異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

81 / 265
047.呼ばれた

 昨夜の百獣王との戦いに圧勝した俺は、今は起きてヴィルマの寝顔を見ている。

 口を開かなければ、美女と美少女の境界に位置する凛とした女なのだけどな。

 

 でも、こいつはイレーネと並んで、俺の背中を任せられる大切な相棒だ。

 正直、奴隷商館で初めて見た時には、我が家に来ることになるとは思っていなかったけど。

 

 目を覚ますとヴィルマにポンコツ感が戻ってきて、毛布に包まったまま行ってしまった。

 だから、俺の部屋の毛布を持っていくなというのに。

 

・・・・・・

 

 ポーカーフェイスで朝食を頂きながら、今日の予定を話す。

 基本は昨晩言っていた通りで何も変わらないのだが、レドリック達三人にも共有したいので。

 

 そんな中、挙動不審のヴィルマに、肩を震わせているチクルス。昨日と似た光景。

 チクルス君、全く、毎日が楽しそうでなによりだ。

 社員間のレクリエーションと思ってスルーしよう。

 エネドラも我関せずの姿勢だし。

 

・・・・・・

 

 六人に見送られて、クーラタルの22階層にワープした。

 

 クーラタルの22階層の新規モンスターはクラムシェルだ。

 

 クラムシェル、ケトルマーメイド、ラブシュラブの順に多い。

 

 ドロップ品もシェルパウダー、黄銅、板と微妙なラインナップ。

 板は鍛冶素材だけど、もう結構ストックがあるんだよなぁ。

 

 昨日の午後と同様に待ち受けながら、魔法二連発して近づくまで待機。

 近づいてくると、両翼の娘達が獰猛に襲い掛かる。

 二匹しか近づいてこない時は、獲物を取られまいと我先に剣を入れて自分の獲物だと自己主張する有様。

 仕方ないので、俺は後ろからくるモンスターを煙に変えている。

 

 モンスターの後衛の相手をする時は、昨晩アミルに作ってもらった硬直のエストックの使い勝手を試している。

 オーバーホエルミングやオーバードライブをかけて、ひたすら刺突すると、直ぐに石になる。

 直ぐにと言っても、10回前後は刺突している。高速刺突ならではの石化戦法。

 

 攻略途中に剣聖と刺客のジョブがLv52に達してしまったので、刺客を残して剣聖と冒険者のジョブに入れ替えてレベリングすることにした。

 200倍速なのでレベルの上りが早い。

 百鬼夜行もLv52になり、英雄に追いついたので1stジョブを百鬼夜行に切り替えた。

 勇者のレベル上昇は遅いが、それでもLv40は超えた。

 後は、7つ目のジョブを順番に入れ替えていけば良いか。

 

 それにしても、百鬼夜行、魔道士、刺客、剣聖がLv50を超えたが新しいジョブは得ていない。

 さすがに上位のジョブだけあって、何か特別な条件を得なければならないのかもしれない。

 いくつかのジョブはひょっとしたら、上位のジョブがないのだろうか。

 剣聖の上は、ちょっと想像がつかないな。

 

 百鬼夜行の上位ジョブは酒吞童子?閻魔大王?・・・・・・夜に関係するとなると、酒を飲みながら敵モンスターを全滅させるとか?

 さすがにそれはないか。

 

 刺客の上位ジョブはありそうだよな。

 Web原作の感想返信に確か忍とか、くのいちとか言及されていた記憶がある。

 魔道士の上位ジョブもあっても良さそうだ。賢者とか。

 だが、ジョブの解放条件が想像つかない。

 ひょっとしたら、解放条件の一つはLv50ではなく、Lv70とかLv80であるのかもしれない。

 

 他のメンバの育成もあるし、俺のジョブの中にもLv1のジョブがあるから暫くはそちらの育成に専念しよう。

 

 ヴィルマとイレーネの二人が小気味よく石化させたり、ビーストスラッシュで仕留めるのを眺めながら、エリアをドンドンとクリアにしていく。

 

 途中の魔物部屋もアッサリと殲滅して、ドロップ品を拾う。

 全滅パーティも特に居らず、ホッとする。

 

 最後のボス部屋も小荷駄隊外しを使わずに通常戦闘を試みた。

 俺がボスのオイスターシェル、三人がお供のクラムシェルを引き受けて臨んだ。

 

 俺の方は、超速刺突攻撃でボスを早々に石化させたので、三人の戦闘を眺める。

 俺の刺客のジョブを外して、途中で博徒につけかえてもイケるのだろうか?

