龍可「二度目の今日をどう生きるのも自由だから」   作:ルカP

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今回もほぼ原作回です。
次回から大きく物語が動くと思います。


第19話 到着サテライト。戦いの序章

私たちを乗せたサテライトへ向かうヘリコプター。外の天気は荒れ始め、雨は降らないものの雷がなっていた。

 

中では遊星が何か難しい顔をしていた。やっぱりお父さんの事を考えているのかな?そんな中、アキさんが深影さんへ質問をした。

 

アキ「詳しく教えてくれる?旧モーメントと、遊星のお父さんの事。」

 

深影さんは一瞬の間の後、旧モーメントについて語り始めた。

 

17年前のゼロリバース。表向きに伝わる自然現象ではなく、モーメントの暴走により起こされた災害であること。そのモーメント装置を作ったのが遊星のお父さん。その中で遊星の生まれがシティであることやジャックがサテライト出身であること等

 

これは前に聴いたことと同じね…牛尾さんや龍亞、アキさんは驚いている。私だって初めて聴いたときは何がなんだか分からなくなるくらいだったもの…

 

そんな話をしていたらサテライトが見え、遊星の指示の元。ヘリコプターはマーサハウスへと着陸するのだった。

 

ヘリを降りる私たちを迎えてくれたのはもちろん雑賀さんやマーサさん。その後ろにいる子どもたち。遊星は軽く手を上げ皆を安心させた。

 

雑賀「遊星。」

 

マーサ「ジャック!ジャックじゃないか!」

 

ジャック「マーサ。」 

 

マーサ「大きくなったにもほどがあるよ。」

 

ジャック「何年経ったと思っているんだ。ここを出てから。」

 

マーサ「ほらほら昔みたいに。キングたるもの?」

 

ヘリを降りるなり嬉しそうに詰めよってくるマーサさんにジャックはたじたじ。遊星も嬉しそうにその様子を見つめてる。ジャックも逆らえないと悟りマーサの前に跪く

 

ジャック「キングたるもの、レディには尊敬の念を。」

 

そして手の甲へ軽くキスをする

 

マーサ「ホントこの子はいい子だよ!」

 

ジャックもマーサさんの前では形無しね。遊星ですら逆らえないし、もしかしてマーサさんって一番強い?

 

そんな様子をみて安心した子供たちもジャックを見てはしゃぎ始めた

 

龍亞「サテライトってもっと怖いとこだと思ってた。」

 

龍可「私たちがそう思わされていただけで、サテライトだってきっと普通に暮らしている子だっているのよ。きっと。」

 

牛尾「ふん。どうだかな。サテライトは所詮サテライトよ。」

 

雑賀「相変わらずだな。なんでお前みたいなやつがこんなところにいるんだ?」

 

牛尾「貴様は、あのときの!?」

 

そういえば、私たちが遊星と出会う前に、雑賀の手伝いで遊星が逃げきれたって言ってたから、雑賀さんと牛尾さんにも少し因縁があるんだっけ?

 

牛尾「俺はただ長官の命令でやってきただけだ。誰が好き好んでこんなところに来るかよ!」

 

雑賀の後ろから牛尾を覗く2人の女の子

 

牛尾「ん?なんだお前ら?」

 

牛尾に話しかけられ怖がって逃げ出してしまう。そんな牛尾を雑賀は鼻で笑いその場を去る。

 

牛尾「ふん。ガキに好かれたって何にも嬉しくねえ。俺はあの人にさえ…」

 

チラリと深影を見る牛尾の側にまた別の少年が近づく

 

牛尾「ん?なんだ、お前。」

 

タクヤ「おじさん、セキュリティの人でしょ?」

 

牛尾「だったらなんだ?」

 

タクヤ「かっこいいなぁ。俺もその制服着てみたいな。」

 

牛尾「そ、そうか。ま、俺ほどこの制服が似合う男もいないからな。ハッハッハ。」

 

そんな牛尾を他所に、遊星がマーサへ現在の状況を訪ねる。しかしマーサの表情は曇りを見せた。外ではなんだと話をするために一同は家の中へと入る。

 

マーサ「昨日、突然黒い霧がサテライトを覆って、霧が晴れたらそこにいた人たちが全員消えてたのさ。」

 

遊星「消えた!?」

 

マーサ「そう。ほとんどの人がね。こっちに霧は来なかったからあたしたちは無事だったんだけどさ。」

 

雑賀「ラリー、タカ、ナーヴ、ブリッツ、クロウは帰ってこないんだ。」

 

