今日はボーデ迷宮の討伐戦の予定日だ。
昨日の午後には50階層のボス部屋を特定したので、もし50階層が最高階層なら迷宮ボス戦に突入となる。
51階層まで伸びていたら、ただの階層ボス戦になるが、ボーデ迷宮の出現時期を考えたら、最高でも51階層までだろう。
午前中はクーラタル迷宮でボーデ迷宮の50、51階層を模した予行演習を行う予定。
そんな訳で、迷宮討伐参加予定メンバーは朝練で凄く気合が入っている。
特にヴィルマ、イレーネ、ラファの三人の入れ込み様は鬼気迫るものがある。
ヴィルマとイレーネは迷宮ボスであるモンスターとの相手に選ばれるかどうか。
選ばれなければ、次点のカーラとオリビアも候補なので、四人の誰かになる。
迷宮ボス戦には、俺は参加しない予定。
後方で観戦しながら、万が一の時はフォローをするつもり。
それでも、予行演習で四人のうち三人にNG判定が出たら、ボスと戦うのは俺の役目となる。
ラファには迷宮ボスモンスターの相手はさせられない。
彼女は魔道士で参戦するので、お供のモンスターの相手が務まるかの確認する程度だ。
無理と判断されたら、ボス戦への参加は許可されないのだが、まあ基本的には大丈夫だろう。
ボーデ迷宮の50階層での通常戦闘を見たが、全く問題なかったからな。
それはともかく・・・・・・、
「主、どうした、今日は調子が悪いのか?」
「くっ・・・・・・」
先ほどから、俺の二刀流での木刀が全くヴィルマに当たらない。
彼女は、この短期間の間に回避の技術が高くなった気がする。
多分、お手本だけだったら、ここまで上手くはならなかっただろう。
まあ、それだけグラ爺の教え方が丁寧で的確なのだよな。
そして、我が家は練習相手に事欠かない。
カーラ、イレーネ、レドリック、モニカ、グラ爺・・・・・・多彩で高い技量を持つ者がタケダ家には多数いるのだから。
残念ながら、俺はその集団には入っていない。
模擬戦では四刀流は暫く封印するように、グラ爺から言われている。
基本をシッカリと身に付けるまでは、解禁されないことになった。
二刀流縛りだと、露骨に剣の技量の実力差が出てしまう。
つまり素の状態では、俺の剣の技量はタケダ家では普通以下という評価なのだ。
俺にできるのは、四本の腕のどの二本に剣を持たせるかという選択ぐらい。
ちなみに右側の腕だけ、左側の腕だけというのは、バランスが悪いのでやらないけどね。
「俺の負けだな」
「主、今日の迷宮討伐戦は期待してくれ!」
もう、迷宮ボスモンスターの相手に選ばれる気でいるな。
まあ、本来それぐらいの自信を持って戦わなければならない相手だ。
そして、次の対戦相手であるイレーネにも完敗。
彼女の回避技術も上がっており、カウンターのタイミングも今まで以上に絶妙になった。
何度もカウンターの鋭い刺突を喰らい、ギブアップした。
ヴィルマもイレーネも本当に努力したよな。
元々、訓練については、『バカ』が付くぐらい真面目に取り組んでいた。
参謀と練習相手を得て、実力がドンドン上がっているってことなのだろう。
負け惜しみではないが、グラ爺の存在は本当に大きいと感じる。
我が家にとって大きな戦力アップに繋がっているはずだ。
こんなにも効果が出るのは凄いことかもしれない。
「ほれっ、おぬしがさぼっている間に他の者はどんどん先に進んでおるぞ」
「うぃっす・・・・・・」
くそぅ!くそぅ!~煽られてしまったが、燃えてきたぞ。
ここまで実力差がついてしまうと、今までの取り組み方を変えなければならないかも。
模擬戦は止めて、グラ爺に言われた基礎練の繰り返しをすることにした。
視線をラファに向け、グラ爺に指摘されたことを意識しながら、黙々と木刀を振るう。
彼女はヘルミーネ、フラウス、リオンと言った槍の熟練者との模擬戦を次々にこなしている。
こちらもグラ爺が時々、助言しているんだよなぁ。
