異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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017.皮の靴

 食堂で二人に声掛けして、二階に上がった。

 二階の空き部屋で新メンバーのための掃除をしていたアミルにも声を掛け、帰宅を伝えた。

 もう少ししたら、食事のために降りるよと。

 

 模擬戦では大して汗もかかなかったはずなのに、何故かとても疲れた気がする。

 今更ながら、ヴィルマを迎え入れて良かったのだろうか?いきなり青色とかビックリだ。

 不安を振り払うように顔を洗って、一階に降りた。

 

 俺が食卓に着いたので、夕食開始。

 エネドラ達の食事はコンスタントに美味しくなってきた感じだ。

 食材に迷宮産や高めなものを使ってるからだろうけど、ベイルの旅亭と遜色ない感じだ。

 もちろん、二人の努力と工夫の成果でもある。感謝の言葉しかない。

 明日から合流する二人もきっと驚くだろう。特にイレーネの反応が楽しみだ。

 

「二人を迎え入れる日の食事は、肉を少し多めに焼いてやってほしい」

「はい。心得ております。旦那様」

 イレーネの餌付けは、エネドラに任せよう。きっと俺よりうまく操縦してくれるはずだ。

 

 食事をしながら、明日の予定を確認。

 ベッド等の家具類が明日の午後ーくらいに届くので、明日の午前中はザビルの12階層を攻略したら、迷宮探索は終了にし、その後は受入に向けた準備を行う。

 二人を受け入れたら、まずは風呂に入れてしまおう。エネドラ達に任せる。

 

「二人が我が家に来たら、まずは風呂に入れて綺麗にしてやってくれ。

 風呂の入り方や洗い方も、教えてあげてほしい」

「はい、ユキムラ様。私とお母さまで磨き上げるようにします」

 み、磨き上げるって・・・・・・チクルスは俺に何か含むところがあるのだろうか?

 詳細を確認する勇気はないのだが。

 

 その後は、我が家の作法の話をエネドラから二人に説明してもらう。

 イレーネはブラヒム語がちょっと怪しいが、ヴィルマもバーナ語が話せるし大丈夫だろう。

 

 明後日はベイルで市が立つ日だから二人の服を購入し、クーラタルと帝都でも5人に服を購入。

 俺の分はまあどうでも良いのだが、エネドラとチクルスに一任することにした。

 チクルスからのプレッシャーが強いのだ。

 買物チーム5人の総指揮はエネドラに任せた。

 

 この家はエネドラ中心に回ってる気がする。ここまで上手くやってもらえるとは期待以上だ。

 五人は買物を楽しんでくれ。俺はその間に・・・・・・コソコソと何かしよう。迷宮とか。

 

 俺の目論見を見透かしたように、チクルスがジッとこっちを見つめているような気がする。

 ジト目で見られても、それはご褒美です。

 

 チクルスの気を逸らせようと、生薬生成の調子を話題として振ってみた。

 

「リーフで毒消丸を作っていると思うけど、調子はどう?」

「はい。毎回多くできるので初めは不思議な気分でしたが、もう慣れました」

 

「増える数って、いつも10個に対して2個増えるのは変わらず?

 1個だったり、3個だったりすることはないかな?」

「はい。いつも2個多くできるのは変わらないですね」

 チクルスを拠点リーダーにした際の、生薬の特産品の増加率は固定とみるべきだろう。

 薬草採取士のレベルで変わるのであれば、今のチクルスのレベルの伸びからすれば、早晩その結果が変わるはずなのだから、恐らく固定のはずだ。

 一方で、アミルを拠点リーダーにした際の装備品の空きスロットの方は、発生確率自体は固定なのだろうが、毎回あるかないかの二択だからランダム性が高いな。

 

「クーラタルで新しい拠点に移った時にもリーフを使いたいので、

 全部使い切らずに5個くらいは残しておいてくれ」

「分かりました。ユキムラ様」

 異なる拠点レベルの増加率を比較したいので、リーフを使って実験しよう。

 

 真面目な顔で、何かを考える雰囲気を出してみたのが、チクルスのジト目は変わらずだった。

 解せぬ。

 

