帝都の高級洋品店から戻り、食事と風呂を終えて会議の時間。
今日は会議の前に迷宮討伐戦の反省会。
別に失敗した訳ではないけど、振り返りは必要だ。
どこから聞きつけたのか、ラファとローザまでいる。
ラファはヘルミーネから聞いたのだろうが、ローザはカラダンかマテウスに付いてきたのか。
マテウスは夜の会議のレギュラーメンバーとなったので、この場にいるのは問題ない。
ローザは違うのだが迷宮討伐が気になるのだろうか。
「では、迷宮討伐戦の振り返りをする。
皆の協力のおかげで、迷宮討伐を達成できた。
ターレ迷宮の迷宮ボスを倒したのは迷宮組の五人だが、
迷宮討伐はタケダ家全体の力で成し遂げたものだと俺は思っている。
ここにいる者も、いないものも全員が貢献してくれた結果だと考えている。
心から感謝したいと思う。改めて・・・・・・みんな、ありがとう」
全員を見渡して、頭を下げた。
「この振り返りの場では、ざっくばらんに発言してもらって構わない。
気になることや意見がある者はどんどん発言してくれ」
「一つの迷宮を討伐したが、これからも迷宮は討伐していきたいと思っている。
タケダ家の力を示すためでもあるし、我々個々の力を確認するためでもある。
それとギルド神殿を集める目的もある」
「・・・・・・」
無言でラファが挙手した。
彼女の方に視線を向け、発言を促すために頷く。
「ユキムラ様はギルド神殿を集めて、貴族になるのでしょうか?」
「貴族になる予定は今のところないな。
ギルド神殿を集めるのは、貴族との取引に使えるからだ。
その他にも武器に限定をかけたり、外したりするためかな」
俺の回答に、ラファがシュンとした。
お気に召す回答ではなかったようだ。
「ギルド神殿は貴族になるための実績の証明であったり、
貴族になった後のギルド設立のために使うのが普通なのですが」
「ヘルミーネの言い分も分かるが、今のところ貴族になるつもりはないのだ」
「貴族の力に対抗するために貴族になることはあり得る。
だが、それは手段として適切だと考えた場合だけだ。
貴族になること自体を目標としてはいない」
「手段ですか・・・・・・貴族が我々を害するなど・・・・・・」
レドリックが言いかけて、ラファの方を見て『しまった』という顔になった。
貴族の謀略にかかった者がいることに思い至ったか。
良い貴族もいれば、悪い貴族もいるし、大義のためなら小さな者を踏みにじることがあるのが、この世界の理だ。
矛先が我が家に向かないという保証もない。
少しおかしな空気が流れたので、話題を変えて今回の迷宮討伐戦の顛末を語った。
予定通り、俺が主力となり迷宮ボス二匹を石化して仕留めたことを説明。
事前の練習結果についても話をして、イレーネやヴィルマは現時点で迷宮ボスを討伐するに足る実力に近いところまで来たことも説明。
「ヴィルマやイレーネ達もこれから、
実力に磨きをかけて将来的には迷宮ボスと戦ってもらいたいと思っている」
俺の発言に、迷宮組の前衛組三人はコクコクと頷いている。
「そして、迷宮組だけでなく護衛部隊でも
迷宮討伐をできるだけの実力を身に付けてほしいと思っている」
「護衛部隊もですか?それが可能だと、ご主人様はお考えなのですね」
レドリックの言葉に頷く。
横にいたラファの表情が弾けるような笑顔になっている。
「今すぐには無理だろうが、不可能だとは全く思っていない。
今日の振り返りは、皆にそのことを考えてもらうための場にしたいとも思っている。
まずは迷宮組の個々の改善点について確認しよう。
ヴィルマは今後はどう強くなっていきたいと思ってる?」
「主に頼らずに迷宮で戦うことかな。
前に主なしで、迷宮の探索をやったけど、あれをもっと上の階層でやりたい」
確かクーラタルの33階層前後まで俺抜きで護衛部隊との混成チームで走破したのだよな。
「イレーネはどうだ?」
「もっと回避の技術を身に付けたい。
そのためには、50階層よりも上の階層で戦いたい」
