異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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012.内密情報の共有

 次は俺が秘密にしているスキル等の情報共有だ。

 たくさんあるのだが、分かりやすく説明できるだろうか。

 

「それじゃあ、改めて俺の特殊なスキルについて説明するな。

 全て、他人に漏らせないような内密の話ばかりなので、しっかりと聞いておいてほしい」

 三人が頷いたところで、俺はまとめておいたメモを見ながら説明を始めた。

 

「まず、俺は複数のジョブが同時に使える」

 アイテムボックスを開き、ドロップアイテムを出しながら、騎士のインテリジェンスカードオープンを無詠唱で唱えて、アミルのインテリジェンスカードを表示させることで説明した。

 

「ワープという移動魔法が使える。この魔法は遮蔽セメントであってもゲートが繋げられる。

 この前、クーラタルの街に行く時に使ったから、覚えているだろう?」

 

「冒険者が通常は接続できない場所にゲートを繋げて移動出来てしまう。

 ワープは悪用すると簡単に犯罪が出来てしまうため、この情報の扱いは特に注意してほしい」

 三人は黙って、コクコク頷いた。なんか、可愛い。

 

「パーティメンバの成長を加速させるスキルがある。アミルに説明してもらった方が良いかな」

「私はご主人様のおかげで一日で探索者のレベルが3から10になりました」

 エネドラが遠い目をしている。商人のジョブを成長させるのが大変だったのだろうか?

 

「詠唱をせずに魔法が使える」

 ワープのゲートを無詠唱で、開いてみせた。

 驚きがないのは、何度か目の前でやっていたので理解していたのか、麻痺してしまったのか。

 

「『索敵』というスキルで、視界が通る場所や一度行ったことのある場所や迷宮では

 人やモンスターの居場所が分かる。また盗賊といった敵対する人間の識別ができる」

「ご主人様と探索する時には、ほぼ全く他のパーティに出くわしません。

 予め避けるルートを選択しているようです」

 チクルスは無反応だが、迷宮で戦ったことがほとんどないから、実感がないのだろうな。

 

「いくつかのジョブ取得条件を知っている。例えば、絶対に鍛冶師になれる条件等だな」

「複数のモンスターを同時に攻撃出来れば、

 鍛冶師のジョブが得られる条件の一つを満たせるのだと教えてもらいました」

 エネドラは驚いた表情。鍛冶師になるのが難しいことを知っているからだろう。

 

「パーティメンバの取得可能なジョブを自由に付け替えることが出来る」

 エネドラとチクルスのジョブを探索者に変更してアイテムボックスを使わせた。

 まあ、ギルド神殿なしで転職とか反則だよな。

 

「人間やアイテムを鑑定できる。

 商人のジョブでなくとも武器、防具を鑑定できるし、他人の探索者のLv等も俺には分かる」

 エネドラとチクルスの探索者のレベルを言い当てた。

 後は倉庫で見えた情報を鑑定で言い当てた例を提示した。

 エネドラは驚愕の表情、チクルスはポカンとしている。対比がおもしろい。

 

「これは、実例を示せないのだが、

 この世界には、探索者ジョブ以外にもレベルという概念があり、俺にはそれが見える。

 そのレベルによって、取得条件を満たすジョブが存在する。例えば戦士にもレベルがある。

 戦士はLv30になったら騎士のジョブ取得条件の一つを満たすことになるのだが、

 そういったジョブの成長度合いが分かることになる」

 

「今、アミルは鍛冶師Lv21、エネドラは商人Lv28、チクルスは薬草採取士Lv13だ」

 エネドラは怪訝な顔というよりも、胡散臭いものを見ているような目だ。

 エネドラのジト目も悪くない。

 

「数字で言われても、今一つピンとはこないのですが、

 アミルさんとチクルスはもう初心者の段階ではないということでしょうか?