 食事を終えて、俺は追い焚きモードに。

 二人は食事の片づけ、アミルは掃除の続き。本当に良く働くね。

 

 追い焚きを終えて、俺はそのまま風呂に入ることに。

 湯舟に浸かって、リラックス。今日のバタバタが全て溶けていくようだ。

 

 風呂を終えて、女性陣とバトンタッチ。

 俺は食堂で会議の準備メモ作成。

 

 女性陣が風呂から出て食堂に集まったので、会議を開始。

 

 忘れないうちに、アミルに激情のダマスカス鋼剣のモンスターカード融合をしてもらった。

 会議の合間に、芋虫のカードと空きスロットのあるミサンガを2つ渡して融合をお願いする。

 

 この合間合間にスキルつきの武器を生成する、やっつけ感にアミルが苦笑。

 

 明日の予定は、概ね夕飯の際に説明した通り。

 午前中はザビルの迷宮12階層の攻略。その後は昼食を挟んで家具の受入と設置。

 商館へは俺一人だけで行って、ヴィルマとイレーネを身請けしてくる。

 

 その後はエネドラとチクルスで二人を風呂に入れてもらい、使い方の説明もしてもらう。

 風呂から出たら、エネドラ達から二人に我が家のルールの説明をしてもらう。

 服等の買物は明後日なので、空いた時間は好きに過ごしてもらえば良い。

 

 その間に俺はドブローに行き、スキルつきのダマスカス鋼の武器を納品する予定。

 取引が成立すれば、ダマスカス鋼の装備品をもらえるかもしれない。

 空きスロットの多いものが見つかるとありがたいが。ダメなら別のものを対価に要求する。

 

 明日の予定以外で、エネドラに相談しておくことがある。

 具体的に言うと、妨害の剣(銅剣5本、鉄剣1本)6本セットの取引についてだ。

 

「そろそろ、エネドラとチクルスのギルド加入の手続きをしようかと思っている」

「そうですね。急ぐ必要もないですが、先送りにする理由もありませんし」

 

「ああ、ギルド加入しておくと、クーラタルの商人ギルドにも顔を出しやすいだろう。

 クーラタルと帝都で外出用の服を購入したら、ギルド加入を済ませてしまおうかと思ってる」

「なるほど、承知しました」

 

「それで、商人ギルドに顔を出せるようになったら、

 そのタイミングで、もういっそのことクーラタルで家を借りようかと思ってる。

 この家の部屋もかなり埋まってきたし」

「そうですね。

 普通は奴隷はまとめて一部屋に押し込むのものですが、

 旦那様の方針だと、確かに手狭になってきたかもしれません」

 

「良い物件がないと引っ越しはできないので、まずはクーラタルの世話人に確認からだな。

 クーラタルに拠点を移したら、商人ギルドで情報収集を頼みたいのだが、大丈夫だろうか?」

「はい。お任せください」

 

「商人ギルドで顔を売るタイミングで、ルークとの取引をしようと思っている」

「取引ですか?今、モンスターカードの取引を大量に依頼している件とは別でしょうか?」

 

「ああ、妨害の剣の6本セットを用意しているので、それを使った取引だ」

「旦那様には3割アップのスキルがあるので、高値で売れることでしょう」

 

「まあ、そうだな。他にも取引方法をいくつか考えているので、それを相談させてほしい」

 エネドラに俺の腹案をいくつか説明した。

 

「それはまた・・・・・・旦那様は本当に商人のような振る舞いや考え方をされるのですね?」

「そうかもな。

 今日も探索者相手に芋虫のカードを2枚入手した際に、装備品と交換してきたからな」

 

「装備品と交換ですか?」

「ああ、懇意にしている探索者からカードを買い上げていたのだけど、

 その探索者に長く迷宮でカードを入手してもらうためには、

 金だけでなく、装備品を提供した方が良いと思ってな。

 だから、芋虫のカード2枚の対価に鉄の剣2本と革の鎧1つを交換した。

 芋虫2枚なら通常5000ナール払っている」

 