回避は迷宮討伐戦以外でも役に立つ技術だから、特に異論はない。
イレーネのジョブは今回Lv50の後半だった。
Lv80ぐらいだったら、迷宮ボスの練習戦では被弾数がもっと減っていた可能性はある。
『くのいち』のジョブは上位ジョブだけあって、なかなかレベルが上がりにくい。
俺の『忍者』のジョブは獲得経験値と必要経験値の双方の効果でレベルキャップに到達したが、イレーネの方は時間がかかっている。
だが、クーラタルの上の階層で戦闘経験を積めば、ザビル第二迷宮の50階層での戦いには間に合う可能性が高い。
「オリビアはどうだ?」
「迷宮ボスから攻撃を受けない方法が・・・・・・思いつかないかな。
ユキムラ君のようにスピードと手数で相手を圧倒できる訳でもないから」
彼女のジョブは相手を引き付ける役目もあるから、回避には向かないのだよな。
「そうだな。だが、やりようはあるかもしれない。
オリビアの槍二刀流には可能性があると思っている。
例えば、右手では状態異常に追い込む攻撃をかけ、
左手は破壊されることを前提で攻撃を受けるのを厭わないのはどうだろう。
直ぐに破壊されるとは限らないから、攻撃の武器と防御の武器で使い分けるんだ。
壊れたら、後衛の者から武器を受け取るなどする等、役割分担で前線を支える感じかな」
「!・・・・・・確かに、それならできるかも。エヘヘ・・・・・・ユキムラ君、ありがとう~♪」
あれっ、彼女に変なスイッチが入ったかも。
「ご主人様、それって?」
「ああ。レドリックの剣聖のジョブでも応用ができると思っている。
ミラが考案した長巻型の剣を使えば更に効果が増す可能性もあるかもしれない。
相手のボスモンスターの特性にもよるがな。
防御戦を得意としているミラやマヤ達にも、効果があるかも」
盾は使い捨てと割り切って、受ける戦略もありかもしれない。
ミラもマヤも、今は剣匠で二刀流だが片手に盾を持っている。
盾を使い捨てにするのは、実際に騎士団では行われている戦術かもしれない。
両手武器一つしか持たない前衛の場合は、回避に徹するのが正解な気がする。
「御館様、あたしも・・・・・・」
「そうだな。イレーネでも使える戦法だ。
回避の技術を身に付けること自体は間違ってないと思う。
だが、回避が間に合わないと思えば盾を犠牲にすると割り切っても構わないだろう」
どうせ状態異常にする確率は片手剣でも両手剣でも変わらないからな。
「主、あたしは・・・・・・」
「百獣王でも同じだ。
だが、みんなが武器を破壊されると、後衛の者が武器を受け渡すのが大変になるから、
今まで以上に連携の練習が必要になるな」
前衛組三人がコクコクと頷いている中、アミルが苦笑している。
アミルはちゃんと自分の役割が分かっているな。
「アミルはどうだ?」
「私は皆さんの支援に徹するので、
もっと効率良く支援できるような振る舞いに磨きをかけたいと思います。
さきほどの話にあった武器の受け渡しもそうですし、
皆さんの状態管理をもっと上手くできるようにならなければなりません。
最近になって育て始めた巫女のジョブの経験も生かせると思うので、
きめ細かな対応を迅速にできるように頑張りたいと思います」
我が家で初めて身請けした時は探索者Lv3だったのに、この成長ぶりだ。
別にモンスターとバチバチ戦うだけが、迷宮探索ではないからな。
迷宮組は俺も含めて少し前のめりだから、アミルの存在は価値あるものだと思っている。
俺はどうするかな。
もっと剣技や槍の技を磨いて、超速スキル無しでも被弾の数を減らすように努力するか。
普段の戦闘でもダメージが少ないに越したことはないのだから。
それに今回の迷宮ボス戦でのゼンマイ仕掛けのロボットのような槍の扱いはちょっとねぇ。
もっとオリビアやフラウスのような華麗な槍捌きを身に付けたいものだ。
とはいえ、槍四刀流はボス戦専用の戦法だ。
普段の戦闘でオリビアの二刀流と俺の四刀流を使うには通路が狭すぎる。
本番に近い練習の場は限られるな。
