まずは本編をどうぞ。
アキさんとのデュエルが終わり、十六夜夫妻は私達に感謝を伝えるとお仕事の方へ戻って行った。そして私達はアルカディアムーブメントを調べていた御影さんに呼ばれ、セキュリティへ来ていた。
~セキュリティ本部・データ保管室~
遊星、アキさん、私の3人で御影さんの話を聞くことになった。深影さんは、私と龍亞は話を聞かなくてもいいと気を使ってくれた。龍亞には多分重い話になってしまうからと外で待って貰うことにしたけど、私は話を聞いておきたかった。
深影「これは先日崩壊したアルカディアムーブメントで発見されたデータになります。」
そこにはディヴァインによって集められたサイコデュエルの力を持つ子供達のデータ。そしてその、人体実験の映像が映し出される。
アキ「くっ…」
アキさんは思わずその映像から目をそらす。
それはそうよね…信じていたディヴァインがこんなに卑劣な事をしていたんだもの。
深影「アルカディアムーブメントによって拐われた子供達の人体実験に関する詳細が記されています。」
アキ(拐われた子供達…?人体実験…?)
アキはミスティに言われた弟の事を思い出していた
アキ(まさか、その中に…!?)
アキの様子の変化に遊星も心配そうに見ていた。
深影「この件は治安維持局でも捜査を続けてきましたが、それを裏付ける決定的な証拠です。ディヴァインは能力の高いものを選りすぐり、デュエル以外でも力を発揮できるように改造し、紛争地域へ送り込む計画をたてていたようです。アキさん、あなたもその中に。」
資料を見たアキは驚きと衝撃で苦い表情を浮かべた。そしてそれから逃げるように部屋を走り去ってしまった。
深影「目を背けても耳を塞いでも。事実は変わらないわ!ディヴァインはあなたの力を利用しようとしていただけなのよ!アキさん!」
そんな深影の叫びを聞いた遊星は無言でゆっくりと部屋を去る
龍可「きっとアキさんも理解できるはずです。でも少しだけ、飲み込む時間が必要なんだと思います。」
深影「龍可ちゃん…」
龍可「深影さん。そのリストの中にミスティさんの弟はいませんでしたか?」
私のおぼろげな記憶だと、アルカディアムーブメントによってミスティさんの弟は亡くなったはず…少しでも情報は手に入れておきたい。
深影「ミスティってあの大女優のよね?いえ、リストの中にそれらしき人物は見当たらなかったと思うわ。」
龍可「そうですか…ありがとうございます。」
私の記憶違い?それとも亡くなったからリストから消去したとか?いずれにせよ、ここで確実な情報が手に入らないのならまたディヴァインから話を聞き出すしかない…か。
龍可「龍亞も待たせてますし、私も一旦アキさんのところに行きますね。」
私も部屋を出てアキさんの後を追いかける。すると落ち込むアキさんを遊星は既に落ち着かせていた。
遊星「ただ一つお前を信じ、必要とするものがいるということだ。俺たちは仲間だ。」
遊星は自分の腕の痣をアキへ見せた。
良かった。流石遊星。アキさんの事を受け入れて、既にアキさんの居場所の一つになっている。
こうしてアキが落ち着いたことで遊星、ジャック、アキ、龍亞、龍可の5人は呼ばれていたゴドウィンの家へ向かうことになった。
~昼・ゴドウィン宅~
龍亞「ほえーでっかいお屋敷だな。ここがゴドウィン長官の家か。」
広い庭園に、謎の銅像から噴き出す噴水。まさに誰もが思い描く豪邸って感じよね。
ゴドウィン「お待ちしておりました。」
豪邸の扉が開き、奥からゴドウィン長官が姿を現す。
ゴドウィン「ようこそ、シグナーの諸君。ずいぶんと回り道をしましたがやっとこうして皆様をお出迎え出来たこと、喜ばしく思います。」
ジャック「どこまでも胡散臭い男だ。」
アキ「遊星。どうしてこんなところに来たの?ゴドウィンはあなたの仲間を人質に取り、無理やりフォーチュンカップに出場するように命令したのでしょう?そんなやつの事を信用するの?」