 

(状態異常耐性ダウン)

 

 無詠唱で、お供の方にスキルを使ってみた。

 途端にイレーネがアッサリと石化させてしまった。やはり途中からでも効果はあるのか。

 

 イレーネが『お前なんかしただろう?』とばかりに、こちらを見てきたので目を逸らした。

 早く戦闘が終わったので、別に良いじゃないか。

 

 

 ドロップ品を拾い、23階層に抜けた。

 この階層もモンスターカードのドロップは無しと。

 

 ドロップする、ドロップすると思っているとガッカリするから、忘れた頃にドロップするのを楽しみに待つことにしている。

 そう考えると、カード狙いのカードハンター達ってメンタル強いよなと思ってしまう。

 期待しながらも、渋いドロップ率の中、延々とカードドロップを目指して戦うのだから。

 

 今度会ったら、何か耐えるコツがあるのか聞いてみようか。

 

 午前の探索を終了にして、玄関までワープゲートを繋げて帰宅した。

 

・・・・・・

 

 昼食を頂きながら、雑談に花を咲かせているとエネドラから伝言を伝えられた。

 

「旦那様、ベイルのビッカー様より伝言がございました。

 お時間のある時に来て頂きたいとのことです」

「そうか、珍しいな」

 ビッカーからの伝言は本当に珍しいな。

 

 最初にルークへの紹介状をもらった際に、ベイルで伝言をもらって以来じゃないだろうか。

 

 ビッカーから伝言が来るってことは商売関連だからビー玉の取引量を変えたいって事か、やっぱり鏡の取引をやってみたいとかだろうか。

 まあ、行ってみないと分からないな。

 ビー玉を少し多めに持っていくか。

 

 今日、クーラタルの冒険者ギルドに顔を出したら、時間があればベイルに行ってみるか。

 

「分かった、暇を見つけてベイルに行ってくるよ」

「はい、よろしくお願いいたします」

 何か儲かる商売の話だと良いのだが、そう甘くはないか。

 

・・・・・・

 

 昼食を終えて、午後の探索を再開。

 

 ベイルの22階層の新規モンスターはハットバットだ。

 

 ハットバット、ラブシュラブ、ビッグホッグの順に多い。

 

 この階層も外れ階層だ。

 ビッグホッグが食材ドロップくらいで他のドロップ品がパッとしない。

 

 ただ、足の速いモンスターが多くなったので、今回は突出して戦わせてもらおう。

 

「前にハットバット2、ラブシュラブ1、後ろはなしだ。2番だ」

「了解」

「了解」

「了解」

 

 戦闘開始と同時にオーバーホエルミングをかけて、雷魔法を二連発。

 後は向かってくるハットバット二匹を三人に流して、俺はラブシュラブを封殺しに駆ける。

 

 オーバーホエルミングが解けても構わず、硬直のエストックを連打して、石に変えた。

 

 後は戻って各個撃破だ。

 

「ヴィルマ、スイッチだ」

 ヴィルマの攻撃相手に俺が割り込んでモンスターの攻撃を俺に向けさせる。

 

 

 ヴィルマはハットバットの後ろに回り込んで、空中から降りてきたところを背後からビーストスラッシュを叩きこむ。

 下に落ちたが煙に変わらないので、俺が連打して・・・・・・石にした。

 ヴィルマがつまらなさそうな顔をしているが、イレーネの方を見ると、あっちも既に石化済だった。

 

 俺はヴィルマに激情のダマスカス鋼剣を渡した。

 俺の剣の方はMP吸収のスキルが融合されているのでMP回復が出来る。

 一方でヴィルマの激情のダマスカス鋼剣にはMP吸収がないのでね。

 

