1回戦第二試合までが終了した。私の次の対戦相手は黒薔薇の魔女…アキさんに決定した。
続く第3試合。ジルさんと前回の私の対戦相手、フランクさん…
2人の試合はあっさりとジルさんの勝利で終わった。フランクさんは苦手だから正直負けてほっとしている。
龍可「遊星!頑張ってね!」
遊星「あぁ。行ってくる。」
遊星の第4試合。対戦シル…?こんな人いたっけ?
あっ、フードを取ったら見覚えのある顔。炎城ムクロさん。どうやったかは分からないけど、乱入してきたんだったっけ。どうりでシルなんて人覚えてない訳だ。
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遊星とムクロさんのデュエルは一進一退の攻防だった。でも遊星のニトロウォリアーの召喚で流れは変わる。
遊星「ニトロウォリアー、『ダイナマイトナックル』!」
ギブアンドテイクで送りつけたジャンクシンクロンをニトロウォリアーで起こして攻撃するコンボは結構えげつないわね。
MC「遊星見事なコンボで逆転勝利ぃ!」
遊星とムクロさんのデュエルが終わったそのとき、スタジアムに規格外の大きさをしたDホイールが乱入してきた。
MC「おおっとどうしたことだ!今日の午前の対戦カードは全て終わったはずなのにコースを走る一台のDホイールが現れたぞぉ!?」
あれってボマーさん!?やっぱりゴドウィン長官に復讐するつもりなの!?私は急いでスタジアムへ駆け出した。
~昼・スタジアム~
龍可「やめて!ボマーさん!!」
ボマーさんのDホイールはタイヤの部分を凶悪なトゲのついたホイールへと変形させスタジアムを爆走していた。
遊星「ボマー!何をするつもりだ!」
ボマー「遊星、龍可。やはり私は復讐をやめることは出来ない。ゴドウィンこそ私の村を滅ぼした元凶。弟や妹のためにも私は…!」
龍可「それは本当にゴドウィン長官のせいなの!?それにそんなことしたって弟さんたちは喜ばない!」
ボマー「私はこの手で決着をつけなければならない!こんな悲しみをもう二度と繰り返させないためにも!」
龍可「遊星おねがい!ボマーさんを止めて!」
遊星は急ぎDホイールを発進させる
ボマー「うおおおおおお!!」
ボマーのDホイールはスタジアムの壁をうまく使いゴドウィン長官のいる中央タワーへ大ジャンプ
遊星「ボマー!!!」
すると遊星も反対方向からジャンプしてボマーのバイクと空中でぶつかり合う。遊星とのぶつかり合いで軌道がそれたボマーはスタジアムのレーンへと落ちていった
ボマー「遊星!なぜ止めた!!なぜぇ!!」
遊星「ボマー。俺も奴を許すことは出来ない。だが、力ずくで決着をつけるならお前も奴と同じだ。」
ボマーの悲痛な叫びがスタジアムに響いた
すぐさまボマーはセキュリティに連行されていくのだった
~スタジアム控え室~
龍可「ボマーさん…」
遊星「龍可。気にしてはいけない。」
龍可「…うん。大丈夫。ありがとう。」
覚悟はしてたけど、やっぱりボマーさんは復讐に走ってしまった。
MC「エブリバディリッスン!!昼休憩も終わりこれより第2回戦を開始するぞぉ!」
もう始まっちゃうのね。切り替えなきゃ。
MC「2回戦第一試合はデュエル界の天使龍可VS黒薔薇の魔女十六夜アキ!今大会の女性デュエリスト対決だぁ!!」
いよいよアキさんとのデュエル…私は魔女の呪縛から解放された本当のアキさんを知っている。アキさんがどれだけ優しいか、それを取り戻したい。
遊星「龍可。本当にいくのか?やつはモンスターを実体化させ、本当の痛みを与えてくる。」
龍可「そんなに心配しないで。私なら大丈夫だから。」