遊星「なんだって!?」

 

マーサの「間違いであってくれたらいいんだけど…」

 

龍可「その人たちって遊星の仲間だったよね…」

 

遊星「あぁ。」

 

そんな中マーサはアキの姿を見て何かに気付く

 

マーサ「あんた、もしかして十六夜議員の…?」

 

アキ「はい。娘のアキです。」

 

マーサ「そうかい。遊星、あんた、この娘の心の扉を開いてあげることが出来たんだね。よかったね?」

 

アキ「はい。」

 

マーサ「あんたは?まだ鬼柳が怖いとか言うんじゃないだろうね?」

 

遊星「あぁ。あの人々の魂を吸うことで現れる地縛神。正直俺はあのカードが怖い。だが、俺にはこれだけの仲間がいる。」

 

ジャック「勘違いするな。俺は仲間になったわけではない。」

 

遊星「仲間の想いを感じることが出来たとき、俺はその恐怖を乗り越えることが出来る気がする。それに鬼柳。あいつもかつては仲間だったのだから。」

 

マーサ「よく言った。それでこそ遊星だ。行くんだね。ダークシグナーの本拠に。」

 

遊星はそれに力強く頷いた

 

マーサ「でも、今日はもう遅い。泊まっていきなさい。さあ!夕飯の支度をするよ!」

 

こうして私たちはマーサハウスに泊めてもらうことになった。私も微力ながら夕御飯の準備を手伝うことにした。

マーサさんは牛尾さんを特に厳しく扱っていた。聞いてみたら、深影さんへ失恋しちゃったって。でもきっと、まだ目は残ってると思うんだけどなぁ…って未来の私は知ってるけど、もちろん言うつもりはない。

 

そんなこんなで食堂にいただきますの声が響く。シチューを作ってくれた牛尾さんに子どもたちが、ありがとうって伝えたら、柄にもなく照れた牛尾さんも見られた。少しずつ、私がよく知る牛尾さんに近づきつつあるみたい。

 

そんな食事の空気のなか、遊星がふと発言を始める

 

遊星「今度の闘いに勝つことが出来たら、シティとサテライトに橋が掛けられる。そうすればきっと差別もなくなる。お前たちの未来は確実に変わる。なりたいものになれる時代が来る。」

 

未来…確かに私の知る未来はシティとサテライトの差別もなくなった。実際にサテライト出身のクロウが、セキュリティにもなれた。

 

…なりたいもの…私にとってなりたいものって一体なんなんだろう…

 

その時、マーサハウスのすぐ側に雷鳴が降り注ぎ、その衝撃で窓ガラスが割れた

 

遊星「なんだ?」

 

??「フッハッハッ。私の名はルドガー。そう、蜘蛛のアザを持つダークシグナー。シグナー4人がお出ましと聞いてね。お迎えにあがったのさ。歓迎の宴はもちろんデュエルでね。」

 

ジャック「なんだと!?」

 

遊星「ジャック!ここでデュエルするわけにはいかない。やつらの炎の地上絵に飲み込まれてしまう。俺がやつをここから引き剥がす。お前はマーサや子どもたちを頼む。」

 

ジャックは少し渋りながらもマーサや子どもたちを誘導していった。

 

遊星「俺が相手をする!」

 

ルドガー「いいだろう。」

 

龍可「待って!私も…」

 

遊星「龍可。お前もジャックと一緒に子どもたちを頼む。」

 

龍可「でも…」

 

でも、あのルドガーは確か…

 

遊星「俺なら大丈夫だ。ジャック!龍可を頼む!」

 

そうして遊星は足早に自らのDホイールの元へと向かっていってしまった。

 

龍可「待って!」

 

ジャック「何をしている!奴は遊星に任せるんだ。行くぞ。」

 

私はジャックに腕を掴まれ、無理やり避難するマーサさんたちのところへ連れていかれてしまった。このままじゃ…また前と同じに…

 

少しすると腕のアザが光り始めた。

 

ジャック「始まったか…」

 

龍可「遊星…」

 

するとタクヤたちがいないことに気づいた他の子たちが騒ぎ始めた。ジャック達はその場を離れタクヤたちを探しに行く

 

今のうちに、私も…

 