 アミルさんは鍛冶師になってから1日くらいしか経っていませんが」

「そういうことだな。

 だから、アミルもチクルスも装備品や生薬をそれなりの頻度で作成することが出来る。

 無理は禁物だが」

 アミルがミサンガを大量に生成していたのに思い至ったのだろうか。ジト目が消えた。残念。

 

「そして、これも実際に見せることは出来ないのだが、

 パーティ内であれば、ジョブの詳細な効果も確認が可能だ。

 例えば、商人や薬草採取士には、パーティメンバの知力を上昇させる能力があるんだ」

 二人の反応は鈍い。

 これは迷宮で実際にパーティで戦闘してみないとメリットが分からないのかもしれないな。

 もしくは、戦略的にメンバを選定するメリットが理解できないと通じない話かも。

 

「先程、見せたけど、俺の鑑定スキルでは、武器や防具の空きスロットの個数が見えるので、

 モンスターカードの融合は間違ったカードを選択しない限りは失敗しない。

 さらに言えば、複数のスキル付与も可能だ」

「複数のスキルをですか?

 それができるのは、資金力のある大商人か、偶然の事故でしか起きないと伺っていますが」

 エネドラがこの世界の定石に沿って、指摘をしてきた。

 

「ああ、先程の倉庫でも見せることが出来るが、

 複数の空きスロットがある装備品を既に所有している。後で見せることも可能だ」

「それは、とてつもないことですね」

 エネドラとアミルが驚愕の顔で俺を見ている。でも出来るのだから仕方ない。

 

「他には、取引...武器や防具を店で売買する際に、俺の売値は3割アップになったり、

 買値は3割引きにさせたりする特殊なスキルを持っている。

 ただし、売買の対象が複数のもので、相手が商人系のジョブ等を持っている場合に限るけど」

「それは...なんとも」

 エネドラは再び愕然とした表情となった。

 金儲けにどれだけ苦労するのかを理解していないと、このチートさは理解できないだろう。

 

 厳密には、商人でなくとも、カルクのスキルを持ってる旅亭のジョブでも可能だ。

 細かい話だから言わないけど。

 

「あと、俺は、この世界の言語をほぼ全て読み書きと話すことができるようだ。

 試しにアミルはドワーフの言葉、チクルスは人間族の言葉で俺に話しかけてみてくれ」

 俺は、それぞれの言語で流暢に会話をしてみせた。

 エネドラはブラヒム語を教えていたから、その有難みが分かるようだ。

 

 この世界にどれほどの言語があるのか想像できないと、このメリットは理解しにくいだろう。

 俺は原作主人公が言葉で苦労しているのを知っていたから、即行でこのスキルを取得したが。

 

「俺の種族固有ジョブは鬼武者という近接戦闘重視のジョブだ。

 小荷駄隊というスキルがあって、パーティメンバ以外の後方支援部隊を追加できるらしい。

 小荷駄隊でも経験値が若干、共有されるので、ジョブの育成が出来る」

「今は、エネドラとチクルスは小荷駄隊に入れて経験を共有して、育成しているんだ」

 これも二人は頷いているが、多分、理解できていないだろうな。まあ、いいや。

 

「近接戦闘重視のジョブだと思っているのだが、

 戦士のラッシュや剣士のスラッシュのような攻撃系のスキルは持っていない。

 戦闘回数を増やすスキルを持っているので、戦闘では重宝している。

 俺以外に鬼人族の人間にあったこともないし、師匠も何も言ってなかったので、

 鬼武者の上位ジョブが何なのかも分からないな」

「今度、図書館に行くことがあれば、ご主人様の種族やジョブについて 

 何か記録がないか私の方でも調べてみます」

 ドワーフの昔話が記録に残っていたりするだろうか?何か分かると俺も有難い。

 

 鬼武者の上位ジョブなら、鬼部将とか鬼将軍なのだろうか?

 そういえば、神官と巫女のように、性別で異なるジョブ名だったりするのだろうか?

 女性なら、鬼姫とか鬼嫁とか..流石に鬼嫁はないか。

 そのジョブになると、語尾が『だっちゃ』になるとかだと笑えるな。

 鬼姫の上位ジョブは鬼婆とか。何か怖くなってきたので止めよう。

 

 頭を切り替えねば。

 

 ざっと一通り説明したが、一つ一つがこの世界の常識を覆すようなことばかりなので、三人とも実演してみせたところで、理解が追いついていない感じだ。

 

「まあ、全部一度に理解するのは難しいだろうし、徐々に慣れてくれればよいから。

 ただ、我が家のメンバ以外には秘密なので、そこは注意してほしい」

 三人とも改めて頷いた。まずは秘密にすることだけでも理解して実践してくれればよい。

 