遊星「いや、ゴドウィンのこれまでのことを許すことは出来ない。だが、世界は今不可解な現象で滅びの危機に瀕している。その真相を知るのは、ゴドウィンの他ない。」
アキ「それを聞き出すために、あえて誘いに乗ったわけね。」
遊星「今はそうするしかない。」
遊星とアキがひっそりと会話するなか龍亞が啖呵を切った
龍亞「なあなあ、なんで俺たちをこんなところに呼んだんだよ。」
ゴドウィン「君を招待した覚えはないが?」
ゴドウィンの強い切り返しに龍亞は狼狽えてしまう
龍亞「そんな…固いこと言わないでさ。」
ゴドウィン「シグナーでないものに用はありません。お引き取り願いましょう。」
ゴドウィン…そこまで言わなくてもいいじゃない。龍亞だって、いずれは…
龍可「私は龍亞と一緒じゃなきゃ行きません。龍亞を帰すなら私も一緒に帰ります。」
龍亞「龍可…」
ゴドウィン「…仕方ありません。」
少し考えたゴドウィン長官だったけど、なんとか龍亞も通してくれるみたい。それにしても龍亞を見るあの目。もしかして龍亞の境遇を自分と重ねてるところもあるのかな…
龍可「よかったね。龍亞。」
龍亞「あ、うん…」
龍亞は少し罰が悪そうだった。あんな言われたしたら傷つくよね。
ゴドウィン「では早速、邸内をご案内しましょう。こちらへどうぞ。」
〜〜
ゴドウィンに案内された先にはシグナーの紋章が記された神殿が奉られていた。
そこでゴドウィンは語り始めた。赤き竜に導かれ私達が集まったこと。それは運命だと。
5人目のシグナーが既に目覚めていること等。
もう一つ大事な事。ダークシグナーについて…
地縛神の生け贄に人々が使われ行方不明になっている。それを防ぐには私達シグナーがダークシグナーを倒すしかないと。
そしてダークシグナーは1度死んだものが地縛神によってこの世に蘇った存在であると。
語り終えたゴドウィンは私達に何をすべきかを問い、部屋を去ってしまった。
驚愕の事実を知った遊星達はしばらく呆然と立ち尽くしていた。私も初めて聞いたときはとても信じられなかったもの…
〜ゴドウィン邸内〜
ゴドウィンの話を聞き終えた遊星は何かを考え、外を眺めていた。やっぱり鬼柳さんのことが相当堪えているみたい…
アキ「遊星。苦しんでいるのね。」
近くに座っていたアキさんが話しかけて来た。
龍可「アキさんも…分かるの?遊星の気持ち。」
アキ「ええ。遊星は人と人との繋がりを、絆を何よりも大切にする。だからこそ、親友がダークシグナーになってしまったこと。本当に辛いでしょうね。」
龍可「遊星…」
アキ「そういうあなたはどうなの?闘う覚悟は出来てるの?」
龍可「…私なら大丈夫。とっくに、覚悟はしてたから。」
アキ「…そう。本当にあなたは強いのね。」
龍可「えっ?」
アキ「あなたのその強さに私は救われた。本当に小学生?」
龍可「そんな…」
アキ「ふふっ。冗談よ。本当に大人みたいだから、ついね。」
アキと龍可がそんな会話をしているなか、遊星はベランダを離れ外へ向かおうとする
龍可「あっ、遊星。」
遊星「すまない。今は1人にさせてくれ。」
…そうよね。考えをまとめる時間が欲しいよね。今、私にかける言葉は浮かばない…
遊星の言葉を聞きアキもまた1人になりたいのかその場を離れていった
龍可「遊星……そういえば、龍亞は?」
前の時は…食事が並べてあるあの部屋だったわね。今回も行かないって言い出すのかな…?
龍可は龍亞を探しにゴドウィン宅のパーティ会場へ向かった
~ゴドウィン宅・パーティ会場~
やっぱりここにいた。前と同じ。お皿に大量の料理を乗っけて嬉しそうにご飯を食べてる。
龍可「もーこんなところにいた。」
龍亞「おー龍可!」
龍可「まったくもう呑気にそんなに…」
龍亞「何言ってんだよ!これからサテライトに乗り込んでダークシグナーと戦うっていうんだろ?その為の栄養補給だよ。」
あれ?サテライト行きに凄い乗り気…?
