デュエマ・アーカイブ〜転生者と革命龍〜   作:ガチャ石は貯めない

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ニヤリーゲットってやっぱ強ぇよ。なんでデュエプレだと4枚使えるんだ本当にありがとう。



DMPとゲヘナ(3)

やぁ、明楽ユウキだ!

 

美食研究会を捕まえた後、そのまま彼女達は独房にぶち込まれてた。まぁ、反省してもろて。

 

そんで今は、ヒナさんのゲヘナ案内が再開してるぜ!なお、ドギラゴンの事については普通に怒られた。まぁ、流石にね。

 

その後も、教室とか色々と回って行った。……ゲヘナの生徒って良くも悪くも純粋だよなぁ……。裏表がない感じがする。

前世のクソ上司とかにこの純粋さを欠片でも煎じて飲ませてやりたいぜ……。

 

気を取り直して、今はめっちゃでかいドアの前にいます。めちゃくちゃデケェ!!でも某最高のヒーローを目指す漫画に出てきたドアよりは小さいや!

 

 

──ここが、万魔殿かぁ……ミレニアムで言うセミナーと同じ感じか?

 

「ええ。ゲヘナの生徒会とも言っていいわ。……ちなみに、イブキも所属しているのよ。」

 

──へぇ……あの子はめちゃくちゃ頭良いし、飛び級なんだってな…。そりゃあ生徒会にもなれるわけだ……とりあえず、入ろうぜ!

 

"そうだね……マコト!今いいかい?"

 

先生がノックして声を掛けると、すぐにドアが開いた。中から出てきたのは丹花イブキであった。

 

「あ!先生だ〜!ユウキさんにヒナ先輩もいる〜!」

 

──よぉ、イブキ。中に入ってもいいか?

 

「うん!はいっていいよ!」

 

「ありがとうイブキ。失礼するわ。」

──失礼します。

"失礼します…。"

 

そうして中に入ると……会長らしき人が冷ややかな目でこちらを見ていた。

……けど、なんだろうな?圧がない。なんて言うか、なんでだろ??(すっとぼけ)

 

 

「………ようこそ万魔殿へ。先生にヒナ風紀委員長。……そして、明楽ユウキさん。」

 

──あ、どうも。棗イロハさん。

 

「こんにちは、いつもイブキがお世話になっています。」

 

──こちらこそ、お世話になっております。

 

出迎えてくれたのは、イブキのお世話係になってるであろう棗イロハさん。

よくシャーレに来ては、先生をサボらせている人だ。実は働きすぎな先生にとってはありがたい人でもある。………多分、お嫁さん候補なんだろう、これでも生徒会に選ばれる程度には能力は抜きん出ている。すごい。

 

そんで、そろそろかなとタイミングを計っているのは……。

 

「よく来たな先生!そして、ドラゴンを操るデュエリスト。私はこのゲヘナを統治する万魔殿の義長である羽沼マコト様だ!!おいヒナ、お前は用がないなら出ていけ!」

 

 

万魔殿の議長である羽沼マコト。

風紀委員会が関わらなければめちゃくちゃ頭のキレる人──と、先生から聞いている。まぁ、たまーにシャーレの手伝いをしてる時は普通に優秀なんだよね。うん。風紀委員会がいなければ。風紀委員会が居なければ!

 

 

「そうはいかない。先生とユウキの護衛と、ゲヘナの案内のために近くにいないと行けないから。」

 

しかし、マコトの言い分にヒナはNOと返した。ヒナの否定に、賛成するものも1人。京極サツキだ。………見た目、おかしくない??