遊星「だが、震えているぞ?」
龍可「えっ?」
自分の腕を見ると自分で気付かない程だがわずかに震えていた。
龍可「あ、あれ?変だな…?」
アキさんのサイコパワーは受けたことがないけれど、ディマク戦、ルチアーノ戦、アポリア戦等ダメージの実体化は経験がある。忘れられるわけもない。無意識にあの恐怖をかんじていたのね。
??「その男のいう通りよ。棄権しなさい。」
遊星「十六夜…」
龍可「アキさん…」
アキ「ディヴァインに言われてこの大会には参加しているけど、私も好きで子供を傷つける趣味はないわ。」
龍可「アキさんはそのディヴァインの言うことをずっと聞いているつもりですか?」
アキ「なに?」
龍可「アルカディアムーブメントは裏ではサイコデュエリストを使って何かを企んでいるという噂を聞いたことがあります。アキさんはその人に利用されているだけではないんですか?」
アキ「ふざけないで。ディヴァインのこと何も知らないくせに、あなたなんなの?ディヴァインは居場所のない私に居場所を与えてくれた。それだけで私は充分なのよ。」
アキさんはそういうと機嫌を悪くしたようでスタジアムへと足を運び始めた。
龍可「アキさん…」
アキ「気が変わったわ。あなたは私が傷つけてあげる。忌むべき印を持っているあなたなら私と同じような目にあっていると思ったけれど…どうやらあなたは私の敵。私の前に立つなら私はディヴァインにいわれた通り、全てを壊していくだけ。」
アキは足早にデュエルフィールドへと向かっていった
アキさんの怒りを変に買ってしまったかな…
遊星「やっぱり行くのか。」
龍可「うん。あのアキさんを放っておけない。でも、私のおねがい、一つ聞いてもらっていい?」
遊星「ああ、俺に出来ることでよければ。」
龍可「それじゃあお願いね。」
私はゆっくり遊星に抱きついた。
遊星「る、龍可!?」
龍可「ダメだった…?」
遊星「い、いや。そういうわけでは…」
遊星の体…暖かくて安心する。いつも機械いじりしてるイメージあるけど、意外と油の匂いとかはしないんだ。
困惑する遊星をよそに、龍可は数秒の間遊星の温もりを味わっていた。
龍可「よし!これで大丈夫!それじゃあ行ってくるね!」
チャージ完了。遊星が私に無限の勇気をくれたよ。
遊星「よし、行ってこい!」
龍可「行ってきます!」
龍可はデュエルフィールドへ向かう。しかしもう一度振り向き
龍可「遊星!私が無事に戻ってきたら、今度お買い物に付き合ってね!」
今度こそ龍可はデュエルフィールドへと駆け出した
遊星「お願いは一つだと言っただろ。」
遊星はやれやれと一息つく
遊星「頑張れ。龍可。」
~デュエルフィールド~
MC「さあそれでは選手の入場だ!まずは1回戦、あの黒き暴風ボマーとの激戦を制したデュエル界のエンジェル!龍可ちゃーーん!」
白煙と共にデュエルフィールドに立つ。やっぱり天使とかエンジェルとかって慣れないなぁ///
龍亞「龍可、本当に大丈夫かな…?」
氷室「遊星も棄権をするように説得するとは言っていたが…出てきたってことは龍可なりに考えがあるんだろう。」
龍亞「龍可…」
MC「そして、1回戦で見せた恐るべき力!黒薔薇の魔女、十六夜アキ!」
白煙の中から現れたアキさんと目が合う。さっき怒らせちゃったな…とても冷たい目をしてる。
MC「イッツタイムトゥーー!!」
龍可&アキ『決闘!!』
龍可 LP4000
アキ LP4000
龍可「私のターン!私はデュナミスヴァルキュリアを攻撃表示で召喚!」
デュナミスヴァルキュリア ATK1800 ☆4