「とまあ、俺が思いついたのはそれぐらいだが、他にもあるかもしれない。
皆も考えてみてくれ。
それと、いきなり迷宮ボス戦に挑む訳にはいかないぞ。
まずは34階層以上で戦う経験も積んでからだし、
その先の45階層の通常戦闘で十分戦えることも必要な条件の一つだ」
「そうですね。ですが、おぼろげながら目標が見えてきたかもしれません」
軍事を束ねるレドリックに理解を得られたのは大きい。
だが、彼には迷宮討伐を目標というよりは通過点にしてほしいのだよな。
迷宮討伐よりも先の目標を見据えてほしい。
今は迷宮討伐というものを、一部の超越者が戦うものではなく、身近なものに感じてもらえればオッケーだ。
「私も34階層以上の戦いに身を投じたいのですけど・・・・・・」
「ラファ、今は迷宮討伐の振り返りの場なので、
個々人の話は、この後に議論する我が家の方針を決めてからだな」
ラファとヘルミーネが小声で何か話をしている。
あの二人は今、ザビル第二迷宮の探索には参加せずに留守番している組だから、思うところがあるのかもしれない。
その後も、感想や意見、自分達の立ち位置など、話はなかなかの盛り上がりを見せた。
事前の意見交換会よりも、更に迷宮討伐が身近に感じられたのかもしれない。
同じ話が出始めたので、会をお開きにするか。
「次の迷宮討伐戦はまだ先だが、
誰が挑戦するのか、どのように戦うのか、何を確認するのか、
そういった事も含めて皆で考えていこう。
今後ともよろしく頼むぞ」
せっかく盛り上がったのだが、キリがないので終了とした。
「次はタケダ家の今後の方針についての確認だ。
まずは迷宮探索を中心にした目標の確認から入りたい。
今、護衛部隊はザビル第二迷宮を探索しているが、
レイモンド達の部隊は当面はそのまま探索を続ける。
当面というのは33階層までだ。
34階層以降はそのまま探索を継続するのか、護衛部隊のメンバーを入れ替えるのか、
迷宮組に交代して探索を続けるのかを33階層に到達した時点で判断したい」
「33階層に到達した時点で護衛部隊の対応能力によって考えたいということでしょうか?」
レドリックの質問に頷いた。
「先ほどの振り返りの場でも言ったが、
いずれは護衛部隊も迷宮討伐する力を身に付けてほしいと思っている。
ザビル第二迷宮で探索していないメンバーも
クーラタルの34階層以降の探索を検討すべきかと思っている。
それはザビルのメンバーも含めてだ。
まだ、ザビルの部隊は連携や育成が十分ではないが、
いずれは34階層以降、45階層以降にも挑戦できる実力を身につけてほしい。
その件について、意見がある者は遠慮なく発言してほしい」
「迷宮を探索するにしろ、護衛するにしろ強くなることは必要です。
ザビルの部隊を預かる者として賛成します。
今はようやく、ザビル迷宮の低階層で実戦訓練をしているところです。
道のりは遠いと思いますが、徐々に実力を蓄えていきたいと思います」
マテウスが賛同してくれないことには始まらないので、同意してくれたのはありがたい。
従来のザビル迷宮の方で、販売奴隷2名を加えた6人パーティーで慣らしていると聞いた。
ザビル拠点の護衛や留守番の販売奴隷達の訓練もあるため、今はそれが限界だとカラダンからも報告を受けている。
「クーラタル側のメンバーについても同じ意見です。
邸宅の護衛も考えると、
もっと層を厚くしないと迷宮にもう一つの部隊を派遣するのは難しいかもしれませんが」
「レドリックの言う通りだな。
エネドラとヘルミーネの方で奴隷商館巡りをしてもらっているので、
そのうちメンバーは増えるかもしれない。
それから、今日の迷宮討伐の褒美として、
ハルツ公から竜人族の奴隷購入取引の紹介状をいただいた。
直ぐには無理かもしれないが、前衛メンバーの強化に繋がるかもしれない。
他にも方法はあるが、それはこの後の話をしてから考えたい」
ラファは乗り出すようにして話を聞いてるが、ヘルミーネに注意されている。落ち着け!