オリビアやレイモンド、ヴェロニカも含めて、槍使いの者達が集まって、爺さんの言葉に耳を傾けているのを度々見かける。
今日の予行演習次第だけど、迷宮ボス戦に俺の出番はないかもしれない。
それが、タケダ家にとっては喜ばしいことなのだろうけどさ。
そして『後方で偉そうに観戦している場合ではない』という自分の立場も自覚させられた。
命が懸かった真剣勝負なら、チートスキルと四刀流を出し惜しみはしないけど。
・・・・・・
朝練と朝食を終え、迷宮ボス戦に臨むメンバーはボーデ迷宮へと移動。
いつも通り、入口傍に立っている兄ちゃんに挨拶をするのだけど、今日はちょっとなぁ・・・・・・。
「あの、なんなのですか!急にこれは一体・・・・・・」
「気にするな。本来、迷宮攻略とはこういうものなのだ・・・・・・」
兄ちゃんの質問を無視して、迷宮へと入っていく。
朝一でボーデ迷宮に入るのは、一応偽装のため。
今日はまず午前中に、クーラタルの迷宮で予行演習をしなければならない。
昨日のうちに、50階層のボス部屋を特定しているため、予行演習が終わってから迷宮へ入ると、ボスをアッサリ倒して直ぐに出てくることになってしまう。
ワープで待機部屋まで移動できるから、早過ぎちゃうのだよねぇ。
なので、朝一でボーデ迷宮の入口から入り、クーラタルへワープで移動して予行演習を行い、準備が整ってから50階層の待機部屋へワープで直接移動する計画。
そして、50階層が最高到達階層なら、迷宮ボス戦を終わらせ、迷宮の出入り口から脱出して、兄ちゃんに結果報告という段取りだ。
クーラタルではボーデ迷宮の50、51階層を想定した二階層分の予行演習をそれなりの回数行うので、迷宮ボス戦の時間調整には丁度良い。
それに今回は迷宮ボス戦に向けた準備に、それなりに時間がかかるからな。
ボーデ迷宮の50階層のボスモンスターはノドグロで、51階層はブービートラップだ。
クーラタル迷宮では、それぞれ50階層と46階層に該当する。
お供の組み合わせまでは、ボーデ迷宮と完全に同じにはできないが、ボスが一緒なら十分な練習相手になるだろう。
まずは、クーラタルの50階層に移動して、ノドグロとの階層ボス戦を評価させてもらう。
50階層の待機部屋で、アミルが他の五人にブリーフィングを行なっているのを拝聴。
ボス二匹に挑むのは、ヴィルマとイレーネ、お供はオリビアとカーラが受け持つ。
アミルは遊撃で、ラファは魔法攻撃兼遊撃だ。
今回の評価ではボス戦を10回実施して、被弾は合計1回まで。2回以上は不合格だ。
この条件だと、オリビアは厳しいだろうな。出番があればだけど。
カーラはいけるかもしれないが、今回の優先権はヴィルマとイレーネの二人にある。
まあ、カーラはフリュウ村の迷宮討伐戦で、迷宮ボスとの直接対決のチャンスがあるはず。
まだ、かなり先の話だろうけど。
「ご主人様、では一戦目に入ります」
「ああ、見させてもらうぞ。みんな、頑張ってくれ」
六人が頷くと、逐次、ボス部屋へと入っていく。
アミルはボス戦の開始トリガーをかけるため、最終入室者となる。
五人の配置が完了し、ラファが手を挙げたのが見えた。
「では、始めます」
「ああ」
アミルが駆け出して、ボス部屋に入ると扉が閉まった。
(オーバーホエルミング)
(ワープ)
超速スキルをかけて、ボス部屋との間の壁にゲートを開いて侵入。
六人の配置と、特にボスと戦う二人の戦闘が良く見えそうな位置に急いで移動。
あとはヴィルマとイレーネの戦闘の確認を中心に六人の動きをチェックだ。
スキルの効果が終了し、モンスター出現エフェクトが終わり、ボス戦が始まった。
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一戦目は二人とも被弾せず、四匹とも比較的アッサリと石化させたな。