 はさみ式食虫植物のカードは1枚あるけど、ヴィルマの剣に付与するのはもう少し後かな。

 雷魔法の利用頻度が高いので、もう少し俺のMP吸収効率を上げておきたい。

 23階層以降に行けば、雷魔法への依存率が増えそうな気もするし。

 

 その後も、俺が突出しながらも後方に適当に流して二人に相手をさせる戦いを続ける。

 適度にモンスターが流れてくるので二人の機嫌はとても良さそうだ。

 アミルが苦笑いしている。

 

 途中、コウモリのモンスターカードがドロップした。

 コウモリは確か、回避力関係だったか。

 

「アミル、コウモリのカードは回避力の強化だったっけ?」

「はい。コボルト無しだと回避力上昇で、コボルトつけると回避力二倍になります」

 前衛向きのカードだな。もう何枚か欲しいところだ。

 

 途中、魔物部屋を殲滅したが、今回は残念ながら全滅したパーティが居たようだ。

 

(取得品)

鋼鉄の剣2、鋼鉄の槍1、シミター1、鉄の盾1、鉄の剣1、ワンド1

硬革の鎧2、革の鎧4、革の靴6、革の帽子6

 

 コボルトハンター達の装備よりは一段階は上の武器だな。

 このレベルの防具だと、魔物部屋に入ったら耐えられないのか。

 状態異常にさせるモンスターの階層って感じでもないので、純粋に防御力の問題なのだろう。

 

 装備品とドロップアイテムを回収して、探索を続行。

 

 ボス部屋以外のエリアをクリアにしたので、午前と同様に通常戦闘でボス部屋に突入。

 

 ボスのバットバットを俺が、お供のビッグホッグを三人に任せた。

 

 オーバーホエルミングからの雷魔法二連発からスタート。今回は二匹とも麻痺しなかった。

 ボスが降りてくるタイミングでオーバードライブをかけて、硬直のエストックで連打して石に変えた。

 

 あとは、ビッグホッグの戦いを見守るだけ。

 そして、ヴィルマが煙に変える前に、イレーネが石化させた。

 

 後はひたすら刻んで煙に変えるのみ。

 

 

 ドロップ品を回収して、23階層に抜けた。

 これで、今日の探索は終了か。

 

 ワープゲートを自宅の玄関に繋げた。

 

 先頭で戻っていくイレーネに続いて、ヴィルマの背中をゲートに押し込んだ。

 

「アミル、俺はちょっとクーラタルの冒険者ギルドに寄ってから帰るので、

 エネドラ達に伝えておいてくれ」

「冒険者ギルドですか?はい、分かりました。ご主人様」

 アミルがゲートの先に消えるのを確認してからゲートを閉じて、再度、クーラタルの冒険者ギルドにゲートを繋げる。

 

 とりあえずは顔を出して様子見させてもらおう。ゲートをくぐって、ギルドの壁に出た。

 

 

「すみません。冒険者のかたですよね」

 おっと、ビックリした。

 

 

 いきなり声をかけてくると思わなかった。壁からの出待ちをしていたのか?

 まあ、出てくるのは冒険者のはずだから手っ取り早いのか。

 

 というか、冒険者以外には出てくる者は居ないのに、この質問はないだろう?

 

 思わず、「いえ、通りすがりの百鬼夜行です」と答えたくなってしまったじゃないか。

 

 

「ここのギルドには加入していないが」

 とりあえず、原作と同じようなセリフを言ってみた。

 

「こちらのギルドに加入している、していないは問題ではありません。

 実は北にあるハルツ公領で雨が続き、大きな水害が発生して被害が出ております。

 救援物資の輸送に是非、冒険者の力をお借りしたいのです。

 本日緊急の要請があったのですが、急なことで数を揃えられません。

 本ギルドの会員であるか、ないかは問いませんので、

 是非お力をお貸し頂けないでしょうか」

「そうか、条件を確認しても良いだろうか?」

 では・・・・・・とばかりにカウンターの傍のテーブルに連れていかれた。

 