 

「そうよマコトちゃん。戦力としても、護衛としてもヒナちゃんがいる方がずっと安全なんだから、近くに居させましょ?」

 

「………ちっ、なら仕方ない。それで、先生はどうしてここに?」

 

"ユウキにゲヘナを案内しているんだ。ユウキはシャーレで働いているし、知り合いは多い方が良いからね。"

 

「……たしかに、それはそうだな。では、聞こう。ドラゴンを操るデュエリスト明楽ユウキ。

貴様は、何者だ?」

 

ふむ、何者か……か。これまたあまりに曖昧な質問だな。しかし、答えは変わらないなぁ…。

 

……確かに、言われてみれば、俺は何者なんだろうな?………まぁ、今はそこまで考えてる訳じゃないけど、たった一つ分かることはある。それは。

 

──俺は、ただの"デュエマプレイヤー"だ。今のところは、それ以上も以下もない。

 

「デュエマ、プレイヤーだと…?それは、"デュエリスト"と何が違う?」

 

──根本的には同じだろうよ。けど、俺は"色んな"デッキを使うし、持っている。けど、お前たち(デュエリスト)はあまりそうしない。理由は色々あるんだろうけどな。

 

「……………なるほど。」

 

……マコトは目を瞑って何かを考え始めた。何を考えているのだろうか…?すると、マコトは少ししてから目を開けて俺を見た。

 

「(───ヒナと先生が連れてきた男……何故だが、無性に腹が立つ(・・・・)。ゲヘナに立つ資格がないのか……はたまた、我々とのズレがあるのか……そもそも自分を"デュエマプレイヤー"と評するとはな……。先生を、レッドゾーンの暴走を止めたこの者は、正しく"英雄"と言われている。しかし、目の前のこの者は……この男は、何者だ(・・・)?)」

 

「────ならば、貴様は勝利に何を思う?」

 

──ただの勝利に意味なんか無い。ただ"ゲームに勝った"。その事実だけしかないさ。

 

その返しに、マコトは何故か不機嫌な顔をし始めた。先生やヒナさんも、なんでか驚いている。他の万魔殿の人も驚いた顔をしている。……なんでだ?

 

「─────ほう?つまり、誇りを貴様は持っていないと?多くのデュエリストは、少なからず「誇り」を、「プライド」をもってデュエルに挑む。しかし貴様は、それを持たないと?」

 

──なるほど……そういう事ね。……そうだな、俺はそんな気高いものは無いね。

 

「……なに?」

 

──なんせ、俺がデュエルしてる時に考えてることなんて、ただ楽しい(・・・)勝つこと(・・・・)の2つだし!誇りとかは、二の次だろうな。

 

「─────────。」

 

なんか、絶句してる。そこまで驚く事か??

 

すると、ヒナさんが前に出て話し始めた。

 

「………マコト、彼はドラゴンを操ってはいないわ。」

 

「…なにっ!?どういう事だ!!」

 

「……彼は、ドラゴンに……クリーチャーに好かれる(・・・・)。彼も、クリーチャーが好きだからそのカードを使うし、使われるカードも彼にだからこそ従う。良くも悪くも、裏表がない(・・・・・)のよ。その結果、クリーチャーが問題を起こしても……彼は、自ら"責任"を取るわ。」

 

ヒナさんの主張に、同調するように先生も前に出て話し始めた。

 

"そうだね……ユウキは、そこら辺はしっかりしてるから。ただ純粋に、デュエマを楽しむ。だから、デュエマプレイヤー。デュエリスト(決闘者)じゃないんだよ、ユウキは。"

 

「……………そうか、キキ。そうか……!」

 

なんか納得してくれたようだな。後でヒナさん達にお礼しなきゃなぁ……。何がいいだろ?やっぱカードかな?

 

「ならば、デュエルだ!!貴様という"デュエマプレイヤー"が如何程の者か!私に示してみろ!!」

 

──いいね、乗った!!

 

マコトの長髪に、ユウキがデッキを懐から出しながら臨戦態勢になると、そこにヒナが割り込んだ。

 

「待ちなさい。」

 

「「!?」」

 

「空崎ヒナ!!これは我々のデュエルだ!邪魔をしてもらっては困る!」

 

──ヒナさん?どうしたんです?

 

すると、ヒナさんは俺の方を向いて話し始めた。

 

「ユウキ、お願いがあるの。美食研究会を捕まえた時の、あのガンマン。あのカードの力を、知りたい。」

 

──!