やはり、お供二匹の相手に、オリビアとカーラはオーバースペックだ。
槍二刀流とエストック二刀流で、瞬く間にお供のモンスターを石化させ、ヴィルマとイレーネが対峙するボス戦の援護に入ると、一気に戦局が傾いた。
ラファは雷魔法を逐次撃ちながら、石化したモンスターを使ってMP回復をしている。
ヴィルマが麻痺にするのと、イレーネが石化させるタイミングはほとんど同じぐらいだった。
回避技術の向上で、被弾もせずに完勝だったな。
「俺が片づけるから、みな休んでいてくれ」
「了解!」
「了解!」
「了解!」
「了解!」
「了解!」
「了解」
オーバーホエルミングとオーバードライブをはしごして、デュランダルで四匹を煙に変えた。
ラファは少しだけMP回復で削っていたが、途中で休憩に入ったようだ。
「じゃあ、二戦目行くか」
索敵スキルで、他のパーティーが来ていないことを確認し、待機部屋にワープで移動。
あとはこれをひたすら繰り返して、淡々と評価するだけだ。
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:
:
その後、休憩を適宜取りながら、9回ボス戦を繰り返したが、二人とも全く被弾せずに完勝。
全体魔法攻撃は受けたが、物理攻撃は一度も受けなかった。
ノドグロが比較的、与しやすい相手だったとはいえ、なかなかの出来だな。
「ボーデ迷宮の50階層のボスの相手はヴィルマとイレーネで決まりだ。
ラファの動きも問題ない。
この六人でボーデ迷宮の50階層に挑んでもらう」
「任せろ、主!」
「当然!」
「まあ、そうだろうねぇ~♪」
「・・・・・・」
「迷宮討伐戦に参加できそうで、嬉しいです!」
「頑張ります」
ヴィルマとイレーネのどちらかがNG判定だったら、彼女の出番だったからかも。
「では、46階層に移動するぞ。
次のボスモンスターはブービートラップだが、
ボス戦の前に、アニマルトラップを含んだ通常戦闘を数回、先にやってもらう」
「了解!!」
「了解!!」
「了解~♪」
「了解!」
「了解!」
「了解」
・・・・・・
46階層へと移動し、通常戦を数回こなして慣らし運転を終え、ボス周回を10回実施。
結果は、イレーネが一度だけ被弾したが、二人とも合格判定だった。
ラファも、もちろん問題なし。
これで、迷宮ボス戦に挑むメンバーは確定した。まあ、予想通りだったかな。
「では、ボーデ迷宮の50階層に移動するぞ」
六人が頷き、アミルはパーティーを解散した。
俺のパーティーにアミル以外の五人が加わり、ワープゲートをボーデ迷宮の50階層の待機部屋へと繋げた。
五人が移動したので、パーティーを解散し、アミルをパーティーに加えて、二人で移動。
「じゃあ、俺は準備に入るので、六人は最後の確認をしておいてくれ。
アミル頼んだぞ」
「はい。お任せ下さい」
迷宮討伐チームはアミルに任せて、俺は俺のやるべき作業に入る。
さて、結構、忙しいぞ。
まずは、ザビルの拠点に移動して、修練場にいるマテウス達と合流。
マテウス、ニケ、ヒューゴ、ローザ、マチルダの五人を連れて、ボーデの待機部屋へと移動。
次にクーラタルの自宅に戻り、修練場へ。
留守番組だったモニカ達と合流。
モニカ、マリー、フレイヤ、ヘルミーネ、トカラ、マヤの六人を連れて、待機部屋へ。
クーラタルの警護は、グラ爺と元エストグリュン家の留守番組メンバーに任せる。
最後に部隊編成のスキルでマップを開き、ザビル第二迷宮を探索中のレイモンド達のパーティーのいる場所へと移動する。
レドリック、ケリー、ミラ、レイモンド、フラウス、ドロテアの六人を待機部屋へと送った。
ボーデの50階層の待機部屋に4つのパーティー分の人数が集結して、なかなかの賑わいだ。
今回、実際に迷宮討伐に挑む六人以外をここに呼んだのは、迷宮討伐の見学会をするため。
