昼食を終えて、出発の準備。
階下に降りるとエネドラが見送りに来てくれている。
これから行く場所は、ひっそりと行こうかと思っていたのだが。
「では旦那様、私はカラダンへの説明と午後から届く家具の移動や掃除を指示しておきます」
「ああ、よろしく頼む」
エネドラが統括してくれれば心配ないだろう。
カラダンがエネドラの補佐をしてくれるようになる日が待ち遠しい。
そして商人の片腕ができたら、次は家事の片腕が欲しくなる。
そちらは今はチクルス以外ではポーラが担っているが、やがて産休になるので別の者を用意しておきたい。
段々と贅沢になっていくな。
ケリーとマリーを受け入れて、迷宮組以外の陣容も厚くなるだろうが、まだまだ増やしたい。
今後もっと忙しくなるから、その前に済ませておきたくて午後のイベントを入れたのだよな。
玄関から目的地にワープ。
だだっ広い空地というか丈の短い草原。
ここは、異世界に転移して初めて訪れた村の近くの森だ。
コボルトとスローラビットを散々狩って、レベル上げした場所。
あの時は初めてオーバーホエルミングを詠唱したりと、舞い上がっていたな。
40日ぐらいしか経っていないのに、無性に懐かしく感じる。
(索敵)
さすがに、赤い点が結構あるな。
スローラビットとコボルトだろうけど。
村への用事が終わったら、少し減らしておいた方が良いだろうか?
ん?
赤い点が2つ連れだって移動している。
これって、まさか盗賊?モンスターの動きにしては不自然だ。
昨日は散々討伐したから、もうお腹いっぱいなのだけど。
とりあえず、相手から離れた物陰から、
(鑑定)
盗賊Lv32と盗賊Lv14か。
一人のレベルは、かなり高い。
二人だけなら、この村でもどうにか対応できるだろうが、他に仲間がいるとヤバいな。
前にやった狩りでエリアをクリアした所を歩いているから、索敵のマップで追尾は可能だ。
未確認のエリアまで移動したら距離を詰めるか。
距離を取りながら、盗賊二人を追跡。
索敵で前方をクリアにしているので、かろうじて追跡はできている。
やがて、二人の盗賊は小屋のような建物に入っていった。
建物に入られてしまうと、中を索敵で確認する事ができない。
さて、どうするか。
まずは、村に行って状況を確認しよう。
まさかと思うが、既に盗賊集団に制圧されているという最悪の事態だってありえるかも。
なんか、悪い想像をしてしまったせいで急に不安になってきた。
村に急ごう。
先ほど自宅からワープした先の、近場の木の幹へワープで移動。
急いで、村の門へと向かった。
村の門に近づくと、索敵スキルのマップで、村の一部のエリアが見えた。
普通に青い点が複数動いている。赤い点は存在しない。
これなら大丈夫か。
近づくと、門のそばにいた自警団っぽい若者に誰何された。
「先日、この村で盗賊集団を撃退するのに加勢したユキムラだ」
「あっ、そう言えば・・・・・・あの時はありがとうございました」
この若者も俺のことを思い出してくれたようだ。
申し訳ないが、俺はこの若者のことを全然覚えていない。
「村長に相談があるのだが、門を通っても良いだろうか?」
「はい、大丈夫です。今、村長に先触れを出します。このまま私と向かいましょう」
大袈裟になってしまったが、案内してくれるのなら断る理由もないか。
若者に連れられて、村長の家に。
家の前に村長が待っていてくれたようだ。懐かしい顔だ。隣に奥さんもいる。
挨拶を一通りした後、訪問の目的を伝えた。
「この村からもらった『ほむらのレイピア』は迷宮でもかなり使わせてもらった。
先日、より強い武器を手に入れたので、この剣は村に返そうかと思っている。
まだまだ盗賊が蔓延っているので、この村の自衛のために役立ててほしい」
「ユキムラ様に差し上げたものですから、お気になさる必要はございませんが」
いやいや、さっきの赤い点のこともある。やっぱり気になるんだよ。
散々使ったと言ったが、実はあまり使っていないので返却しても問題ない。
一度だけ、お風呂を沸かすための湯かき棒(ハンディボイラー)にしようとした事も内緒だ。
「いや、泊めてもらったり、ベイルに送ってもらったりと世話になった。
この剣も元の所に戻った方が、今よりも役に立つであろうから、是非受け取ってほしい」
「左様ですか。そこまでおっしゃるのなら頂きます」
素直に受け取ってもらえて良かった。
「最近、この村や近くの村に盗賊団が出没するという噂が流れていました。
ほむらのレイピアは丁度よい自警団の強化になります。
なくても、それなりに戦えますが、あれば戦いを有利に進められるのは間違いないでしょう」
村長の横にいる屈強な男が盗賊情報を披露してくれた。
おっ、この男は唯一単独で盗賊と戦える者だったか。
確か原作では、美人のティリヒさんの旦那さん?
