スクワッド:公安特別捜査隊専従班 作:松コンテンツ製作委員会
「国会議事堂が襲撃された!?」
「籠城犯は玩具に偽装した銃で武装している模様!」
警視庁に第一報がもたらされ、報告は稲田大成警視総監の耳に入った。
「まず状況を把握し要人の無事を確かめろ! 私が指揮を取る」
稲田大成は制帽を被り直した。
「国会開会式が開かれていたはずだが、陛下は?」
「天皇陛下のお車と連絡が取れません!」
「特捜専隊が近くにいたはずだ、守り参らせよ!」
稲田が決断する横で、法制担当のスタッフが意見を述べ合う。
「即、突入するべきでは?」
「日本は三権分立だ。警察が立法府においそれと踏み込めるか」
『番組を中断してお伝えします、先程国会が何者かに襲撃されました』
『こちら特捜専隊、了解、現急します』
桜祐警部、大河内和夫二佐らが天皇をお救いするべく車を飛ばす。
『こちらカムヤマト! 賊に襲撃された!』
御料車はパンクし、今にも防弾ガラスが破られそうだ。
『ちい!』
大河内は車両を御料車を庇うように滑り込ませた。
『こちとら防弾なんだよ! 陛下に指一本触れさせねえ!』
頭を低くして、特捜専隊は後部座席から天皇を救い出す。
『陛下、お聞きください。お車を移ります。味方がやられても立ち止まらないでください』
強い口調だったが、天皇は頷いた。
『よろしいですね、参ります!』
『お乗せしたな! 出すぞ!』
車は離脱した。
「カムヤマトは特捜専隊が救出しました! 警視庁で保護します」
「よし。天皇陛下まで襲撃か……裏には必ず影の帝がいる」
* *
「あれはなんだ」
地下通路から進入した警察の特殊部隊は、消火の配管からガスが噴き出しているのを見咎めた。
「なぜ噴き出している!?」
「可燃性かもしれないぞ!」
「地下通路からの進入は不可能!」
一方、衆議院本会議場では、黒スーツの男が扉を開け、内閣総理大臣に向けて弁舌を披露していた。
「我々は本気だ。はじめまして総理」
その声は慇懃ながらも強い怨嗟が込められていた。
「いや、私のことなど知らないでしょうな、畠山元警備局長殿!」
畠山正晴内閣総理大臣は眼鏡を光らせた。
「何者だ」
「お前の指示で婚約者を敵地に置き去りにされた、警視庁公安部外事二課の警部、山本剛志だ!」
「山本…山本警部か!?」
「国会議事堂は我々の支配下にある。これよりアバンギャルドと有志は日本国政府に対し公開質問を行う。この議場は中継されている。我々はこれより、国家権力がいかに腐敗しているか糾弾する!!」
議場がどよめいた。
山本は銃を構え、品定めするように議席に銃口を向けて動かし、動きを止めた。そこは民自党幹事長野村一郎の席だった。
「民自党幹事長野村一郎、演壇に立て」
「はあ? 聞こえんな?」
銃声が耳をつんざいた。
「早くしろ」
「ひ、ひいい」
野村が自席から演壇に行ったのを睨みつけて、山本剛志は、銃を再度構える。
「お前は民自党からの活動費50億円を手元に溜め込んだな?」
「知らん」
「ほざけ!」
再度、銃声が轟いた。
野村は震える。
「大馬鹿者が! こんなことをして何になる!」
畠山総理大臣が拳で机を叩いた。
「今この瞬間に隣国が攻めてきたらどうする! 貴様らは国家の存亡を危うくしとるんだ。そんなこともわからんのか!!」
山本は銃を下ろしたが、視線は畠山を睨みつけている。
「その隣国に公安外事警察を送り込み、見捨てた! あなたこそ国を滅ぼしかけたんだ!」
山本の銃を握る手はわなわなと震える。
「畠山警視監の政界進出のためにそのことは隠蔽された。あなたは黒部元総理から入閣を打診されていたのだからな!」
警察庁では、公安警察の裏の理事官、中村照警視正がほくそ笑む。
「うむ、ここまでは予定通りの台本だ」
「だが畠山総理大臣。あなたは影の帝に逆らえない立場だ」
予定外の発言に中村照は固まった。
「何を言っている」