迷宮討伐戦が始まったら、俺がワープで17人を次々に送り込んで、後ろで見学してもらう。
これから迷宮討伐戦に挑む可能性が高い者を、護衛部隊の幹部で選んでもらった。
ボーデ迷宮の次に迷宮討伐しそうなのは、ザビル第二迷宮とアキシマの迷宮あたりだ。
レイモンドのパーティーとアキシマ迷宮討伐チームの候補者、それとザビルの主力メンバーを対象に選んだらしい。
迷宮討伐戦を大勢で見るのも、見られるのも前代未聞だろうけど、貴重な機会だ。
ワープというチートスキルあっての賜物だよな。
迷宮組に加えて、3パーティーが迷宮討伐の実力に近づいているということか。
ここには、カーラを除いた元エストグリュン家のメンバーやシェル達が入ってない。
フリュウ迷宮の攻略組が成長して、もう1パーティー加わるとなると、タケダ家の陣容はかなり分厚くなるな。
「レイモンド、ヘルミーネ、ローザ、マチルダ、準備はいいか?」
四人に確認をとると、いずれも無言で頷いた。
レイモンドからのパーティー加入申請を受諾して、パーティーに加入。
今回の見学者17人には4つのパーティーを作ってもらった。
レイモンド組(モニカ、マリー、レイモンド、フラウス、ドロテア)
マチルダ組(マチルダ、フレイヤ、マヤ)
ヘルミーネ組(レドリック、ケリー、ミラ、ヘルミーネ、トカラ)
ローザ組(マテウス、ニケ、ヒューゴ、ローザ)
まず、事前に俺はレイモンドのパーティーに入っておく。
迷宮組がボス部屋に入り、扉が閉まると同時にワープゲートを開いて、五人がボス部屋に入る。
レイモンド組はボス部屋の中でパーティーを解散し、再度パーティーを結成。
その後、マチルダからのパーティー加入申請を受け、マチルダ組をワープでボス部屋に送る。
マチルダ組はボス部屋の中でパーティーを解散。
フレイヤはレイモンドのパーティーへ加入。マチルダとマヤは待機。
次にヘルミーネからのパーティー加入申請を受け、ヘルミーネ達をワープでボス部屋に送る。
ヘルミーネ組はボス部屋の中でパーティーを解散し、再度パーティーを結成。
マヤはヘルミーネのパーティーへ加入。
次にローザからのパーティー加入申請を受け、ローザ達をワープでボス部屋に送る。
マチルダがローザのパーティーに入り、3パーティー分の移送は完了。
セ二号作戦で、セルマー伯の城に複数パーティーをどんどん移送したやり方の応用だ。
こんな所で、その方法を生かすことになろうとはね。
おっと、迷宮討伐戦の初参加の者に声をかけなければ。
「カーラ、ラファ、緊張してないか?」
「ユキムラ殿、私の相手は迷宮ボスではないから任せてくれ。
油断するつもりはないが、緊張などしてないぞ。
ラファ殿との連携もばっちりだ!」
迷宮ボスと戦いたかったのだろうな。若干、悔しさが滲み出ている気もするが。
「ユキムラ様、緊張したくても、この周りの雰囲気では・・・・・・、
戸惑ってるというか、こんなに観戦する人が多い迷宮ボス討伐戦なんて。
それに、カーラさんと並んで迷宮ボス戦に挑む日がこんなに早く来るとは・・・・・・」
「お、おう・・・・・・」
この前、決闘したばかりだしな・・・・・・昨日の敵は今日の友というやつか。
この雰囲気は若干お祭り気分?・・・・・・みんな迷宮討伐戦を見たいのだから仕方ないよなぁ。
まあ、緊張してなくて何よりだ。
実際問題、いざ危ないとなったら全員で助けに入れば、なんとでもなる?・・・・・・収拾つかなくなるからダメか。
それにしてもラファの指摘ではないが、今回は思いっ切り『授業参観』の風景だ。
生徒の数よりも、後ろで見ている親の人数の方が遥かに多いのがなんともだが。
そして、見られているメンバーの方が、見ている者よりも戦闘の技量が高そうだというのが少しアレだけどね。
