デュエマプレイヤーは「カードが全ての学園島」で成り上がるそうです。   作:タク@DMP

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第2話:ビクトリーカード

 ──デュエル・マスターズのルールは単純明快だ。

 山札の上から5枚が互いのプレイヤーを守る(シールド)として展開される。

 プレイヤーは生き物のカード、クリーチャーを使って対戦相手の(シールド)破壊(ブレイク)していく。

 そして、(シールド)が無くなった相手プレイヤーにクリーチャーで直接攻撃(ダイレクトアタック)し、トドメを刺した方が勝者となるのである。

 しかし、この単純明快なゲームの中に──無数の種類のカードと、戦略が入り混じる事で複雑な攻防を生み出すのだ。

 

3ターン目

・照陽(先攻) シールド5枚 マナ2

 

・ハジキ(後攻) シールド5枚 マナ2

 

(いつも通り。いつも通りだ──そう、いつも通りで良い)

 

 此処がどんな世界であっても、これがデュエル・マスターズというゲームならば、天戸 照陽の心は揺らぎはしない。

 

「マナをチャージ。光、火、自然。全部揃ってるね」(マナ3)

 

 デュエル・マスターズでは、1ターンに1度、プレイヤーは手札からカードを1枚、マナゾーンに置くことが出来る。

 こうして置かれたカードはマナ、即ちカードを使うためのエネルギーとなる。

 そのマナを消費することで、プレイヤーはクリーチャーを召喚したり呪文を唱える事が出来るのだ。

 

「3マナで──《無頼(フウライ)BEN(ベン)-K(ケー)1000(サウザンド)》を召喚」

 

無頼(フウライ)BEN(ベン)-K(ケー)1000(サウザンド)》 光/火/自然文明 コスト3 

NEOクリーチャー:ドリームメイト/テクノ・サムライ パワー3000 

 

 錫杖を構えて編み笠を被った、でっぷりとした鳥のようなクリーチャーが照陽の目の前にホログラムで現れる。

 

「効果でカードを3枚、山札の上から見る──そして、1枚をシールドとして追加。1枚をマナゾーンに。1枚をこのクリーチャーの下に置く」(マナ4)

「何かと思えばテクノ・サムライか。環境デッキランキングにも入っていない、脆弱なデッキだ」

「そーだそーだ!! ナメてんのかー!!」

「ファンデッキで勝てると思ってんのか、お花畑かテメー!!」

 

(すごい野次だ……環境デッキ以外への当たりが強すぎるだろ)

 

 環境デッキとは──所謂「今の大会で使用率が高いデッキ」の事だ。

 プレイヤーたちはこの使用率が高いデッキを中心に、互いに対策し合っている。

 サムライは照陽が元居た世界でも使用率が高いデッキとは言えない。決して弱くはないのだが、突出して強くはないデッキとされてしまっている。

 

「……先ずはシールドを1枚、貰おうか」

 

 カードが1枚、《BEN(ベン)-K(ケー)》に入り込む。

 そのつぶらな瞳が真っ赤に燃え上がり、《BEN(ベン)-K(ケー)》が臨戦態勢に入った。

 通常、デュエル・マスターズでは出たばかりのクリーチャーは召喚酔いで攻撃出来ない。

 しかし例外が存在する。《無頼(フウライ)BEN(ベン)-K(ケー)1000(サウザンド)》はNEOクリーチャー。

 既に場にある他のクリーチャーの上に重ねて召喚したり、あるいは効果で下にカードが置かれた場合──「NEO進化クリーチャー」となり召喚酔いしなくなる。

 

「──《BEN(ベン)-K(ケー)》でシールドをブレイク!!」

「ッ──!!」

 

 《BEN(ベン)-K(ケー)》が錫杖を振り回し、ハジキの前に展開されている硝子のようなシールドを1枚叩き割った。

 

「……S・トリガー無し」

「よし、これでターンを終了するよ」

 

