龍可「二度目の今日をどう生きるのも自由だから」   作:ルカP

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第5話 フォーチュンカップ開幕 VSボマー

ついにフォーチュンカップ開催当日。今日はその開会式のため、シティ中央にあるデュエルスタジアムに私達は来ていた。

 

龍亞「ついに始まるなぁ!フォーチュンカップ!遊星、龍可!頑張ってね!」

 

龍可「うん、行ってくるね!行こ?遊星。」

 

遊星「あぁ。」

 

氷室(遊星気を付けろよ。この大会何か仕組ませたようなものの気がしてしょうがねえ。)

 

MC「Everybody Listen!!デュエルオブフォーチュンカップ、ついに開幕!!」

 

盛大なチアガールの応援。飛び交う観客の歓声。そんな中レッドデーモンズドラゴンが突風と共に現れる。

 

その後に続きジャックが現れる。スタジアムコースの壁沿いを使い大ジャンプ、中央ステージへ着地を決め会場を大いに沸かせる。

 

ジャック「キングは一人!この俺だ!!この俺とデュエルをするのは誰だ!」

 

MC「キングとのドリームマッチを賭けて、幸運のチケットを手に入れたデュエリスト達よ!いざここに!」

 

MCさんのコールと共にステージの奈落がせりあがっていく。うわ、こういうのなんだかんだ緊張する。歓声が私達を見て盛り上がっていくのが少し心地よさもある。

もう、ジャックと遊星。怖い顔で睨みあってる…

 

観客A「おい、マーカー付きがいるぞ?」

 

観客B「本当だ、あんなやつ選ぶくらいなら俺たちを選んでほしいよな。」

 

遊星の顔がアップにされるとどうしてもそのマーカーが目立ってしまう。この時代だとまだマーカーによる差別が激しすぎるわね…

 

会場のざわつきも激しくなってくる。

 

龍可「遊星…」

 

遊星「心配するな。」

 

??「お集まりの諸君!」

 

その時狼狽えるMCさんからマイクを奪った大男がその場の空気を変えた。

 

ボマー「私の名はボマー。ここに立つデュエリストとして、諸君が何を見ているのか問いたい。この男は我々と同じ条件で選ばれた紛れもないデュエリストだ!」

 

ボマーさんには申し訳ないけど同じ条件…では全くないんだよねこれ。私と遊星、そしてアキさんはシグナーだとゴドウィン長官には分かっているから呼ばれてる訳だし。まあ誰もそんなこと知らないから騒ぎを納めるにはこういう言い分が一番なんだけど。

 

ボマー「カードを持てば、マーカーがあろうがなかろうが皆同じだ!この場に立っていることに何ら恥じるものはない。寧ろくだらぬ色眼鏡で彼を見る君たちの言葉は、暴力に他ならない!」

 

事実がどうあれ、言っていることは何も間違ってない。私はその言葉に思わず拍手を打つ。すると回りの人間も共感したのか、会場中は拍手の嵐が巻き起こった。

 

ボマーは一礼しMCへマイクを返し元の位置へと戻っていった

 

ゴドウィン「心強い言葉をありがとうボマー君。私がこの場を用意したのはまさに今君が語ったことが全てなのです。

私はレクスゴドウィン。ネオドミノシティ治安維持局を預かるもの。そして、日頃の治安維持への感謝を込めて、この大いなるデュエルの祭典を企画したものであります!

デュエリストは身分も貧富の差も関係ありません。真の平等がここにあるのです!」

 

ボマーの演説の後に被せてくるにはこの上ない演説ね。確かに本当にそうであって欲しいと思っている…でもゴドウィン長官のやり方はどうなの…?

 

龍可の思惑とは別に歓声はピークとなる

 

MC「さあ、明日から始まるデュエリストの組み合わせはこうだー!!」

 

スタジアムのメインモニターが大会トーナメントを表示した

 

1回戦はやっぱりボマーさん…!

 

龍可VSボマー 

アキVS来宮

 

遊星VSシラ

ジルVSフランク

 

あれ?前と少しトーナメント表が違うような…?

