異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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009.ベイルの迷宮(その3)

 今日は昨日よりは少し遅い起床となったが、とても快調な気分だ。

 昨日の迷宮探索が順調だった影響かもしれない。

 今日から2階のグリーンキャタピラーに挑む予定だ。

 1階層のニードルウッドも出てくるのだったか?

 とりあえず初戦はグリーンキャタピラーが1匹のみの集団を相手にしていくか。

 

 朝食を食べて、鍵を店主に預ける際に二泊延長を頼んだ。ついでに昼の弁当も受け取る。

 宿屋の裏から迷宮の2階層の小部屋にワープで移動。

 昨日と違い冒険者ギルドに寄らない分だけ、迷宮探索が早めに開始できている。

 

 クリアにするエリアを少しずつ広げながら、昨日同様に探索を進めていく。

 さっそく見つけた赤い点1つのものを目指すと、お目当てのグリーンキャタピラーだった。

 相手が背を向けているうちに距離を詰めて、一気にオーバーホエルミングから一閃すると一撃で煙となった。

 初回戦闘は慎重にしないとね。この階層もフラガラッハの通常攻撃一撃で問題なしと。

 

 距離を詰めさえすれば、魔法陣が現れる前に速攻で倒せる。

 グリーンキャタピラーが2匹いる集団はオーバーホエルミングを利用する。

 さっきは後ろから倒したけど、正面から見るとかなり不気味で気持ち悪い。

 可愛げのあるスローラビットでもキモい芋虫でもフラガラッハでブッ叩くだけなのだが。

 ドロップ品の糸は鍛冶師の加入を期待してキープしておこう。フロスにしても良いかも。

 

 初めての複数モンスターとの戦闘も特に問題はなかった。問題はないのだが気づいた点が。

 1匹目を倒しても、すぐにアイテムはドロップせず戦闘終了後にまとめてドロップするようだ。

 戦闘終了までの間、先に倒したモンスターのドロップ品が邪魔にならないので便利かも。

 ついでに最後に倒したモンスターの傍にまとめてドロップしてくれれば楽だったのだが。

 

 とりあえず魔物部屋以外の全てのエリアがクリアになるよう、探索を進める。

 糸はブランチと比べれば小さいのでリュックに結構入る。

 ひたすらフラガラッハをブン回して、たまにオーバーホエルミングを念じる。

 

 ニードルウッドとグリーンキャタピラーのペアで出てくると身長差がひどい。

 ニードルウッドをしっかり切り付けながら、抜き胴っぽくグリーンキャタピラーも斬る。

 ドワーフ族なら鍛冶師の条件を満たしたことになるのだろうか?

 そうだ、鬼人族の固有ジョブ取得条件を見つけないと。でも、3階層のコボルトで試そう。

 多分、コボルトは弱いのでやりやすいはずだ。モンスター狩りは続行だ。

 

「我ながら、バカじゃないだろうか?」

 少し息をはずませながら、独り言。

 朝から4時間ほどモンスター狩りをやっている。

 なんか柔道やってた頃の長時間の基礎練を彷彿させる感じだ。アレに比べれば全然楽しいが。

 別に汗だくで疲労困憊とかではない。我ながら今のスタミナと瞬発力に驚く。

 英雄の効果か、シックスジョブの効果か?その両方か?

 

 もしくは鬼人族には脳筋の種族特性があって、それに引き摺られているのだろうか?

 いやいや、俺は知性派のつもりだ。

 常にイロイロと考えているのだが、戦闘に入ると我を忘れている気もしないでもないが。

 集中力が高いということにしておこう。

 ただ作業感は半端ない。モンスターを倒す時だけ、スッキリ爽快になるのが救い。

 

 階層が上がってレベル2のモンスターになり、最大で2匹出現することと経験値系のスキル(200倍)のおかげで、昨日よりもレベル上昇がかなり早い気がする。

 それだけではないか、ソロ攻略しているのも原因か。

 パーティーメンバーで経験値を共有していないことも大きいのかもしれない。

 低階層だから6人パーティーの必要もないが、仮に6人と比べるのなら1200倍だ。

 ソロのチート攻略者ならではのレベリングかもしれない。

 