 照陽は安堵した。

 S・トリガーは逆転のカード。

 砕かれたシールドのカードが「S・トリガー」を持っていれば、その場でタダで使えるのだ。

 攻撃行動にリスクを与える、デュエル・マスターズ独自のシステムである。

 

(とりあえず初撃は通った……此処さえ切り抜ければ後は楽かな)

 

 照陽がターンを終えたのを見て、ハジキは自らの手札を見遣る。

 

(俺の手札は完璧だ。オマエがどのような動きをしてこようが完璧に反撃することが出来る)

 

 ──ハジキが好む戦略は、相手の行動に対してカウンターする「待ち伏せ」だ。

 デュエル・マスターズでは相手が特定の行動を行った際に、タダで使えるカードが存在する。

 ハジキの手札には以下の3枚が牙を剥いて潜んでいる。

 

 ──相手のターン終了時に、相手がそのターンのうちにコストを支払わずにクリーチャーを出したり呪文を唱えていればタダで出てくるクリーチャー《流星のガイアッシュ・カイザー》。

 

(値段は1枚2000円!! 登場して4年経って尚強力なドラゴンデッキのインフラ!!)

 

 ──敵味方含む場のクリーチャーの数だけコストが軽減され、敵のパワー5000以下のクリーチャーを全て手札に戻す《飛翔龍(フライングブイ) 5000VT(ブイティー)》。

 

(値段は1枚3000円!! 小型クリーチャーを軸にしたデッキは、《VT》の前では無力!!)

 

 そして──相手のターン終了時に、クリーチャーが3体以上場に出ていればタダで唱えられる呪文、《真気楼と誠偽感の決断(パーフェクトペテンシー)》。

 

(値段は1枚5000円!! 除去、手札交換、そして墓地からS・トリガーを持つカードを何でも使える最強の呪文!!)

 

 いずれも超高額カードであり、それらを惜しみなくハジキは採用していた。

 そして、そのデッキを使う自らの強さに確固たる自負があった。

 

「《デドダム》を召喚!! 効果で山札の上から3枚を見て、それぞれ手札、マナ、墓地にカードを置く」(マナ4)

 

天災(ディザスター)デドダム》 水/闇/自然文明 コスト3 

クリーチャー:トリニティ・コマンド/侵略者 パワー3000

 

 そして墓地に置かれたカードは《王道の大地》。7コストのS・トリガー呪文だ。

 これが──最大の曲者なのである。

 《王道の大地》はデッキからどんなコストの巨大ドラゴンでも踏み倒せる呪文。

 そして、《真気楼と誠偽感の決断(パーフェクトペテンシー)》は──墓地からS・トリガーを持つカードをタダで使うという効果を持つ。

 従って7コストの《王道の大地》が、《真気楼と誠偽感の決断(パーフェクトペテンシー)》を通せば5コストで唱えられるのだ。

 

(次のターン、オマエが何をしようがしまいが関係ない!! 《王道の大地》から出てきた巨大ドラゴンで、ゲームセットだ!!)

 

 ただし。

 幾ら手札に、相手の行動に反撃するカードを持っていようが──

 

 

 

()()()()()()()()()()()()、か」

「……は?」

 

 

 ──ゲームが()()()()()()()()()()()()()()抱え落ちになってしまうのであるが。

 照陽は淡々と呟くように続けた。

 

「もっと言えば、このターンで勝負を決められなければ──恐らく僕の負けだ。君のデッキは5C王道の大地、手札には《真気楼と誠偽感の決断(パーフェクトペテンシー)》をずっと抱えてる、違うかい?」

「……だから何だ? このターンで勝つ? オマエ、俺を侮っているのか──ッ!! 調子に乗るのもいい加減にしろ」

「そして僕のデッキ強度は、そのデッキに入ってる大型ドラゴンに対抗できるほど強くはない。君に動かれた時点で僕は負ける。だから──宣言するよ。このターンで君に勝つ」

 

 照陽は4枚のマナをタップし、自らの首からぶら下げた「お守り」に一度だけ触れた。

 

 

 

「召喚、《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉(ブイ)」》」

 

 

 