アミルが、今回のボス戦に向けてのブリーフィングを始めた。
どのようなモンスターに対して、自分達がどのような布陣や戦術で臨むのか。
各メンバーにどのような役割が与えられているのか、ボスモンスターの装備品破壊にどのように対応する予定なのか等の概略を見学者も含めて説明した。
昨日のうちに、見学者には一度説明して質疑応答もやったから、迷宮討伐戦参加者に向けた儀式のような色合いもある。
アミルのブリーフィングを聞きながら、鑑定で六人のジョブと装備品を最終チェック。
迷宮ボスと対峙する二人がLv93とLv90、一番低いレベルがカーラとラファのLv69。
装備品破壊はレベル差に依存するらしいので、Lv50の迷宮ボスモンスターとも、それなりのレベル差が確保できているはず。
アミル(ドワーフ族 ♀ 16才 奴隷)
探索者Lv86
装備
強権のダマスカス鋼槍(詠唱中断、HP吸収、攻撃力2倍、麻痺添加)
頑強の竜革のジャケット(物理ダメージ削減、状態異常耐性、魔法ダメージ削減、空)
耐水のダマスカス鋼額金(水耐性、火耐性、風耐性、土耐性)
耐毒の竜革グローブ(毒耐性、石化耐性、睡眠耐性、麻痺耐性)
駿馬の竜革靴(移動力増強、回避力二倍)
身代わりのミサンガ(身代わり)
ヴィルマ(虎人族 ♀ 17才 奴隷)
百獣王Lv93
装備
激情のダマスカス鋼剣(攻撃力2倍、麻痺添加、HP吸収、MP吸収)
頑強の竜革のジャケット(物理ダメージ削減、状態異常耐性、魔法ダメージ削減、空)
耐火のダマスカス鋼額金(火耐性、水耐性、風耐性、土耐性)
耐毒の竜革グローブ(毒耐性、石化耐性、睡眠耐性、麻痺耐性)
駿馬の竜革靴(移動力増強、回避力二倍)
身代わりのミサンガ(身代わり)
イレーネ(豹人族 ♀ 17才 奴隷)
くのいちLv90
装備
硬直のエストック(石化添加、攻撃力2倍、HP吸収、クリティカル二倍)
鋼鉄の盾
頑強の竜革のジャケット(物理ダメージ削減、状態異常耐性、魔法ダメージ削減、空)
耐風のダマスカス鋼額金(風耐性、火耐性、水耐性、土耐性)
耐毒の竜革グローブ(毒耐性、石化耐性、睡眠耐性、麻痺耐性)
駿馬の竜革靴(移動力増強、回避力二倍)
身代わりのミサンガ(身代わり)
オリビア(竜人族 ♀ 18才 奴隷)
竜将軍Lv93
装備
激情のダマスカス鋼槍(攻撃力2倍、詠唱中断、HP吸収、クリティカル二倍)
硬直のダマスカス鋼槍(石化添加、麻痺添加、MP吸収)
頑強のダマスカス鋼のプレートメイル(物理ダメージ削減、状態異常耐性、魔法ダメージ削減、空)
耐土のダマスカス鋼額金(土耐性、火耐性、水耐性、風耐性)
耐毒の竜革グローブ(毒耐性、石化耐性、睡眠耐性、麻痺耐性)
駿馬の竜革靴(移動力増強、回避力二倍)
身代わりのミサンガ(身代わり)
カーラ(エルフ族 ♀ 17才 奴隷)
剣匠Lv69
装備
硬直のエストック(石化添加、攻撃力2倍、HP吸収、MP吸収)
硬直のエストック(石化添加、攻撃力2倍、HP吸収、MP吸収)
頑強の竜革のジャケット(物理ダメージ削減、状態異常耐性、魔法ダメージ削減、空)
耐火のダマスカス鋼額金(火耐性、水耐性、風耐性、土耐性)
耐毒の竜革グローブ(毒耐性、石化耐性、睡眠耐性、麻痺耐性)
竜革の靴
身代わりのミサンガ(身代わり)
ラファ(狼人族 ♀ 14才 奴隷)
魔道士Lv69
装備
ひもろぎの聖槍(知力2倍、攻撃力2倍、MP吸収、HP吸収)
頑強の竜革のジャケット(物理ダメージ削減)
耐火のダマスカス鋼額金(火耐性、水耐性、風耐性、土耐性)
耐毒の竜革グローブ(毒耐性、石化耐性、睡眠耐性、麻痺耐性)
竜革の靴
身代わりのミサンガ(身代わり)
今回は空きスロット4つにスキル融合した装備品も、かなりの数を装備させた。
聖槍も、この前、バルドルフから数点もらってきたので、今回はラファに使わせている。
