ARMORED CORE 2199〜ルビコンの戦士たち〜   作:ルビコン侍

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実験的な作品です。
好評でしたら続きを書いてみようかと思います。


Chapter.0
第一話『カエサル第三惑星調査:1』


 

 無限に広がる大宇宙。

 静寂な光りに満ちた世界。死んでいく星もあれば、生まれてくる星もある。そうだ、宇宙は生きているのだ。

 

 生きて……生きて……

 

 だからこそ……

 

 その遍く生命を守るために──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの星は、焼き尽くさなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ARMORED CORE 2199

 

ルビコンの戦士たち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帝政ガミラス。

 天の川銀河系から遥か遠く、地球から遥か16万8000光年の彼方の大マゼラン銀河に存在するこの星は、今やマゼラン銀河系のみならず、天の川銀河にまで手を伸ばす超大国と化していた。

 彼らは他の星々に対し、武力を持ってして平伏を迫り、それが通じない相手はその軍事力を持ってして屈服させることを繰り返していた。

 そんなガミラス軍はついに、天の川銀河にまで手を伸ばし始めていた。先兵を務めるのはヴァルケ・シュルツ大佐率いるザルツ旅団。彼らは平伏されたザルツという星の人員のみで構成された、所謂"二等ガミラス人部隊"であった。

 

『ゲシュタムジャンプまで、3……2……1……!』

 

 ガイデロール級航宙戦艦〈シュバリエル〉の艦橋にて、シュルツ大佐は腕を組みながら、ジャンプまで仁王立ちしていた。

 慣性制御技術により、艦橋で立っていても揺れて転ぶことは滅多にない。ガミラス人の類稀なる技術力がなせる技だった。

 そして、いよいよ船がジャンプした。一瞬だけ空間が歪み、視界が不思議な色に染まったのち、また漆黒の宇宙空間に戻った。

 ゲシュタムジャンプとは、一種のワープ技術のことである。彼らは星々を飛び越え、配下の僚艦と共にある星に辿り着いた。

 

『ジャンプアウト完了、座標誤差-0.003』

「目標の星系に到達。現在本艦隊は外縁部にいます」

「よろしい。周辺の索敵を怠るな」

 

 部からの報告を受け、シュルツは指揮棒を手に周囲への警戒を指示した。

 ジャンプアウトした先が敵対勢力のど真ん中なんて滅多にないが、そうなれば目も当てられない。

 シュルツの部下たちは計器類に目を光らせ、周辺の警戒と、星系の調査を開始した。

 そこは異様な星系だった。シュルツの副官のゲルフ・ガンツはその不気味さを感じたのか、静かに独りごちた。

 

「不気味な星々です。まるで何かで焼き尽くされたかのような……」

 

 ガンツの言う通り、この星系からは何か異常な雰囲気を感じていたのはシュルツと同じだ。

 例えばだが、目の前に見える巨大なガス惑星は、大気が吹き飛んでコアだけになっている。いったいどのようなエネルギーでこうなったのか見当もつかない。

 恒星が爆発したのかとも思ったが、環境から見える通りこの星系の主星は存在する。なのに、外縁部にある惑星までもがこんな姿になるとは、いったい何があったのか。

 

「確かここは、"カエサル星系"と名付けられていたな……前々からこの星系の近辺では妙なエネルギーが観測されていると聞いている。我々が調査に派遣されたのも頷ける景色だ」

「こんな辺境の星系……しかも不気味と来ました。さっさと観測を終わらせてザルツに帰還したいものです」

「そうもいかん。何もありませんでした、ではあのゲールめが許さんであろう」

 

 ゲールとは、彼らザルツ旅団の直属の上司である。

 銀河方面の司令官としてこの地で征服を行おうとしている男だが、いかんせんガミラスへの忠誠心はともかく、出世欲やパワハラのキツい男だ。

 このカエサル星系に彼らが派遣されたのも、謎のエネルギーが観測される星での調査という名目だが、その実成果があればゲールの手柄に、例え未知の勢力相手に全滅しても鉄砲玉だからヨシという魂胆なのだろう。

 つまり、二等ガミラス人にとっていつものありがちな扱いであった。

 

「大佐。この星系のハビタブルゾーンに一つ岩石型惑星があります」

「どれ、メインモニターに出してみろ」

 