 時間が経ったので、アミルにエストック(空4)にサンゴとコボルトのカードでモンスターカード融合してもらって、硬直のエストックを作成してもらった。

 あっ、次のパーティメンバを決めてからするつもりだったのに、勢いで融合させてしまった。

 内密情報の共有が終わって、気が抜けていたか。注意散漫だな。

 

「あ、あの。スキルつきの武器はお話の合間に作るものではない気がするのですが...」

「まあ、我が家ではこんなものだよ。気にするな」

 俺はニッコリ笑って、アミルの言葉をスルーした。色々と失敗したが、それも笑って流そう。

 

「じゃあ、今まで説明したことを基に、明日以降のことを話したいのだけど、良いかな?」

 

「まず、迷宮組は特別なことがなければ、

 午前と午後に分けて、クーラタル、ベイル、ザビルの迷宮探索をする。

 明日の午後は俺がいろいろとやることがあるので、探索は午前のみにする」

 

「明日の迷宮組の目標はザビルの11階層の突破だ。それを終えたら戻って昼食にする予定だ」

 

「装備品の生成や生薬生成は、スキルを発動すると精神的に疲れるので、

 迷宮探索前とか、急いで片づけなければならない仕事がある時は避けるように。

 とにかく無理をしないでほしい」

 

「やるなら、例えば朝起きた直後の元気な時とか、夜でやることがなく落ち着いてる時かな」

 自分で言っておいてアレだが、何かブラック企業のような気がしてきた。

 でも、空いた時間の娯楽とかもないのだよなぁ。何か娯楽を作った方が良いのだろうか?

 

「繰り返しになるが、余力がある時にやってほしい。

 休憩の時はしっかり休憩してほしいので、

 スキルを使う時は後でちゃんと休憩できるタイミングを見計らってほしい」

 三人とも頷いてくれたので、大丈夫かな?大丈夫だよね?

 

「アミルは明日いっぱいくらいまでは、ミサンガを作って、

 明日以降は皮の装備品の生成をやってみようか?」

「鍛冶師になりたてはミサンガの作成ばかりのはずですが、私は鍛冶師のLv21でしたっけ?

 皮製品を作っても大丈夫な経験を既に積んでいるということでしたね」

 自問自答だが、納得してくれて何よりだ。

 

「チクルスは生薬生成でリーフを使って毒消丸を12個ずつ作ってみてほしい」

「朝晩リーフ2個ずつぐらいを目安に無理のない範囲でやってみてくれ」

「分かりました、ユキムラ様」

 

「あと、拠点リーダはリーダ本人から登録メンバに移譲できるようだ。

 自分が生成したい時には、リーダの者からリーダを移譲してもらってから生成してみてくれ」

 アミルとチクルスはさっそくリーダの移譲をしてみて、お互いにリーダを入れ替えられることを試しているようだ。

 エネドラが蚊帳の外でちょっと寂しげだな。

 

「エネドラには、石鹸の作成方法を明日の午後か夜にでも説明するから」

「はい、旦那様、よろしくお願いいたします」

 エネドラにも、ちゃんと活躍の場を作ってあげないとな。

 商人の知識だけではなく、何か価値を生み出すものが出来ると良いのだが。

 

「あの、私も作り方だけは覚えて、お母さまの手伝いが出来ればと思います」

「そうだな。二人で作り方を覚えてもらって、分業できるようにした方が良いか。

 ただ、石鹸作成のリーダはエネドラにやってもらうぞ」

 エネドラは頷いた。二人に覚えてもらって、屋敷にいる時は共同で作業してもらおう。

 力仕事があるときは、チクルスに補助してもらった方が良いだろうし。

 エネドラは左腕の件があるからな。

 

「装備品の生成や生薬生成をするのなら、パーティに入ってからやった方が体の負担が少ない。

 夜にパーティを解散させて、朝にパーティ編成をやってから、生成した方が良いと思う」

「なるほど。旦那様、パーティは解散しないでも良いのではないでしょうか?」

 え?何言っちゃってるの、エネドラ。唖然とする俺を尻目に一緒に頷く三人。

 本気?本気と書いてマジらしい。俺って、やっぱりブラック企業の社長なの?