「金銭的な価値からすると、装備品の店での売値は1万ナールくらいになりますね」

「さすがに、だいたいの価格は頭に入ってるな。

 通常の武器屋、防具屋の半額くらいの対価で取引したんだ。装備品は大量に余ってるしな。

 売っても四分の一の価格だからもったいないし。

 だったら半額の価格で探索者と取引した方が、お互いに得だからな」

 

「なるほど、確かにそうですね。その感覚が正に商人のようですね」

「これからも余っている装備品は安値で売却するのではなく、

 別の手段で様々な取引をしていこうと思ってる」

 

「ということで、妨害の剣6本セットの取引は、さっき俺が説明した内容への助言と、

 エネドラの方でも別の案がないか、ちょっと考えてみてくれ」

「承知いたしました」

 

「じゃあ、これで、今日の会議を終わろうと思うけど、良いかな?」

 

「はい。会議の方は大丈夫です。それと、旦那様のご厚情に改めて、お礼を申し上げます」

「えっ?急にどうしたの?」

 

「この件です」

 エネドラは足に履いた皮の靴を指さした。ああ、頼んでいたものができたのか。

 俺は視線をアミルに向けると、アミルが笑顔で頷いていた。

 

「アミルに作ってもらった靴は使い心地は良さそうだね?」

「はい。片手でも、簡単に履くことができるので、玄関での履き替えが非常に楽になります」

 右手側から届きやすいように、左右の靴とも、右側に留めるベルトがあるな。

 左右非対称だけど、他人に売却しなければ特に問題はないだろう。

 

 元々は、俺が玄関で内履きと外履きを履き替えるルールを作ったせいで、エネドラが片手で靴を履き替える手間がかかるようになったのだよな。

 それでアミルに片手でも履けそうな靴のアイディアを提供したり、検討するポイントを伝えたりして、試作を頼んでおいたのだが完成したようだ。

 装備品は元々、個々の体に合わせて自動調整してくれるので、足をスムーズに入れさえすればシッカリと固定してくれる。

 手間だけど、内履き用と外履き用のそれぞれにカスタマイズした靴をアミルに頼んでおいた。

 

 こんなに早くでき上がってくるとは思ってなかったよ。

 アミル、頑張ったな。やっぱりモノ作りの才能というか、情熱があるのじゃないだろうか。

 

「これからも、アミルにたくさんの装備品を作ってもらうことになるけど、ヨロシクな」

「はい。お任せください」

 その力こぶポーズはこっちの世界のテンプレ?

 

 アミルが心置きなくモノ作りできるように、鍛冶素材収集の長期計画を練らないとな。

 

「今日は皮の靴を作ったから、明日以降は別の防具を作るのかな?」

「はい。明日からは皮で鎧やグローブや帽子などを作っていきたいと思います」

 

「ああ、ヨロシクな。それとエネドラやチクルスの護身用ダガーも作ってもらえるかな?」

「ダガーですか?」

 

「ああ、皮とジャックナイフとブランチで作れるのだったよな?

 エネドラ用のダガーは片手で簡単に鞘から抜き差しできるように、工夫してくれないか。

 例えば、エネドラの腰のベルトに鞘ごと装着できて、

 右手で簡単に鞘から抜いたり、差したりできるようにとかね。

 なんとなれば、鞘をベルト型にできないかも考えてもらっても良いかも」

「それは・・・・・・面白いですね。

 そんな発想はなかったですが、確かに使う人によっては、その方が良いかもしれません」

 

「商人として外出する時に目立たないように装着できることを考えたりとか、

 その辺りはエネドラと相談してみてくれないか。

 あと、チクルスとも、どのようなダガーが使い易いのか相談してみてくれないか」

「はい。分かりました。いろいろと考えてみたいと思います」

 

「まあ、迷宮探索者じゃないから、滅多に使うことはないだろうけど、

 一応、護身用の武器は持っておいてくれた方が俺も安心だから。

 明日から加わる二人の装備品はしばらくは店売りのものを使うけど、

 将来的にはアミルに作ってもらおうと思っているので、

 二人の好みも確認してくれないだろうか」

「はい。分かりました」

 アミルは良い笑顔で頷いてくれた。

 

「ダガーの鞘は、別々に作成したダガーであっても、サイズ調整して鞘に収まったりするの?」

「いえ、別々に作成したものは鞘に収まっても装備品とはみなされないようです。

 アイテムボックスにも収納できませんし、武器鑑定でも装備品とは見なされないようです」

 そうなんだ。鞘ごと生成されるから便利かと思ったけど、意外に不自由なのだな。

 鞘を失くしたら装備品ではなくなるとか、ダガーあるあるなのかな?