龍可「カードを1枚伏せ、ターンエンド。」
龍可 手札4枚 伏せ1枚
アキ「私のターン。ボタニカルライオを召喚!」
ボタニカルライオ ATK1600 ☆4
龍亞「よし、攻撃力1600なら龍可のモンスター方が攻撃力が高い!」
天兵「これで攻撃されることはないね。」
氷室「いや、あのモンスターは!」
アキ「ボタニカルライオは自分フィールドの植物族一体につき攻撃力を300ポイントアップさせる。自身も植物族のため300ポイントアップ。」
ボタニカルライオ ATK1600→1900
龍亞「げげっ!?攻撃力があがったぁ!」
アキ「ボタニカルライオでデュナミスヴァルキュリアへ攻撃!」
ボタニカルライオがデュナミスヴァルキュリアを破壊した時の衝撃が龍可を襲う
龍可「うううぅっ…!」
たった100ポイントでこの衝撃…!アキさんのこの時の憎しみや怒りの力はこんなにも…
龍可 LP4000→3900
アキ「私はターンエンド。まだまだ痛みはこんなものじゃないわ。あなたはどこまで耐えられるかしら?」
龍可「アキさん…どうして人を傷つけるような事をするの?あなたの心は痛まないの?」
アキ「どうして?そんなの決まっているじゃない。私はこの力のせいで私自身を拒絶され傷つけられた。だったら私はこの力で私が受けた苦しみ、痛みを他の人に与える!」
今のアキさんに言葉は届かない…でも、遊星みたいにデュエルの中でならアキさんの本当の心を蘇らせられるかもしれない。
アキ 手札5枚
龍可「私のターン!」
遊星(龍可はこのデュエルを通じて十六夜に何かを訴えかけようとしているのか?)
龍可「トラップカード、蘇りし魂を発動!墓地の通常モンスターを守備表示で特殊召喚する。戻ってきて、デュナミスヴァルキュリア!」
デュナミスヴァルキュリア DEF1050
龍可「そして私はデュナミスヴァルキュリアをリリース。精霊たちを束ねし王。妖精王オベロンをアドバンス召喚!」
妖精王オベロン ATK2200 ☆6
MC「ここで龍可ちゃん。トラップカードを巧みに使い上級モンスターの召喚に成功したぞぉ!」
龍可「妖精王オベロン。ボタニカルライオを攻撃!」
オベロンがボタニカルライオを破壊。しかしアキは涼しい顔である。
アキ LP4000→3700
アキ「それでおしまい?」
これじゃ全然ダメか…もっと強力な攻撃じゃないと
龍可「カードを1枚伏せて。ターン終了。」
龍可 手札3枚 伏せ1枚
アキ「私のターン。永続魔法、増草剤を発動。墓地の植物モンスターを特殊召喚する。このカードで特殊召喚したモンスターがフィールドを離れたとき、このカードは破壊される。」
ボタニカルライオ ATK1900 ☆4
アキ「そしてボタニカルライオをリリース!ローズテンタクルスをアドバンス召喚!」
ローズテンタクルス ATK2200 ☆6
MC「十六夜アキも負けじと上級植物族をアドバンス召喚!上級モンスター対決だ!」
アキ「くだらないわね。」
龍可「えっ?」
アキ「あなたはデュエルで何かを伝えられる。そして何かを救うことが出来ると信じている。」
龍可「そうよ!デュエルは人と人を繋ぎ合わせるもの。そしてその中でぶつかり合うことで救われていくものがあるの!」
龍亜がアポリアへ希望を、遊星がゾーンとぶつかりこのシティの未来を救うことになったのも私は知っている。アキさんだって遊星に救われた1人。
アキ「私にとってデュエルは全てを失うことにしたものよ。子供の頃デュエルで両親から見放されアカデミアに私を押し付けた。そして私はその中でもデュエルで全てを失い孤独になった。全ては、この力のせいで…」
