デュエマプレイヤーは「カードが全ての学園島」で成り上がるそうです。 作:タク@DMP
「アビスベル=ジャシン帝。彼は、突如空から降ってきた暗黒剣により魂と肉体を分かたれてしまいました……これは前の授業でやったところですね?」
──その日の最後の授業は、おじいちゃん先生が担当の現代文だった。
しかし、授業で取り扱う文の内容は──デュエマプレイヤーからすればあまりにも聞き覚えの在り過ぎるものだった。
背景ストーリー。デュエル・マスターズに限らず、カードゲームではその世界観を描いた物語が簡易的なテキストで描写される。
それを詳しく書き綴った小説を、この世界の授業では現代文として取り扱っているのである。
イカれてるのか、と照陽は激しく思った。
(正気か? この島の授業……って思うところは沢山あるけど、これは最たるだな)
「魂だけの存在となったのが《
「ハイッ! 暗黒剣の執り行った儀式で《悪魔世界ワルドバロム》誕生の生贄にされた、デスッ!」
「その通り。まあ色々間がすっぽ抜けてますが、全部説明すると長いのでこれが模範解答ですね。此処、テストに出るからよく覚えておくように。今年の共通テストでも出ることでしょう」
(本当に正気の沙汰じゃねえ)
《アビスベル=ジャシン帝》は現行のデュエル・マスターズのストーリーの主役だ。
メディアでも漫画やアニメの主人公が使っているだけあって、活躍がピックアップされている。
そんな彼のストーリーでの現状は──肉体と精神が別たれているというもの。
精神のみとなり、更にパワーアップした《邪魂の王道 ジャシン帝》。
そして肉体は──《悪魔世界ワルドバロム》。史上最大のデーモン・コマンドの王の礎となった。
「しかし、《ワルドバロム》は《ジャシン帝》が触れただけで突如崩壊……後に残ったのは、魂が抜けた肉体のみ」
(僕、この先の展開知ってる。背景ストーリーは全部チェックしてるし)
欠伸をして照陽は居眠りすることにした。
昨晩は遅くまで澪音と調整をしていたからである。
この後にはランクマッチが控えている。眠気を残したまま対戦に望むわけにはいかなかった。
「──ワルドバロムの魂を失ったジャシンの肉体は……世にも恐るべき”蛇神”となって独りでに暴れ出したのです。その名は──」
(……そう言えば)
まどろむ意識の中、照陽はふと思い出す。
(空木さん、ランクマッチ出るって言ってたな……あれから返事、帰ってきてないけど……大丈夫なのかな……)
※※※
「さぁて、少年少女諸君ッ!! 眠い授業の時間は終わりだッ!!」
──14:00。
その日の授業は早く終わった。
ランクマッチへの参加を申請した生徒達に向けて、理事長による有難い校内放送が掛かる。
それで照陽は目を覚ます。
「やっべ、もう時間か……ッ!!」
「試合形式は事前に告知した通り、行き当たりばったりのフリーマッチだ。試合結果をDMデバイスに登録していき、勝率が最も高かった者から3人がリーグ戦のメンバーとなる」
「腕が鳴ってきたぜェ!! アドレナリンがドーバドバドバァ!!」
「……フッ、この私が今回リーグ戦のメンバーに選ばれる確率は99.9%ッ!!」
「……まあその為には──この教室にいる最強クラスの二人を倒さなきゃいけないがね」
学内には大量の対戦台が置かれている。
これはこの島の学園ではさして珍しい事ではない。
対戦相手を次々に探していき、そして倒していくというものだ。
「ダーリン、今起きたノ? 呑気なんだかラ!」
「ごめん、眠くて……」