 探索者もLv25まで上がり、戦士と剣士のレベルに追いついた。

 薬草採取士は初級ジョブだからかLv22まで上がった

 英雄はさすがに上がりにくいのでLv18だが、戦闘面の貢献度は多分高そうだ。

 ファーストジョブは探索者に変更。多分、探索者が一番レベルが上がるのが早いだろう。

 

 もう少しすればレベルキャップに引っかかって、レベル上昇が頭打ちになるはず。

 モンスターの数も4階層からは最大3匹だ。

 3匹ぐらいなら、今のレベルのゴリ押しでなんとかなるかもしれない。

 4階層あたりから攻略法を変えるかを考えよう。

 それまでは今のボーナスポイント編成でレベリングを続けてみる。

 

 レベル上昇の余ったボーナスポイントで結晶化促進を16倍にしたので、青魔結晶になった。

 糸も40個を超えたし、ボス部屋の前の待機部屋も突き止めた。

 この階はドロップ品の人気が少ないのか、他のパーティーはほとんどいないようだ。

 魔物部屋は今回もスルーだ。魔物部屋の面積は1階層と同じようだ。

 

 腕時計を見るとまだ正午前だが、2階層ボスを倒してから昼ごはんにしよう。

 ボス部屋前の待機部屋に誰もいないことを確認してワープで移動。

 攻略中のパーティーはいないので、そのまま侵入してボス戦の開始だ。

 階層ボスはホワイトキャタピラーだが、今回もオーバーホエルミングとラッシュ、スラッシュの前にあえなく煙となって消えた。

 ドロップアイテムは絹の糸。何か使い道があったっけ?まあ、取っておくか。

 ボス周回は特に魅力がなさそうなので、3層階に抜けて午前の探索は終了とした。

 

 

ユキムラ タケダ(鬼人族 ♂ 17才 自由民)

探索者Lv25 戦士Lv25 剣士Lv25 英雄Lv18 僧侶Lv25 薬草採取士Lv22

装備 フラガラッハ アルフレイル 皮の靴

所持金 24万6530ナール

 

 ボーナス装備は仕舞って、ほむらのレイピアと鉄の鎧を取り出して装着。

 冒険者ギルドの壁にワープした。アイテムの売却はいったん保留。

 一度、宿屋に戻ってボイルから鍵を受け取り、自室に戻って買っておいた弁当を頂く。

 普通に美味い。運動した後の味覚補正かもしれないが、明日の朝も忘れずに買っておこう。

 

 探索者のレベルが爆上がりしたおかげで、アイテムボックスに余裕がある。

 大量の糸やブランチも袋に移し替えず、そのまま収納しておこう。

 

 手ぬぐいを濡らして顔を拭き、休憩を少し取った後に午後の探索開始だ。

 

 コボルトは予想通り、通常攻撃で倒せることを確認。

 初めに転移した村で狩りまくったから、親近感すらある。

 昨日やり忘れた鬼人族の固有ジョブ取得のチャレンジを行うつもりだ。

 

 コボルト以外が混じるモンスター集団は通常のやり方で倒し、コボルトのみの集団に試す。

 

 まずは、フラガラッハとほむらのレイピアをそれぞれ左右の手に持つ。

 一方は両手剣、もう一方は片手剣だが、腕が4つあるので問題なく持って剣が振れる。

 試しにほむらのレイピアではなく、両手剣の鉄の剣でやっても問題ない。

 両手剣を2つ持っても頭が混乱することなく、剣が振り回せるのは不思議な気分。

 傍から見るとかなり異様な光景だろう。誰にも見せられないな。

 まあ、今回はほむらのレイピアでいこう。

 

 まずは初回のターゲットはコボルト1匹なので、通常攻撃でほむらのレイピア、フラガラッハの順番で切りつけてコボルトを倒す。

 新ジョブは取れていない。これは外れと。フラガラッハを仕舞ってデュランダルを取り出す。

 

 次はコボルト2匹の集団に、オーバーホエルミングを使って、1匹目をほむらのレイピア、デュランダルの順番で切りつけて倒す。

 残った1匹をいなしながら、再度、1匹目と同じ手順で倒す。これも外れと。

 