龍亞「?どうしたんだよ龍可。俺、何か変なこと言った?」
龍可「え?ううん。違うの。龍亞のことだから俺は怖いから行かないとか言い出すんじゃないかって…」
龍亞「なんだよ…」
龍可「え?」
龍亞「龍可は俺に来てほしくないって思ってるのか?俺なんかじゃ足手まといになるって。」
龍可「ち、ちが…」
龍亞「俺はもっともっと強くならなきゃいけないんだ…龍可を守るのが俺の役目…ダークシグナーだろうがなんだろうが全部を倒していかなくちゃいけないんだ。」
龍可「龍亞…?」
龍亞「だから…だから…」
龍可「龍亞、落ち着いて!」
龍可の一言で龍亞は我に帰る
龍亞「ご、ごめん…俺…」
龍可「私は龍亞が隣にいてくれるから闘えるの。だから俺なんかなんて言わないで?足手まといじゃないから。」
龍亞「龍可、ごめん…俺、少し頭冷やしてくる。サテライトに出発するときまでには合流するよ。」
そういって龍亞は重い足取りで部屋を後にした
龍亞、大丈夫かな?大分思い詰めてたみたいだけど…
それからしばらくの間、ゴドウィンの家で過ごした。しかしそれも束の間、慌てた深影さんに呼ばれ私たちは大きなモニターのある会議室へと集められた。
~ゴドウィン宅・会議室~
深影「モニター出ます。」
深影さんの操作により大きなモニターに現在のサテライトのリアルタイム映像が映し出された、薄暗い霧が辺りを覆い尽くし、人っ子1人見えない殺風景なものだった…
アキ「これは…」
龍可「サテライトが…」
龍亞「いつもこんなに霧が深いの?」
遊星「いや、こんなはずは…」
ジャック「おい、いったい何があった?」
深影「詳細は不明ですが、サテライト最新部に何か異常が発生したようです。」
遊星「最新部だと?」
深影「現在、サテライトのセキュリティとは、全く通信が繋がりません。この映像もいつまでもつか… 」
いうや否や映像は次々と消えていき、モニターは砂嵐のノイズを映すのみとなってしまった
ジャック「こんなとこでグズグズしてはおれん!すぐにサテライトへ飛ぶ。ヘリの用意をしろ!」
深影「は、はい!」
ジャックの一声で深影さんはヘリの用意へ向かってくれた。
ついにダークシグナーとの戦いが始まる。前みたいにうまく行けばいいのだけれど…
~~~
~ゴドウィン宅・屋上、ヘリポート~
龍可「いよいよね…」
龍亞「うん。」
深影「アトラス様。」
ジャック「なんだ?」
深影「アトラス様は何でサテライトへ行くのですか?」
ジャック「知れたこと。俺にはやらねばならぬことがある。」
ジャックはカーリーさんの為に…でも私にその事実をジャックへ打ち明けることなんて…
ゴドウィン「サテライトを覆った霧は、旧モーメント跡地から発生しているようです。」
アキ「旧モーメント?」
龍亞「なんなのそれ?」
ゴドウィン「やはり、運命が導いているのでしょう。旧モーメントの開発者。不動博士の息子。」
アキ「開発者の息子…?」
龍亞「遊星が?どういうこと?」
遊星…難しい顔してるよね。それはそうよね…
ゴドウィン「運命の歯車は大きく旋回し始めています。あなたたちの使命はダークシグナーを倒し、旧モーメントを正しい回転に導くことなのです。」
その時上空からヘリコプターが着陸。中から現れたのはもちろん…
牛尾「牛尾捜査官、ただいま到着いたしました!」
ゴドウィン「ご苦労。」
遊星「なんだ、お前か。」
牛尾「なんだとはなんだぁ!お前たちをあの忌々しいごみ溜めまで送り届けるよう、長官から直々に仰せつかったんだ。」
この頃、牛尾さんとはまだ全然仲良くもなかったんだっけ…少し嫌な感じにも見えるけど、本当は凄くいい人なのよね。
深影「あなたも同行するの?」
牛尾「は、はい!深影さんのお役に立てて光栄であります。」
深影「早朝任務、大変ね、牛尾捜査官。」
牛尾「い、いえ…」
深影「さあみなさん、こちらへどうぞ!」
アキ「行きましょう。」
遊星「待ってくれ。」
龍亞「?どうしたの?遊星。」
遊星「ゴドウィン。1つ約束してほしいことがある。」
ゴドウィン「なんですか?」
遊星「俺たちがダークシグナーを倒し、全てを元に戻すことが出来たら、ダイダロスブリッジをシティに繋ぐと約束してくれ。」
ダイダロスブリッジ…サテライトのみんながシティに希望を繋ごうとした伝説となった橋…それはゴドウィン長官自身が…
ゴドウィン「ダイダロスブリッジ。あの橋を掛けようとした伝説の男に、あなたは習うつもりですか?」
遊星「お前の話が本当なら、サテライトを差別する理由はなくなるはずだ。」
ゴドウィン「…よろしい。約束しましょう。」
遊星の覚悟…やっぱり相当なものなのね。
一行はゴドウィンを残しヘリに乗り込み離陸した。だんだんシティから離れていく…
??「龍亞!龍可!!」
下の港から声が聞こえた。
龍亞「あ、天兵!」
龍可「矢薙のおじいちゃんに、氷室さんも!」
どこから話を聞いたのか。天兵、矢薙、氷室の3人が見送りに来ていたのだ
矢薙「あんちゃん!」
天兵「がんばれよ~!」
矢薙「無事に帰ってくるんじゃぞ!」
氷室「死ぬなよ!遊星!」
龍亞「みんな!ありがとう!」
龍可「行ってきます!」
3人に見守られながら私たちはサテライトへ向かった…この先のダークシグナーを倒すために。
~続く~
ほぼ半年ぶりの更新となってしまい申し訳ありません・・・
シナリオを考えるモチベ自体はあったのですが文章を書くというのが難しく、なかなか更新が出来ませんでした。
なので一旦考えていたデュエル構成を文字に起こし、ちまちま今回のような回を書く。という形を取りました。
完結までのプロットはかなり頭の中で出来ていますので、どんなに遅くなろうとも最後まで書ききる所存でいます。
亀更新になるかもしれませんが最後まで応援いただけるとモチベの維持、励みになりますのでよろしくお願いいたします。