 

「なんだと……?」

 

マコトはどうやら、ヒナの行動の意味が分からない様子。しかし、ここは見守ることにしたようだ。

 

「このデュエル、そのカードを使って貰えないかしら。」

 

──…………ふーむ。

 

 

 

ユウキは悩んだ。ジョリー・ザ・ジョニー率いる"ジョーカーズ"の力は、この世界にあるどのカードよりも出力がデカすぎる。動き方は単純ではあるが、このキヴォトスにおけるデュエマで使っていい出力ではない。

 

そう断言できるほどである。それに、ユウキが今あるジョーカーズのデッキはほぼ初期の形。しかし、その初期であろうとも火力がアホみたいにある。ユウキとしては、申し訳ないが使いたくはない。

 

(どうすっかな〜……ヒナさんの願いを無下にはしたくはないし……。……せや!)

 

ユウキは腰にあるデッキケースの中から数枚のカードを抜き取り、マコトに差し出した。

 

 

──ほい、これ貸すわ。

 

「───は?」

 

──いや〜!ヒナさんの願いを叶えるには、こうするのが一番だと思ってな!

 

「………このカードたちを、使えと?」

 

──おう。けど、このデュエルの間だけだ。その後は返してもらうぞ?

 

「…………いいだろう。上等だ!」

 

マコトはカードを受け取り、すぐさまデッキを構築し始める。

 

ユウキも、ヒナさんにウインクをして、ジョーカーズのデッキの調整を始めた。

 

 

 

少しして、2人のデッキ調整が終わり、指定位置に着いた。

 

──行くぜ!マコト議長!!

「こい、明楽ユウキ!!」

 

「「デュエマ!スタート!!」」

 

ユウキ〖ジョーカーズ!!〗

VS

マコト〖漆黒の悪魔神バロム〗

 

【明楽ユウキ対羽沼マコトのデュエマがスタートした!ユウキの使うジョーカーズの実力とはどれ程なのか!どのような展開になるのだろうか!?】

 

ユウキ

手札:6

シールド:5

マナ:5

バトルゾーン

・ヤッタレマン

・パーリナイ

・ヘリコプ太

 

マコト

手札:3

シールド:5

マナ:5

バトルゾーン

・死神信徒バーロウ・ビリーバ

 

4ターン目

 

ユウキのターン

 

──俺のターン!アンタップドロー!マナチャージして、G・ゼロでゼロの秘宝ニヤリーゲット発動!デッキの上3枚を確認してその中から無色のカードを全て手札に加える!

 

「なにィ!?」

"G・ゼロで発動していい呪文じゃないよやっぱ!"(3ターン目でも使ってた)

「発動条件が緩すぎる……!!」

 

──更に、ヤッタレマンの効果で1軽減して4マナ!ヘリコプ太を召喚!効果で、場のジョーカーズの数だけドロー!

 

"1枚で4ドロー!?リターンが大きすぎない!?"

「手札が悪ければそこまでドロー出来ないから、許されている感あるわね……。」

 

──よし、ヤッタレマンを1マナで召喚!2軽減してパーリナイ!効果で墓地のカートをマナに!そして1マナ!パーリナイ!同じく効果で墓地のカードをマナに!

 

ジョジョジョ・ジョーカーズ・ニヤリーゲット:墓地→マナゾーン

ユウキのマナ:6→8

 

──ターンエンド!

 

マコトのターン

 

「私のターン!アンタップドロー!マナチャージ!魔令嬢バロメアレディを召喚!効果で、墓地のカードを2枚までマナゾーンに!」

 

マコトのマナ:6→8

 

「バロメアレディはマッハファイターを持つ!!ヤッタレマンを攻撃!!このとき、効果発動!!」

 

──来るか…!

「ここで効果が発動…!?」

 

「私のマナゾーンの数以下のバロムを呼び出す!!」

「来るがいい!!我が最強の魔神よ!!悪魔神バロム!!」

 

──うへぇ……厄介な…!

 

「バロムの効果!!闇文明を持たないジョーカーズ達には退場してもらおうか!!」

 

ユウキのバトルゾーン:ジョーカーズ全破壊

 

──ちぃ…!!