 

「パーティを組んでる時の方が、体の調子も良いようですし、

 特にパーティを解散するメリットはないように思います」

 エネドラの言葉に二人とも頷いている。俺が間違ってるのか?本当に?うーん。

 

「分かった。じゃあ、パーティを組んだままにして、しばらく様子を見よう。

 問題があれば、その時、また相談させてくれ。

 他の街の冒険者に送ってもらったり、必要な場合には適宜、解散させることもある。

 だから、急にパーティから外されたからといって、慌てないようにな」

「はい。承知しました」

 エネドラは確実に、我が家での地位が確立されつつあるような。

 事実上の一番奴隷という風格がある気もする。

 というか、俺の主人としての地位は...どうなのだろうか?

 

「俺は昼食を終えたら、まずはビッカーの商館に商品の納品に行く予定だ。

 そのあとは、ドブローのダマスカス鋼の工房を訪ねる予定だ。

 その後は時間があれば、アランに紹介された商館に行って、探索メンバ探しをする予定だ」

 ザックリと、明日の午後の予定を話した。

 

「午後は、夕食の準備以外は自由に過ごしてもらって良いぞ。

 メンバ探しに付いてきたいとかあるだろうか?あれば、一度戻ってきて一緒に行くけど」

 

「迷宮メンバの選択は旦那様の好きになさるのがよろしいかと」

 俺はエネドラに信用されているのだろうか?

 どうせ、好みの娘を選ぶのでしょう?...と見透かされている気もする。

 

「まあ、俺が決めた後に、三人の意見も確認したい。

 だから最終決定前に一度顔合わせはした方が良いかもな。

 服とか買物するのも手伝ってもらう必要があるし」

「お任せください」

 二人はポカンとしているが、エネドラには俺が女性メンバしか選ばないことが分かっているな...信用されてる訳ではなかったか。

 

「ああ、そういう意味では、

 明日の午後は三人でクーラタルの洋服屋で買物するのもアリだと思うが、どうかな?」

「探索メンバが増えるタイミングで服装を整えるのでも遅くはないと思われます」

 見透かされているのは確実のようだ。女性の服は一緒に買えば良いでしょう?...と。

 

「分かった。じゃあ、午後は比較的自由に過ごしてもらって良いので」

「承知しました」

 エネドラの言葉に合わせて頷く二人。

 

「じゃあ、これで今日の会議は終わりにしよう。明日、また、よろしくな」

 三人におやすみの挨拶をして、自室に戻った。

 

 当面の計画と進捗のアップデート

 

①新規ジョブ取得とレベリング :アミル、エネドラ、チクルスをレベリング

 ⇒取得可能なジョブはほぼ取得済。俺自身のレベリングはほぼレベルキャップまで実施

 ⇒鍛冶師は通常部隊で優先的にレベリング

 ⇒エネドラは武器商人獲得に向けて探索者、チクルスは薬草採取士を小荷駄隊でレベリング

 

②資金集め :元の世界から持ち込んだ物品の値付け

 ⇒ビー玉は2個で13000ナール(残り48個)

  ⇒次回から4個単位で売却。次回は明日、ビッカーに納品

 ⇒ルークと1枚15万ナール、2枚で39万ナールで取引実施。次回以降も2枚単位を希望

 

③資金集め :魔結晶の結晶化促進(資金に使うか拠点に使うかは要検討)

 ⇒1日1300ナールほどの魔結晶は可能(レベリングを犠牲にしたボス周回で改善可能)

 

④パーティメンバの拡充(1人~2人) :避けタンクか、暗殺者候補、竜騎士候補か?