「制限時間は5時間ッ!! その間に、出来るだけ多く勝ち数を稼げた者が優勝者となるッ!! また、3回の敗北で強制的なドロップとなるので注意してもらおう」
まあ、小難しい事は事前に通達した通りだ──と瀬野理事長は言った。
「──
「……そうだね」
同意するように照陽は頷いた。
周囲のクラスメイト達の中にも参加者が居る。
「──天戸ォ!! オマエは一回、戦っておきたかったんだッ!!」
「今此処で俺達と勝負しろォ!!」
照陽はデッキを握った。
既に、ランクマッチに参加していない生徒達は逃げるように帰宅している。
この日、無銘学園は──戦場と化した。
「それじゃあダーリン、またあとでネ☆」
「あ、白銀さん!?」
「二人共同じところで戦ったら、獲物を食い合っちゃうデショ? 別々に狩った方が効率的じゃなイ!」
「獲物って……」
教室から逃げるように出ていく澪音。
だが──最後に彼女は手を振って言った。
「ま、当たったら絶対私が勝つケド! ダーリン♡」
「……そうだね。楽しみにしておくよ」
照陽は──目の前に立ちはだかるクラスメイト達を前にデッキを構える。
「いいよ。全員、ゴッ倒す」
教室内には既にテーブルが用意されていた。
「──対戦、よろしくお願いします」
「何が対戦よろしくだァ!! 白銀さんとイチャイチャしやがって!!」
「お前は此処で倒す、天戸ォ!!」
「……なんか、すっごい恨まれ方してるなあ」
※※※
──次の獲物、もとい対戦相手を探す澪音。
既にこの時点で3勝を挙げており、六禍仙の名を欲しいがままにしていた。
そんな中──すれ違ったのは、
「は、腹が、腹が減りました……」
(なんか、死にそうな顔してるんだけド、あの子……空木サン、よネ?)
ふらふらしながら廊下を歩くこころ。
腹を抑えながら、壁に手を伝い──何やら呟いている。
耳を澄まして聞いてみると、
「腹が減りました……」
(腹が減っタ!? 腹が減っタって言ったわネ!? 昼ごはん食べてないノ、正気!?)
「腹が減り過ぎて死ぬ……」
(多分アレ、お昼を抜いて死にかけてるだけだワ。あの子確かバカ程ご飯を食べるのに──)
死にかけの獲物に澪音は興味を持たない。そのまま通り過ぎていく。
そんな彼女に見向きもせず、こころはふらふらと対戦台に向かって歩いていく。
そこに居たのは参加者である男子生徒数名。
「あり? 空木も参加してたのか?」
「ヒュッ──なんで空木がこんなところに」
そのうちの一人がこころの顔を見て怯えた顔で震えあがった。
「オマエ何ビビってんだよ、こいつは弱いって噂で──」
「バカ!! そりゃあ只の風評だ、こいつは──」
「お腹が空いて……力が……」
ぱたり。
そのまま、こころは床に倒れ込んでしまうのだった。
それを見て、男子生徒達は顔を見合わせる。
「なんだ、ただの行き倒れか?」
「保健室運ぶ?」
「運んでおくか、良い事をすると気分が良いし──」
そう言って一人がこころに手を伸ばした刹那。
その手がパシリ、と払い除けられた。
「へ?」
「……気安く触るな有象無象共が」
すっく、と今の今まで倒れていたこころが起き上がる。
そして彼女はその前髪を思いっきり掻き揚げて、狂気じみた笑みを浮かべた。
「……決めた。最初の獲物はテメェらだ」
──数分後。
その場に絶叫が響き渡る。
後に残るのは──小便をちびらせた男子生徒達数名が対戦台の前で倒れ伏せている地獄のような光景だった。
「あーあ、食いでが無ェ、どいつもこいつもだ」
こころの影には──蠢く八つの触手。
「……オマエもそう思うだろ?
