テスラコーボー。
それは『ゴルド王国』において様々なコトガラを調査、研究する区画の事を指す。
『魔法』『武器』『武具』『改良マグロ』などが常に研究され、イチバめいた人波は常に耐える事がない。
彼らは
しかし、光が強ければ強いほどアングラの影は濃くなる。
テスラコーボーのもう一つの顔。
ソレは完全に覆い隠された
モータルの利用する階段には地下は2階までしか存在しないが、コーボーには別の入り口からエントリーする事で地下2階よりも下へ行く事が出来る。
そこで研究されているモノは――
『
これら全てを
表向きは王族による統治がされている『ゴルド・キングダム』ではあるが内政に触れる者ならば誰もが気がつく。
この国を実質支配しているのはシャクラカンであると。
無論、我らが【烈風忍者】スメラギもその所業には気がついていたが、彼は自身が全てを救えると思うほど
自分一人で出来る事は思ったよりもミニマムである事を痛いほど知っている。機が熟すまでは王族警護にて、ツカヅハナレズの距離を保つ判断はワザマエと言えよう。
彼は待っているのだ。己が誰よりも信頼するクランメンバー達を。メンバーが来たその時がイッキウチコワシによって『ゴルド王国』の闇は取り払われるのである。
しかし、ここで一つの疑問を気にかけよう。何故、スメラギはこのタイミングでムーホンを起こしたのか?
彼の待つ“クランメンバー”は誰も来ていない。だと言うのにシャクラカン直属のガーディアン『シックス・ナイツ』の一人であるブレイジングヒートをカイシャクしたのか?
これまでイシバシを渡ってきたスメラギにしては急な動きだ。ナゼ?
その答えは恐らく……一週間前にゴルドの領地内の森でキャンプサバイブしていたモータルが偶然『氷結のオトメ』なるモノを発見したからだ。
5メートル程大のひし形のアイスブロック。その中には……おお、瞳を閉じた美女が閉じ込められているではないか。
黒装束、メンポ、マフラーを身につけた美女は舞うような白髪が水中めいて停止している。
発見したモータルはショジケンを主張。ショーニンに『氷結オトメ』を売り、ショーニンはオークションで更にインゴットを得ようとしたが、ナムアミダブツ! シャクラカンの目に止まり、ニソクサンモンで売りに出す事となってしまった。
こうしたルートで『氷結オトメ』はテスラコーボーのアンダーテール6階に運ばれ、今も様々な解析と研究が進められている。
イッキウチコワシを慎重に進めていたスメラギであったが『氷結オトメ』の事を知り、オトメの力の一端をシャクラカンが宿していた事に決起。
即座にイッキウチコワシに入らなければ、『ゴルド王国』はおろか、世界を壊しかねないと判断。
アンブッシュを開始したのだ。
屋根伝いをブラックパンサーめいて駆けるスメラギのステルススキルは完全に夜闇に紛れている。
ブレイジングヒートの殺害が他の『シックス・ナイツ』に知れ渡り、彼にたどり着くまで30分弱。彼のスケジュールではそれまでに『氷結オトメ』を奪取する予定だ。
そして、
「時間通りね」
そこには先客がいた。
フー、と吐き出す
その胸は豊満であった。
「ドーモ、ノーティム=サン」
「ふふ。どうも、スメラギ=サン」
キセル魔女――ノーティムは『アトランティス』人同士独特のアイサツに微笑んでゴウに従う。