あれだけヤジを飛ばしていた会場中も今はアキさんの話を静かに聞いていた。無理もないよ。想像以上に重い話だもの…
アキ「私はこの力を憎んだ。そしてディヴァインに出会ったの。彼は私の力になるといった。初めて私の力を必要としてくれると言ってくれた。」
そうか、今のアキさんにとって、善悪とかはどうでもいいんだ。自分の居場所を求めてるだけ…だからまず仲間という価値をアキさんの中であげなくちゃいけないんだ。
アキ「だから私は決めたの。私はディヴァインの言う通りに動くと。その為に…私の前に立ちはだかるあなたを倒すだけ。」
アキ「私は装備魔法、憎悪の刺をローズテンタクルスに装備!装備したモンスターの攻撃力を600ポイントアップさせる!」
ローズテンタクルス ATK2200→2800
アキ「そしてローズテンタクルスは相手の場の植物族モンスター一体につき一回。攻撃の回数を増やす。」
遊星「龍可の場の妖精王オベロンは植物族…」
アキ「私を相手に植物を使ったことを後悔するのね。ローズテンタクルスで妖精王オベロンを攻撃!」
『ソーンウィップ・ワン』
ローズテンタクルスから伸びた触手はオベロンの体を傷つけるだけで破壊をすることはなかった。伸びた触手そのまま龍可の腕へと絡みつく。
龍可「うっ…!」
龍可 LP3900→3300
MC「おおっとどうしたことだ!ローズテンタクルスの攻撃力の方が高いはずだが、オベロンはなぜ破壊されないのかー?」
アキ「ローズテンタクルスに装備した憎悪の刺は相手モンスターを破壊できなくなる。その代わり攻撃されたモンスターの攻撃力はダメージ計算後600ダウンする。」
妖精王オベロン ATK2200→1600
龍可「オ、オベロン…」
アキ「安心なさい。あなたもモンスターと同じ苦しみを味わえるわ。ローズテンタクルスの効果により2回目の攻撃を行う!」
龍亞「や、やめろおおおお!」
『ソーンウィップ・ツー!』
再びオベロンを傷つけた2本目の触手は龍可の身体に巻き付き、その小さな身体を上空へ持ち上げた
妖精王オベロン ATK1600→1000
龍可「ううっ、離して…!」
アキ「落ちなさい。」
一瞬で意識が朦朧とした。
龍可「かはっ…!」
何が起きたのか一瞬理解できなかった。あぁ背中を強く打ちつけられたんだ…
龍可 LP3300→2100
観客がアキさんへ罵声を浴びせているのは聞こえている。大丈夫…まだ意識はある…
龍可「ううっ…」
足元はフラフラだけどなんとか立ち上がる。このくらい、アポリアとの闘いに比べたら…
龍可「はぁ…はぁ…」
この頃のアキさんはこのサイコデュエルの力を楽しんでいる…愉悦を感じている…だけど…
アキ「立ち上がらなければ傷つかずにすむものを。いいわ。ならかかってきなさい。あなたには容赦しないわ。カードを伏せてターンエンド。」
アキ 手札2枚 伏せ1枚
龍可「わ、わたしのターン。ドロー。」
龍亞「お、俺もう見てらんないよ…このままじゃ龍可が、龍可が…」
氷室「落ち着け龍亞。」
龍亜「龍可は身体が弱いんだよ!?あんなのくらい続けてたら、龍可が死んじゃうよ!」
氷室「龍可のあの目を見ろ。」
龍亞「目を…?」
龍可はボロボロの体を奮い立たせそのまっすぐな目をアキに向けていた
氷室「あれは何かを秘めた目だ。何を考えているかまでは分からねえが龍可にはそれなりに考えがあるように見える。」
矢薙「大丈夫だよ。龍可ちゃんはきっとやってくれる。ワシはそんな予感がするんじゃ。」
龍亞「龍可…」
果たして龍可はアキの優しさを取り戻し、勝利することが出来るのだろうか…
~続く~