デュエマプレイヤーは「カードが全ての学園島」で成り上がるそうです。 作:タク@DMP
※※※
空間が展開されていく。
照陽の足元からは炎が揺らめき立つ合戦場。
そして、天津の足元には巨大な塔の聳え立つ絶海が広がる。
両者の心象風景がぶつかり合う真のデュエル。
(……ダーリン。頑張っテ!!)
澪音が祈る中、シールドが展開され、決戦の火蓋が切られた──
【2ターン目】
先攻:天戸照陽(マナ2)
後攻:天津サクガミ(マナ1)
「僕は──《チャラ・ルピア》を召喚するよ」
《チャラ・ルピア》
・ドラゴンの召喚コストを2軽減する。
照陽の手札から飛び出すのはポンポンを持った黄色い火の鳥。
以前相手した彼のデッキには入っていないカード。
それを見てサクガミ、そして観戦している澪音は即座に構築が変わった、と直感した。
(前回無かったクリーチャー!! そして前回とは違うマナのカード!!)
(いつものダーリンのデッキじゃなイ!! あれってまさか──)
照陽のマナゾーンに見えるのは──《竜装ゴウソク・タキオンアーマー》。アーマード・ドラゴンとアーマード・サムライを種族に持つクロスギアだ。
(クロスギアなんて前回のデッキには入っていなかった!! ……NEOクリーチャーを軸にしたテクノ・サムライにこんなもん積む余裕は無ェッ!!)
「おいおい、冷笑させてくれるなァッ!! デッキを変えれば勝てると思ったかよ? それを何て言うか知ってるか? 付け焼刃ッ!! 無駄な努力ッ!! ──来い、《洗打の妖精》ッ!!」
同時にサクガミは《洗打の妖精》を呼び出す。
コストを軽減する《ボルバディ・ルピア》に対し、マナの枚数よりもコストの大きいクリーチャーの召喚を咎めるカード。
的確なメタクリーチャーの展開だ。
しかし、それに対して照陽の顔は涼しい。
「──僕は3マナで《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》を召喚だ」
「!?」
照陽の背後に現れるは──巨大な二刀を携えた装甲竜。
そのコストは5。
照陽のマナのカードは3枚しかないので《洗打の妖精》で手札に戻されてしまう。
だが──それで良い、と照陽は考えていた。
「先ず《「弐天」》の効果で場の火のエレメントの数以下のコストを持つ相手のクリーチャーを破壊だ」
斬撃が《洗打の妖精》目掛けて飛ぶ。
だが、妖精は泡へと姿を変えてそれを容易く躱してしまうのだった。
「バカが!! ジャストダイバーで《洗打》は選ばれねえ──このターンはまだ死なねえよ!」
「分かってるよ──そして《「弐天」》は場の光のエレメントの数だけカードを引ける。2枚、ドローさせてもらうよ」
「……ッ!」
照陽の手札にカードが2枚、加えられる。
あくまでも照陽の目的はドロー。
此処で《弐天》が残ろうが残るまいが関係ないのだ。
《洗打》の放つ泡によって《弐天》も手札へと戻されてしまうが──
(……結果的に手札を増やしてターンを終えやがった!! 次のターンに仕掛けてくるつもりだ!!)
(よし、コンボパーツは揃った。問題は天津が次のターンに何をしてくるか、だけど)
「前回とデッキを変えたんだろうが、中身は結局サムライ! どうせ──《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》からの《ドスファング》だろがァ!!」
サクガミが3枚のマナをタップする。
飛び出したのは──豪奢な装飾に身を包んだ轟車。
「──《
「《ゴルギーネクスト》!? マズいワ、ダーリン!!」
ごくり、と照陽は息を呑む。
彼の出身の世界ではまだ発売されていないカードだ。
フィールドには鎖が広がっていき、照陽の展開を大幅に制限する。
サムライは《ドスファング》からの大量展開を狙うデッキだ。しかし、クリーチャーを2体しか出せないのでは攻撃力は大きく削がれてしまう。
無論、本来ならばこのようなクリーチャーは《「武偉」》の効果で破壊すれば良いのであるが──
「テキストの確認良いかな? 《ゴルギーネクスト》の効果は……クリーチャーを出せなくするだけじゃないだろう?」
「流石にカンが良いな。ウソを吐いても仕方ねえ──教えてやるよ。こいつは
「……成程、道理で」
面白くなってきたね、と照陽は口角を緩めた。
「破壊してもシールドを犠牲にして生き残る!! サムライは……破壊以外の除去に乏しいのは俺だって知ってるぜ?」
「流石六禍仙……か」
「そのデッキは赤白サムライ!! リースカラーから色を減らして攻撃力に特化させた構築!! ……そして、時代の流れで表舞台から消えた型落ちデッキだ!!」
「そいつはどうかな。今の環境は《ボン・キゴマイム》も少ないし、案外やれるかもしれないよ」
「うおっ、粋がるねえ。だけどよ、俺ァ知ってるぜ? そのデッキはテクノサムライよりも対応力に欠く!! そのデッキじゃあ《ゴルギーネクスト》を退かせられない!!」
照陽は手札のボルメテウスに目を向けた。
不安そうに主人である照陽の顔を見ている。
『……照陽。いつものデッキじゃなくて良かったのか?』
「大丈夫、ボルメテウス。このデッキは……僕の原点だからね。むしろ──年季はこっちの方が古いよ」
それに、と彼は付け加える。
「温故知新。古いデッキだって、新しいカードを取り入れて、どんどん強くなっていくんだ」
観戦している澪音に向けて──照陽は微笑む。
「見てて、澪音。そしてボルメテウス。僕は──このデュエルも全力で楽しむよ!」
照陽は天津の手札とマナを確認する。
次で4マナだ。悠長な動きは許されない。
(4マナってことは──強力なハンデスカードが使える。もう《弐天》を出してドローをしている場合じゃない。仕掛けるッ!!)