龍可は誰にも気付かれないよう、持ってきたDボードを持ち、こっそりとその場を抜け出した

 

~~~~

 

龍可は地上絵を頼りに遊星とルドガーのデュエルの現場へ駆けつける。ビルの倒壊によりマーサと牛尾がタクヤを救出している時だった。

 

龍可「このままじゃマーサさんが地縛神の生け贄になってしまう。急がないと!」

 

龍可はDボードを走らせ、マーサ達のもとへ急いだ

 

マーサ「ほらタクヤ、行きな。」

 

マーサがタクヤを牛尾の元へと押し上げる。その時ビルの倒壊が進み激しい地鳴りと共にビルの傾きが激しくなる。

 

マーサ「うわあああああ!」

 

マーサはその衝撃に耐えれずビルの下側へと体を滑らせてしまう

 

遊星「マーサ!!」

 

マーサはなんとか堪え再び登ろうとするが堪えきれずさらにずり落ちてしまう

 

牛尾「マーサ!」

 

牛尾も必死に手を伸ばすがその手は遥か遠く離れていた…

 

牛尾「ダメだ!諦めるな!」

 

マーサは首を横に振る

 

マーサ「タクヤを頼んだよ。あんたはタクヤのヒーローなんだから。」

 

牛尾「何がヒーローだ…俺は、俺は…あんたたちサテライトの人間を侮辱して…」

 

遊星&ジャック「マーサ!!」

 

マーサ「あんたたちは、本当にいい子だったよ。きっとだよ。あんたたちが、サテライトとシティの架け橋になるんだよ。」

 

言葉を発し終えたマーサは力尽きその手を離してしまい、ビルの上から落ちてしまう

 

アキ「マーサ!!」

 

その時、牛尾の横から飛び出る影が

 

お願い…!間に合って!

 

牛尾「おい!龍可!」

 

龍可のスケボーはビルの斜面を伝いさらに加速する。勢いをつけ飛び出し龍可はマーサの体へ思い切り飛び付いた

 

マーサ「あんた…!」

 

龍可「マーサさんは、私が守る…!お願い!赤き竜!」

 

遊星「龍可!!」

 

龍可の腕のアザが光ると、赤いオーラが2人を纏いゆっくりと地面に着地をした

 

龍可「よかった…間に合って…」

 

マーサ「全くあんたって子は無茶をして!」

 

マーサは龍可を抱きしめ返すと安堵の表情を浮かべた

 

マーサ「ありがとうねぇ…」

 

ルドガー「またまた茶番だったなぁ?つくづくお前達はそういうのが好きと見える。」

 

遊星「貴様ァ!」

 

こうして遊星とルドガーのデュエルは続いた。しかしこれ以上私に出来ることはなく、以前の内容と変わりなく、ルドガーの姿が突然ラリーさんへと変わりワンショットロケットの効果で地縛神Uruを自ら破壊。遊星に希望を託し消滅してしまった…

ラリーの消滅を悲しむ遊星のもとにダークシグナー達がぞくぞくと集まる

 

ルドガー「面白い見せ物だったなぁ?だが、ここからがダークシグナーとシグナーの闘いの本番だ。」

 

??「それぞれの闘いは、粛清によって決められる。」

 

アキ「粛清…?」

 

ディマク…!私の闘うべきダークシグナー…

 

鬼柳「地縛神の恐怖を克服したなんて思うなよ、遊星。まだまだたっぷり残ってるはずだろ?俺への恐怖がよぉ!」

 

遊星「あぁ、俺は恐ろしい。貴様達を倒すことを、これほど欲している俺自身の怒りが!!」

 

遊星のこれほどの怒りなんて…そう見るものでもない…

 

遊星「ダークシグナー…俺はお前達を許さない!」

 

ディマク「少女よ。私はお前と闘い、倒すことを望んでいる。それが私の宿命だ。」

 

エンシェントフェアリーとの因縁もないのに宿命…?

 

ディマク「我が名はディマク。クシルの痣を持つダークシグナー。」

 

ここにいるシグナーとダークシグナーの間には少なからず多くの因縁がある。アキさんとミスティ。遊星と鬼柳さん。そして、ジャックとカーリーさん。

 

ルドガー「ではそれぞれの粛清。その宿命の地で会おう。」

 

そう言い残して、ダークシグナー達はその場を去ってしまった。

 

遊星「おい待て!」

 

遊星とジャックはダークシグナーを追いかける

 

深影「アトラス様!?」

 

ディマク…精霊世界を襲わなかったあなたと私に、何の因縁があるの…?

 

考えを巡らせていると、ダークシグナーを追いかけた遊星達が戻ってきた。一同は落ち着く為、一度マーサハウスに戻ることにした

 

~マーサハウス~

 

