異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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025.初ゲット

 8階層の新規出現はコラーゲンコーラルで、ここからモンスターの数が最大4匹。

 コラーゲンコーラルのドロップはコーラルゼラチンで接着剤らしい。

 ボスドロップはドロップしてから確認しよう。どうせ売らないだろうけど。

 

 まずは、コラーゲンコーラルと戦って、この階層の感触を得ることから始めよう。

 今までと同じく、クリアとなるエリアを広げながら、ドンドン歩く。

 異世界に来てから、本当によく歩いていると思う。

 

 コラーゲンコーラルとは2戦目で戦ったが、戦い易い部類だ。

 大したスピードもないし、離れた間合いから突進してくる訳でもない。

 近づいた後のタメを作ってからの突撃だけ注意すれば良い。

 その突撃もタメを作るための予備動作があるので、分かり易くて回避も簡単だ。

 なによりも、フラガラッハの一撃で倒れてくれる。

 

 最大4匹の出現となったが、3、4匹同じスピードで近づいてくる時だけ注意すればよい。

 具体的にはオーバーホエルミングを使って、手数を増やして対応する。

 この時だけは、エストック二刀流が有効だ。

 

 コラーゲンコーラルが前衛で3匹並んだときは、オーバーホエルミングすら必要ない。

 タメを作ろうとしている奴はエストックで牽制して相手の体勢を崩す。

 体勢を崩されると、次の攻撃までに間ができるので、対応しやすい。

 

 並行して、フラガラッハの一撃で他の奴を倒していけば、攻撃を受けることなく殲滅だ。

 コラーゲンコーラルの近距離突撃は魔法陣の浮かばない単なる物理攻撃か。

 強権系の武器も必要ないから楽勝だ。

 

 モンスターとの戦闘でも、多少の崩しを使った攻撃は有効のようだ。

 重心を崩すだけのシンプルな対応だ。柔道の練習の時に、遊びがてらよくやった。

 ムキになって、崩し合いをやった昔の練習仲間の顔が思い出された。

 

 正直、突進攻撃をしてくるミノ、エスケープゴート、チープシープの方がカウンターを狙う分だけ、少し緊張する。

 突進喰らうとさすがに痛いってのもあるし、万が一、スっ転ばされると面倒だ。

 

 腕力補正なのか、種族特性なのか、この鬼人族の体は体幹が非常に良いように思える。

 それなりに重量のある武器を複数の腕で振り回しているのに、体の軸があまりブレない。

 ひょっとして、器用補正の効果なのだろうか。

 柔道やらせると、かなり強いかもしれない。

 まあ、腕が4本ある時点で最強な気もする。相手の袖や腕を掴み放題だし。

 柔道でも空手でも、反則級の強さであることは間違いない。

 

 それはともかく、8階層でも問題なく、ソロで戦っていけそうだ。

 

 セブンスジョブのうち、探索者、英雄、鬼武者は固定。

 4つ目のジョブは腕力枠3枠目の遊び人、剣士、剣匠を順次、レベリング。

 残りの3枠はレベルキャップに引っかかったジョブを適宜入れる感じで育成していく。

 

 この階層も2時間前後くらいの時間で、魔物部屋とボス部屋以外のエリアをクリアにできた。

 索敵のエリアマップを見る限りでは、1階層から8階層までの広さは一定のようだ。

 11階層もしくは12階層からは、広くなるのかもしれないので、その時にまた確認しよう。

 

 ジョブのレベリングも錬金術師以外は全てレベルキャップに到達した。

 戦士、剣士等はLv30以上育成しても意味がないかもしれないが、貧乏性なので。

 無駄に経験値捨てると思うと、ついレベル上げをしてしまう。

 農夫とか村人ですら育ててしまう。

 

 元の世界でも、SRPGでは全メンバーを均等にレベル上げしていた気もする。

 

 この階層もドロップ品に人気がないのか、他のパーティーはほとんど見かけなかった。

 まあ、夜だからというのが大きな理由か。

 

 ボス部屋はそのまま突撃して、オーバーホエルミングでのフラガラッハの連撃だ。

 全く問題なく倒し、ボスドロップ品は接着剤だった。

 通常ドロップも接着剤に使えた記憶なのだが、ボスの方は強力接着剤なのだろうか?