多少の装備品破壊は『授業料扱い』と割り切っている。
アミルのアイテムボックスにも、各メンバーの予備の装備品を収納済だ。
これで準備は万端のはず。
「さて、始めようか。準備は大丈夫か?」
アミル達、迷宮討伐戦参加者が頷く。
みんな気合の入った良い顔をしている。
見学者達にも目を向けると、統率者のレイモンド達も無言で頷いた。
これなら大丈夫かな。
これで、51階層まで迷宮が伸びていたらズッコケるのだが、それは仕方ない。
戦闘で装備品破壊が発生するまでは、戦っているボスモンスターが迷宮ボスなのかどうかを見分ける手段がない。
迷宮ボスと思って戦うしかないのだ。
装備品破壊が発生しなければ、最終結果はボスが煙となった後にギルド神殿が残るかどうかでしか判断できない。
「準備ができたら、アミルが合図をしてくれ」
「はい。もう暫くお待ちください。では、みなさん、配置について下さい」
アミルの言葉を受け、五人がボス部屋に入り、個々の立ち位置を確認しながら移動していく。
ラファがアミルに向かって手を振った。準備が整ったようだな。
「始めます。では・・・・・・」
アミルは、待機部屋の面々に声をかけると、駆け足でボス部屋へと入っていった。
扉が閉まったので、ワープゲートを壁に開ける。
レイモンドを先頭に、各メンバーが次々にゲートをくぐっていく。
マチルダから加入申請が飛んできたので受領。
俺が開けたワープゲートにマチルダ達が飛び込んでいく。
:
:
:
次々にゲートをくぐって待機部屋にいたメンバー達がボス部屋に入っていく中、ボス戦の状況を気にしながらじっと我慢。
俺は
みんなが迷宮ボス戦が見たいのだし、取りこぼしがないように最後に確認するのが俺の役目。
やがて俺一人になったので、最後にワープゲートをくぐり抜け、急いで迷宮ボス戦の舞台へと視線を向ける。
ラファのサンダーストームが放たれたのが見えた。
ヴィルマとイレーネのボスモンスターとの戦闘状況を一番に確認しなければ。
中央の二匹のノドグロと左にイレーネ、右にヴィルマがそれぞれ対峙している。
対峙と言っても、ノドグロは空中を浮遊しながら、たまに降下して攻撃を加えているので、回避しながら迎撃する必要がある。
だが、ヴィルマもイレーネは難無く躱し、カウンターで斬撃と刺突を入れている。
鑑定で見る限りは、今のところ、二人の装備品に破壊された形跡はない。
突進と尾びれによる攻撃を、ヴィルマは結構、余裕で躱しているように見えるなぁ。
遠目にだが、笑みを浮かべた表情にも見えるのだが。
イレーネの方は、相変わらずキビキビとした素早い動きで、回避&カウンターをセットで積み重ねているようだ。
二人の間のやや後方に油断なくアミルが立ち、二人の戦況を確認しながら、隙を見て槍を使った突きで援護している。
ボスモンスターはタフだし、状態異常耐性が高そうだから、しばらくは膠着状態だろう。
お供のモンスターは、ブラックダイヤツナとボトルマーメイドか。
最も左に位置するオリビアがボトルマーメイドを槍二刀流で激しく叩きのめしている。
攻撃のリーチ差と手数で彼女が圧倒しているな。
ボス部屋は十分に広く、フレンドリーファイアの心配がないので、彼女の槍二刀流が最大限に威力を発揮できている。
逆側の右端にいるカーラはブラックダイヤツナと相手しているが、リーチの差があるため、ラファが加勢して槍で攻撃を加えている。
地上に降りてきたタイミングを見計らって、カーラは硬直エストックで連続の斬撃をかます。
二人の連携は問題無さそうだな。
ただ、空中から低空に移動してきた時しか、攻撃のタイミングがないし、ラファの槍は物理攻撃向きではない。
できることなら、ブラックダイヤツナとボトルマーメイドの相手が左右逆なら良かったのだが、運の要素があるから仕方ない。