 

「あと、目立たないってことで思い出したけど、ギルドに行く時はエネドラとチクルスは

 頭にスカーフなどを被った方が良いかもしれない」

「スカーフですか?それは、何故でしょうか?」

 

「毎日、風呂に入って石鹸を使ってると、肌や髪の毛が凄く綺麗になっているだろう?

 必要以上に裕福そうに見えると、狙われる可能性があるから。

 ただ、こちらの経済力をアピールする時には逆に見せた方が良いので使い分けかな」

「なるほど、気を付けるようにしてみます。アミルさんもですね」

 その通り、二人だけでなく、アミルもだ。

 

「旦那様は・・・・・・」

「俺は返り討ちにするから、今のままで良いや。まあ、迷宮では防具で隠れるだろうけど」

 盗賊ホイホイだな。盗賊が俺の肌艶とか髪の毛を見てるかは知らんが。

 

「じゃあ、これで終わりにするか」

「旦那様、ありがとうございました」

 エネドラは、こういう場ではまだまだ堅い感じだけど、わざとこの姿勢を続けてるのかな。

 二人っきりの時はそうでもないのにね。

 

 三人とおやすみの挨拶をして、各自、自室に戻ることにした。

 ここからは社長さんモード。

 当面の計画と進捗のアップデート

 

①新規ジョブ取得とレベリング :新規加入の二人を優先的にレベリング

 ⇒取得可能なジョブはほぼ取得済。俺自身のレベリングはほぼレベルキャップまで実施

 ⇒鍛冶師、獣戦士、戦士(⇒暗殺者)は通常部隊で優先的にレベリング

 ⇒エネドラは武器商人獲得に向けて探索者、チクルスは薬草採取士を小荷駄隊でレベリング

 

②資金集め :元の世界から持ち込んだ物品の値付け

 ⇒ビー玉は2個で13000ナール(残り44個)

  ⇒次回から4個単位で売却。次回は29日後、ビッカーに納品

 ⇒ルークと1枚15万ナール、2枚で39万ナールで取引実施(残り8枚)

  ⇒次回以降も2枚単位を希望(取引予定は未定)

 

③資金集め :魔結晶の結晶化促進(資金に使うか拠点に使うかは要検討)

 ⇒1日1300ナールほどの魔結晶は可能(レベリングを犠牲にしたボス周回で改善可能)

 ⇒妨害の銅/鉄剣6本セットを取引する(別の取引形態も検討する)

 

④パーティーメンバーの拡充(1人~2人) :保留中(最後の二人は竜騎士と魔法使いか?)

 ⇒明日、ヴィルマとイレーネを身請け予定

 

⑤拠点の確保 :ベイルの賃借した家で試行(一カ月契約)

 ⇒アミル、チクルスでリーダーをローテーションしながら、各種作成を行う

 

⑥モンスターカードの購入窓口確保 :ルークに依頼中

 ⇒コボルトハンター経由で依頼中(本日、入手)。商人ギルドに出向き、ルークに大量依頼中

 

⑦鍛冶師による装備の作成 :順調だがモンスターカードがボトルネック

 ⇒アミルが鍛冶師のジョブを正式に取得

 ⇒身代わりのミサンガ2つ、激情のダマスカス鋼剣を作成済

 ⇒カードが集まったら、魔法使い用の装備強化をする

 

⑧ベイル以外の街の確認及びワープ地点の拡大  :次はペルマスクに行ってみる

 ⇒ザビルまでは到達済。ペルマスクは未。ボーデ方面も未

 

⑨装備品の充実 :攻撃力、防御力の強化。空きスロット付き装備品の充実

 ⇒掘り出し物チェックの街巡り。ドブローのダマスカス鋼の工房の訪問は納品後

 

⑩石鹸の作成  :試作中

 ⇒エネドラ中心に石鹸を試作して、普段使いや販売に。チクルスも補助に入る

 

