異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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019.探索の準備

 迷宮の入口のそばに一人と離れた場所に四人、合計で赤い点が5つ。

 盗賊と知っていなければ、ただの熟練探索者グループに見えなくもない。ガラがチト悪いが。

 装備が充実しているが、この迷宮を探索していた探索者達から奪ったものかもしれない。

 

盗賊Lv29

装備 シミター 硬革の鎧 硬革の帽子 硬革の靴

 

盗賊Lv24

装備 鋼鉄の剣 硬革の鎧 革の帽子 革の靴

 

盗賊Lv21

装備 鉄の剣 硬革の鎧 革の帽子 革の靴

 

盗賊Lv19

装備 鉄の剣 皮の鎧 革の帽子 革の靴

 

探索者Lv25

装備 鉄の槍 鉄の鎧 硬革の帽子 革の靴

 

 そして、入口のそばに立ってる探索者は騎士団の者ではなく盗賊の一味。

 迷宮に入ろうとしている奴を値踏みしようとしているのか。

 騎士団の担当者はどこにいった?中座している間だけ、この男が居座ってるのか?

 まさか盗賊達にやられた訳ではないだろうな。

 それはないか。そんなことしたら、騎士団が血眼になって盗賊狩りをするだろうから。

 

「どこか上の階層に案内するか?」

「いや、2階層でグリーンキャタピラーの相手をするだけだ。

 芋虫のカードを買い取るって言われたのでな」

 俺は、騎士団に偽装した探索者に出まかせを伝えた。

 

 前も芋虫のカード探しと言って、盗賊を狩ったかな?

 あれっ、コボルトだったっけ?

 

 そろそろ、このバリエーションも変えた方が良いかな?

 3階層だとコボルトハンター達とニアミスするかもしれないし、1階層だと初心者に迷惑がかかるよな。

 あまり高い階層のソロ攻略だと強者だと思われるし。ああ...考えるのが面倒だな。

 どうせ全員口封じで消えてもらうのだから、ワンパターンでも良いか。

 同じ連中に二度使うことはないのだし。

 

 少しだけ距離を取っているが、このまま斬りかかってくる素振りはなさそうだ。

 仲間の四人からも離れているからな。

 だがこちらに気取られてないように、ゆっくりと入口に近づいてきているようだ。

 背を向けていても索敵のマップで分かってしまう。

 

 そのまま迷宮の入口に入り、2階層に移動。

 

 迷宮の2階層に入るとオーバーホエルミングをかけて、出口までダッシュする。

 あの5人が俺を本当に追いかけてくるかはわからないが、長居はできない。

 小部屋を出て、少し遠めの角を曲がって索敵で暫く様子を見る。

 

 大して時間を置かずに小部屋に5個の赤い点が現れた。

 やはり俺を追ってきたようだ。小部屋から赤い点が速い動きで出口に向かうのが分かる。

 その後は俺の曲がった角とは別の方向に向かっていくが、もう走ってはいないようだ。

 

 俺は角から出て、オーバーホエルミングを唱え、盗賊達の前方にファイヤーウォールを出す。

 戸惑った盗賊達の後ろの2人にラッシュとスラッシュを使って、デュランダルで首を刎ねた。

 もう一人の盗賊も間を置かずに首を刎ねる。このレベルの盗賊なら一撃か。

 

 前方へ注意が向いたままの盗賊の一人も、容赦なくデュランダルで首を刎ねる。

 最後の一人の探索者は、驚愕の顔をこちらに向けた瞬間に首を刎ねた。

 盗賊集団5人の命を瞬く間に奪った。

 索敵と鑑定がなければ単なる暴挙だが、特に後悔の念は湧いてこない。

 

 探索者を除く4人の左手を切断して、リュックを遺体の背中から引きはがす。

 一つのリュックに別のリュックの所持品を集めて放り込み、空いたもう一つのリュックの中に4人分の左腕を放り込む。

 腕が見えないように、ちょっとリュックの中に押し込んだ。

 これでインテリジェンスカードが出ても、リュックの外に零れ落ちることはないだろう。

 

 もう一度、周りに索敵をかけたが、小部屋にも周囲にも他のパーティは居ないようだ。

 暫くすると、5人の遺体は迷宮に吸い込まれて装備品だけが残された。

 残った装備品をアイテムボックスの中に淡々と移していく。

 空になった血まみれのリュックは通路に放り捨てた。

 

 集めた所持品の中身を確認。金と魔結晶だけを取り出し、俺のリュックにまとめて入れた。

 必要なくなったリュックも通路に放り捨てた。そのうち迷宮に吸収されるだろう。

 

 やり方がだんだん効率化されてきて、熟練の賞金稼ぎっぽくなってしまった気がする。

 本業の賞金稼ぎの連中の手際など知らないが。

 実態は追いはぎと装備品洗浄業者という気がしないでもない。

 洗浄はエネドラ達にまたお願いするのか...ちょっと申し訳ない。

 

 相手の意表をつくバリエーションだけでも増やすか?