 

「そのままターンエンドだ。」

 

5ターン目

 

ユウキのターン

 

──行くぜ、俺のターン!アンタップして…!

 

ユウキがタップされていたカード達をアンタップし、デッキに手をかける。

その瞬間、ユウキの頭上に蒼き炎の輪(ヘイロー)が浮かび上がる。

そのヘイローは、まるで燃える炎。それがVの字になって螺旋を描いている。その中心には1枚のカードのようなものが浮かんでいた。

 

──ドロー!!

 

ユウキがドローをすると、そのヘイローは消滅する。まるで、この時にしか出現出来ないように。ふわりと。

 

──よし、マナチャージして2マナ!ヤッタレマン召喚!そして、最後のヤッタレマンを召喚!2軽減の5マナ!!

 

「来るか!」

 

──こい!ジョリー・ザ・ジョニー!!

 

「来たな、ジョリー・ザ・ジョニー!報告は上がっていたが、まさかすぐにお目にかかるとはな……!」

 

──ジョニーはスピード・アタッカー!このまま、シールドに攻撃!!その時アタック・チャンス!!

 

「なんだと!?」

 

──呪文!ジョジョジョ・ゼロショット!!

 

「アタック・チャンスだと…!?」

"攻撃した瞬間に呪文!?"

 

──アタック・チャンスは、条件を満たしたクリーチャーが攻撃する時に発動できる必殺呪文!!ジョジョジョ・ゼロショットの条件は、バトルゾーンとマナゾーンに合計で10枚のジョーカーズがある事!そして、その効果はデッキの上から3枚見て、その中のジョーカーズの数までクリーチャー一体のブレイク数を上げる!!

 

「なっ!?」

"ブレイク数を増やす呪文!?"

「まだよ、ジョニーの能力次第じゃ、更に凄いことに──!!」

 

──行くぞ!デッキの上3枚を確認!!

 

・バレット・ザ・シルバー

・バイナラドア

・ツタンカーメン

 

──よぅし!3枚ともジョーカーズだ!!これにより、ジョニーのブレイク数を5に上げる!!

 

「なにぃ!?」

 

──更に、ここでジョニーの効果発動!!

 

「来たわ…!!」

「何が来るんだ…!?」

"ここで効果が…!?"

 

──ジョニーだけが持つ、最強の能力!!マスター・W・ブレイク!!ジョニーのブレイク数の数だけ、相手クリーチャーを選んで破壊する!!

 

「なにィ!?!?」

 

"せっかく出したクリーチャーが…!?"

「この効果ひとつで全滅する…!?」

 

バーロウ・ビリーバ、悪魔神バロム:破壊

 

──そのままシールドを全てブレイクだぁ!

 

マコトのシールド:5→0

 

「ぐぉお!?くっ、シールドチェック!!」

 

1~5:‪トリガーなし

 

「このマコト様のトリガーが、ないだとぉ!?」

 

──引き金は、2度引かねぇ。一発が全てだ!!ジョリー・ザ・ジョニーの効果!!このクリーチャーの攻撃後、相手のクリーチャーとシールドがなければ、俺はゲームに勝つ!!

 

「「「"な、なんだってーーー!?!?"」」」

 

──俺の勝ちだ!上出来(ジョーデッキ)

 

ユウキEXWIN

 

 

 

 

 

ジョニーの効果で敗北したマコトは、四つん這いになって落ち込んでいた。

 

「イブキの前で負けたーーー!!!」

 

「……はぁ。圧倒的なまでの理不尽を押し付けられましたね。マコト先輩」

 

「うぐっ……しかし!あの時にS・トリガーが出ていれば、逆転もあっただろう!?」

 

「そうね……ジョニーの効果を見るに、除去さえできていればまだ勝てる見込みはあったと思うわよ?」

 

「くそう………ここまで屈辱的な敗北をしてしまうとは……!!」

 

「あちゃ〜、これは長くなりますね〜。それより、私としては撮れ高満載のデュエルでしたね!」

 