「ギルド員でない方であっても、明日一日で1000ナールの日当を用意しています。

 洪水によって陸路の接続が途絶えた村々に物資の輸送を行います。

 救援物資となるアイテムをアイテムボックスに収納して、

 フィールドウォークで救援先に輸送して頂くそうです。

 冒険者ギルドとの契約で安全面は

 ハルツ公の騎士団が責任を持って請け負うことになっていますので、危険もありません」

「そうか、分かった。具体的には、いつどこに行けば良いのだろうか?」

 受付の者は俺が引き受けてくれそうな素振りだったので、ホッとしたようだ。

 こちらとしては、1000ナール払っても良いから公爵とのコネを確保したかったりする。

 

「明日の朝、朝食を取ってからゆっくりでいいので、この場に集合して下さい。

 作業場所まで移動する人員はハルツ公の方で用意するそうです。

 アイテムボックスは千個も運べれば十分だそうです。

 物資を運んで頂いて、遅くとも夕方前までには終わると伺っております」

「なるほど、分かった。明日の朝、こちらに来ることにしよう」

 話が早く終わって、こちらとしても非常に助かった。

 

「では、よろしくお願いいたします」

「ああ、こちらこそよろしくな」

 お互いに礼を言い合うという変な構図に、お互い笑いながらギルドを後にした。

 

 これで、一つフラグを回収出来たのだろうか。

 適当な木陰から、自宅の玄関にワープした。

 

 厨房のエネドラ達の所に向かった。

 

「エネドラ、急で申し訳ないが、

 明日、ハルツ公爵領の災害救援のために冒険者ギルドの作業を受けることになった。

 昨日、少し触れていたが、明日は迷宮探索はお休みだ。

 明日の予定は、今晩の会議でまた相談したいと思うが、

 明日何かやりたいことがあるようなら考えておいてくれ。

 アミルやチクルスにも伝えておいてくれると助かる」

「承知しました。旦那様」

 イレーネやヴィルマは、まあいいや。あいつらは訓練だろうし。

 

「じゃあ、俺はこの後はベイルの方に行ってくる」

「はい、ビッカー様の所ですね」

 エネドラの言葉に頷き、二階に上がって準備に入る。

 

 とりあえずはビー玉を多めに用意して、鏡も一応持っていくか。

 準備を終えて、玄関からベイルの冒険者ギルドにワープした。

 

 ギルドを出て、ビッカーの商館に向かった。

 ドアをノックすると出てきた店の者に用件を伝えた。

 

 すぐに応接室に通され、さほど時間が経たずにビッカーがやってきた。

 

「実は、あのガラス玉なのですが、取引量をもう少し増やして頂きたいと思いまして」

「そうか。今は30日毎に4個だったが、どの程度増やしたいのだろうか?」

 ビッカーに視線を向けると、少し考えているようだ。

 なんだ、具体的に考えていた個数があった訳ではないのだな。

 

「出来れば、6個、いえ8個くらいにしたいと思っています」

「そうか、いっそのこと今日12個にして、次の30日後から8個ずつにしたらどうだろうか?」

 そうすれば、あと5回、4か月後には在庫がなくなる。

 

 あまり単価の高いモノではないからチマチマと取引しても仕方ないが、たまにビッカーから情報収集したいこともあるので、今しばらくは長く付き合いをしたかったりする。

 

「むっ、そうですか。では、本日は12個お持ち頂いてるのでしょうか?」

「ああ、12個なら持ってきている」

 リュックからビー玉を取り出して、ビッカーに現物を見せた。

 

「で、どうするのだ?」

 

 ビッカーは少しだけ考えたようだが、納得がいったのか、

「分かりました。12個頂きましょう。

 今後も長くお取引きをしたいので、12個で7万8000ナールでいかがでしょうか?」

「分かった。では、こちらに12個あるので確認してみてくれ」

 

 俺はテーブルの上に布を敷いて、12個のビー玉を丁寧に置いた。

 ビッカーが一つ一つ手に取って確認を始める。

 

 今日、7万8000ナールで次回以降は5万2000ナール。

 それが、あと四回で20万8000ナールか。

 