それはソマーラ村の話か。この村ではどうなのだろうか。
ここの村長の名前もソマーラではないし。
間男じゃあるまいし、『あなたの奥さんの名前や容貌は?』と唐突に訊くことはできない。
「それと、この村・・・・・・えーと、そういえば、この村の名を聞いてなかったな」
「はい。『はじまりの村』と呼ばれています」
えっ?
(鑑定)
この村長の名前は『ハジマリノ』ではない。
「申し訳ないが、よく聞こえなかったのでもう一度、村の名を言ってくれないだろうか?」
「はい。『はじまりの村』と呼ばれています」
聞き間違いではないのか。俺の異世界言語スキルがバグったのかと思ったよ。
「ハジマリノ村?」
「はい。『はじまりの村』ですが、何か問題でも?」
いや、問題というか・・・・・・。
「村の名前を呼ぶ村民もほとんどいませんので気にしたことはありませんが、
私が生まれる前からその名前でしたね」
いや、気にした方が良いのではないだろうか?
「その、この村には突然、旅人がやってくるとかは頻繁にあるのだろうか?」
「えっ?普通、旅人は突然やってくると思うのですが・・・・・・」
いや、そういう意味ではなくてだね。
突然、馬小屋の傍に人が現れたりとか。
まあ、別に良いか。これ以上突っ込んでも負けな気がする。
はじまりの村となると、簡単に盗賊に滅ぼされてしまうとイロイロと拙い気がする。
主に後から来る人達が困ることに。ホントに後から来るのか分からないけど。
異世界に転移して、いきなり廃墟の村だと困るよな。
盗賊も見向きもしなければ英雄ジョブが取れないし、食料がなければ餓死してしまう。
俺だったら、サバイバルスタートの異世界生活はノーサンキューだ。
とにかく、我が家で余剰で抱えている武器や防具をこの村に寄贈してしまおう。
鉄の剣10本、銅の剣17本、鉄の槍3本
革の鎧15個、皮の鎧15個、革の靴15個、皮の靴15個
正直、この数を寄贈しても、あまり減った気がしない。
売るほど余っているとは、このことだ。
既に、この村は村長や村民も合わせて全員青色の状態。
これ以上のステータスの変化はないだろうが、『はじまりの村』と聞いてしまった以上は装備品を渡して、村の防衛力を強化してもらいたいと切に願う。
村長は非常に恐縮していたが、もう押し付けて村を去ることにした。
さっきの盗賊達も気になるので、可能なら殲滅しておきたい。
村長に伝えると、また討伐報酬を・・・・・・となって、剣を返却されても困るので黙っておこう。
もし問題があるようなら、改めて伝えるだけだ。
村長たちの視界から消えたところで、急いで先ほどの小屋へと向かった。
索敵のマップで周囲を確認しながら、用心深く近づく。
小屋の外・・・・・・近くに赤い点がいくつか存在する。
結構、盗賊達は大勢いるのだろうか?
いや、これは違うな、モンスターと戦っているのか。
接近した赤い点二つのうちの一つが消えた。
鑑定してみると、生き残ったのはさっきのレベルの高い方の盗賊Lv32だ。
小屋の周囲のモンスターを間引いて、安全を確保しているのかもしれない。
むっ、索敵のマップの端にまた赤い点が増えた。
しかも二つ連れだって同じ方向に向かっているからモンスターではないな。
赤い点二つのそばに、更にグレーの点が二つ存在する。
これは盗賊落ちしてはいないが、盗賊を支援する協力者だろうか?