このモンスター群とこちらの布陣なら、オリビアの所が最も有利だろう。
周囲を見渡すと、他の見学メンバーも固唾をのんで見守っているようだ。
自分の普段の役割と今回の戦いを重ね合わせながら、今後に生かしてもらえるといいな。
暫くすると、やはりオリビアの前のボトルマーメイドが麻痺になり、続いて石化したようだ。
やはり、均衡を崩すのは、彼女の所からだろうな。
オリビアは石像を無視して、右隣のノドグロに側面から槍二刀流の攻撃を開始。
空中に浮遊していても、器用にノドグロの移動方向へ先回りして、地上に叩き落とした。
そこに、イレーネが硬直のエストックで追い打ちをかける。
が、地面に落下して、跳ねた際にノドグロがイレーネに攻撃を加えた。
ダメージは・・・・・・鋼鉄の盾で受けたか。
装備品破壊は・・・・・・鑑定で見る限りはセーフのようだ。
盾や武器でしっかりと受けても、装備品は破壊されることがあるとエステルは言ってたから、ヒヤリとした。
レベル差のおかげで、破壊は免れたのだろうか。
でも、少し焦ったぞ。
クーラタル迷宮の予行演習では、ノドグロを完封してたのに。
やっぱり見ているだけってのは、心臓に悪いなぁ。
彼女はオリビアが来たから功を焦ったのか、それともノドグロの動きが予想外だったのか。
まあ、事なきを得たので良かったけど。
逆にそれが彼女に火を付けたのか、硬直のエストックで激しい刺突が繰り出されることに。
最も右に位置していたブラックダイヤツナは既に石化したようで、地面に横たわっていた。
ラファは石像を聖槍で突きながらMP回復をしつつ、サンダーストームを撃っている。
カーラもオリビア同様に、ノドグロに攻撃を仕掛けようとしているがリーチが足りない。
こういう時は長巻型の片手剣の方が便利なのだろうか。
今回の戦闘では間に合ってないけど。
だが、その不足を埋めるようにアミルがダマスカス鋼の槍で援護している。
イレーネの方はオリビアに任せたのだろうな。
右側のノドグロは事実上、三対一だ。
アミルが上手く、ノドグロを下の方に誘導すると、ヴィルマとカーラがその僅かな時間に鋭く斬撃を加えている。
そして、ノドグロはまた空中に逃げる・・・・・・という繰り返し。
だが、このままいけば、戦局はこちらが有利のまま終わりを迎えるだろう。
左側のノドグロが急に落下した。
ピクピクとは動いているから、麻痺したのだろう。
ラファのサンダーストームが効いたのか、オリビアのダマスカス鋼の槍で麻痺したのか。
いずれにしても、イレーネが激しく連続の刺突を加え始めた。
オリビアも負けじと、槍二刀流の突きを放ちまくる。
少し遅れて、右側のノドグロも落下した。
こちらも麻痺のようだ。
三人で囲んでタコ殴りの状況になった。
これで、もう終わりが見えたか。
左のノドグロが石化したようだが、イレーネは攻撃を止めず、オリビアだけが右側の援護に入ったようだ。
定員オーバだからか。
間もなくして、右側のノドグロも石化したようだ。
六人が散って、分担して石像を砕き始めた。
周囲を見渡すと、見学メンバーの顔にも笑顔が見える。
レドリックとモニカは何やら、真剣に話し込んでいるようだ。
リーチ差が今回の戦闘に与えた影響でも吟味しているのだろうか。
今回、ボスモンスターとの相性で剣使いはちょっと手こずったしな。
やがて、石像は次々と消滅して、最後に残ったノドグロが煙へと変わった。
六人が中央に落ちているドロップ品へと視線を向けているのが分かる。
さあどうだ・・・・・・ボスモンスターが討伐された後にドロップしたのは?
:
:
:
「ギ、ギルド神殿が残りました!」
ラファが上ずった高い声で叫んだ。
ボス部屋内に、24人の歓声と祝福の声が響き渡る。
みんな、よく頑張ったな!
お読みいただき、ありがとうございました。
次回投稿日は2026/7/22(水)の予定です。