのだろうか?
槍二刀流は俺でもできる気がするけど、オリビアのように器用に扱うことは無理だ。
麻痺の状態異常を引き起こすダマスカス鋼の槍でも用意するか。
相手のモンスターの編成に合わせて、最適化を考えてみるのも良いかもしれない。
「アミル、ちょっと相談なのだが、武器にスキル融合を頼みたい」
「どの武器でしょうか?」
一時的に使ってみたい武器だけど、ちょっと豪華にいくか。
「空きスロットが3つあるダマスカス鋼の槍があったと思うのだが、
石化添加、麻痺添加、詠唱中断のスキル融合をしてほしい」
「飛行型モンスターへの対応ですね。分かりました」
一瞬で理解するとか、
「ああ、ちょっと次の階層のモンスターも見据えて試してみたい」
「分かりました。お昼の時間に作っておきます」
うっ、頼んでおいてアレだが申し訳ない。
「では、午前中の探索はこれで終わろう。
午後の迷宮探索は家の事務処理を終わらせてからなので、
少しだけ開始が遅くなるが午後の探索も頼むぞ」
48階層の小部屋に抜けて、皆とクーラタルの自宅に戻ることにした。
・・・・・・
昼食を終えて、増築工事中の親方の所に向かった。
親方が配下の大工たちに指示を出し終えるのをジッと待つ。
ひとしきり指示が終わり、こちらに気付いたようで近づいてきた。
「一期工事が終わったと聞いたのでな」
「おお、今は二期工事分に入ってる。
言っておくが早く終わったからって、手抜きは一切していないからな」
エネドラの方でも確認して問題なかったと言ってたから、親方の言うのは正しいのだろう。
元の世界なら、家やマンションを購入した際に別の建築事務所等にチェックさせて報告するなんてことをするところだが、この世界にそんなサービスはない。
自分の目で見て確認するしかないのだ。
「それで、頼んでおいた例の
二階に上がって確認してみたら、出来上がっていたっぽかったけど」
「ああ、ちゃんと水が流れて、下水の方まで流れていくのを確認したから問題ないはずだ。
ちゃんと掃除しないと詰まるから気を付けろよ」
よしよし、これで準備が整った。
「じゃあ、これが一期工事分を早く完成させた報酬の2万8000ナールだ。
確認してみてくれ」
「うおぉ、こんな所で銀貨をジャラジャラ出すなよ!」
だが金貨3枚出しても、おつりの銀貨20枚を持っていないだろう?仕方ないのだ。
「俺じゃなくて、母ちゃんの方に払ってくれ」
「まあ、そうだな。後で店の方に行って払ってくるか」
この金は親方や大工たちを労うために使われるのだろうか。
あのやり手の女商人が上手く使ってくれるかは、こちらは関知しないが。
一期工事で完成したのは、
・正門入ってすぐの所に守衛室と応接室を増築
・一階部分のみだが、8部屋増築
・風呂場を2つとシャワー室(十数箇所)のスペースを増築
・玄関を大きく広げた
これで、接客の際には本館に他人を招き入れずに済む。
2部屋は談話室にするので、二人部屋で運用すれば12人ぐらいは増員できることになった。
風呂も男女一斉に入ることができる。
そして食堂ではなく、玄関で迷宮へ出発するパーティーが集合可能となった。
双子が使っていた部屋を潰して玄関を広げたのだが、彼女達には元の応接室の方に引っ越してもらうことにした。
シャワー室は直ぐに使うかどうかは要相談だな。
でも、これから徐々に暖かくなっていくから早めに開放したいところだ。
朝練で汗をかいたり、土塗れになったりすることもあるから、シャワーを浴びたいだろう。
だが、増築工事の最中でも戦闘訓練をしているから、その時に使うと目立つかもしれないな。
それに、今のままで使うのは少しだけ無理がある。
給湯・給水設備をそのまま取付けただけだと、熱過ぎるお湯が直接蛇口から出てくるし、水のままだとまだ春先で冷たくてイマイチだ。
シャワー室と呼ぶぐらいなら、シャワーノズルも必要だよなぁ。
給湯と給水の蛇口からホースで繋いでノズルから適温のお湯が出るのが望ましい。