⑪ダマスカス鋼の工房の依頼  :実施中

 ⇒激情のダマスカス鋼剣を作成済。明日納品予定

 

 

明日の予定

(午前)

・ユキムラ:ザビルの迷宮(12階層)

・アミル :ザビルの迷宮(12階層)、(朝:装備品作成)

・エネドラ:朝食、昼食の準備、洗濯、時間あれば石鹸試作

・チクルス:朝食、昼食の準備、洗濯、生薬生成

(午後)

・ユキムラ:家具の受入・設置、ヴィルマ・イレーネの身請け、ダマスカス鋼工房への納品

・アミル :家具の受入・設置、装備品作成

・エネドラ:夕食、朝食の準備、(掃除)、二人を風呂&我が家のルール説明

・チクルス:夕食、朝食の準備、(掃除)、二人を風呂&我が家のルール説明

※夜は定例会議

 

 12階層の攻略が、かろうじてなんとかなったところで二人の探索メンバーが加わる。

 迷宮探索が加速することを期待したいが、まずは基礎的なところを固めてからだな。

 しばらくは連携の確認やら、二人の適性の確認が優先。

 武器もこちらで用意したものを使ってもらうので、二人の慣らしも必要だし。

 

 二人の防具は特に空きスロットの数に拘らなければ硬革の装備品の余りが結構あるので、そこそこのモノが揃えられる。

 グローブだけは革だけど。まあ、大丈夫だろう。

 

 剣もエストックがあるけど、盾は鉄製しか余りがないので、それで我慢してもらおう。

 ダマスカス鋼の工房との取引がうまくいけば、そのうち充実させられるだろう。

 

 あとは、モンスターカードか。

 手持ちがコボルト以外はなくなってしまったので、有用なカードを早期に入手したいな。

 

 俺達のメインパーティー以外に他のパーティーを奴隷メンバーで組んで、カード入手部隊とか編成するのはアリなのかなぁ?

 結局、その別パーティーにも情が湧いてカードが必要に・・・・・・という連鎖から抜けられないか。

 やっぱりカードの入手も鍛冶素材同様に、長期的な入手計画を立てないとダメだな。

 

 まあ、それを言えば資金もか。

 金は今のところ余っているけど、あと二人探索メンバーを追加するとなると、やっぱり竜人族と魔法使いで高額になるか?

 石鹸の作成はどう転ぶか分からないから、手堅く盗賊狩りに精を出すか?

 それもどうかなぁ。

 

 元の世界から持ち込んだ鏡が売れると良いのだけど・・・・・・ああ、後はペルマスクか。

 ペルマスクで儲けるためには公爵と知己を得なければならないのでできるのかどうか。

 原作通りに進まなくても金策がうまくいくように考えないとな。

 

 長期的な計画はすぐに良いアイディアが出ないので、目先の方から片づけるか。

 

 改めて、思ったのだが、ヴィルマって実は原作で言うところの狼人娘枠なのだろうか?

 死後解放の拒否、奴隷契約前から忠誠(青)を誓ったりとか、胸部装甲の厚さとか・・・・・・そこだけ見るとドンピシャ?

 それにしてもポンコツ感が・・・・・・なんとも。

 迷宮に入ると別人のように毅然とした態度に変わったりする?・・・・・・いや、ないな。

 やっぱり、地雷女な気が・・・・・・うーん。

 

 一方で、イレーネは猫娘枠?どちらかというサバサバしてる感じだし。

 魚好き-肉好きの違いはあるとは言え、猫と豹は大きく言えば、同じネコ科だし・・・・・・狼と虎よりは近い?