「………チアキ、帰っていたのか。それより、イロハ。お前の目から見て、アイツのデュエルはどうだった?」

 

「………言葉とは裏腹に、色々と冷静に考えて動いてましたね。ただ、勝っても負けても良いと考えているのか……楽しむ方に傾いていたかと。」

 

「そうか………奴は、デュエリスト足りるか?」

 

「それは間違いないんじゃない?彼は紛うことなき"デュエリスト"。けれども、意識的には"プレイヤー"の側面が強いってだけ。」

 

「まぁ、下手に干渉して怒らせたら怖そうですけどねー……。」

 

「ユウキさんはこわくないよ!デュエマは容赦ないけれど……!」

 

「………待てイブキ。奴とデュエルしたのか??」

 

「うん!ものすごく強かった!!デッキも貸してくれて一緒に遊んだんだ〜!」

 

色々と教えて貰いながらやったよ〜!というイブキに、マコトは震えながら叫んだ。

 

「────なにィぃぃぃぃ!?!?」

 

その後、ユウキはめちゃくちゃマコトに詰められた。ヒナが救出してくれたので何とかなった。

 

 

 

「おほん。そのカード達の実力はわかったな、ヒナ。」

 

「ええ、十分過ぎるほどに……ありがとう、ユウキ。」

 

──おう!

 

色々詰められた後で、この切り替えの早さはすごいと思うわ……内心めちゃくちゃ疲れた……。

 

「………明楽ユウキ。貴様がなぜこのようなカード達を所持しているのか。それを追及する気は無い。」

 

──……言っとくが、流石に渡せねぇからな?

 

「わ、分かっている!……いや何、先程から気になっていたのだが、その浮いているカードはなんだ?」

 

そう、さっきからマコトから返されたカードを含んだバロム関連のカード達が、ユウキの周りを飛んでいた。

 

──……バロム関連のカードだな。──ん?

 

ユウキがそう言うと、そのカード達は分裂し、同じカードが増殖した。

 

「「「「「!?」」」」」

──……へえ。

"え、増えた!?"

「増えたー!」

 

そして、増えたカードがマコトの手元に渡った。………なるほどなぁ…!

 

──ラッキーカードだ。どうやら、マコト議長の事が気に入ったらしい。上手く使ってやってくれ。

 

「────ふ、ははははは!!良いだろう!このマコト様の為に、その力を使ってやろう!!」

 

「………こういう事って、よくあるんですか?」

 

──たまーにある。バロムレベルのカードが意志を持って居る事も、たまによくあるんだよ。

 

「そうなんですね………これから、面倒なことにならないと良いのですが……」

 

──大丈夫だろ。バロムはそこら辺キッチリしてるだろうし。

 

ユウキはそう言って笑って見せた。イロハは少し、呆れていたがマコトの様子に、柔らかい笑みを少しだけしていた。

 

その後、マコト達に別れを告げてユウキ達は万魔殿を後にした。

 

「また来るがいい、明楽ユウキ!その時は、ジョーカーズ共々吹き飛ばしてやろう!!」

 

──やれるもんならやってみな。いつでも相手してやるさ。

 

"それじゃあね、皆。"

 

 

 

「───明楽ユウキ。」

 

ユウキが歩き出そうとした時、マコトがユウキを呼び止めた。ユウキはマコトの方に振り返る。

 

──?なんだ、まだなんかあるんか?

 

「貴様は、自身を"デュエマプレイヤー"と評していた。しかし──」

 

「その根っこは、デュエリストその物だ。デッキをいくら持とうが、どれ程メタゲームをしようが、貴様の性根はデュエリストそのものだ。忘れるんじゃないぞ。」

 

──………おう。

 

マコトの言葉を胸にしまい、ユウキは先生たちについて行ったのであった……。

 

 

 

 

 

 

その後、ゲヘナ学園を一通り回った頃には、もう夕日が差し掛かり始めていた。

 

先生とユウキは、案内をしてくれたヒナと共にゲヘナ学園の校門前にまできていた。

 

──そんじゃあな、ヒナさん。誘ってくれて、ありがとな!