 天戸照陽の勝利は此処から始まる。

 Vの字の爆炎のエフェクトが照陽を包み込む。

 そんな彼の背後から飛び出したのは全身を青い武者鎧に包み込んだドラゴン。

 《ボルメテウス・武者・ドラゴン》の正当なる後継にして──今の照陽のデッキを支えるビクトリーカードだ。

 

「ボルメテウス!?」

「テクノ・サムライってクロスギアと噛み合うのか!?」

「単純だ。単純明快な話なんだ。《武者・ドラゴン「武偉(ブイ)」》は登場時に()()()()()()()()()()()()()()()()ことで、相手のパワー6000以下のクリーチャーを破壊する」

 

 《武者》の剣戟が《デドダム》を襲う。

 研ぎ澄まされた神速の太刀を避けられるはずもなく、《デドダム》は真っ二つになって爆散した。

 そして同時に、そのあまりにも鋭すぎる太刀は照陽のシールドをも真っ二つにしてしまう。

 しかし、それこそが照陽の狙いだった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()

 

 照陽は《BEN(ベン)-K(ケー)》の効果で仕込んだシールドを、自ら《「武偉」》の効果でブレイクしたのである。

 

「まさか最初からそこまで考えて──ッ!?」

「《BEN(ベン)-K(ケー)》は山札の上から3枚を見てシールドに仕込む都合上、ある程度S・トリガーのカードを狙って置くことも可能でね。S・トリガー発動」

 

 砕かれたシールドが、カードとなって再生していく。

 

 

 

「──先に使うのは僕だ。呪文、《王道の大地》」

 

(それは、俺が使おうとしていた……ッ!! こいつ、俺よりも1ターン速く……ッ!!)

 

 

 

 照陽もハジキも、偶然ながら狙っていた呪文は同じ。

 ただ今回は──照陽が一歩先を行く事になった。

 

「効果で僕の山札をシャッフルし、上から5枚を見て──その中からドラゴン、または──NEOクリーチャーを場に出す」

「確かにテクノ・サムライはドラゴンでなくともNEOクリーチャーが多い……だが小粒ばかりのはずだ!!」

「本当にそうかな? 《BEN(ベン)-K(ケー)》を進化──」

 

 進化。

 既に場に出ているクリーチャーの上に重ねて召喚することを指す。

 《BEN(ベン)-K(ケー)》は大きく膨れ上がり──見上げる程の巨体を持つ人型の甲虫へと変貌した。

 

「──《オウ華武器(カブキ)・オウ禍武斗(カブト)》!!」

「サ、サムライでもなければドラゴンでもない──ッ!?」

「どうなってやがんだーッ!?」

「まさか《王道》で踏み倒す為だけに入れてるのか!?」

 

《オウ華武器(カブキ)・オウ禍武斗(カブト)》 自然文明 コスト9

NEOクリーチャー:グランセクト パワー17000+

 

 現れたのはコスト9の大型クリーチャー《オウ禍武斗(カブト)》。

 勿論サムライの種族は持たないが──《王道の大地》で踏み倒す前提であるが故の採用だ。

 

「コイツの効果で僕の進化クリーチャーのパワーは2倍になり、更にこれよりパワーが低いクリーチャーにブロックされず、更にパワードブレイカーが付与される」

「あ、ぐ、う……ッ!! だがッ!!」

「それだけじゃ勿論勝てない。今度は《武者・ドラゴン「武偉」》の侍流ジェネレートを発動。手札からクロスギアの《竜牙リュウジン・ドスファング》を場に出す」

 

(な、なんだ、何が起きている──!? 《武者・ドラゴン「武偉」》一体から連鎖的に──ッ!!)

 

「《リュウジン・ドスファング》のサムライ・メクレイド5発動。効果で2枚目の《リュウジン・ドスファング》を出す」

 

(ば、盤面が一気にぐちゃぐちゃに……!! こ、このままではマズい、マズい気がする──ッ!!)