 頭防具の全頭マスクで、顔の部分をコボルトっぽくアミルに作ってもらって、振り向くとコボルト...みたいな。

 逆に速攻で斬りかかられて危ないか。

 まあ、シンプルに無詠唱のファイヤーウォールで意表をつく今のパターンのままで良いか。

 

 

 ふぅ...さて、残りの時間は、各迷宮の10階層から魔物部屋殲滅ツアーだ。

 新しいパーティメンバのレベリングをしないとな。

 二人はそれなりの実力者のようだが、まだ俺はあいつらの本当の腕前を知らない。

 レベルは上げられる時に上げておきたい。

 

 クーラタルの10、11階層、ザビルの10、11階層、最後にベイルの10、11階層の順で回るか。

 

ジョブ構成はシックスジョブで、

探索者Lv42 英雄Lv42 鬼武者Lv42 遊び人Lv42 剣匠Lv42 魔法使いLv42

 

 ボーナスポイントの編成はどうするか。

 俺のジョブはレベルキャップに引っかかってるので、必要経験値の削減は外す。

 余ったポイントを結晶化促進とMP回復に振る。

 基本は魔法を撃ち込んだら、ワープで退避して、魔物の数が少ない所を確認。

 あとは魔法を放ちながら、デュランダルで切り刻んでMP回復するという定番パターンだ。

 

迷宮探索時

ボーナスポイント(239)(初期値198+41(Lv上昇分))

・キャラクタ再設定(1)

・武器6(デュランダル)(63)

・防具5(アルフレイル)(31)(防御力2倍、魔法ダメージ削減、状態異常無効、レベル補正無視)

・鑑定(1)

・パーティジョブ設定(3)

・パーティ項目解除(1)

・索敵(5)

・拠点構築(5)

・必要経験値十分の一(31)

・獲得経験値二十倍(63)

・結晶化促進十六倍(15)

・MP回復速度四倍(15)

・シックスジョブ(31)

・詠唱省略(3)

・パーティライゼイション(1)

・ワープ(1)

余剰ポイント(0)

 

 いつもだとアミルにアイテムや装備品の回収を手伝ってもらうのだが、今日は一人だ。

 ひたすら、魔物部屋を殲滅。アイテムと装備品の回収を繰り返す...もはや単純作業だ。

 全滅したパーティは1パーティ程度の装備品がワンフロアだけ残されていた。

 

 装備や所持金が先に殲滅した盗賊達よりもショボかったのが切ない。

 やっぱ、盗賊は許せんな。

 

 そして、初っ端のクーラタルの10階層で、ヤギのモンスターカードをゲットした。

 ようやく、魔法装備を強化できそうだ。ぶっちゃけ、かなり嬉しい。

 その後は1枚もドロップしなかったのは、まあ想定通りと言えば想定通り。

 今のところ、700体~800体を倒して、ようやく1枚という確率なので、渋いと言えば渋く、まあ、そんなものかと思えなくもない。

 

 結構な数を倒したので、獲得経験値二十倍が効いて、アミルの鍛冶師はLv37に上がった。

 その辺のベテラン鍛冶師のレベルじゃないか。

 アミルが試験を受けた鍛冶師ギルドの責任者の親父のレベルもそれくらいだった気がする。

 装備品の作成経験だけが追いついていないな。

 

 チクルスの薬草採取士はLv25、他の三人もLv20前後まで来た。

 もう、2、3日、13、14階層あたりで頑張ればLv30ぐらいまではいけそうか。

 エネドラは武器商人、イレーネは暗殺者のジョブに早く就けてやりたい。

 

 大量のドロップアイテムは、いつも通り売却しないで倉庫行きだ。

 それなりに汗もかいたし、そろそろ夕食の時間だから魔物部屋ツアーは終わりにしよう。

 

 自宅にワープして、厨房のエネドラ達に声をかけた。

 ヴィルマとイレーネは食堂のイスに座っていた。

 ヴィルマの目がやはり死んでいるように見えたが、俺を見るなり生き返った?