タライにためてから、お湯を被っても良いのだけどさ。
シャワーノズルなんて、この世界にはないだろうから、後でエネドラと相談してオネスタさんの店で作ってもらうか。
交換条件となる迷宮素材は山ほどあるから、相談に乗ってもらえるだろう。
親方に改めて礼を言って、建築現場から立ち去った。
・・・・・・
エネドラの所に行き、割増し料金を支払う許可とシャワーノズルの件を相談。
「お金の支払いは私の方でやりますので、お任せ下さい。
そのシャワーノズルというのは、ちょっと分かりませんので、
後で旦那様の方で、図面か何かを描いてもらえませんでしょうか?」
「そうか、支払の件は任せた。図面は俺の方でちょっと作ってみる」
シャワーノズルは作り方を工夫すれば、ジョウロにも応用できるかもしれないな。
既に似たようなものがあれば、それを応用してほしいがどうだろう。
・・・・・・
迷宮組と玄関で合流。
「ご主人様、これが午前中に依頼されたダマスカス鋼の槍です。
石化添加、麻痺添加、詠唱中断をスキル融合してあります」
「そうか、ありがとう」
さすがに直ぐに注文通りの装備品を用意してくるな。
硬直のダマスカス鋼槍 槍
スキル 石化添加 麻痺添加 詠唱中断
「あの・・・・・・それで、皆さんが同じようなスキル融合した武器を欲しいと言ってますけど」
「えっ?」
アミルが各人が欲しい武器をメモした紙片を俺に提示してきた。
(ヴィルマの希望)
硬直のダマスカス鋼槍 槍
スキル 石化添加 麻痺添加 MP吸収
(イレーネの希望)
硬直の鋼鉄槍 槍
スキル 石化添加 麻痺添加 MP吸収
(オリビアの希望)
硬直のダマスカス鋼槍 槍
スキル 石化添加 麻痺添加 MP吸収
(
強権のダマスカス鋼槍 槍
スキル 詠唱中断 HP吸収 攻撃力2倍 麻痺添加
「イレーネだけ鋼鉄製なのは?」
「空きスロットが3つのダマスカス鋼の槍が3つしかなかったので、
くじ引きで鋼鉄の槍がイレーネさんになりました。
オリビアさんの槍は一時的な利用ではなく、これからの標準武器になりそうです」
確かに今のオリビアの槍二刀流に状態異常の付与が加わったら、鬼に金棒だよな。
しかし、みんなここぞとばかり、槍にスキル融合しようとしているな。
これを受け入れると、迷宮組五人全員が槍持ちになるのだが。
迷宮組に状態異常スキルを付与した槍の
MP吸収を付与しているのは、アクティブ攻撃系スキルを意識しているのだろう。
ジェラートの店の注文で
確かに空きスロットが3つある槍も、モンスターカードも我が家には潤沢にあるのだけどさ。
「アミルも?」
「私のは今の槍で、残っていた空きスロットに麻痺添加を追加したいかな~って」
そんな可愛くおねだりされると、許可するしかないじゃないか。
おねだりしているのが、『麻痺添加』なのがアレだが。
でも、ターレ迷宮の48階層のモンスターのことを考えると妥当な対応なのかもしれない。
「分かった。許可するが、さすがに今からだと間に合わないよな?」
「いえ、迷宮に槍とモンスターカードを持っていくので、
石化したモンスターからMP吸収させてもらいながら、逐次スキル融合していきます」
マジっすか?そこまでしてでも、皆は欲しいの?
アミル以外の三人がコクコク頷いている。
「分かった。無理のない範囲で頼むぞ」
「はい。お任せ下さい!」
アミルを始め、みんな良い笑顔なのだけど、武器のおねだりなんだよなぁ~。
アミルは手始めに、イレーネの鋼鉄槍にスキル融合三連発を行なった。
あっ、ちゃっかりアミルの槍の残った空きスロットに灌木のモンスターカードの融合してるし。
しかし、玄関先でスキル融合って・・・・・・。
「じ、じゃあ、迷宮に行くぞ」
ワープゲートをターレ迷宮48階層の小部屋に繋ぎ、皆で移動した。
お読みいただき、ありがとうございます。
次回投稿日は2026/2/21(土)の予定です。