 次のコボルト2匹の集団は1匹目のコボルトをオーバーホエルミングでほむらのレイピアで、ラッシュ、スラッシュの連続攻撃で倒す。

 2匹目はデュランダルの通常攻撃で倒す。おっと、これが条件か。

 デュランダルは戻して、フラガラッハを装着と。

 

ジョブ 鬼武者

効果 腕力中上昇 体力小上昇 敏捷小上昇

スキル 戦闘回数増加 小荷駄隊(2人)

 

 えーとナーロッパ仕様だったのに、急に和風テイストのナッポン仕様になったような?

 そうでもないか。オーガ族ではなく鬼人族の時点で和風だったか。

 オーガ族だったら、石投げられていた気もする。

 

 近接戦闘寄りだが、なかなかのものではないだろうか。

 というか、効果見る限りは脳筋種族確定?

 今のところ、出番の少ない僧侶を外して鬼武者に付け替えた。

 

 それにしても戦闘回数増加は二刀流という意味なのか、戦闘の回転数が上がるという意味なのだろうか?

 鬼武者のジョブ取得前から二刀流というか、剣2本持てたから後者なのか?

 まあ、戦いながら確認していけばよいか。

 

 うん?今更だけど片手剣だと4本持てたりするのだろうか?

 そっちの方が戦闘回数増加じゃないか?

 複数武器を使いこなすには多分、筋力というか腕力依存なのだろうけど、複数ジョブでなんとかならないだろうか?

 なんかファンタジーの定番モンスターのアラクネっぽくない?

 ますます世間様に見せられない姿になっていくような。

 

 状態異常のスキル山盛りつけたエストック4本持たせた暗殺者に博徒で支援しながらオーバーホエルミングで攻撃したら最強じゃない?

 ロマン武器というか、ロマン種族のロマンジョブ?

 傍から見ると、どっちがモンスターなの?・・・・・・というのは置いておいて。

 索敵スキルはもはや手放せないな。『闇に隠れて生きる』という感じだろう。

 

 あと小荷駄隊って何だろう?2人を荷物運びに指定できるってことか?

 ポーターでもなく小荷駄?現在はソロだし今は関係ないかなぁ。

 まあ、パーティー組むようになってから試してみよう。

 

 探索者、英雄、鬼武者を常時ジョブにして、レベルの低いジョブのレベル上げをやろう。

 殲滅の効率化を考えると、戦士と剣士は常にどちらかつけておいた方が良いだろう。

 あとはアラクネっぽい戦闘も試すか?ちょっとワクワクしてきた。

 

ユキムラ タケダ(鬼人族 ♂ 17才 自由民)

探索者Lv25 英雄Lv18 鬼武者Lv1 戦士Lv25 薬草採取士Lv22 商人Lv15

装備 フラガラッハ ほむらのレイピア アルフレイル 皮の靴

所持金 24万6530ナール

 

 探索を再開。

 

 モンスター集団にフラガラッハ、ほむらのレイピアの二刀流(?)で攻撃をしかけて倒す。

 うーん、よく分からないがなんとなく先ほどより二刀流の戦いがスムーズな気がする。

 スキルの戦闘回数増加の恩恵なのか、鬼武者の腕力や敏捷の上昇効果なのかは不明。

 

 未開拓のエリアを次々にクリアにしながら、コボルトに拘らずドンドン殲滅していく。

 うん、絶好調だ。

 新ジョブの効果というより、俺のノリの良さで殲滅効果が上がってるのかもしれない。

 ちょっとした万能感を得てしまうが、油断大敵だ。

 

 オーバーホエルミングがあってもなくても、短時間でコボルトもニードルウッドもグリーンキャタピラーも関係なく屠っていく。

 脳筋全開モードだ。知性派に戻れるのか不安になるぐらい。

 

 この階層の探索もかなり進み、一部の未開拓エリア(多分、魔物部屋)とボス部屋近辺の一部のみとなったところで・・・・・・通常のモンスターの動きと異なる赤い点4つが見えた。これはアレだな。

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