 そんな風に愚痴を言っていた時、シュルツの部下の一人が観測データを送ってきた。

 モニターに表示させると、観測されたカエサル星系の図の第三惑星の軌道上に、一つ星があった。

 岩石型の惑星とは聞いていたが、なんだか異様な見た目をしていた。ところどころの地表が赤く光っている。それらは光るごとにエネルギーを発しているようであり、観測データがその都度歪んでいた。

 

「……なんだ、これは?」

「星が光っているのはなんだ?現地文明か?」

「いえ、詳細は不明です。しかし、この星はハビタブルゾーンにいるにもかかわらず、どうやら異様に寒いようです。その他にも生命の痕跡はありますが、地表は大部分が廃墟になっている可能性があります」

 

 部下は曖昧な答えをしている。どうやらガミラスの観測技術を使っても、詳細がわからない光らしい。

 不気味さの正体はこれかと、シュルツが考えた時、傍のガンツが口を挟んだ。

 

「大佐、おそらくですがこの星の現地文明は、何かしらが原因で滅んだ後ではありませんか?例えば、核戦争とか……」

「可能性はある。だが見てみろ、星の軌道上だ」

 

 シュルツは指揮棒のレーザーポインターで、ある箇所を指し示した。部下がそこを拡大すると、宇宙空間を自力で移動する巨大な船のシルエットが映し出される。

 

「あれは……航宙艦!?」

「どうやらこの星は、すでに誰かの手のものらしいな」

 

 シュルツはそう分析した。

 あの航宙艦隊は、おそらくこの星の土着の艦隊ではないだろう。艦隊の配置が周辺の宙域をパトロールしているように見えたからだ。

 

「……我らガミラスが他の星にそうしたように、あの星もあの艦隊に滅ぼされたのでしょうか?」

「いや……どちらかといえば違うな。何せ彼らは地表に降りていないように見える。征服した星なら廃墟でも資源は取れるだろうに、なぜそれをしない?」

「あの星を守っている?いや、だとしたら何のために……」

 

 もしや、あの星に人を近づけてはいけないナニカがあるのでは、とシュルツは考え始めた。

 おそらくあの艦隊は封鎖用の艦隊で、何か危険なものから敵を遠ざけようとしているように見える。

 ならば、ここで憶測を並べていないで行動を起こして相手の出方を見るべきか……

 と、シュルツが考え込んでいたその時だった。

 

「大佐!ゲシュタムジャンプアウト反応!真正面です!」

「なにっ」

 

 部下からの報告を受け、シュルツは真正面を見た。

 ザルツ旅団の艦隊から見て真正面、ゲシュタムジャンプと思しき青白い光が二つ見える。それらは艦隊からさほど遠くない位置に展開され、二隻の船が飛び出してきた。

 

「くそっ、感づかれたか……総員、戦闘配置!」

 

 どうやら相手の対応は素早いようだ。

 シュルツの命令を受け、ザルツ旅団の全艦に戦闘配置がかかる。警報が鳴り響き、乗組員が戦闘配置に移動。艦隊も陣形を整える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コード23。星系内への侵入者を捕捉」

 

 地球連邦政府、惑星封鎖機構に所属するドレッドノート級前衛強襲艦の二隻は、未確認でかつ未登録のワープアウト現象が発生した宙域に展開した。

 二隻のうち先任を務める強襲艦〈ムラサメ〉のオペレーターが、惑星封鎖機構で定められた識別コードを用い、現場に到着した旨を記録した。

 

「なんだあれは……大艦隊だぞ……!」

 

 真正面に見える侵入者を見た〈ムラサメ〉艦長の島大吾 執行一佐は、無意識にそんな声を漏らした。

 侵入者はなんと、ざっと百隻を超える大艦隊だった。しかも綺麗に陣形を整え、こちらに接近してきている。

 まさかルビコンに蔓延る企業の連中が、ついに主力を持ち出して全面戦争でも仕掛けに来たのだろうか。

 だがその懸念はすぐに疑問へと変わる。何故なら〈ムラサメ〉のデータベースにも惑星封鎖機構のシステムにも、かの艦影を識別できるデータがなかったからだ。

 

『コード44。敵艦はどの企業製艦艇とも情報が一致しない。一体どこの所属だ!』

「……散策は後だ。オペレーター、まずは相手に警告を送れ」

「はっ」

 

 だが相手がなんにせよ、惑星封鎖機構の手順に則って執行しなければなるまい。

 たった二隻では荷が重いかもしれないとも感じたが、重大な局面でのコンタクトだ。まずは対話を試みなければならない。

 




強襲艦が普通にワープしてたけど、まあAC6世界ならそれくらい出来るよねってことで
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