ハウスに戻ってきた一同は、医者のシュミットを交え今後の相談をしようとしていた

 

遊星「ラリー…」

 

タクヤ「遊星兄ちゃん…」

 

ジャック「いつまで落ち込んでいるつもりだ遊星。」

 

ラリーさんを救えなかった遊星の落ち込み方…それに他の子どもたちがひどく怯えてしまっているみたい…だったら

 

龍可「遊星。ダークシグナーを倒せばラリーさん達は戻ってくる。」

 

マーサ「どういうことだい?あの子達は死んだわけではないのかい?」

 

龍可「うん。あのダークシグナーの地上絵や、サテライトを覆った霧は全てダークシグナーが起こしたこと。」

 

シュミット「では、ダークシグナーを倒せば全ての人が元に戻るのか?」

 

龍可「はい。だからみんなも怖がらないで?私たちがきっと、ダークシグナーを倒して見せるから。」

 

龍可の話を聞いた子どもたちは安堵の表情を浮かべた。

 

マーサ「そうだね。この子たちならきっとやってくれるよ。さあみんな。もう寝る時間だよ。」

 

マーサとシュミット先生は子どもたちを引き連れ、就寝に向かった。

 

ジャック「今の話。本当なのか?ダークシグナーを倒せばみんな元に戻るというのは。」

 

実際元には戻る…でも今の私がなんでそんなことを知ってるの?ってなっちゃう…

 

龍可「…。」

 

ジャック「どうなんだ!」

 

遊星「やめるんだジャック。龍可は子どもたちを安心させてあげようと、咄嗟にああいってくれたんだな?」

 

龍可「遊星…」

 

ごめんね。違うの。

 

ジャック「…くっ。くそぅ!」

 

ジャックは苦虫を噛み潰したような顔をし、机に拳を打ち付けた

 

牛尾「そんな一時しのぎの嘘をついてなんになるんだ!」

 

牛尾も怒りを露にし、場の空気が一瞬凍りついてしまう。そんな中アキが重い口を開いた。

 

アキ「…私は。私も、龍可が言ったことを信じるわ。ダークシグナーを倒せばみんなはきっと帰ってくる。」

 

ジャック「お前は、自分のやってきた責任を感じてそう思いたいだけだ!」

 

アキ「かもしれない。でもこれからは違う!私はみんなを守るためにデュエルしたい。このデュエルの先にはみんなの未来が繋がってるって信じたい!」

 

龍可「アキさん…ありがとう。」

 

深影「アキさんの言う通りかもしれません。どの道、冥界の扉を閉じに行かねばいけません。」

 

遊星「…その通りだな。今は俺たちの未来を信じるしかない。」

 

ジャック「……俺たちの未来。」

 

雑賀「ところでやつらは4つの粛清でお前達を待つと言っていたが、粛清とは何の事だ?」

 

深影さんの説明によると、粛清とは旧モーメントの制御装置。コカパクアプ、コカライア、アスラピスク、クシルとコードネームが付けられた制御装置と、旧モーメントそのもの、ウルの事。

それらの制御装置を作動させるのが私たちの持つシグナーのドラゴンのカード。

遊星のお父さんからカードは託され、私たちの元に辿り着いたのだと。

 

話を終えた深影さんはサテライトの地図を広げ、制御装置の位置を教えてくれた。

巨人の装置には遊星。蜥蜴にはアキさんと深影さん。蜂鳥がジャック。もちろん私と龍亞は牛尾さんの車で猿に向かうことになった。

 

今度は精霊世界に行くことはない…今回は龍亞にあんな無茶なデュエルはさせない。

 

遊星「よし、明朝一番に出発する!」

 

~翌日・明朝~

 

一晩休憩を取った私たちはそれぞれ準備を整え出発寸前となった。

 

遊星「龍亞、龍可。大丈夫か?」

 

龍可「うん。大丈夫。」

 

龍亞「俺もついてるからさ!」

 

遊星「分かった。」

 

ジャック「ここから先、勝敗を分かつのは己の実力のみだ!」

 

遊星「みんな!ダークシグナーは簡単に勝てる相手じゃない。俺たちは苦戦を強いられることになるだろう。だが、その時こそ思い出すんだ。俺たち仲間、一人一人の事を。俺たちは離れていても、強い絆で繋がっている。必ず勝って、もう一度会おう!」

 

ジャック「互いの検討を祈る!」

 

こうしてシグナーはそれぞれの制御装置へ向かうのだった…

 

 

~続く~

 

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