 思考がやや物騒だが、今日と残りで盗賊パーティ換算だと2パーティ分の懸賞金くらいか。

 

 やがて、ビッカーの方で確認が終わったようで、一度奥に下がってから代金を持ってきた。

 金額に問題ないことを確認して、金をリュックの中の小袋に仕舞った。

 

 その後は、ビッカーと情報交換。

 と言っても、こちらから出せる情報はハルツ公爵領の災害支援イベントくらいだ。

 ギルドに要請があった情報だから、ビッカーに流しても問題はないだろう。

 

 ビッカーの方に戦争関係の情報がないか振ってみたが、こちらは空振りに終わった。

 そう簡単に戦争の情報なんて手に入らないか。

 明日、ハルツ公爵のイベントが進めば少しはマシになると良いのだが。

 

 

 だが、ビッカーの口から出た次の情報はちょっと聞き流せない情報だった。

 

「ベイルの街も少し不穏な感じになってきました」

「不穏というと、具体的には?」

 盗賊が増え始めたとか?

 

「ベイルには主に2つの騎士家が詰めておりましたが、その片方が傾きかけているらしいです。

 傾きかけている騎士家の方は、迷宮でのモンスター討伐等を真面目にやっているようでした。

 ベイルの街の者としては、そのまま維持し続けてもらえれば良かったのですが、

 先日、迷宮で事故に出くわしたようで、死傷者が出たようです。

 その補償や人員補充がままならないようで窮地に陥っているらしいです」

「そうか、それは気の毒なことだな」

 これは、この前の魔物部屋の件か。

 

「ただ、こちらとしても貴族様の事には介入は出来ませんので、

 このまま見守るしかないというのが歯がゆいことでございます」

「なるほど、このまま進むとどのような事になるのか想像がつくだろうか?」

 

 ビッカーは少し考えているようだったが、やがて

 

「そうですね。傾いた騎士家の代わりに別の騎士家が派遣されるといったところでしょうか。

 ただ、そう簡単に代わりの騎士家が見つかるものかどうかは見当もつきません。

 それまでは、もう一つの騎士家が影響力を増すのかもしれませんな」

「そうか。だが平民が出来ることなど、たかが知れているので、

 このまま行く末を見守るしかないのであろうな」

 門番の男が言っていた、いけ好かない貴族の方が幅を利かせるのだろうか。

 

 ビッカーに情報提供の礼を言って、俺は商館を後にした。

 適当な木陰からワープして自宅に戻った。

 

・・・・・・

 

 食事と風呂を終え、会議の時間。

 

「明日は、ハルツ公爵の災害支援の作業に出向くので、

 基本的には俺は一日いないものと思ってくれ。

 迷宮探索は一日休みとなるので、各自自由に過ごしてくれてよい。

 それぞれ何か希望があるだろうか?」

「私達はレイモンドとモニカの服を買いに帝都の洋品店に行こうかと思っています。

 アミルさんに運んで頂こうと考えておりますので」

 私達というのは、どこまでを指すのだろうか?特に確認しなくても良いか。

 

「会計は俺がやるので、選んだ洋服は店員に預けておいてくれ。

 俺が後から適当に誰かを連れて、例の店に行って支払いを済ませてくる」

「はい。申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします」

 これで、エネドラ達の方は問題なしと。

 

 俺がヴィルマとイレーネの方に視線を向けると、

 

「イレーネと一緒に訓練している!」

 イレーネもコクコク頷いている。こいつらはそれで良いや。

 

「食事はどうするのだ?俺は昼食には多分戻れないから、皆、好きにしてよいぞ」

「では、朝食と夕食は準備いたしますので、

 昼食はその時の流れで適当に外食するなりを考えます」

 まあ、妥当な判断だな。

 ヴィルマとイレーネもエネドラが適当に差配するのだろう。

 そろそろ、全て自分が関わらなくてもやってもらえないと困るしな。

 

 そのあとはベイルで聞いてきたゴッゼル士爵の件をエネドラに説明。

 それに関連して俺の腹案も軽く話をして、対応を一緒に考えてもらうことにした。

 

 