 

遊星「龍可は第1試合だな。」

 

龍可「う、うん。そうだね。相手はあのボマーさんか。遊星とは反対のブロックだね。」

 

遊星「ああ、決勝で会おう。」

 

MC「では諸君!明日から始まる激動の闘いに備えてくれ!」

 

~観客席~

 

龍亞「龍可!明日は第一試合だな!うおー俺も燃えてきたー!」

 

龍可「どうして龍亞までそんなに気合いいれてるのよ。デュエルするのは私よ。」

 

龍亞「いいじゃないかー!龍可のデュエルってことは俺のデュエルでもあるんだよ!」

 

氷室「しかしあのボマーってやつ、かなりのデュエリストと見た。あの演説はなかなか出来ることじゃねえ。」

 

矢薙「かっこよかったねぇ~?ワシちょっとうるっと来ちゃったよ。」

 

氷室「やつがどんなデッキを使ってくるのか、楽しみだな。」

 

龍亞「!?そうか…」

 

龍可「?どうしたの?龍亞。」

 

龍亞「え?ううん。なな、なんでもないよ!」

 

遊星「2人とも、帰ろう。」

 

龍亞「あっちょっと2人で先に帰っててよ!俺用事思い出しちゃった!」

 

龍可「なんの用事よ。」

 

龍亞「まあまあ、龍可には内緒!じゃあね!」

 

もう龍亞ったら…しょうがないんだから。

 

遊星「いいのか?放っておいて。」

 

龍可「あぁなった龍亞はなかなか止められないからね。先に帰りましょう?」

 

遊星「あぁ…」

 

もしかしてこれが…歴史の修正力…?

 

~夜・龍亞龍可宅~

 

遊星「龍可、龍亞を探しに行かなくて大丈夫か?いくらなんでも遅すぎる。」

 

時計に目をやると時間はもう8時を過ぎていた。

 

龍可「やっぱり帰って来ないか…(ボソッ」

 

遊星「何か言ったか?」

 

龍可「あ、ううん!折角龍亞の大好きなハンバーグ作ったのに冷めちゃったなって。」

 

遊星「ハンバーグはまた暖めればいいさ。龍亞を探しに行ってくる。何かあったのかもしれない。」

 

龍可「私も行く。」

 

遊星「龍可は休んでてくれ。」

 

龍可「体は大丈夫よ。ここに1人でいる方が気分悪くなりそう。」

 

遊星「分かった。だが無理はしないでくれ。」

 

龍可「うん。」

 

私と遊星は手分けして龍亞を探すため、夜の街へ出た。

 

~夜・シティスタジアム近辺~

 

龍可「龍亞~?何処にいるのー?」

 

はぁ、どこにもいない。きっとボマーさんのところに行ったのだろう。前に遊星がデュエルする前にDホイールを視察しに行ってたもんね。

 

龍可「全くもう。そろそろ時間ね。遊星と合流しなくちゃ。」

 

遊星との合流地点へ行くと既に遊星はいた。

 

遊星「いたか?」

 

龍可「ううん。いない。」

 

遊星「こっちもだ。会場からのルートは1通り探してみたが…」

 

TLL…

 

遊星のDホイールに連絡?

 

遊星「雑賀?」

 

雑賀「遊星。今サテライトのお前のアジトに着いたとこだ。」

 

遊星「!?みんなは無事か?」

 

雑賀「残念だがここにはいなかった。」

 

遊星「なんだと…何があった?」

 

雑賀「分からん。だが今のところネットワークに侵入しても、彼らがセキュリティに捕まった記録はない。俺は引き続き彼らの行方を探す。おっと、これ以上の通信はまずい。何か分かったらまた連絡する。」

 

遊星「頼む。」

 

龍可「遊星の友達もいないの?」

 

遊星「あぁ…」

 

龍可「無事でいて欲しいね。」

 

遊星「そうだな。」

 

遊星&龍可「!?」

 

人の気配?そこの路地から?

 

龍可「遊星あれ!」

 

そこには龍亞を担いだボマーさんの姿。

 

龍可「龍亞!」

 

ボマーさんは静かに私達のもとへ近づいてきた。

 

遊星「何故お前が?」

 

ボマー「説明は後だ。怪我はしていない。寝ているだけのようだ。この子の家まで連れていこう。」

 

遊星「分かった。」

 

~夜・龍亞龍可宅~

 

ボマーさんは龍亞をベッドに寝かせてくれた。龍亞ったら安心してるのか気持ち良さそうに寝ちゃって…

 

龍可「ありがとう、ボマーさん。」

 

ボマー「気にしなくていい。君も眠いだろう?こんな時間だ。」

 

見た目は子供だもんね。でも私中身は遊星と同じくらいだから。

 

龍可「まだ起きてられます。」

 

ボマー「早く寝ないと明日の試合に障るぞ?」

 

龍可「夜更かしは得意な方なので…」

 

遊星「龍可はいつも寝るのが遅いな。もう少し早く寝た方がいい。」

 

いっつも徹夜してた遊星にそれを言われたくない。

 

ボマー「ふっ、少し話をしようか。」

 

~夜・龍亞龍可宅 プール前~

 