 ⇒次のメンバも前衛で検討。紹介状をもらったので、利用する。明日訪問予定

 

⑤拠点の確保 :ベイルの賃借した家で試行(一カ月契約)

 ⇒アミル、チクルスで拠点リーダをローテーションしながら、各種生成を行う

 

⑥モンスターカードの購入の窓口確保 :ルークに依頼中

 ⇒コボルトハンターとの伝手は入手済。商人ギルドに出向き、ルークに大量依頼中

 

⑦鍛冶師による装備の作成 :順調だがモンスターカードがボトルネック

 ⇒アミルが鍛冶師のジョブを正式に取得

 ⇒妨害の剣6本セット、身代わりのミサンガ2つ、硬直のエストック作成済

 ⇒カードが集まったら、魔法使い用の装備強化をする

 

⑧ベイル以外の街の確認及びワープ地点の拡大  :次はペルマスクに行ってみる

 ⇒ザビルまでは到達済。ペルマスクは未。ボーデ方面も未

 

⑨装備品の充実 :攻撃力、防御力の強化。空きスロット付き装備品の充実

 ⇒掘り出し物チェックの街巡り。ドブローのダマスカス鋼の工房を訪問する(紹介状アリ)

 

⑩石鹸の作成  :中断中

 ⇒石鹸を試作して、普段使いや販売に。エネドラが挑戦予定で、俺のレクチャー待ち

 

ユキムラ タケダ(鬼人族 ♂ 17才 自由民)

探索者Lv41 英雄Lv41 鬼武者Lv41 遊び人Lv41 剣匠Lv41 僧侶Lv41

装備 デュランダル 硬直のエストック エストック ダマスカス鋼の盾

    アルフレイル ダマスカス鋼の額金 硬革のグローブ 硬革の靴 身代わりのミサンガ

126万8000ナール

 

アミル(ドワーフ族 ♀ 16才 奴隷)

鍛冶師Lv21

装備 ダマスカス鋼の槍 ダマスカス鋼のプレートメイル 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金 革のグローブ 身代わりのミサンガ

 

エネドラ(人間族 女 27才 奴隷)

探索者Lv3

装備 革の靴

 

チクルス(人間族 女 18才 奴隷)

薬草採取士Lv13

装備 革の靴

 

明日の予定

(午前)

・俺    :ザビルの迷宮(10階層/11階層)

・アミル  :ザビルの迷宮(10階層/11階層)

・エネドラ :朝食、昼食の準備、洗濯、(装備品の洗浄)

・チクルス:朝食、昼食の準備、洗濯、生薬生成

(午後)

・俺    :ビッカーと商談、商館巡り(メンバ探し)、ドブローのダマスカス鋼工房来訪

・アミル  :装備品の生成(皮製品)

・エネドラ :夕食、朝食の準備、(掃除)、時間あれば石鹸作成をレクチャー

・チクルス:夕食、朝食の準備、(掃除)、生薬生成、時間あれば石鹸作成をレクチャー

※夜は定例会議

 

 机の上に、空きスロットのないミサンガを置き、右端の方をデュランダルで切断した。

 さすがデュランダル、最弱の防具を何の抵抗もなしに綺麗に切断。

 一本の糸を取り出してデュランダルで慎重にカットした。切り出した糸の強度は良い感じだ。

 後は、これがフロスになるかだけど...おおぉ、フロスの代替品になり得るな。

 

 これからは、空きスロットのないミサンガをこまめに切って、フロスとして使おう。

 俺の異世界生活の質がまた一つ良くなった気がする。素晴らしい。

 他にも何か使えそうなものはないだろうか?

 

 ボーっと考えを巡らしていると、ドアがノックされた。

 

 慌ててしまったので、大量のミサンガを落としてしまった。

 バタバタと片づけながら、ドアの方に行こうとして、机の上にデュランダルを置きっぱなしにしていたことに気づく。

 夜中に刃物出して、何やってるの?...ってなるよな。慌てて机に戻り、デュランダルを仕舞う。

 

 慌てふためきながら、ドアを開けると、そこにはアミルの姿が。

 アミルは、視線を下から俺の方に向けると、少し驚いたような顔に。

 何だろう、俺の顔にミサンガの屑でもついてるか?

 フロス扱いにしたミサンガの糸が歯の間から出てる...ことはないな。何だろう?