ザビルの第二迷宮攻略の際は、装備品破壊の条件を確認する場にしたいな。
「次に迷宮組だが、先ほどの振り返りでヴィルマやイレーネから希望があったと思う。
クーラタルの34階層以降の探索を俺抜きで行うこと。
タケダ家の最高到達階層は52階層だが、更に上の階の探索をクーラタル迷宮で目指すこと。
どちらかを先にすることもできるし、並行して実施することもできるが皆の意見は?」
「上の階層に進むのも悪くないと思うけど、主抜きで戦ってみたい」
「御館様、上を目指そう!」
ヴィルマは自分自身の強さ、イレーネは一番上を目指しているのではないか?
彼女は未踏の階層を目指しているのではないだろうな。
クーラタルの最高階層が何階なのかは知らんけど。
初代皇帝のパーティーの最高到達記録が91階層だったっけ。
かなり先だし、そもそもそこを目指すのかというのもある。
「では、午前はクーラタルの上位階層を目指し、
午後は俺抜きでクーラタルの34階層で探索するか?
オリビアやアミルの意見は?」
「ユキムラ君の意見に従うよ」
「私もご主人様の意見で問題ありません」
あれ、いつの間にか俺のポジションが狼人族ヒロインのようになってしまった。
君達、もっと自己主張して下さい!
「ヴィルマとイレーネもそれで問題ないか?」
「主の言う通りにする」
「上の階層に行けるなら問題ない」
一応、全員の総意ということになったか。
「はい、はい!午後の皆さんの探索メンバーに立候補します」
「ラファ、落ち着け。
午後のヴィルマ達の探索に加わるメンバー選定はレドリックに一任する。
なるべく、特定の人間に偏らないように決めてもらった方が良いだろう。
ザビル第二迷宮の固定メンバーは加われないから、
クーラタルで44階層まで到達したら、
そこからは迷宮組を抜いて改めて34階層から攻略するのはどうだろう。
過去に23階層から33階層を迷宮組と組んだ時もそのようにしたよな?」
俺の言葉にレドリックが首肯した。
「では、当面の探索はそのように進めよう。
明日の午前中はクーラタルの56階層あたりから始めるか。
俺は午後の空いた時間で・・・・・・」
「旦那様、新商品の開発にそろそろ着手したいのですが」
エネドラ達のために時間をしっかりと取らないとな。
「では、明日の午後に時間を取ろう。
明日の夕方は晩餐会の出席があるし、
可能ならザビル子爵の所に行って紹介状を渡したいと思っている。
午後イチでエネドラ達に説明して、その後はザビルに行ってくる。
夕方よりも早い時間までには、クーラタルに戻ってくるようにする」
「お願いいたします」
なんか、方針だけでなく、明日の予定まで決まってしまったな。
「新商品の話に飛んでしまったが、商売や取引の話をしたい。
商売はタケダ家を支える大きな柱の一つだ。
現在、タケダ家で行なっている取引の主力は鏡、石鹸、奴隷、防具、生薬だ。
生薬以外はまだ、どれも安定して年間どのぐらい稼げるかは見通せない状況だが、
半年も経てば収益の状況が分かるだろう。
今のところは、生薬の売上が年間100万ナールを軽く超えそうな状況だ」