 

 メクレイドは、山札の上から3枚を表向きにして指定された種族のコストのカードを使う事が出来る能力だ。

 照陽はこれを連鎖させ、更に山札からサムライを呼び出す。

 

 

 

「──2度目のメクレイドで《PERFE(パーフェ)910(ナインワンゼロ)-御代紅海(ギャラクシー)》を《「武偉」》に重ねてNEO進化する」

 

 

 

PERFE(パーフェ)910(ナインワンゼロ)-御代紅海(ギャラクシー)》 光/火/自然文明 コスト5

G-NEOクリーチャー:エンジェル・コマンド/テクノ・サムライ パワー9000

 

 

 

 ──かつてそれは《不滅の精霊》の名で呼ばれた銀河を名を冠せし天使。

 未知なる技術を扱うテクノ・サムライとなった今、その力は仲間全てを守るための防壁となる。

 

「そして《リュウジン・ドスファング》はサムライクリーチャーにタダで装備(クロス)することができる。《リュウジン・ドスファング》2枚を《御代紅海(ギャラクシー)》に装備(クロス)

 

 これで、照陽の全ての準備は整った。

 場には《リュウジン・ドスファング》を2枚をクロスした《御代紅海(ギャラクシー)》。そして、《オウ禍武斗(カブト)》。

 その両者が臨戦態勢となり、ハジキに襲い掛かる。

 

「《オウ禍武斗(カブト)》で攻撃──今の《オウ禍武斗(カブト)》はパワーが倍増して34000に、そしてパワード・ブレイカーでパワーが6000ごとに追加で1枚シールドをブレイクするッ!!」

「つまり、全部シールドをブレイクできるって事じゃあないか──ッ!!」

「その通りだッ!! 全部叩き壊すッ!!」

 

 《オウ禍武斗(カブト)》の拳がハジキのシールドを全て破壊した。

 あまりの衝撃にハジキは立っているのがやっとだった。

 自分が追い詰められている事実を受け入れることが出来なかったのである。

 

(こ、ここで俺が負ける──!? 戦極学園、トップチームのこの俺が──ッ!?)

 

 失意の中──彼の手に握られたのは、S・トリガーのカード。

 

「ッ……まだだ!! お、俺がこんな所で負ける訳がないだろうが!! 《王道の大地》だッ!!」

「ひ、引いたッ!!」

「ハジキの奴も負けてねえ!! シールドに《王道の大地》とはツイてやがる!!」

 

(お、俺は、俺は強いんだ……こんな、名無しの権兵衛に負ける訳が……負けてはいけないだろが──!!)

 

 ハジキの背後に現れるのは──歪に繋ぎ合わされた終末を告げる合成獣の王。

 原始と欲望を繋ぐ悍ましき怪物が現れる。

 

「効果で出すのは《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》!! EXライフでシールドを増やす──ッ!!」

 

《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》 水/闇/自然文明 コスト10

クリーチャー:ディスペクター/ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ドラゴン・ゾンビ 

パワー15000

 

「これが俺の切札のディスペクター!! そして《キーナリー》の効果で《御代紅海(ギャラクシー)》をバウンス!!」

「G-NEO進化の効果で耐えるよ。下の《ボルメテウス》を手札へ」

 

 《御代紅海(ギャラクシー)》を捕えるべく《キーナリー》が触手を伸ばす。

 しかし、《御代紅海(ギャラクシー)》は自らに埋め込まれたカードを輩出し、それを身代わりにすることで難を逃れるのだった。

 

「チッ……耐えられたか……!」

「G-NEOクリーチャーは進化元を犠牲にして生き残るからね」

「だが──《王道の大地》の効果で出た《キーナリー》はブロッカーになっている!! オマエの攻撃は通らんぞ!」

「──良かったよ、()()()()

 

 心底安堵したように照陽は言った。

 

 

 

「……もう君に、明日の太陽は昇らない」

 

 

 

 それは、このゲームの終末を告げる宣告。

 切札を出したはずのハジキは冷や汗をかき──後ずさる。

 

「確かに《キーナリー》はブロッカーで、EXライフでシールドも増えている」

 