いずれにしても、鑑定で確認してみないと分からないな。
近くに来るまで、隠れていよう。
索敵のマップを見ていれば、四人の位置は分かるのでリスクを冒して顔を出す必要はない。
通り過ぎたところを後ろから鑑定しよう。
・・・・・・
そろそろ、大丈夫かな。
(鑑定)
ラルゴ(人間族 男 37才)
冒険者Lv12
装備 ダマスカス鋼の剣 竜革の鎧 硬革の靴 硬革のグローブ 身代わりのミサンガ
ギエロ(人間族 男 31才)
戦士Lv36
装備 エストック 竜革の鎧 硬革の靴 硬革のグローブ 身代わりのミサンガ
ヘルミーネ(狼人族 ♀ 27才 奴隷)
戦士Lv32
ラファ(狼人族 ♀ 14才 奴隷)
巫女Lv4
赤い点の二人とも盗賊ではないぞ。なんだこれ。
男二人が赤で、狼人族の二人はグレーで奴隷か。
それにしても、戦士と巫女の奴隷とは訳アリか?
奴隷二人は後ろ手に縛られているようだ。
探索者の赤い点は見たことがあるが、冒険者と戦士の赤い点は初めて見たな。
赤い点2つの男の装備品はかなり良いもので、身代わりのミサンガまで装備している。
デュランダルの連撃で簡単に必殺とはいかないから注意が必要か。
そもそもリスクを冒して強襲するかどうかも考えものだな。
まだ、相手の戦力が全然分からないのだから。
小屋の中にも、この二人と同じ戦力の者が何人もいたら、流石に俺一人では危険過ぎる。
ただ、誰かに助けを求めるにしても、この二人は表面的には盗賊でもないし、赤い点が見えているのは俺だけだから罪を問うこともできない。
どうしたものか。
赤とグレーの4つの点は、小屋に向かって歩いていく。
途中、Lv32の盗賊と合流して小屋の中に入っていった。グルということか。
小屋の周囲から探ってみるか。情報が無ければ、何も判断できない。
まずは小屋の遠くから森の木や林といった隠れる場所に沿って、周囲をグルッと回ってみる。
小屋の窓が面している方向は視界が結構開けているな。
開けているが、ここと小屋との間に大きな沼があって、ちょっと邪魔だ。
窓に面した方向からは遠くからじゃないと小屋を見ることができないな。
窓から視界が通れば、索敵スキルである程度は部屋の中がクリアになる。
視界が通らない所はどうしようもないが、それでも全然マシなはず。
相手が部屋の中を動き回ってくれれば鑑定ができるチャンスがあるか。
いや、この距離では、鑑定も無理か。
索敵の有効範囲ですらないのだから、鑑定するのは全然無理な距離だ。
こちらが隠れられる場所から窓の先の部屋はスキルの射程外で鑑定も索敵もできないか。
何か方法がないだろうか?
あっ、元の世界から持ってきたモノがあったな。
索敵で一度周囲を確認して、クーラタルの自室にワープで移動。
クローゼットの奥から元の世界から持ってきたリュックの中身を漁る。
あったあった、少し小ぶりの双眼鏡が。
別の用途で使おうと思っていたけど、今の今まで忘れていた。
これで、部屋の中を覗ければ索敵が有効になったりしないか。
やってみないと分からないので、元の場所にワープで戻った。
これで索敵の範囲が・・・・・・広がったりはしないのか。
索敵スキルの範囲はあくまで物理的な距離に依存するのか。
遠くが見えるもので確認して距離を稼ごうとするズルはダメだと。
だけど、ワープ先は広がるみたいだな。
ワープは距離に依存せず、物理的に視認ができればワープ先として指定は可能と。
遠くてぼんやりとした壁だとワープはできないが、双眼鏡でハッキリと見えれば可能だ。
これで、万が一の時はワープで強襲は可能になったか。
流石に今の状態では危険過ぎて、強襲なんてできないけど。
あとは、死角から近づいて窓の外から情報が得られないかチャレンジするか。
おっと、誰か出てきた。
索敵のマップに赤い点が一つ出現して、小屋から遠ざかっている。
ワープで移動して、鑑定で確認するか。
赤い点の後方の繁みにワープで移動して後ろ姿を鑑定する。
既に予想はついているが、ちゃんと確認しておきたい。
(鑑定)
ラルゴ(人間族 男 37才)
冒険者Lv12
装備 ダマスカス鋼の剣 竜革の鎧 硬革の靴 硬革のグローブ 身代わりのミサンガ
後ろ姿から、冒険者の方だと思っていたが間違ってはいなかったか。
それにしても、こいつは冒険者なのに何故フィールドウォークで移動しないのだ?