「旦那様、閉店した奴隷商館の引継情報によると、
通常時は年間100万ナールほどの利益が出るそうです。
迷宮がザビル近郊に出現した場合は利益が二倍になるらしいです。
ただ、うちの場合は有能な奴隷を我が家に取り込むので、それを差し引く必要があります。
あと、サライの話では、旧防具屋の売上は年間100万ナール程度が平均で
これも迷宮出現によって上昇するらしいです。
新しい店舗では、ダマスカス鋼や竜革製の防具を扱っていることや、
我が家の場合は仕入れ費用がかなり低いですから、利益もかなり見込めるかもしれません」
生薬で100万、奴隷商館で100万、防具屋で100万の利益を生み出すと仮定すると、一年間で白金貨3枚か。
それ以外に鏡と石鹸の利益も見込める。
今、手持ちの資金は200万ナールを越えている。
ザビルの奴隷商館や防具屋の経営に必要な運用資金を除いてだ。
年末までには400万から500万ナールぐらいまでには増やしたいな。
一年目は奴隷を100人まで増やして、全員を初年度奴隷と見なしても、白金貨3枚の税金。
我が家は食費が迷宮食材でかなりカバーできているから、ランニングコストがかなり安い。
一年目は収支トントンより少しマシな利益を目指せれば、二年目からはかなりの利益が見込めるかもしれない。
「鏡を呼び水として、石鹸の販路を開拓して収益を安定させること。
それに新商品を加えて、更に収益の厚みを出すことが今後の目標となる」
「旦那様、新商品の開発は新しく加入した商人の娘達と共に、クーラタルで励みたいと思います」
エネドラの言葉に頷く。
元から彼女がやりたかったことだから、自分の部下達と思うがままにやってほしい。
「スキル融合装備の方は、現在モンスターカードが順調に倉庫に積みあがっている。
素材もダマスカス鋼と竜革があるので、
既存メンバーの装備の充実と新しく加入したメンバーの装備も強化できると思っている」
「モンスターカードの種類によっては在庫が心もとないものもあります。
それらはご主人様とカラダンさんの方に報告を上げるつもりです」
アミルの報告はいつも助かっている。
報告書を見ながら、ルークとの取引、カラダン、エネドラへ収集するカードの強化もお願いしている。
足りなくなるのは、俺が急遽実験と称して一部のカードを多く消費してしまうのが原因だったりするので、申し訳ないと思っている。
だが、総じてスキル融合装備品は当初計画以上に順調だ。
タケダ家が強くなるためには、
それ以外にも、情熱であったり欲が風味付けになるが、基本となる四つがあればどんどん強くなっていけるはず。
4つのうち3つはかなり充実してきた。
残りは情報だな。
「これから、特に戦争、貴族、迷宮攻略のための情報をもっと収集していきたいと思っている。
貴族関連は俺やエネドラ、カラダンが主に収集してくることになるが、
戦争に関連する情報は皆も意識して伝えるようにしてほしい。
迷宮攻略に関する情報は・・・・・・」
「はい!はい!はい!はい!」
ローザ、元気だな。さっきのラファの三倍元気な気がする。
「図書館で調べ物をしても構わないでしょうか?