遊星「何故、お前があの子を?」

 

ボマー「あの子は、私のガレージで寝ていた。」

 

龍可「ガレージ?」

 

ボマー「警備システムが作動し閉じ込められたようだ。恐らく私のデッキやDホイールを探りに来たのだろう。」

 

遊星「そうだったのか。」

 

ボマー「あの子を攻めてはならない。」

 

龍可&遊星「えっ?」

 

ボマー「お前達の指図ではないのだろう。お前達がそのような姑息な手を使うようなやつではないと今分かった。」

 

ボマー「あの子はどうやら妹のことがよっぽど好きなのだな。妹の役に立ちたいと思ってやったことなのだろう。」

 

龍亜…こんな優しい人で本当によかったけど、相手が怖い人だったらどうするつもりだったのよ。

 

ボマー「お前達兄妹を見ていると、故郷に置いてきた弟や妹を思い出す。」

 

龍可「あなたにも兄弟がいるの?」

 

ボマー「あぁ、ちょうど君達と同じくらいのな。」

 

ボマー「この街の空には星はないのだな。」

 

ボマーさんに言われて空を見上げる。言われてみるとネオドミノシティの空はどんよりしてるなぁ…

 

ボマー「遊星、君はなんのために闘う。」

 

遊星「俺は故郷のために闘う。」

 

ボマー「そうか、ならば私達は似た者同士のようだ。」

 

遊星「お前も故郷のために…」

 

ボマー「龍可。君はなんのために…いや、子供にそんな話は早いか。」

 

龍可「私は…大切な仲間のために大会に出場しています。子供だからとかそんなのは関係ないと思います。」

 

私は真っ直ぐにボマーさんの目を見つめた。

 

ボマー(なんなのだ。この子の真っ直ぐに強い瞳は…本当にこの子は小学生なのか?)

 

ボマー「想いの強さはデュエリストの強さ…か……私の一族はインカに伝わる星の民に支えていた末裔なのだ。」

 

遊星「それじゃあお前も赤い竜の噂を知っているのか。」

 

ボマー「あぁ、長き時を経て今この地に赤き竜が蘇ろうとしている。ゴドウィン長官はその力を使い、世界をよき方向に導こうとしている。」

 

遊星「お前はそれを信じているのか…」

 

ボマー「…遊星、お前も貧しい街の出身なら分かるだろう。私の村は常に貧困と差別に悩まされていた。長官は約束した。私が力を貸せば、故郷の村を復興してくれると。」

 

ボマーさんの一瞬の間。ボマーさんはゴドウィン長官が、街を良き方向に向かわせるなんてきっと思ってない。それどころか復讐しようとまで考えてるはずなのに…

遊星「ボマー、奴を信用しては行けない。」

 

ボマー「私とお前は似た者同士だが、立場は違うようだ。」

 

龍可「ボマーさん…」

 

ボマー「龍可、私はお前に勝ち、このトーナメントを勝ち上がる。」

 

ボマーさんはそういうと私の家を出る気なのか玄関へと歩を進めていく。

 

ボマー「遊星、龍可。よかったよ。お前達が誇り高きデュエリストがわかって。」

 

ボマー「しかし私は勝つ。それが私の使命なのだ。」

 

そういい残しボマーさんは足早にここを去っていった。何か重大な決意を秘めた面持ちで…

 

~翌日、朝・デュエルスタジアム~

 

MC「さあそれではこれより第1回戦!選手の紹介だぁ!恐らく全国のキッズが彼女を羨ましく思っていることだろう!参加最年少の少女。舞い降りたデュエルの天使!ミス・ルーカチャーン!」

 

盛り過ぎ盛り過ぎ。子供なのは見た目だけ!この歳で天使とかいわれるの恥ずかしいってば!

 

MC「それに対するは、昨日の熱い言葉が印象的な、黒き暴風!ボマー!!」

 

ボマーさんと目が合う。昨日の決意、闘志はほんの少しも揺らいでいない。

 

MC「デュエルはスタンディングで行われる。まずは握手!」

 

ボマー「龍可。私はもう君を子供だとは思っていない。君は本物のデュエリストだ。私は敬意を表し全力で君に勝ちに行かせてもらう!」

 

龍可「私も絶対負けません。この大会、私にもやるべきことがありますから。」

 

そして、ボマーさんの復讐心を少しでも消すことができたらもしかしてダークシグナーになることも…

 

MC「さあ、デュエルの時間だぁ。両者デュエルディスクを展開!」

 

龍可&ボマー『決闘!!』

 

龍可 LP4000

ボマー LP4000

 