 

「ええ。私も、いい経験が出来たわ。……ジョニーの実力も、少しは知ることが出来たし。」

 

──はは!まぁ、俺もドギラゴンのツケは払っときたかったし。これでチャラにしてくれな?

 

「ええ。……先生も、今日はありがとう。」

 

"うん。大丈夫だよ。……ユウキ、しばらくドギラゴンは反省させるのかい?"

 

──勿論です。今回ばかりは見過ごせませんから。………まぁ、ドギラゴンも悪気はないと思うので、ある程度は譲歩してますけど。

 

"そっか。それじゃあ、またねヒナ。"

──またな〜!

 

俺たちはそう言って、元々いたミラダンテに乗り込んだ。ドギラゴンはカードの中で反省中である。

 

──(……しばらくは、ドギラゴンはカードの中で大人しくしてもらうとするかね〜)

 

そう思いながら、ユウキは先生と共にシャーレに帰って行くのだった……。

 

 

夕焼けが差す空の中、ドラゴンは消えていった。ヒナは、ユウキ達の姿が見えなくなるまで見送った。その後、風紀委員会の部室に戻った後に、ふと下を見ると、1枚のカードが落ちていた。

 

"CRYMAX ジャオウガ"

 

ヒナは、ユウキの忘れ物かと思いそのカードを拾うと、頭の中に声が響いた。

 

『───ほう、マスターも人が悪いな。』

 

「(───あなたは、誰?)」

 

『我の名は"ジャオウガ"。鬼を総べる王だ。マスター"明楽ユウキ"は、貴様に我を託したようだな。』

 

「(……"鬼"?いえ、それよりどうして……)」

 

『さぁな。しかし、我を貴様に渡したということは、貴様には強くなってもらいたいと思っているということ。』

 

「(強く……?)」

 

『そうだ。マスターは欲しているのだ!強く勇猛なデュエリストを!!マスターがバロムを使うデュエリストに、カードを分け与えたのもそれが理由だろう。しかし、我ら鬼はそう簡単に貴様には従わない。』

 

「(………何をするつもり?)」

 

何も(・・)。我らはただ、貴様が我ら鬼を使うに足りるかを見るだけだ。足りぬと思えば、我はマスターの所に戻るだけよ。』

 

「(…………彼は、どうしてあなたを私に?)」

 

『さぁな。本当の目的は知らぬさ。もしかしたら、案外しょうもない理由かもしれんがな!ふはははははは!!』

 

 

頭の中で響く鬼の声。しかし、ヒナは特に気にすることなくそのカードをデッキケースにしまった。

 

「(なら、見ていてもらっても構わない。また、彼に会えばいいのだし。)」

 

『………そうだな。それまでしばらく見ておこう。貴様という人間を。』

 

 

 

 

 

 

 

なお、そのマスターであるユウキはと言うと、家で頭を抱えていた。

 

 

──やっべ!?ジャオウガのカードを落としてきちまった!?

 

『なんだと!?なんで持ってきたのだマスター!!』

 

──い、いやその。普通にバロムデッキの中にぶち込んでただけなんだが……いつ落とした!?俺!!

 

『なにィ!?あのカードは最悪の事態を巻き起こすかもしれぬのだぞ!?今すぐ回収しに行かねば!!』

 

──いや、無理だろ。もう夜だし何時間も経ってる可能性あるし。

 

『ぬぅ……ジャオウガは大丈夫なのだろうな?』

 

──心配すんなって!ジャオウガ自体、割と大人しくするだろうから!鬼の王様だし!

 

『………暴れたら、止めるのだな?』

 

──そらそうよ。俺たちのせいだしな。責任は取るさ!さ、寝ようぜ〜。

 

『ぬう………ドギラゴンよ。我らがマスターはたまに適当すぎるところがあるな……。』

 

『仕方あるまい。あれも王だ、手に取った者に資格がなければふらりと帰ってくるだろう。』

 

『………まぁ、そうか。』

 

カードを落とした奴の姿か……?これが……?なんとも呑気に考えながら、事の自体が起こるまで陽気に構えるユウキであった。





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