デュエマ・アーカイブ〜転生者と革命龍〜   作:ガチャ石は貯めない

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先生と降りかかる絶望

 

過去:先生side

 

ジェンドルとユウキ&連邦生徒会長がぶつかり会う前、キヴォトスでは、今も尚ユウキの捜索が行われていた。

 

"………やっぱり、手がかりはない…か。"

 

今現在、アリウススクワッドのメンバーや不良生徒にすら手伝ってもらい、ユウキの捜索をしている先生は、誰よりも疲弊していた。

 

シャーレにおいて──否、"先生"としての"明楽ユウキ"という人間は命の恩人であり、暴走した自分からこのキヴォトスを救ってくれた大恩人である。

 

そんな人が、行方不明となっては、先生としても、一個人としても心配になるだろう。それも、彼のような心優しき大人なら尚更である。

 

「………先生、念の為にアリウス自治区にも行ってみたが、やはり痕跡は残っていなかった。」

 

「そもそも、誰も立ち寄った形跡もないね。……ねぇ、先生。もしかしてだけど……その人はキヴォトスを出たんじゃない?」

 

"……私も、その可能性はあると思ってね?調べてもらったんだ……。"

 

「………結果は、どうだったんだ?」

 

"………キヴォトスの戸籍を持つ人間が、外の世界に行った記録はない。いくつもある監視カメラを見ても、その姿を確認することはできなかったよ。"

 

「………そうか。……すまない先生、こういう時に、気の利いた言葉をかけた方がいいのは分かっているが……。」

 

"大丈夫だよ、サオリ。"

 

………その日も、彼らが明楽ユウキに関する情報を手に入れることは出来なかった。

 

 

 

 

 

それから、数日後………

 

シャーレに、とある人物がやって来ていた。

医療班の生徒たちは、その人物に警戒を解かず、先生もまた、警戒を怠らなかった。

 

"………黒服、まさかあなたがここに来るなんてね。"

 

「クックックッ……ええ。貴方には、とある事実をお教えしようと思い、馳せ参じました。」

 

"「とある事実」……?"

 

「ええ………あなたが探している"明楽ユウキ"について、です。」

 

その瞬間、先生は勢いよく立ち上がり、黒服のスーツを掴みかけた。ユウキに向けて何をしたのか、ユウキの安否等が気になってしまうが、ここで黒服に攻撃すればその情報が手に入らないことに気がつく。

先生は、何とか理性を保つことで掴みかかるのを堪えた。

 

「ククッ………そう、暴力的にならないでください。彼は"生きて"います。ですが、いかんせん状況が悪い。」

 

先生は黒服のその言葉を聞き、目が鋭くなる。黒服が何かをしたのではないか?と邪推する。

しかし、そうなる場合、こうして黒服がわざわざここに出向いて生徒の味方である"先生"に話しかけてくるとは考えにくい。

 

故に、その怒りを納めた。

 

「…………ええ。わかっていますとも。私がいる時点で、疑われることは。クックックッ……日頃の行いと言うやつですね。………ええ、茶化すのはやめましょう。本題に入りましょう。今現在、彼がキヴォトスに居ないのは、私にも非があるのです。」

 

"…………どういうこと?"

 

やはりコイツはここで〆た方がいいのだろうか?と大人しく聞いていた生徒たちは思った。

 

「クックックッ………今、彼は私の研究の尻拭いをしているのです。私の研究に使用していたあるカードによって、"厄災"を呼び寄せてしまったようなのです……」

 

"………「色彩」と同等?"

 

「────被害でいえば、それ以上になるやもしれません。そのため、彼に依頼したのです。……彼は今、「夢の狭間」……いえ、「夢の跡地」にて、厄災を退けているのでしょう。」

 

"………その言い方、厄災は止められないんだね?"

 

「ええ………戦力はかなり減らされ、敵もフルパワーを出せないとはいえ、この地に降りれないほどの致命傷は避けるでしょう。……私の推測によれば、恐らくもうすぐ来るはずです。この、キヴォトスに。」

 

"なら、今から皆に──!!"

 

そう先生が言いかけたと同時に、シャーレの警戒アラームが鳴り響いた。

 

ジーリリリリリリリリ!!!

 

 

「「「「「「「"!?"」」」」」」」

 

そこにいた医療組の生徒達と先生は、そのアラームに驚いた。……音が、目覚まし時計のような音に変わっていたのだ。

 

"タイムストップン"。

 

それは、"ジョーカーズ"と呼ばれる種族の呪文カード───つまり、かつてユウキがマコトを相手にした時に使用した"ジョリー・ザ・ジョニー"と同じ文明のカードであり、ユウキがシャーレを去る前にこっそりと設置しておいたものだった。

 

これが鳴り響くという事……それはつまり

 

───この世界に、危機が訪れたという事である。

 

この音に即座に反応したのは、彼が置いていったミラダンテであった。

 

『───っ!!』

 

「ミラダンテ…!?シャーレに居たの!?」

 

『一応潜伏という形ではあるがな!それより先生!そして生徒たちよ!この時計が鳴り響く理由は一つ!

 

この世界に、危機的状況である(・・・・・ ・・・・・・・・)ということだ!!

 

「「「「「「"!?"」」」」」」

 

「クックックッ………用意周到ですね、彼は。」

 

「どういう事ですか?その時計が鳴り響くと、そのような事がわかると?」

 

『ああ。この時計……"タイムストップン"は、意思のある時計でな。マスターがしばらく留守になるからと、置いて行った物。この世界に危機が訪れた時、マスターや我々のような存在に「危機が迫っている」、もしくは「危機が訪れる予兆が現れた」時にクソうるさく鳴り響くから、よろしく頼むと頼まれたのだ!』

 

「………では、このキヴォトスに"何か"が起こり、世界が危機的状況になるという事ですね……先生、ここは一度、連邦生徒会に行きましょう。」

 

「…病人である先生を、これ以上酷使させたくありませんが、仕方ありません。私も着いていきます。もし、体調が悪化すれば、先生の指示の元、我々が独自に動きましょう。」

 

ミネの言葉に、その場にいた医療従事者のもの達は納得して頷く。

先生はここ数日で既に体調が悪くなっていた。しかし、今回ばかりはそんな事を言ってられない。先生たちは、連邦生徒会に向かうことになったのであった。

 

"───黒服!ユウキをこっちに戻せる準備は!?"

 

「───クックックッ、既に終わっています。しかし、どうやら妨害を受けているのか彼はこちらに来れないようです……。先生、しばらくは耐えなければなりませんよ。」

 

"………仕方ない…!!"

 

黒服の言葉に、先生は歯ぎしりしながら走るのだった。

 

 

 

 




ここからしばらく、また先生視点が多くなります。
ご了承くださいm(_ _)m

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