 まあ、売らずにとっておこう。

 

 オーバーホエルミングを使ったせいで、ボスの強さは全く分からなかった。

 アミルと一緒に戦う時にでも確認してみよう。

 

 8階層のドロップ品は、大量のコーラルゼラチンとヤギの糸、オリーブオイルと羊の毛皮が少々、接着剤と皮が1つ。

 

 ここで、ようやく念願のモンスターカードがドロップした。サンゴだ。

 石化は強力だが、正直、ヤギのカードが欲しかった気がする。

 魔法職の武器が非常に貧弱なので。まあ、あまり魔法を使ってないけど。

 でも、エストックもあまり活躍していないんだよな。

 

 それでもいずれは必要なカードなので、悪い気はしない。

 ドロップ率の悪さにはウンザリするが。

 倒した数を毎晩集計しているが、昨晩の時点で累計700匹近くまで倒していた。

 毎回、こんなに狩らないとカードがドロップしないとなると、かなり頑張らないとならない。

 

 原作主人公は異世界での経過日数では、もっと後になってからドロップしていたと思うが、狩ったモンスターの数は俺の方が多いのではないだろうか?

 こちらは、原作主人公の情報を基に最適で、効率的な攻略をしていると思っている。

 それでも、ようやくドロップしたって感じなんだよなぁ。なかなか厳しい。

 

 今度、コボルトハンター達にもドロップ率のことを訊いてみるか。

 異世界に来て、10日も経ってないが、それで1枚ドロップしたと思えば悪くないのか。

 もう少し、モンスター討伐数の記録を集めてから判断しよう。

 

 あとは、仲買人にオークション経由で入手するのが王道なのかもしれない。

 

 オークションの方は、出物さえあれば、欲しいカードを狙える。

 競り負けて、入手できないこともあるだろうが、後はルークの腕次第か。

 仲買人、カードハンター、自分自身、その他にも入手ルートを開拓したい。

 

 9階層に抜けたので、これで今日の探索は終了。

 魔物部屋は他の階層も含めて、いつか片づけよう。

 自宅の玄関にワープで戻った。

 

 食糧庫からハーブティーとBLTサンド2つを取り出して、夜食を取った。

 これから、湯張り作業&洗浄作業だ。夜中にやるのは中々ヘビーな気がする。

 

 そのあとには至福の一時があるので、頑張ろう。

 残り湯を別の桶に大量に移した後、栓を抜いて排水。

 

 MP回復をMaxにして、ウォーターウォールの重ね掛け。

 その傍らで退避した残り湯でひたすら洗浄。

 壁が崩れてたら、再びウォーターウォールと・・・・・・延々繰り返す。

 水がある程度溜まって、ファイヤーウォールに切り替わると、過酷さが増してきた。

 

 いつもなら、退避してBLTサンドでも齧ってるのだが、今日はサウナ状態で装備の洗浄。

 なかなかの苦行だ。柔道の夏の合宿を思い出す。柔道場ってエアコンが無かったよな。

 それにしても、装備の洗浄は異世界に来てから、一番うまくなったスキルではなかろうか?

 

 洗浄した装備品を空き部屋に移動させる時だけが、少し涼しく感じる。

 まあ、空き部屋も暖房つけているのだけど・・・・・・ハハ。

 

 熱中症にならないように、水分を適度に補給しているけど、もう体中汗だくだ。

 この先の快適な風呂を想像して最後の頑張り。

 

 ようやく、湯張り作業が終わったので、そのまま風呂タイムへ移行。

 でも、その前に、桶に入った水を頭から被った。とても、気持ち良い。

 サウナなら、整いました・・・・・・とか言うところだろうか。

 元の世界ではサウナなんて、ほとんど行ったことなかったけど。

 