 

「主ぃ...迷宮行ってた?」

 俺はだまって、首を縦に振った。

 

「主だけ、ズルい...」

 ヴィルマに涙目で睨まれてしまった。解せぬ。

 会社帰りに、飲み屋で一杯ひっかけてきた、お父さんのようなものだろうか?(違う)

 

「明日の午前中は四人で迷宮だから」

「本当に?本当に?」

 なんか、ポンコツ過ぎて不安になる。

 

「ああ、後で装備品も渡すからな。明日から頼むぞ」

「分かった。楽しみにしてる」

 遠足に行く前夜の子供に話しかけているような。

 そして、イレーネはいたって冷静というか無表情。こっちはこっちで大丈夫なのだろうか。

 

 不安を抱きながらも、ドロップ品を倉庫に押し込んで、二階に上がることにした。

 アミルは作業部屋にいるみたいだから、まだ装備品の生成をしているのだろうか。真面目だ。

 自由にすることを許しているとはいえ、食堂の新人二人とは対照的。

 そして、何か俺だけ後ろめたい気がするのは気のせいか。

 いや、迷宮は俺の職場だから頑張って働いていた訳で何の問題もないはず。

 

 顔を洗って汗を拭き、コップに入れた水を飲んでるとアミルが呼びに来てくれた。

 一階に降りて、俺達がテーブルに着くと夕飯開始。

 

 テーブルの上の大量の肉料理にイレーネの目に喜び...というか、爛々としているような。

 エネドラ達が一生懸命作った料理なので堪能してくれ。マジで美味いし。

 

 夕飯を頂きながら、午後の出来事の情報共有。

 エネドラ達は二人に風呂の入り方を教え、我が家のルールもざっと教えたようだ。

 ただ、迷宮での戦闘については迷宮で教えた方が良いので、そちらは省略したとのこと。

 この後もう一度、五人で風呂に入るそうだ。確かにその方が良いだろう。

 二人は徹底的に綺麗にしてやってくれ。

 

 俺の方も、迷宮での魔物部屋巡り等を話して、盗賊を5人倒したことや全滅パーティの装備品を回収してきたことを説明。

 ヴィルマが恨みがましい目を向けてきたがスルーした。

 ダマスカス鋼の工房に納品が完了したことや、その対価にダマスカス鋼の装備品をもらってきたこと、素材を大量に入手したことも報告した。

 ダマスカス鋼や竜革の素材は、クーラタルに拠点を移してから使いたいとを伝えた。

 鉄、鋼鉄、革については余力がある時にベイルのこの家で段階を経て作っていこうと説明。

 アミルも頷いてくれた。

 

 俺達の会話をちゃんと聞いてるのか不明だが、イレーネの前の肉が凄い勢いで消えていく。

 

「食事、足りてるか?」

 イレーネに向かって話しかけると、無言でニッコリと頷いた。

 ちゃんと感情表現はあるのね、良かった。しかも、まあまあ可愛い。

 

「主、ここの食事美味しい」

「作ってくれたエネドラとチクルスに感謝しろよ」

 特に質問してないけどヴィルマからも反応があったので、感謝すべき相手を伝えておいた。

 ヴィルマとイレーネの二人が感謝の言葉を真剣な表情で伝えていて、なんか和んだ。

 

 明日の午後はヴィルマとイレーネはエネドラ達に連れられて買い物ツアーなのだが、それを言うと再び目が死んでしまう気がしたので説明は先送りにした。

 

 食事を終えて二人に感謝の言葉を伝えて、俺は風呂場に直行。

 既に、二人のために湯張りしていたので、不足したお湯の分だけウォーターウォールを出して、適量溜まったら今度はファイヤーウォール。

 早く、魔道士のジョブを得て魔法の三重掛けが出来ると、もっと楽ができるはず。

 今、魔法使いはLv42だから50に上げるまでは、あと10日から2週間くらいだろうか?