手に握られた禍々しい精霊のカードに──彼女は呼びかける。
「……やっぱり天戸 照陽。オレの飢えを満たすのは、アイツだけだ」
※※※
「現在、獲得レート1位は──白銀澪音……やはりそうなったか。六禍仙の面目躍如と言ったところだろうな」
理事長室のパソコンにはランクマッチの戦況が刻一刻と送られている。
各生徒の戦績に応じたレートがランキングとなってリアルタイムで更新されているのだ。
1位が澪音であることに瀬野は最早何の疑問も持たなかった。しかし──
「次点で──空木、こころ……ッ!?」
その2番目に表示されているのは──こころの名前だ。
「……成程。
※※※
「──《蠅の王 クリス=タブラ=ラーサ》で手札を裏向きでマナに!! これで、ラッカゴスペルは詰みヨ!!」
「そんなぁぁぁぁ!? 呪文が全部封じられた!?」
「──《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》で詰ませるワ!!」
「じょ、除去できない……ッ!! ま、負けた……!!」
「──《「使命」の頂天 グレイテスト・グレート》で盤面展開ッ!! 《キング・ボルバルザーク》と《偽りの名 スカラベオ》のコンボで無限エクストラターン!!」
「こんなの越えられるわけねえよ!? 俺のターンは何処だ!?」
「──《「呪怨」の頂天 サスペンス》で手札を全破壊ッ!! 耐久して──《オールデリート》!!」
「負けましたァァァーッ!?」
多種多様なゼニスデッキを使い分けながら、出会った相手を次々に倒していく澪音。
その姿には全くと言っていいほど危なげない。
彼女が持つそれぞれのデッキは対処法も対策も戦い方も違う。
従って、彼女を見て対策するのはほぼ不可能だ。なんせ──最強の無色使いは伊達ではない。
何故ならば。
「──《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》でシールドをT・ブレイク! そのまま《ヤッタレマン》でダイレクトアタック!」
──サブデッキにジョーカーズという無色のビートダウンデッキまで備えているのだ。
白銀 澪音という人物一人に特定のデッキを持ち込んで対策した気になるのは非常に危険なのである。
(フフンッ、ラクショー! ダーリンに負けたからって、ナメてかかってるヤツが多いケド……さーて、次の相手は──)
──そうして得意げになる澪音の前に立ち塞がる人影。
彼女は足を止める。
空き教室の入り口をふさぐように、そこには──空木こころが立っていた。
「空木サン……貴女、まーだ居たの? お腹減ってるんデショ、オヤツでも食べてたラ?」
「やっと見つけたぜ」
「……うン?」
その声色は──彼女が知る穏やかで臆病なそれとは全く違う。
「オマエは多少……食いでがあるんだろうな、白銀澪音」
空木こころは──思いっきり口角を上げ、標的である澪音を見定める。
「──決めた。オマエはオレの獲物だ」
「……貴女、ダレ……? 空木こころじゃ、無イ……ッ!?」
「おう、オマエとはやったことが無かったな……教えてやるよ」
空木こころではなく、その中に潜む彼女は──名乗りを上げる。
「──オレは……悪魔の子だ──ッ!!」
※※※
「《御代紅海》でダイレクトアタック──ッ!!」
クラスメイト達をあらかた倒した照陽は、そのまま教室の外へと歩を進めて次の対戦相手を探す。
此処まで負けは無し。いずれも強敵揃いではあったものの、澪音程の強さの相手はいない。
そうして、次々に出会う相手とデュエルをしていき──残り時間も40分を切っていた。
(白銀さんと調整したおかげだ、パフォーマンスは最高! 今の所、特に問題は無いけれど……)
そうして次の対戦相手を探す中──突如、照陽は悪寒を感じ取った。
(──ッなんだ、この気配)
辺りを見回す。