 イレーネはジョブに拘りがないって言ってたから、戦士からの暗殺者ルートだな。

 

 ヴィルマは本人のジョブ希望を確認してからだけど、特になければ獣戦士からの百獣王を目指してもらうか。

 狼よりは虎の方が百獣王の響きに近いよね、多分。

 

 ボーっとアホな考えを巡らしていると、ドアがノックされた。

 ドアを開けると、そこにはチクルスの姿が。特に黒い感じ(オーラ)はなく、キョドってる気がする。

 他人事でなく自分事なら、そんなものか?じゃあ、こちらは遠慮なく魔王モードだ(キリッ)。

 

・・・・・・

 

「あ、あの・・・・・・きゃっ・・・・・・」

「・・・・・・」

 彼女の言葉には応えず、お姫様抱っこでベッドへと誘う。

 

 今日は一人で来たのだな。

 また、エネドラと二人とだったら、対応に窮したかも。

 

 ベッドに優しく横たえ、俺も傍らに添い寝する。

 夜伽二回目なら、まだ不安だろうから、会話しながらリラックスしてもらおう。

 

「もう、ここでの生活に少しは慣れてきた?」

「ええ。あ、はい。お母様と私を身請けしていただき、ありがとうございました。

 この御恩は一生懸けて返したいと思っています」

 答えになってないというか堅いな。

 

 でも、アミルから聞いていた困窮状態にあった奴隷の立場からすると、こんなものなのか。

 

「前に二人へも言ったと思うけど、家事や薬草採取士などの仕事をこなして余った時間には、

 もう少し自分達のやりたい事をやってもらっても構わないから」

「やりたい事ですか?」

「そうだな。アミルなら、書物を読むことかもしれないし、

 チクルスだったら、ひょっとしたら裁縫や洋裁とかね。

 もちろん、それ以外のことだって構わないのだけど。

 君達が幸せに感じることを自分で見つけて、空いた時間をそれにあててもらえると嬉しいな」

 少し思案するような顔になったが、それも可愛い。

 

「はい。それでは、少し考えてみたいと思います。

 私もお母さまも、傷痕があり、お見苦しい点がありますが、ご容赦いただければと」

「傷痕があるのは理解しているけど、それを差し引いても、君達は綺麗だと思ってるのだけど」

「そうですか・・・・・ありがとうございます」

 俯いてしまったので、どのように感じたのかは分からない。

 

 やがて、彼女は顔を上げて、無言でこちらを見つめた。

 

 あまり無理をさせず、今晩はこのまま添い寝だけにして、明日の朝にでも戻ってもらって構わない気もするだけど。

 それをすると、却って不安になるか・・・・・我ながら取ってつけたような勝手な理屈。

 そして、安値で彼女達を身請けした俺は、どのように言葉を尽くしても説得力はないのかも。

 

 彼女の頭を撫でながら、優しく抱き寄せる。

 

「まだ怖いのだろう?」

「えっ、あっ、はい・・・・・じゃなくて大丈夫です」

 うーん、それは大丈夫じゃないってことだろう。

 

 抱き寄せた彼女からは、早鐘のような鼓動が伝わってくる。やっぱり緊張しているよな。

 落ち着くまで、しばらくはこのままでいよう。

 俺の方がドキドキしてしまいそうだけど。

 

 :

 :

 :

 

「あの・・・・・本当に大丈夫ですから・・・・・」

「うん、分かってるから」

 ようやく、彼女の鼓動のリズムが緩やかになってきただろうか。

 

 こちらを見上げた彼女の唇を丁寧に啄む。

 慣れてない彼女は、こちらの期待に応えようと必死に唇を動かしている。

 頭を抱えて、俺の胸へと引き込む。

 

「俺の方は、こんなにドキドキしているのだけど・・・・・」

「ふふっ、そうみたいですね・・・・・」

 こちらの情けない状態も伝わったから、リラックスできるかな。

 

 彼女の服をゆっくりと脱がせにかかる。

 眼を瞑ったまま、彼女も協力してくれて・・・・・その間に、こちらも手早く服を脱ぎ捨てる。

 

 唇を合わせながら、彼女の肢体を優しく愛撫しながら堪能。

 彼女の白い肌が徐々に桜色へと変わっていく。

 恥ずかしいのだろうが、照明を落とすと傷痕のせいだと思うか・・・・・このままだな。

 

 胸の先端を緩やかに嬲りつつ、腹や二の腕へも愛撫を繰り返す。

 

「んっ、んっ・・・・・くっ・・・・・」

 

 両脚の間に片足を入れて、太腿から上へと撫で上げる。

 彼女の腰が自然とくねり、背中が少し反り上がり、耐えるように体を震わせる。

 