 道のりは長いように思うが、こちらの人からすれば、非常識なまでに早いのだろうな。

 ただ、迷宮攻略以外にも諸々やることをやっていると意外に時間がかかるんだよな。

 

 サウナモードを経て風呂の準備が出来たので、そのまま風呂モード。

 体も頭も洗って、湯舟にドボン。迷宮で動き回った疲労が瞬時に吹き飛ぶ。

 

 明日からは四人で探索なので、少しワクワクしている。

 性格の異なる二人が加入したけど、今のところギスギスした不協和音は聞こえてこない。

 迷宮でも上手くやってくれることを願いたいが...どうだろうな。

 

 風呂から上がって、湯量と温度の再調整をして女性陣にバトンタッチ。

 ヴィルマはアミルに腕を曳かれて連れていかれた。イレーネの方は淡々と後に続く。

 風呂は良いぞ。風呂嫌いにだけはならないでくれよ。

 

 二階に上がって会議準備を整え、食堂でハーブティーを飲みながら明日の計画を検討。

 

 女性陣が風呂から出て、食堂に集まったので会議を開催することにした。

 

 今日も忘れないうちに、アミルにヤギのカードとスタッフを渡して融合を依頼。

 ひもろぎのスタッフが完成。これで少しは魔法攻撃力が強化されると良いな。

 

 後は明日の予定を説明。午前と午後で趣きがかなり異なる。

 午前中はクーラタルの迷宮13階層の攻略。四人での連携確認がメインだ。

 その後は昼食をはさんで、女性陣の大買物大会。

 俺はタクシーとお財布の役割を果たしながら、モンスターカードの取引や懸賞金の換金等。

 

 ベイルでの買物はクーラタルの店に行くためのヴィルマとイレーネの最低限の服を購入。

 クーラタルの店では女性陣の普段着を購入。肌着等も含めて数セット購入してもらう。

 日用品や調理器具、食材等も足りないようならクーラタルで購入する。

 クーラタルでそれなりの服を購入したら、それを着て帝都の洋服屋に行く。

 

「これから、商人ギルドや薬師ギルドに行くことを想定して、

 他の三人もその護衛に付いてもらう際に相応しい服装にしてほしい。

 あと、俺の服装も適当に選んでくれないだろうか。

 俺は体形の問題で立ち会えないので選択は任せる。

 もちろん、費用は全部俺が出すからじっくり選んでくれ。

 女性陣の服は既製品の購入でなく、オーダで後から受取になるものでも構わないぞ」

「お任せください」

 エネドラとチクルスが力こぶポーズ...分かったけど、俺の方は適当で良いからね。

 女性陣の服選びに力を入れてくれよ、本当に。

 

 何か女性陣の機嫌(?)が良くなった気もする。一人、死んだ目のような者もいるが。

 

「俺は買物の合間にルークからカードを受け取ったり、

 懸賞金の換金や、クーラタルの家の相談を世話人としてみる。

 会計の時には顔を出すようにするから時間をかけても構わないぞ」

 一名ほど涙目で俺を見ている者がいるが、お前の力になれることはないので諦めてくれ。

 

「今日、ドブローでアミルが作ってくれた激情のダマスカス鋼剣を納品した。

 アミルの作ってくれたスキルつきの武器を相手側がえらく気に入ってくれたので、

 対価にダマスカス鋼の装備品と大量の鍛冶素材をもらい受けた。アミル、ありがとうな」

 アミルも嬉しそうに頷いてくれる。良い笑顔だ。

 

「ダマスカス鋼の装備品は、クーラタルに拠点を移してから作成してもらおうかと思ってる。

 鉄、鋼鉄、革の装備品は今の皮の装備品が一通り作り終えたら、順次作って構わない」

「分かりました、ご主人様。頑張ります」

 夕食の時に話をした通りなのだが、改めて感謝の言葉を伝えた。

 夕食のついでではなく、こういう場で感謝の言葉を伝えるのは重要だと思ってる。

 

 ヴィルマはキョトンとしているが、イレーネのアミルを見る目が少し変わった気がする。

 装備品に拘るタイプなのだろうか?それともスキルつきの装備が気になるのか?

 それ以前にブラヒム語が通じているのかも少し気になるが。

 

「あと、イレーネはエネドラ達からブラヒム語を習ってくれ」

「承知しました。イレーネ、一緒に頑張りましょう」

 イレーネも一応は頷いてはいるが、言葉の理解度も含めて経過観察が必要だな。

 コミュニケーションが重要なのは言うまでもないからな。頑張って学んでくれ。

 

 そして、会議が終了かと思うタイミングで、エネドラから発言が。

 

「石鹸の作成が出来るようになったので、拠点リーダを移譲してもらったのですが、

 特産品の効果が旦那様から伺っていたものと違っていました」

「えっ?どういうこと?」

 今はチクルスから、エネドラに拠点リーダを移譲した直後らしい。

 

【特 産】石鹸(品質小上昇)

 

 俺の時は、生産量小上昇だったのに!...これは差別ではないだろうか?