俺のように索敵スキル持ちでクリアにしたいエリアを広げている訳でもあるまいし。
この近くの村が『はじまりの村』だから、こいつも異世界転生者って訳じゃないだろうな?
考えているうちに、どんどん小屋から離れていく。
こいつの行き先が気になるが、小屋の方がもっと気になる。
仕方ない、小屋の方に戻ろう。
小屋に戻ると、また一人出てきた。
今度は、戦士のギエロって奴だ。
だが、ギエロは冒険者の後を追うのではなく、その辺をブラブラしているようだ。
いや、別にブラブラしている訳ではないのか。
先ほどの盗賊Lv32と同じく、モンスターを間引いているのかもしれない。
案外、ウサギの肉やコボルトソルトの調達をしているだけかもだが、小屋から離れたのはこちらにとって都合が良い。
一人ぐらいなら殺れるか。いや、そう単純に考えてはダメだ。
昨日の盗賊討伐作戦の感覚が抜けきれないのか、考え方が物騒な方向になってしまう。
そもそも、この件に絶対介入しなければならない訳ではない。
タケダ家が損する訳でもないのだし。
ただ、この『はじまりの村』で、盗賊と奴隷、そして赤い点か。
・・・・・・やはり放置するのはダメな気がする。救出するか・・・・・・我ながら甘い考えだ。
それはそれとして、あの奴隷二人を無条件に信用するのも危険な気がする。
このギエロに対しては・・・・・・対処法があるか。
今はチャンスを窺おう。
ギエロとモンスターの戦いが始まった。
だが、こいつは強いから直ぐに終わってしまうだろう。
(オーバーホエルミング、オーバードライブ)
瞬時に、ギエロの背後に近づいた。
(状態異常耐性ダウン)
スキルを使用してからの硬直のエストックの高速突き・・・・・・っと。
ギエロは驚いて振り返ったが、もはや手遅れだ。
石化が始まっているようで、動きが緩慢だ。
そして、生薬を取り出す素振りもない。
というか、咄嗟のことで何をされたか理解できていないのだろう。
鑑定しても、身代わりのミサンガは切れていないようだ。
最悪、一度ならミサンガが切れても石化さえしてくれれば良いぐらいに思っていた。
ギエロは簡単に殺せない。冒険者のラルゴとパーティーを組んでいる可能性があるから。
パーティーを組んでいた場合にギエロが死んだら、こいつのパーティー効果が確認できなくなる。
そして、ギエロに何かあったのかとラルゴにバレてしまう可能性がある。
ギエロが戦っていたスローラビットをデュランダルで煙に変えた。
とりあえず、石になったまま生きているギエロを繁みの奥の方に運ぼう。
多少重くなっているが、俺のセブンスジョブの腕力編成なら問題なく運べる。
身代わりのミサンガも念のため回収しておこう。
こいつは、リュックも背負っていないし、懐に何も入れないな。手ぶらで狩りに出たのか。
この状態で復活することはないと思うが。
ギエロはうつ伏せの状態でひっくり返しておこう。
ウサギやコボルトに小突かれて死んだら止む無しだ。
索敵のマップで確認する限り、まだラルゴが戻ってくる気配はない。
直ぐに戻ってくることはないが、ずっと戻ってこないということもないだろう。
アイツらの身分や置かれている状況は全く分からないが。
もう少し情報を得るために、小屋の死角の壁にワープゲートを開いて移動。
音を立てないようにゆっくりと壁に沿って移動。
窓の開いている壁の角まで慎重に移動した。
声が窓からどの程度聞こえるか。
・・・・・・
二人の異なる男の声が聞こえる。
奴隷女の二人の声は聞こえない。
無口な奴がアイツらの仲間にいたら、確認できないな。