「はあぁっ・・・・・・」

 少し息を吐き、体を硬くしながら切なさそう表情でこちらを見つめてきた。

 

「体の力を抜いて・・・・・・」

「はい・・・・・・」

 

 ゆっくりと彼女と体を合わせて、慎重に彼女の中に侵入。

 

「うっ・・・・・・」

 

 まだ、経験の浅い彼女に負担をかけないように、無詠唱で手当てを連呼。

 彼女の緊張が収まるのを静かに待つ。

 

 やがて、すっかり体を弛緩させたのを確認し、胸の先端や中央の先端をゆっくりと嬲る。

 

「それは、くうぅぅっ・・・・・・」

 

 足を少し突っ張り、本能的に動く彼女の腰を味わいながら、幻想的な踊りにしばし付き合う。

 熱病に冒されたような彼女の濡れた瞳を見ていると、こちらの限界が先に訪れそうだ。

 彼女の両手の掌を上腕の両手で握り、下腕の両腕で柔らかな胸を嬲りながら律動を開始。

 ゆっくりと彼女の頂点に押し上げていく。

 

「くうぅ、あぁぁ、もうっ・・・・・・」

 

 薄っすらと汗に濡れた彼女の肢体と、息も絶え絶えの表情を見ていると、こちらの限界も既に近いことを感じる。

 

「ああぁ、うぅぅ・・・・・・うっ・・・・・・」

 

 口を固く結びながら背中を反り返し、震えながら彼女は頂きへと登りつめる。

 彼女の熱い吐息と痙攣する体を感じながら、こちらも欲望を解き放った。

 

 甘い彼女の汗の香りを嗅ぎながら、頭が少しずつ冷えてくるのを感じる。

 

 彼女の傷痕やエネドラの左腕を治すのに必要なのは・・・・・・威霊仙か。

 

・・・・・・




お読みいただき、ありがとうございました。

本作では、装備品は画一的な形ではなく、鑑定上の名称に対して比較的自由な形を許容する表現しています。
トライデントでも、ハルバードみたいな形をしていても、鋼鉄の槍みたいな感じです。

理由は3つあって、1つ目の理由は序章の13話(013)の後書きでお話しました。
2つ目をここでお話します。

鍛冶師のモノづくりのこだわりみたいなものを描きたかったということです。

素材のレシピがあって、誰が作っても性能も形も同じものが出来るのは、それはそれで素晴らしいことだとは思うのですけど、なんだか味気ないような気もすると思ってしまったからです。
異世界モノのドワーフ鍛冶屋は、モノづくりにこだわりのあるシーンがよく描かれてるので、今回、そんなものを少しだけでも表現できないかなと妄想しました。
この後の話でも出てきますが、「これはオレが作った装備品」とか「こんな感じで使い勝手を工夫した装備品」みたいなものを出してみようかなと。

ただ、生成に使う素材数も(見た目が違うのに!)重量も同じ、性能も同じという無茶ぶり仕様。
ストーリー進行には、ほぼ影響ない部分ですので、好みが分かれるかもしれません。
それに標準から外れれば外れるほど、使いにくくなることが当然あり、流通(販売)を考えると、結局は大半の装備品は標準に近いものに集約されていくという流れだとは思っています。
素材渡せば、装備品になって戻ってくる...のとは違うものが描ければ良いなと思っています。

残り1つの理由も1章の中でお話しすることになると思います。


ダガーの件は、勝手に想像して、そういう設定にしてしまいました。
ダガーだけ鞘があるという原作の背景があったので、鞘がなくなったら装備品としてどうなるのかと前々から疑問でした。

ボツにするかもしれませんが、ダガー使った話もちょっと作ってみようかなと思っています。


あとは、今更ながらですが、1日の終わりに主人公に更新させている諸々のタスクについてです。

並行して様々なイベントを進行させていると、いつまでに何をやるのかを執筆者自体も混乱してしまい、裏情報で進捗管理表を作っていたのですが、もういっそ主人公に管理させて表現させてしまえという感じです。
更新があまりに少ない時は、読者向けには省略してたりします。

メインストーリーの進展には全く寄与しないので、ちょっと味気ない話で申し訳ないです。
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