 ともあれ、頭と体を洗って、湯舟にドボン。

 気持ち良い・・・・・・それ以外の言葉が思いつかない。

 明日は、この気持ち良さをアミルとも共有しよう。そうしよう。

 

 湯舟で溶けて流れてしまう前に上がって、汚れモノの洗濯。

 終わったら、再び湯舟に浸かる。

 

 風呂を十分に満喫した後、食堂でハーブティーを一杯。

 早く、魔道士を得て、氷を浮かべた飲み物を飲みたい。

 

 最低、20階層まで到達しないと魔法使いLv50にはならないから、まだ時間かかるな。

 20階層に行くなら、アミル以外にも迷宮メンバーを増やさないとダメだろう。遠い話だ。

 

 資金はかなり余裕ができたけど、メンバー選びは焦らないようにしないとな。

 

 さっぱりしたところで、食堂でハーブティーを一杯のみ、もう一度コップに注いだ。

 二階の自室に戻って、洗濯物を寝室の椅子にかけて乾かす。

 もう、ベッドにダイブしたいけど、鬼人族の俺の体でやると、壊れそうだからできない。

 眠りたい衝動を抑えて、明日以降の計画を検討。

 

 まずは当面の計画目標の進捗・・・・・・ルークとの交渉以外の進展はないか。アミルが待ち遠しい。

 

①新規ジョブ取得とレベリング :アミルのレベリングを優先

 ⇒取得可能なジョブはほぼ取得済。自分自身のレベリングはほぼレベルキャップまで実施

 

②資金集め :元の世界から持ち込んだ物品の値付け

 ⇒ビー玉は2個で13000ナール(残り48個)

  ⇒次回から4個単位で売却。次回は6日後くらい

 ⇒鏡は明日、ルークと再交渉。

 

③資金集め :魔結晶の結晶化促進(資金に使うか拠点に使うかは要検討)

 ⇒1日1300ナールほどの魔結晶は可能(レベリングを犠牲にしたボス周回で改善可能)

 

④パーティーメンバーの拡充(1人~2人) :第一候補は前衛メンバーの鍛冶師

 ⇒アミルを明日迎え入れる。次のメンバーも前衛が良いだろう

 

⑤拠点の確保 :ベイルの賃借した家で試行(一カ月契約)

 ⇒アミルを加えたら、拠点メンバーがどの程度のことができるのか要検証

 

⑥モンスターカードの購入窓口確保 :ルークに依頼中

 ⇒コボルトハンターとの伝手は入手済。商人ギルドに出向き、ルークと再度交渉する

 

⑦鍛冶師による装備の作成 :未進捗

 ⇒アミルの鍛冶師のジョブ取得後に鍛冶師ギルドに正式加入するか検討

 ⇒魔法使い用の装備強化や詠唱中断のスキル付与も考える

 

⑧ベイル以外の街の確認及びワープ地点の拡大  :次はペルマスクに行ってみる

 ⇒ザビルまでは到達済。ペルマスクは未。ボーデ方面も未

 

⑨装備品の充実 :攻撃力、防御力の強化。空きスロット付き装備品の充実

 ⇒掘り出し物チェックの街巡り。ドブローのダマスカス鋼の工房を探そう

 

⑩石鹸の作成  :中断中

 ⇒石鹸を試作して、風呂での普段使いに役立てる

 

 

 明日は、午前中にルークと商談だ。

 終わったら、騎士団の詰所に寄って、既知の騎士団員でなければ懸賞金の受領をしよう。

 その後はアミルを迎えにいく。

 

 アミルとも時間を取って、今後のことをちゃんと相談しないとな。

 鍛冶師の取得や、この拠点のこと、俺の諸々の秘密とか、説明に注意が必要なものが多い。

 きっと迷宮では俺の戦闘の方法を見て、大混乱になるだろうし。

 それを少しでも軽減するために、コミュニケーションを取りたい。

 