そして胸からぶら下げたボルメテウスのカードが赤く輝いていた。
嫌な予感がする。これは、カードの精霊が現れた時の反応だ。
「ボルメテウス……場所を教えて!」
ボルメテウスのカードが浮かび上がった。
そして、場所を示すように照陽を引っ張る。
その方向に急いで照陽は駆けだした。
何かよからぬ事があったのではないか──と。
「……白銀さんッ!!」
そうして駆け付けた時。
照陽は澪音の名を呼んでいた。
対戦台の影に倒れる澪音。彼女は酷く怯えた顔をして、縮こまっている。
「ひぃっ、ひゅっ、ひぃっ……ッ!!」
「白銀さん、何があったんだ!? 白銀さん……!!」
「や、やだ、死にたく、な、イ……!!」
「そいつはどうもしてねえよ。ちょいとばかし”死のビジョン”って奴を見せてやっただけだ。カワイイ悪戯だろ?」
対戦台の向こうから声が響く。
ぞわり、と照陽の肌が粟立った。
知っている声色のはずなのに、知らない人間が喋っているようだった。
「要するに”自分が死ぬ幻覚”ってヤツを見せてやったのさ」
下手人は──空木こころ。
だが、穏やかな彼女とはかけ離れた、何処か狂気じみた好戦的な笑みを浮かべている。
「空木……さん?」
「さぁて──本命が来たな、天戸照陽」
「……空木さん、なのか……? まさかカードの精霊に……ッ!?」
ボルメテウスが感知したカードの精霊の気配は──間違いなくこころに宿っている。
しかし、こころは首を横に振った。
「違うなァ。オレは元々こうだ。暴走なんてしてねぇよ」
「じゃあ、なんで白銀さんにこんな事を……ッ!!」
「一つ言わせてもらうッ!! 天戸照陽ッ!! オレは──オマエの知っている空木こころじゃねえ」
「じゃあ何だって言うんだ!? 君は、カードの精霊──」
「それも違うな」
愉快そうに──こころは、否──こころの中にいるナニカは語る。
「オレは空木
「もう1つの人格……二重人格!?」
創作ではよくある設定だが──いざこうして名乗られると、照陽は衝撃が拭えなかった。
しかし、同時に合点が行く。
デュエルが出来ない初心者同然の彼女が、今までどうやってこの島で生き残ってきたのか。
そして名前は出てくるが姿を見せない「友達」は何者なのか。
空木こころが二重人格である、という前提で考えれば考える程に──その全てに辻褄が合うのだ。
「じゃあ、空木さんが言ってた”友達”ってのは君の事だったのか」
「あいつが腹を空かせたり、極度のストレスを感じたりすると──オレと入れ替わるんだよ。あいつはオレが表に出るのを嫌がってるが……大事なデュエルをするときだけ、オレと入れ替わる」
「どうして……そんな」
「あいつが何でデュエマがあんなに弱いのか教えてやろうか。あいつには生まれつきデュエマの才能が無い。何故なら──オレが全部持って行っちまったからだ」
「持って行った……!?」
「オレたちはそれぞれ得意な事が違う。勉強はアイツの領分。だが勝負事や運動はオレの領分でね。デュエマの才能もオレが持って行った」
「だから、空木さんはデュエマが弱いって言うのか……君は……!」
肯定するように、こころのもう1つの人格・シエルは頷いた。
「そうだ。あいつのデュエルの才能は、オレが全部持っていっちまったからなァ。あいつは弱い、只の出涸らしさ」
「……そんなバカな事があるもんか」
「あるさ。オレがその証明だ」
「違うッ!!」
だとしても、天戸 照陽は納得などしない。
「出涸らしだなんて言うなよ」
「……あァ?」
「空木さんは、自分がデュエルが弱いのを気にしてた。強くなろうとしてたんだ」
「あいつは生まれつき、闘争心だとか荒っぽいのが苦手でな。そういうのは昔から、全部オレが肩代わりしてたんだよ。才能が無ェんだ。争いごと、勝負事への才能がな!」
「違うッ!! 才能で決まったりなんかしない……! デュエマは知識だッ! 経験だッ! 僕より後に始めて、僕より上手くなった人を何人も知ってる──!」