 確かに石鹸を一度作って錬金術師のジョブを取得したら、ほったらかしにしていたけど。

 リーダの気合で効果が変わるの?

 エネドラからは俺よりも石鹸の商品開発への熱意が感じられるけど。

 

 なんだか釈然としないけど、考えたら負けのような気がしてきた。

 もう、今後二度と石鹸は作らない気もするし。

 そもそも、そんな根性だから「生産量小上昇」なのか。いや、これ以上は考えまい。

 

 気を取り直して、会議のクロージング。

 

「会議はこれで終了だが、ヴィルマとイレーネに迷宮探索用の装備品を渡すぞ」

 一応、二人のテンションが上がるイベントを後ろに持ってきた。

 

「二人の装備品は全く同じだ。片手剣で良いと聞いていたのでエストックと鉄の盾だ。

 防具は硬革が主体で、グローブだけ革だ。

 今後もっと良い装備品にしていきたいとは思うが、今はこれを使ってくれ」

「こんなに良い装備品は初めてだ。主、ありがとう」

 ヴィルマは先程の死んだ目から、打って変わって満面の笑みだ。

 イレーネも言葉を発してないがコクコクと頷いてくれている。気に入ってもらえたかな。

 

ヴィルマ(虎人族 ♀ 17才 奴隷)

獣戦士Lv19

装備 エストック 鉄の盾 硬革の鎧 硬革の帽子 革のグローブ 硬革の靴 身代わりのミサンガ

 

イレーネ(豹人族 ♀ 17才 奴隷)

戦士Lv21

装備 エストック 鉄の盾 硬革の鎧 硬革の帽子 革のグローブ 硬革の靴 身代わりのミサンガ

 

 ダマスカス鋼の防具もあるが、革系の装備品で二人の動きを見てから考えたいと思っている。

 二人のレベル的には問題ない気もするが、ダマスカス鋼の防具よりは竜革系の方が良いかもしれない。

 竜革の防具は今はないので、店売りで探すかアミルの防具生成を待つかだ。

 

「明日、戦闘をこなしてみて、何か問題があれば相談してくれ。

 普段の武器の使い勝手や悩み事は俺でも良いけど、アミルに相談してもらえるだろうか?

 今後、うちのパーティの装備品を作っていくのはアミルなので、

 問題点や希望をアミルに相談しておくと、きっと役に立つことがあると思う」

 ヴィルマとイレーネがアミルの方を見て頷いた。

 戦闘面も含めて、この三人のコミュニケーションも様子見が必要だな。

 

 ヴィルマとイレーネにジョブの希望を確認すると、ヴィルマは獣戦士のまま、イレーネは特に希望無しのようなので当初予定通り、戦士を育成して暗殺者を目指すことを伝えた。

 

「じゃあ、これで会議は終わりにする」

「旦那様、お疲れさまでした」

 エネドラとチクルス、アミルが深々と頭を下げた。凄い照れくさい。

 慌てて、ヴィルマとイレーネも頭を下げた。

 空気を読んでくれるのは有難いが、別に真似しなくて良いのだが。

 

 皆におやすみの挨拶をして、各自、自室に戻ることにした。

 当面の計画と進捗のアップデート

 

①新規ジョブ取得とレベリング :新規加入の二人を優先的にレベリング

 ⇒取得可能なジョブはほぼ取得済。俺自身のレベリングはほぼレベルキャップまで実施。

 ⇒鍛冶師、獣戦士、戦士(⇒暗殺者)は通常部隊で優先的にレベリング。

 ⇒エネドラは武器商人獲得に向けて探索者、チクルスは薬草採取士を小荷駄隊でレベリング。

 

②資金集め :元の世界から持ち込んだ物品の値付け

 ⇒ビー玉は2個で13000ナール(残り44個)。

  ⇒次回から4個単位で売却。次回は28日後、ビッカーに納品。

 ⇒ルークと1枚15万ナール、2枚で39万ナールで取引実施(残り8枚)。

  ⇒次回以降も2枚単位を希望(取引予定は未定)。

 

③資金集め :魔結晶の結晶化促進(資金に使うか拠点に使うかは要検討)

 ⇒1日1300ナールほどの魔結晶は可能(レベリングを犠牲にしたボス周回で改善可能)。

 ⇒エネドラのギルド加入後に妨害の銅/鉄剣6本セットを取引(取引形態も検討しよう)。

 

④パーティメンバの拡充(1人~2人) :保留中(最後の二人は竜騎士と魔法使いか?)