もちろん調査した内容はキチンと報告します!」
「そうだな。だが、ローザ一人だけでなく他にもメンバーを募りたいな。
ローザ以外にも二、三人・・・・・・」
俺が視線を向けると、ヴィルマとイレーネが目を逸らした・・・・・・お前らには頼まないから。
「私もローザさんに同行しても良いでしょうか?」
「アミルか。構わないが・・・・・・誰か護衛もこなせる者も欲しいな」
「では、私とラファ様はどうでしょうか?」
ヘルミーネとラファか。
引率役としてヘルミーネは申し分ないが、元他国の貴族ということで、あまり目立つことはさせたくないのだよなぁ。
「図書館へはなるべく、近場にゲートを開いて移動してくれ。
帝都を探索したい時は、別に護衛の者が充実している時などにしてほしい。
あまり窮屈なことをさせたくないが、
誘拐されたことのある二人は身の安全に気を配ってもらいたい。
必要なら、余分に一人護衛を連れていっても構わないから」
「十分、気を付けるようにいたします。図書館からなるべく外に出ないよう注意いたします」
悪いな。もっと自由にさせてやりたいのだが安全第一だ。
「四人でタイミングを見計らってくれ。
それからローザはちゃんとマテウスから許可を得て行動するようにな」
「はい。分かりました」
言葉とは裏腹に彼女はマテウスと視線を合わせないのだが、大丈夫だろうか。
あとで、マテウスにも念押ししておこう。
方針説明の中で明日の予定も話が出たので、その後は補足の報告をもらって会議は終了とした。
・・・・・・
自室に戻って、今日までのまとめ。
■情報▶
■人材育成/採用(ユキムラ)▼
①人材育成(万遍なく、戦闘メンバーを中心にLv50前後までパワーレベリングを行う)
<クーラタル>
(1)迷宮組
ユキムラ(百鬼夜行Lv82/鬼神Lv82/英雄Lv82/勇者Lv82/遊び人Lv82/忍者Lv82/博徒Lv82)
アミル(鍛冶師Lv82⇒隻眼※/冒険者Lv76/探索者Lv82/巫女Lv45)
※隻眼のジョブ取得条件不明(バルドルフの発言から装備品のスキル融合数を増やす)
ヴィルマ(百獣王Lv82)、イレーネ(くのいちLv59)、オリビア(竜将軍Lv77)
(2)護衛部隊
レドリック(剣聖Lv54/騎士Lv31)、モニカ(剣聖Lv56)、レイモンド(冒険者Lv49)
ケリー(百獣王Lv51)、マリー(百獣王Lv51)、フラウス(斎王Lv45)
ラファ(魔道士Lv47/斎王Lv37)、ヘルミーネ(冒険者Lv32/聖騎士Lv48)
ミラ(鍛冶師Lv50/剣匠Lv57/剣聖Lv1★)、マヤ(剣匠Lv60/剣聖Lv1★)★剣聖の育成は保留中
フレイヤ(竜騎士Lv49)、ドロテア(魔法使いLv50/魔道士Lv1)
トカラ(魔法使いLv50⇒魔道士※) ※魔道士ジョブ取得できず
(3)後方支援
エネドラ(武器商人Lv47)、チクルス(薬師Lv34)、ポーラ(沙門Lv27)
アネット(商人Lv26/探索者Lv30⇒武器商人)、シルビア(商人Lv26/探索者Lv30⇒防具商人)
フローラ(薬草採取士Lv41⇒薬師)、クララ(商人Lv29/探索者Lv30⇒奴隷商人)
護衛部隊はレドリック、ヘルミーネ、ラファを中心にレベリングして、Lv50近辺まで上げたい。
あとは、後方支援メンバーで新たに加入したメンバーを中心にレベリングして、上位ジョブ取得を目指したい。
ドロテアはザビル第二迷宮の探索中に魔道士のジョブを取得したようだ。
やはり、ただ魔法使いジョブをLv50にするだけでなく、一定の経験を積む必要があるのか。
一定の経験の条件は不明だが、迷宮探索をある程度日数を重ねれば可能なようだ。
ザビル第二迷宮での探索は低階層なので、別に上の階層での経験ということではないか。
彼女は一日中迷宮探索しているので、パワーレベリングの機会がなかなかない。
しばらくは魔法使いのまま、頑張ってもらおう。
迷宮の休みの日があれば、パワーレベリングをするか。