「そいつは才能があったんだよ、オマエよりな」
どこか諦観したようにシエルは言った。
「才能の差は──残酷だ。スタートラインがもう違う」
「だとしても……ッ!! 強くなりたいって思ったのは本物のはずだ!」
「全部無駄なんだよ。才能の無ェ奴が努力したって時間の無駄だろがッ!! オレとシエルは
それが──空木こころという少女の本質。
二つの心を生まれつき持った彼女は、得意な事を分け合って生きてきた。
喧嘩も、運動も、デュエルも、勝負事は全部、シエルの領分だった。争うのが嫌いで引っ込み思案なシエルの代わりに、争いを引き受けたことは一度や二度ではない。
だからこそシエルは嘲笑う。
「なのにだ。あいつ、下級生を庇って──鉛ハジキとの賭けデュエマに挑んだんだ。オレと入れ替われない時に、だ!! そして挙句の果てにオレのデッキを奪われた!」
「……そういうこと、か」
「バカみてえだよなあ!! オレのデッキを使えば勝てると思ったんだと!! 今まで散々逃げてきたテメェにオレのデッキを使いこなせるわけがねェのによ!!」
奪われた「友達」のデッキの意味を漸く照陽は理解する。
そうして奪われたシエルのデッキを取り返すべく、もう一度ハジキに挑んだが負けてしまった時に、照陽が駆け付けたのだ。
「確かに君からすれば、デッキを奪われた事だったり……今まで逃げてきた空木さんが、いきなり強くなりたいだなんて言いだすのは気分が悪いかもしれないね」
「そうだ。やっとわかったか──」
「だけど、その認識は正さないといけない。強くならなきゃって思ったその気持ちに、早いも遅いも無いし、貴賤は無い」
「……何だァ? テメェ……!!」
照陽は決して、
「空木さん、聞こえているかな。僕は言った筈だよ。誰だって最初は弱いし、後から強くなる可能性がある」
「今更ッ!! デュエマで強くなるゥ!? 笑わせんなッ!! 勝負事から今の今まで逃げてきたヤツが、今更付け焼刃で強くなれるはずねぇだろがッ!!」
「だって君は、
『──ッ!!』
一瞬、シエルの目が大きく見開かれ──しかし、何かを揺り戻すように首を大きく振る。
「負けると分かってるのに、自分より強い相手に立ち向かった──下級生を庇う為に!! 友達のデッキを取り返す為に! 負けると分かってても立ち向かった! 君は立派な心の持ち主だ! 強いよ、君はッ!」
「テメェ……!! 喧嘩売ってるのか? このオレに!! オレとあいつ、どっちが立派かだなんてのは見れば分かるだろが!! オレァ勝手にデッキを使われた被害者だぞ!」
「シエル。君の言い分はよく分かった。勝手にデッキを使ったのは良くないかもしれない。だけど──この勝負の場では僕は一歩も譲る気はない」
下級生を庇い、立ち向かった。友達のデッキを取り返す為、強敵に二度も挑んだ。
結果は振るわなかったが、その勇気を天戸照陽は心の底から賞賛する。
「僕が勝ったら……空木さんへの……いや、
「……やっぱりテメェは、”何処までいっても天戸照陽”か」
「……?」
「いや、何でもねえ。”今此処にいるテメェには関係ねえ”ことだ」
デッキを取り出すシエル。
彼女の影からは無数の触手が蠢いている。
悍ましい気配が立ち込めてきた──それを感じ取り、漸く澪音も起き上がる。
まだ幻覚の恐怖に心は支配されていたが、それでも──状況を認識した。
照陽がシエルに挑もうとしている。
「真のデュエルだ。ボロ雑巾にしてやるよッ!! 天戸照陽ッ!!」
「──ッ!! ダーリン、ダメ!! 受けたら──ッ!!」
「……逃げない。逃げられない。逃げるつもりはない」
──その、理由はたった1つ。
「だって、こころさんは逃げなかったから」
「……やっぱり不愉快だ。徹底的に、叩き潰すッ!!」
【天戸 照陽】VS【”悪魔の子”空木シエル】