 あっ、鍛冶師を取るのに、こん棒が必要だったか。

 鉄の槍とかでもできそうだけど、こん棒をやっぱり買っておくかな。

 どうせ使う期間はすごく短いから、アミルに確認せず、俺の方で買ってしまうか。

 武器は倉庫にたくさん収納されているし、装備品を選ぶのはそちらからだよな。

 その中にこん棒があったからって誤差の範囲だろう。

 

 そういえばソロで迷宮攻略するのは、今夜が最後だったか。今日で独身生活(?)は最後か。

 いや、魔物部屋の攻略はアミルと一緒にはできないか。まあ、それは話が別だな。

 

 それを抜きにしても、アミルに何か他の作業をしてもらってる間、ソロ攻略している自分の姿が思い浮かぶなぁ。

 迷宮攻略は思いのほか、楽しいから。

 パーティー組んでれば、アミルが迷宮の外にいても、アミルのレベリングはできるはずだ。

 まあ、ゲームじゃないから、レベルだけ上げるのはダメで戦闘に慣れないとマズイよな。

 

 アミルの探索者のレベルは低かったし、迷宮探索の経験は2,3か月だったか。

 経験値という意味ではなく、戦闘経験をもっと積まないと厳しいかもしれない。

 

 俺だって武道の経験はあっても、モンスターと戦うのなんて、まだ10日分もないぐらいだし。

 本当なら、冒険者ギルドで実技研修を受けたり、先輩冒険者のパーティーに入れてもらって、経験を積むとかするべきなのだろうか?

 

 いやいや、それこそがゲームとかラノベに引っ張られているか。

 もう、ちょっと他のパーティーとコミュニケーションを取って、この世界での戦闘訓練の情報を仕入れた方が良いだろうか。

 

 伝手は全くないのだよなぁ。

 

 あの女騎士様にデレ属性とかあれば訊けたかもしれないが、その気配は微塵もなかったし。

 酒場で飲みニケーションか?世界が変わっても会社員時代と変わらんな。

 

 まあ、焦らずやっていこう。まだ異世界に来て、ほんのわずかの日数だ。

 アミルとの迷宮探索や生活を軌道に乗せることから片づけていこう。

 

 この前の失敗で、索敵で見た際のアミルの色がグレーとか赤になってなければ良いのだが。

 奴隷契約前にはグレーだったのが、奴隷契約後に青になっていた。

 その瞬間にアミルが俺に好意を抱いたとは思えないので、やっぱり所属やフラグが切り替わったとか、そういうのだろうな。

 

 だからって奴隷でいる間、ずっと青な訳でもないのだろう。関係がこじれれば色が変わるなんて十分あり得る。

 

 これは恋愛シミュレーションゲームではないから、索敵の色に引きずられ過ぎて、目の前の人間との関係ややり取りを見失わないように注意しないと。

 お菓子や宝石や高価な武器を贈って、相手の好感度を上げれば良いという訳ではないだろう。

 盗賊や敵対勢力をあぶり出すために、赤色には常に注意しないとならないが、身内を色で判断することは慎むべきだろうか。

 

 念のため、家の周りをもう一度索敵で問題ないことを確認して就寝することにした。

 

 明日、アミルと話し合う内容を頭の中で考えているうちに、眠れなくなってきた。

 諦めて何も考えず寝ることにした。明日の自分の頑張りに期待しよう。




(2025/8/3加筆)
お読みいただき、ありがとうございます。

モンスターカードのドロップ率についてのお話です。

1~11階層のドロップ率は1000分の一よりは少しマシなぐらいのレベルです。
(今日の本文で、なんとなく確率が想像できると思いますが)

この確率を高く感じるか低く感じるかは、読む人次第かもしれませんが、私は低めに設定しているつもりです。
低く設定しているのは、スキル装備品の価値を上げるためです。
カードがドロップしにくくければ、スキル装備品が作成されにくくて、結果として価値が上がるという理屈です。
細かい裏設定とかは、別の話の後書きに書くかもしれません。
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