(仕掛けようにも仕掛けられねえだろ?)
冷笑するように天津は自らの手札を見た。
そこにあるのは──《七王無き宮殿》。
相手の多色カードを手札から全て捨てさせる4マナの呪文だ。
(だから手札を溜め込んでくるはずだッ!! そこをコイツでまとめてドボンッ!! 《弐天》も《ドスファング》も全部墓地に落としてやるよ!! さあ、《弐天》をもう1回出して来いッ!!)
「僕は──2マナで《ゴウソク・タキオンアーマー》をジェネレート!!」
《ゴウソク・タキオンアーマー》
・サムライクリーチャーとクロスギアのコストを1軽減するクロスギア
意外な照陽の行動に目を丸くする天津。
だが同時に──彼がまともに動けない事を彼は知っている。
《ゴルギーネクスト》でクリーチャーは2体しか出せないのだから。
「どひゃーッ!! それどころか、今更コスト軽減クロスギア!? オマエ、頭にウジでも湧いたかァ!?」
「《ゴルギーネクスト》はクロスギアの展開は止められない。それは分かっているよね?」
「ああ、分かってるさ。そして、クロスギアだけじゃ勝てねえ事もなァ!!」
クロスギアはクリーチャーに装備するカード。
それを大量に並べたところで天津のシールドに攻撃は通らない。
かと言ってクリーチャーの展開は《ゴルギーネクスト》に止められてしまっている。
尤も──既に照陽は回答を用意している。
「──そして1マナで《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》を召喚ッ!!」
法螺貝の音が鳴り響き、合戦場に全ての始まりを告げる武者竜が現れる。
炎が舞い上がり──ボルメテウスが照陽に目配せした。
「信じるぞ照陽ッ!! オマエは──いつも通り、楽しめッ!!」
「ああ、行こうボルメテウス!! 僕達は……止まらない! 先ずは僕自身のシールドをブレイクして……《洗打の妖精》を破壊する!!」
照陽残りシールド:5→4
斬撃が飛び、ジャストダイバーが解除された《洗打の妖精》が真っ二つになって爆散する。
「ッ……お話にならねーな!! どの道、《ゴルギーネクスト》が生きている限り──」
「侍流ジェネレートで《リュウジン・ドスファング》を出す。サムライ・メクレイド5を発動!!」
ごくり、と唾を飲みこみ──照陽は山札の上から3枚を捲った。
そして、そのうちの1枚をすかさず場に出す。
「ジェネレート──《竜装ザンゲキ・マッハアーマー》ッ!!」
「だからクロスギアだけ並んだところで──」
「……いや、これで良いんだ」
照陽は笑みを浮かべた。
「このターン、
「……あ? いきなり何の話をしてやがる」
「《タキオンアーマー》、《武者「武偉」》、《ドスファング》、そして《ザンゲキ・マッハアーマー》の4枚だ。そして僕のマナゾーンには光のカードがある」
「だから、何の話を──まさか」
何か思い当たる節があったのか、天津は引き下がる。
「……オマエ、正気か!?
「生憎手持ちに余裕が無くてね──カドショの30円ストレージさ。
照陽が呼び出すカード。
それは無限の回転を生み出す創世の竜だ。
「──《チャラ・ルピア》をG-NEO進化。
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