 《キーナリー》は合成獣・ディスペクター。

 それ故に命を二つ持つ生き物だ。登場時にシールドを1枚増やし、そして場を離れる時、代わりにそのシールドを犠牲にして生き残る。

 しかし──この場面ではそれが仇となる。

 

「……《御代紅海(ギャラクシー)》はマッハファイター、アンタップしている相手のクリーチャーに攻撃出来る」

「あっ……ッ!!」

「《御代紅海(ギャラクシー)》の攻撃時効果が発動。僕のマナゾーンから、場の《御代紅海(ギャラクシー)》の下にカードを置く。これで進化元を再び手に入れた《御代紅海(ギャラクシー)》は進化クリーチャーとなり、《オウ禍武斗》の効果を受けられるようになる」

 

《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》 パワー15000

 

御代紅海(ギャラクシー)》 パワー9000×2=18000

 

「《御代紅海(ギャラクシー)》のパワーは《オウ禍武斗》の効果で倍増している。《キーナリー》じゃあ勝てない」

「ッ……!!」

 

 《御代紅海(ギャラクシー)》が《キーナリー》を焼き切るべく迫りくる。

 そして装備された《リュウジン・ドスファング》が光り輝いた。

 

「《リュウジン・ドスファング》はクロスしたクリーチャーが攻撃する時にもメクレイドが起動する。装備してる枚数は2枚。だから、メクレイドは2回起動する」

 

 飛び出したのは小型クリーチャーの《ROYAL-減亜5(ロイヤルベアファイブ)》。

 そしてその上に──《無頼(フウライ)BEN(ベン)-K(ケー)1000(サウザンド)》が重ねられた。

 

「そして《キーナリー》を《御代紅海(ギャラクシー)》でバトルして破壊!!」

 

 EXライフが焼け落ちる。

 ディスペクターの命の代償となったシールドはブレイクではなく直接墓地に送られるため、S・トリガーも発動しない。

 墓地に落ちたのは《王道の大地》。

 

「お、おおおお!! 3枚目!! なんて運の良い奴!!」

「だけどこれでハジキのシールドはゼロだ!!」

「もしあれを踏んでたら、今度こそ負けだったかもな──ッ!!」

 

 ──しかし。

 

「オ、オマエはバカ丸出しだ!! 《キーナリー》はブロッカーになっている!!」

 

 周囲はざわついた。

 照陽の攻撃出来るクリーチャーは、新たに現れた《無頼(フウライ)BEN(ベン)-K(ケー)1000(サウザンド)》のみ。

 一方、EXライフこそ剥がされたものの《キーナリー》は未だに健在。ブロックすることができる。

 つまり──このままでは、あと一歩の所で照陽はハジキにトドメを刺せないのだ。

 

「《オウ華武器・オウ禍武斗》の効果で確かにお前の進化クリーチャーはブロックされない……だがそれはあくまでも”自分よりパワーが小さいクリーチャーに”だ!」

 

 《無頼(フウライ)BEN(ベン)-K(ケー)1000(サウザンド)》 パワー3000×2=6000

 

「ソイツのパワーは元が低すぎて、倍にしても《キーナリー》を超えられない!! ……よくも散々ナメた真似をしてくれやがったな、この勝負は俺が貰ったッ──!!」

「だ、だよなあ、足りてねえ、よなあ……?」

「よ、よく頑張ったけど、やっぱりハジキに勝てるわけが──無かったんだよ」

「メクレイドももう使えない!! 攻撃出来る奴は、あのちっこい《BEN(ベン)-K(ケー)》しかいねえぞ!?」

「ッ……そんな」

 

 白制服の少女は祈るように両手の指を絡ませた。

 彼女は驚愕していた。

 

 

 

「あの人……何で、笑ってるの──この状況で──ッ!?」

 

 

 

 一見、絶望的に見えるこの状況。

 照陽は──高らかに笑っていた。

 

 

 

 

「──さっきも言った筈だ。……もう君に、明日の太陽は昇らない」

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