 ⇒ヴィルマとイレーネを身請け完了。22階層までは恐らく問題ない。それ以降は拡充要?

 

⑤拠点の確保 :ベイルの賃借した家で試行(一カ月契約)

 ⇒アミル、チクルス、エネドラでリーダをローテーションしながら、各種作成を行う。

 ⇒二人のギルド加入に合わせて拠点をクーラタルに移転。候補を探す。

 

⑥モンスターカードの購入の窓口確保 :ルークに依頼中

 ⇒コボルトハンター経由で依頼中(10日後に来訪予定)。ルークに大量依頼中。

 

⑦鍛冶師による装備の作成 :順調だがモンスターカードがボトルネック

 ⇒ひもろぎのスタッフを作成済

 ⇒アミルは詠唱中断付与の武器。ヴィルマ、イレーネは戦闘スタイルを見てから決める。

 

⑧ベイル以外の街の確認及びワープ地点の拡大  :次はペルマスクに行ってみる

 ⇒ザビルまでは到達済。ペルマスクは未。ボーデ方面も未。

 

⑨装備品の充実 :攻撃力、防御力の強化。空きスロット付き装備品の充実

 ⇒掘り出し物チェックの街巡り。ドブローのダマスカス鋼の工房を中心に回ろう。

 

⑩石鹸の作成  :試作中

 ⇒エネドラ中心に石鹸を試作して、普段使いや販売に。チクルスも補助に入る。

 

⑪ダマスカス鋼の工房の依頼  :定期的に巡回しよう

 ⇒激情のダマスカス鋼剣を納品済。定期的な掘り出し物チェックをする。

 ⇒何かスキルつきの防具を融通して、鍛冶素材を更に入手するか?

 

 

明日の予定

(午前)

・俺    :クーラタルの迷宮(13階層)

・アミル  :クーラタルの迷宮(13階層)、(朝:装備品作成)

・ヴィルマ:クーラタルの迷宮(13階層)

・イレーネ:クーラタルの迷宮(13階層)

・エネドラ :朝食、昼食の準備、洗濯、時間あれば石鹸試作

・チクルス:朝食、昼食の準備、洗濯、生薬生成

(午後)

・俺    :買物付き添い、ルークとの取引、懸賞金受領、クーラタル拠点候補相談

・アミル  :買物(ベイル、クーラタル、帝都)、装備品作成

・ヴィルマ:買物(ベイル、クーラタル、帝都)

・イレーネ:買物(ベイル、クーラタル、帝都)、(ブラヒム語勉強)

・エネドラ :夕食、朝食の準備、(掃除)、買物(ベイル、クーラタル、帝都)

・チクルス:夕食、朝食の準備、(掃除)、生薬生成、買物(ベイル、クーラタル、帝都)

※夜は定例会議

 

 最近、エネドラの負担が少し大きくなってきた気がする。

 体力を使う家事に加えて、知恵を借りることも増えてきた。

 俺が相談する相手もエネドラであることが多い。

 

 我が家で最年長とはいえ、左腕のこともあるし負担を減らす策を考えるべきだろうな。

 家事奴隷を一人増やすのも良いし、家事奴隷兼護衛を出来る者を探すのが良いかもしれない。

 あとは、5、6日に1日、休暇日を設定するとか。みんな働き過ぎな気がするんだよな。

 主に俺のせいなのだろうけど。

 

 休暇と言っても、放っておくと働きそうだから、趣味になるような何かを探してやらないとダメかなぁ。

 エネドラの趣味って何だろう。

 何か、洋服とか買物をする時に、目が生き生きしてる気もする。

 俺は着せ替え人形にはなれないので、ヴィルマやイレーネに任せるか。

 あいつらのストレスがちょっと増えるか...まあ、あいつらは迷宮に行けば大丈夫か。

 

 部下のワークライフバランスに考えを巡らしていると、ドアがノックされた。

 

 ドアを開けると、そこにはアミルが立っていた。いつもと違い、真っすぐ俺を見つめている。

 何だろう?...なんだかよく分からないが、めっちゃ可愛い。

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