だが、窓から聞こえてくる音からすると、小屋にいる人間の数はそれほど多くはなさそうだ。
敵は多くても3、4人か。
オーバーホエルミングとオーバードライブをかけながら、窓から強襲すれば何とかなるだろう。
(オーバーホエルミング)
窓から覗き込み、状況を確認。部屋にいるのは先ほどの盗賊二人だけだ。
急いで敷居をまたいで部屋の中に侵入。
(状態異常耐性ダウン)
盗賊Lv32を硬直のエストックで高速刺突。
確認は後だ。もう一人の対応を先にしよう。
(オーバードライブ、状態異常耐性ダウン)
盗賊Lv14の方も、硬直のエストックで高速刺突。
あっ、盗賊Lv14の方は死んだな。悔やんでも仕方ないが。
盗賊Lv32の方に目を向けると、何かをしゃべりたくてもしゃべれない状態だ。
さっきのギエロと同じく、何が起きたか分からないうちに石化が始まったのだろう。
索敵で周囲のマップを確認。
外にはモンスターの赤い点が少しと、繁みに転がされたギエロの赤い点。
ラルゴっぽい赤い点、小屋に真っすぐ向かってるような赤い点はない。
小屋の中は、赤い点が1つとグレーの点が2つのみ。
部屋の中を見回すと、狼人族の女二人が口に猿ぐつわを噛ませられて転がされている。
目で何かを訴えかけているようだ。
猿ぐつわを解いて会話する前に、先に俺のパーティーに入れてしまおう。
「俺はお前達の状況を理解していない。
お前達がこの盗賊っぽい奴の敵なのか味方なのかも知らないし、
お前達が俺の味方なのかも分からないということだ。
つまり、お前達を信用できないってことだ。分かるか?」
ヘルミーネという女性は目に涙を浮かべながら頷いた。
「今から俺の質問に正直に答えろ。
少しでも嘘をついているような口ぶりだったら、お前達はこのまま置いていく。
理解したのなら首を縦に振れ。このまま、ここに残りたければ首を横に振れ」
彼女は首を縦に振った。
「お前達は・・・・・・さっき初めに出て行った男、ラルゴというらしいが、
その男のパーティーに入っているか?」
ヘルミーネは首を横に振った。
この二人がラルゴのパーティーに入っていた場合、二人を俺のパーティーに加えた時点で何かがあったとバレてしまう。
「お前達二人は奴隷か?」
彼女は少し躊躇った後に、首を縦に振った。
正直に質問に答えたな。
「お前達の主人は、ラルゴかギエロって男か?」
今度は首を横に振った。
「お前達の主人は誰か決まっているのか?
決まっていたら首を縦に振れ。決まっていなければ首を横に振れ」
彼女は首を横に振った。自己申告では主人はいないと。
所有者がいる奴隷の主人を変更したら、どこかで足がつくかもしれないがこれなら大丈夫か。
必要なら、インテリジェンスカードを表示して確認するが、今は流石にできない。
「では、俺のパーティーに入る気はあるか?入らないのなら、ここに置いていく」
ヘルミーネは涙目の状態で、首を縦に振った。
パーティー編成の呪文を詠唱して、二人をパーティーに加える。
空きは二人分あるので、問題はない。
この二人のジョブ確認もしておくか。
ヘルミーネ(狼人族 ♀ 26才 奴隷)
戦士Lv32
(控えのジョブ)
ラファ(狼人族 ♀ 14才 奴隷)
巫女Lv4
(控えのジョブ)
騎士と魔法使いだと?地雷じゃないか!
お読みいただき、ありがとうございます。
初めに訪れた村、名前を決めるのをすっかり忘れていました。
私のネーミングセンスはこんなものです。
やっぱり、ソマーラ村にしておけば良かったかなぁ・・・・・・と少しだけ後悔しました。