ボマー「先行は私だ!私はマジックリアクターAIDを攻撃表示で召喚!」

 

マジックリアクターAID ATK1200 ☆3

 

MC「まずはボマー選手、攻撃力1200のモンスターを召喚!様子見するつもりかー?」

 

ボマー「私はカードを1枚伏せターンエンド。」

 

ボマー 手札4枚 伏せ1枚

 

様子見…?いえ、ボマーさんのデッキは3体のリアクターモンスターを合体させたジャイアントボマーエアレイドを主軸としたデッキ。いきなりそのパーツを出してきたと言うことは…

 

龍可「私のターン!ローズバードを攻撃表示で召喚。」

 

ローズバード ATK1800 ☆4

 

MC「対する龍可ちゃん。攻撃力1800のモンスターの召喚に成功!ボマー選手の盤面をどう攻める?」

 

恐らくジャイアントボマーエアレイドの召喚の手筈が整ってる。となるとあの伏せカードはサモンリアクターを召喚させる、フェイクエクスプロージョンペンタ!

 

ボマー「どうした龍可よ。君のデュエリストとしての闘志。私にぶつけてくるのではないのか?」

 

ジャイアントボマーエアレイドを召喚されたとしてもこの手札なら…

 

龍可「行きます!ローズバードでマジックリアクターを攻撃!」

 

ボマー「来たか。私はこの瞬間、伏せカードオープン。フェイクエクスプロージョンペンタ!」

 

やっぱり…!

 

ボマー「このカードは相手モンスターの攻撃時、私のモンスターの戦闘破壊を防ぐことができる。」

 

龍可「だけどダメージは受けてもらいます!」

 

ボマー LP4000→3400

 

MC「ボマー選手に龍可ちゃんの先制攻撃!しかしトラップカードの効果で、モンスターを守ることには成功した!」

 

ボマー「さらにフェイクエクスプロージョンペンタには効果がある。このダメージステップ終了時、手札、墓地からサモンリアクターAIを特殊召喚する!出でよサモンリアクター!」

 

サモンリアクターAI ATK2000 ☆5

 

やっぱり出てきた…もうトラップリアクターもいると見るべき…

 

龍可「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

ボマー 手札3枚

龍可 手札4枚 伏せ1枚

 

ボマー「私のターン。龍可、私の本気を見るがいい。手札からトラップリアクターRRを召喚!」

 

トラップリアクターRR ATK800 ☆4

 

ボマー「私はサモンリアクターAIの効果を発動。フィールドのサモンリアクター、マジックリアクター、トラップリアクターの3体を墓地に送る!」

 

MC「なんとボマー選手、折角揃えた3体を墓地に送ってしまったー!いったい何をするつもりだー?」

 

ボマー「その事で私はデッキ、手札、墓地からジャイアントボマーエアレイドを特殊召喚出来る!」

 

ジャイアントボマーエアレイド ATK3000 ☆8

 

MC「なんということでしょう!ボマー選手、わずか2ターンで大型モンスターの召喚を成功させたー!」

 

ジャイアントボマーエアレイド。いざ目の前にすると、すごい威圧感…

 

ボマー「ジャイアントボマーエアレイド、効果発動。手札を1枚捨てることで相手フィールドのカード1枚を破壊する!ローズバードを破壊しろ。『デス・ドロップ』!」

 

ジャイアントボマーエアレイドが上空から投下したミサイルがローズバードを破壊し、爆風を起こす。

 

龍可「ローズバード…っ!」

 

ボマー「これで君のモンスターはいなくなった。ジャイアントボマーエアレイド、ダイレクトアタック!」

 

『デス・エアレイド』

 

上空で旋回するジャイアントボマーエアレイドが機銃を乱射し龍可を襲う

 

龍可「うわあああああ!」

 

龍可 LP4000→1000

 

MC「ジャイアントボマーエアレイドの強力な攻撃が龍可ちゃんに直撃ぃ!大きくライフを削っていく!」

 

氷室「ジャイアントボマーエアレイド。攻撃力3000も厄介だが、毎ターン手札を捨てることで相手の壁モンスターを消しちまうのがもっと厄介だ。」

 

龍亞「龍可なら大丈夫だよ!きっとなんとかしてくれるさ!」

 

ボマー「私のターンは終わりだ。さあ君の力を見せてみろ!」

 

ボマー 手札2枚

 

MC「ボマー選手の操る巨大要塞、ジャイアントボマーエアレイド。果たして龍可ちゃん、このモンスターをどう攻略するんだーー!」

 

 

~続く~

 




思ったより長かったので前後編に分けました。
元々分けてない構成だったので区切りどころはちょっと微妙かも…
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