トカラも魔法使いLv50になっているから、迷宮探索を重ねていけば、そのうち魔道士ジョブを取得できるだろう。
<ベイル>
(1)後方支援
ミモザ(薬草採取士Lv45⇒薬師)、ビンス(冒険者Lv8)、リック(冒険者Lv8)
クルト※(商人Lv21⇒防具商人) ※ビンス、リックの交代要員
<ザビル>
(1)護衛部隊
マテウス(剣聖Lv44)、ニケ(暗殺者Lv48⇒刺客)、ヒューゴ(神官Lv48⇒禰宜)
ニクラス(剣匠Lv32⇒剣聖)、ゾフィ(巫女Lv47⇒斎王)
ローザ(探索者Lv50/冒険者Lv25)、ロベルト(探索者Lv50/冒険者Lv12/神官Lv35)
マチルダ(薬草採取士Lv40/魔法使いLv48/騎士Lv47) ※当面は後方支援
レベッカ(薬草採取士Lv40/魔法使いLv48/巫女Lv48) ※当面は後方支援(迷宮探索NG)
(2)後方支援
カラダン(奴隷商人Lv15)、ピコ(冒険者Lv20/防具商人Lv7)
ミシェル(武器商人Lv17)、ナナ(農夫Lv38)
サライ(防具商人Lv9)、ティナ(探索者Lv32/薬草採取士Lv40/商人Lv31/防具商人Lv1)
ベイル拠点のメンバーは新規加入のクルトのみレベリングして上位ジョブ取得を目指す。
ザビル拠点は各メンバーの戦闘系ジョブをLv50程度まで上げよう。
②採用
後方支援メンバー、護衛メンバーの拡充に向けてエネドラ、ヘルミーネで奴隷商館巡りをする
ハルツ公から竜人族奴隷の取引について、ザビル子爵への紹介状を受領
ザビルの奴隷商館で有望そうな者がいればタケダ家に組み込む
⇒盗賊襲撃で壊滅したザビルの村の者が数名合流。今後も増える可能性有
⇒アルマーの商館からも有望そうな者を購入していく。既に2名を購入済
■軍事(ユキムラ/レドリック)▶
■商業/取引(ユキムラ/エネドラ/カラダン)▶
■開発(エネドラ/カラダン)▶
■生産(チクルス/アミル)▶
■その他/クエスト▶
ベッドに横たわって、迷宮討伐後の変化について確認。
ターレ迷宮を攻略したが、タケダ家の名声値は上がらずに6のままだった。
貴族になった訳でもないし、迷宮討伐したこと自体はハルツ公以外は知らないから、そんなものなのかもしれない。
名声値が上がらないということは、タケダ家のこの世界における影響力は小さなままなのだろうかと、ついゲーム感覚で考えてしまう。
貴族にでもなれば、名声値は上がる気もするが、上げたとしても効果がよく分からない。
SLGなら、能力の高い武将が雇用しやすくなるとかあるのだろうけど、この世界ではどうなのだろうか。
なんだか分からないままに貴族になるのは嫌だよなぁ。
(コン、コン・・・・・・)
チクルスをベッドまでエスコートして、俯せにさせる。
この流れが徐々に自然にできるようになってきたけど、別に女性慣れしたとはいつまで経っても思えない。
どちらかというとマッサージ店のスタッフとしてのスキルが身についてきただけのような。
とはいえ、全身くまなくマッサージしたからと言って、体の悪い箇所が分かる訳ではない。
そんなことが分かったら、新しいジョブが生えるのだろうか。
目の前の彼女がリラックスできていれば、それで構わない。
そのまま、彼女の着ているものを自然な流れで剥ぎ取っていく。
これはスタッフのやることではないが、慣れてきた気がする。
仰向けにして、彼女の前に白い帽子を差し出した。
「こ、これは・・・・・・ついにまた、この日が来たのですね?」
「・・・・・・」
彼女の問いかけに、ニッコリ笑って頷く。
「分かりました。分かりましたよ・・・・・・被りますから」
「理解が早くて助かる」
俺もスイミングキャップを被った。
「ひゃっ・・・・・・ちょっと、ユキムラ様・・・・・・」
「場所を変えるだけだから」
彼女を抱き上げて、隣の書斎、もとい秘密基地へ。
「こ、これは・・・・・・また、おかしなことを考えているのですね」
「必要なことなのだ」
彼女を抱き上げたまま、基地の窓から中に入る。