「じゃあ、これで会議を終わりにする。明日は自由に過ごしてくれ」

 皆にお休みの挨拶をして、各自、自室に戻った。

 

 

■情報▼

【拠点名】クーラタルの邸宅<本城>(2/4)▶

 

【拠点名】ベイルの屋敷<支城>(1/4)▶

 

■人材育成/採用(ユキムラ)▼

ユキムラ(百鬼夜行Lv52/英雄Lv52/勇者Lv47/遊び人Lv52/魔道士Lv52/刺客Lv52/冒険者Lv31)

アミル(冒険者Lv23)、ヴィルマ(百獣王Lv22)、イレーネ(刺客Lv25)

チクルス(薬師Lv25)、レドリック(剣士Lv27⇒剣匠)

レイモンド(探索者Lv29⇒冒険者)、モニカ(剣士Lv26⇒剣匠)

【育成保留中】エネドラ(武器商人Lv47)、ポーラ(僧侶Lv29)

※アミル:隻眼のジョブ取得条件は不明のまま。装備品のスキル融合数を増やす

 ⇒後方支援メンバ、護衛メンバ、迷宮探索メンバを拡充予定(奴隷商館巡り)

 

■軍事(ユキムラ)▶

 

■商業/取引(ユキムラ)▼

①ビー玉(ビッカー):8個52000ナール(在庫:32個)

  ⇒次回より8個単位で売却。次回は30日後、ビッカーに納品。

 

②鏡(ルーク):2枚39万ナール(在庫:6枚)

 

③モンスターカード(サンゴ等数種類):ルークにオークション依頼中

 

④スキル融合防具(ルーク)    :頑強のダマスカス鋼大楯の等価交換提案中

 

⑤スキル融合武器(エネドラ知人):交渉の下ネゴ中

 

■開発(エネドラ)▶

 

■生産(チクルス/アミル)▶

 

■その他/クエスト▼

①カードハンターとの取引(ベイル)

 ⇒コボルトハンター経由で依頼中(5日後に来訪予定)

 

②ダマスカス鋼工房の対応(ドブロー)

 ⇒スキル融合防具の依頼の可能性有

 

③硬革工房からの依頼(ドブロー)

 ⇒肉3種を納品(ザビルの25階層攻略時?)

 

④ハルツ公爵の災害救助支援(クーラタルの冒険者ギルドに集合)【New!】

 ⇒明日、災害救助物資の輸送を行う。可能なら公爵と知己を得る

 

⑤ゴッゼル士爵への対応(ベイル)【New!】

 ⇒エネドラと対応を協議中

 

 

 ゴッゼル士爵の件に後ろ髪を引かれながら、原作本を読んで明日の予習。

 

 不意に肩をたたかれた。

 

 気づいたら、エネドラの顔が目の前に。

 

「すまない。ノックに気づかなかったようだな」

「ふふっ、よっぽど気を取られていたのですね」

 冷静を装いながらも、原作本を隠す。

 

「旦那様は隠し事が多いようですね」

「そのようだな。なかなかどう・・・・・・」

 

 エネドラに口を塞がれ、蹂躙された。

 いつぞやの商人の資質の話をした時のことが思い出される。

 

 口を解放され、一息つく。

 

「旦那様は働き過ぎではないですか?

 我々のことには気を配られているのに、ご自身のことをなおざりにしてらっしゃるのでは?」

「そうだろうか?自分ではよく分からないのだが。

 俺よりもエネドラの方が大変だろう?明日だって・・・・・・」

 

 また、エネドラに口を塞がれる。終始、ペースを握られっ放しだな。

 

 解放されて、エネドラを見るといつもと違う表情。

 少し、拗ねた少女のように見えなくもない。こんな表情もするのだな。

 

「明日の事よりも、目の前の事に集中されるべきでは?」

 

 確かにおっしゃる通りです。

 

・・・・・・





お読みいただき、ありがとうございました。
80話以上執筆して、ようやく災害救助支援のイベントに差し掛かりました。

1章には閑話等も入れると、まだ10個以上こなさないといけないイベントがありまして、100話までに1章が終わるか微妙な感じに。

でもボチボチやっていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。