 

 まあ、アミルが可愛いから、どうでも良いや。

 

 ところで、疲労は大丈夫なの?...いや、こんな時こそ、相互理解を深めるべきなのか。

 

・・・・・・・

 




お読みいただき、ありがとうございます。

本作での「レベルキャップ」と「適正な迷宮最高階層」について、ご説明したいと思います。
ちょっと長文で、知らなくても支障はありませんので、面倒な方は読み飛ばしてください。

■レベルキャップについて
本作では、レベルキャップは、「迷宮の当該階層での成長可能な最高到達レベル」を意味します。

本作では、以下のように決めてしまいました。
・階層数+30を上限にジョブのレベルアップが可能
・レベルキャップになったら経験値は入手できない

例)20階層ではLv50まで成長可能。Lv50になれば、それ以降、戦闘しても経験値無

原作では、ある程度ジョブのレベルが上がると次の階層に行かないとレベルが上がりにくく
なるといった雰囲気の表現があったと記憶していますが、
階層+α(固定値)のように解釈したのは私の独自解釈です。面倒なので固定値にしました。
※原作はでは固定値ではなく変動値である可能性もありますし、その他の要因で
  決まっている可能性もあると思っています。

レベルキャップの加算値を30にした理由はいくつかあるのですが、その一つはここでお話する
「適正な迷宮最高階層」が理由にあります。

■適正な迷宮最高階層について
「適正な迷宮最高階層」は説明がちょっと難しいのですが、簡単に言うと、
各領地でタケノコのように発生する迷宮に対して、討伐されるまでの、およその最高到達階層
です(分かりにくい説明...汗)

原作では、以下のような記載があったと思います。
・迷宮は50階層を超えると、魔物を吐き出し始めて、迷宮が人間に発見される
・迷宮討伐が遅れると領地が滅んだり、貴族は爵位を失う可能性が高くなる

ハルツ侯爵領で3つの迷宮が出現し、原作主人公の力も借りて討伐する描写がありました。
迷宮って、どの階層まで成長すると討伐が困難になるのだろうか...というのが、疑問でした。

アキシマ(原作主人公命名)の迷宮の話が出てきた辺りで、60階層くらいの迷宮が複数出現すると迷宮討伐が困難になるのかなぁ?...と感じました。
原作ではかなりの未討伐の迷宮が複数出来てしまったように描写されていましたが、各迷宮の最高階数の情報はありませんでした(討伐諦めたぐらいだから、情報がないのでしょうけど)。
まあ、60階層まで成長すると、他の迷宮の出現具合によっては、手遅れになる可能性があるので、そうなる前に討伐しなければならないのだと私は理解しました。

普通は50階層の前半、遅くとも50階層後半になったら速やかに討伐するという理解です。

で、60階層までぐらいが迷宮討伐の限界だとすると、レベルキャップは+30でLv90なので丁度良いのかなぁと思って30にしました。

ゴスラーのパーティに僧侶のLv90メンバがいたので、公爵領の最高戦力に近いパーティでも自領に出来た迷宮を数多く討伐していれば、そのレベルに達する事ができる階層が60前後かなという理解です。
貴族には、迷宮討伐の責務があると思いますが、その責務に命をかけるのは良いとして、成長のためだけにクーラタルの高階層に挑むなんてやらないのではないだろうかと考えました。

クーラタルは91階層が最高到達階層(最高階層ではない?)なのですが、あれは資源調達(威霊仙とか)の迷宮の位置づけなのかと理解しました。
普通の貴族は威霊仙を取りに63階層までは、わざわざ行かないのかもと思っています。原作でも、ゴスラーは主人公に威霊仙をおねだりしてたので、そんなものかなと理解しました。
命をかけるのは、あくまで迷宮討伐のためで、不要のリスクは回避するのが貴族なのかなと。

金銭目的の探索者か、本作主人公のような迷宮バカじゃないと、なかなかクーラタルの70階層以降なんていかないのでは?...と思った次第。
たとえ、世間一般から一流と呼ばれるのだとしても。

ただ、+30にしてしまうと、69階層でLv99になるのがデメリットだなとは思っています。
本作では、ジョブの最高レベルは99にする予定なので。

話が長くなりましたが、レベルキャップを決めた背景の説明でした。

なお、余談ですが、本作のジョブの成長ルール(経験値の累積と成長レベルの表)を決めたのも、ゴスラーのパーティを基準としました。
本作では、主人公が迷宮バカなのを差し引いても、原作と比べてジョブの成長が早いと感じられてる読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな背景があります。
その辺りの話も、どこかの後書きで記載するかもしれません。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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