「アミルちゃんとお母様が挙動不審な朝があったのは、こういう事だったのですね」
「そうなんだ・・・・・・」
とりあえず、惚けておこう。
彼女を再びマットの上にうつ伏せにして、マッサージを開始。
リラックスしたのに、また緊張させてしまったので、再び揉み解す。
「ん、ふっ・・・・・・」
「体から力を抜いて」
これからされることに身構えてしまっているのか。
時間はたっぷりあるから、ジックリといこう。
諦めたのか、脱力した彼女を暫く揉み解した後、手に取ったカメリアオイルをゆっくりと背中に垂らした。
「ひっ・・・・・・あっ、ちょっと・・・・・・」
「・・・・・・」
ゆっくりと掌で彼女の体全体をオイルでコーティングしていく。
体を捻じって逃げようとするのを、優しく後ろから二の腕をマッサージしながら封じる。
太腿から上に撫で上げるように揉み上げる。
「くっ・・・・・・っと・・・・・・ちょっと待って下さい」
「体の力を抜いた方が、より楽しめると思うのだけど」
上から照らす照明で、身をよじるとキラキラ光って、健康的で美しい肢体が際立っている。
傷を癒していないので、皮膚の色が違う所や傷痕もあるのだけど、そんなこと関係なく、今の彼女は綺麗だ。
エリクサーを得ていれば、もっと違った形で喜びを分かち合えたのだけどなぁ。
観念したのか、脱力したところで後ろから体を引き上げて起こして、今度は前の方をカメリアオイルを含んだ掌で揉みたくる。
両胸の先端をスルッと滑らしながら、軽くたたくように嬲っていく。
「あぁぁ・・・・・・」
彼女の顔が前後に揺れて、時々見せる恨みがましい視線が脳を刺激する。
視線が合うと同時に真ん中の先端も緩やかに撫でる。
「!」
彼女がピクリと反応して、背を反らすと背中とお腹の両側を四本の腕で撫でまわす。
固く目を閉じて何かに耐えるような仕草の両頬は朱をさして震えている。
腕を前に回して、下からなぞり上げて更に悶絶させていく。
「おううっ!」
彼女にしては珍しく低く唸るような声を上げさせるのが・・・・・・楽し過ぎる。
一際大きな声を叫ぶと、しばらくは余韻で体を震わせている。
妄想を働かせて考えていた計画は山ほどあるが、エリクサーを得て完治してからのお楽しみとして取っておこう。
威霊仙を得られるのは、数十日後か。
四本の腕の中で華麗に踊る彼女は桜色に染まり、エリクサーがなくても、ずっと見ていたいぐらいに美しい。
唇を蹂躙しながら、彼女の中に侵入を果たす。
「んー、んっ、んっ・・・・・・」
彼女は徐々に動き始め、躊躇せずに快楽を貪るようになってきた。
初めて、カメリアオイルとマットを使った時に比べれば、刺激に慣れてしまったのか、更に強い刺激を求めるようになったのか。
両脚を広げて、羞恥の体勢になっているが、背をこちらに向けているので、こちらからは鑑賞できない。
ペルマスクで購入した大鏡は今回は自重した。
まだ、自分の裸身に映る傷痕を彼女自身は見たくはないだろう。
俺は全くに気にしていないし、なんなら美しさのアクセントぐらいにしか思えないのだが、彼女にとっては忌まわしい記憶の一つだから。
それを直視させるのは、ちょっと躊躇われた。
「おおぉ・・・・・・うんん・・・・・・」
体を浮き上がらせて叫ぶ彼女を激しく律動で攪拌しながら、高みに持ち上げようと振り回す。
胸や中央の先端をクルクルと揉み撫でながら、優しく・・・・・・少し強く刺激する。
「あおおぅ・・・・・・」
今日の彼女は激しい。
その激しさに合わせるように、こちらも激しく責め立てる。
「おおぉっ・・・・・・んっ!」
チクルスの身体が弓なりに反りかえって、痙攣し始めた。
快美に震え、顎を突き出して、彼女が頂上に登りつめたのを確認して・・・・・・こちらも全ての欲望を解き放った。
彼女の荒く吐き出す呼吸音を後ろから聞きながら、後ろから唇を塞いで、強く抱きしめた。
・・・・・・
お読みいただき、ありがとうございました。
次回投稿日は2026/3/21(土)の予定です。