「ハイ! サヨウナラ! 明日もゲンキニー! カラダニキヲツケテネ!」
「サヨウナラー!」
テスラコーボーの中央塔では守衛ガードナーが帰宅するモータル研究員達を見送る。
彼らはノーマル業務をこなすシャチクであり、テイジで帰れる事は珍しい部類だ。カゾクサービスを考えるダイコクバシラ達はシャチク割引のケーキを買うために区画のケーキショップに殺到する。オイシイ!
そんなモータルのキタクラッシュに滝登りめいて歩くのは――
「ドーモ、ノーティラスです」
眼鏡をかけた女研究員にコスチュームチェンジしたノーティムである。守衛ガードナーへお辞儀をするとニコッと微笑む。その胸は豊満であった。
「ドーモ、ノーティラス=サン! 守衛ガードナーのモノリフです!」
「ドーモ、モノリフ=サン。アンダーテールへのエスコートをよろしくて?」
アンダーテール。その単語にモノリフは怪訝な様子だ。
「番号を」
「5478よ。確認して」
「少々お待ちを」
モノリフは持ち場を少し離れ、守衛室へ。ノーティスは守衛室の壁に背を預け彼の代わりに、サヨウナラ、とモータルシャチクへ手を振る。
「ドーモ」
暫くして声をかけてきたのはモノリフではなく、別のエムブレムを着けた守衛ガードナーだった。帽子をマブカに被り、目線が読み取れない。
「ノーティラス=サン。この番号はメントス=サンのモノです。モンガイフシュツなシークレットです」
ゴヨー! ゴヨー! とセキュリティレベルがアップし、武力担当の『機人』が塔より現れる。そのまま、ノーティムに攻撃用の魔法陣を展開。ナムサン!
『某が行く』
「大丈夫よ」
小瓶では外の音は聞こえる為にスメラギはエントリーを希望。警告音は次第にカーニバルめいて来るが決してユカイなモノではない。
ノーティムはどの様に切り抜けるつもりなのだろうか?
「アイェェェェ! 待って! 待ってください! その方、トモダチです! ユウジョウ!!」
すると慌てて駆けてくる一人のモータル研究員。その胸エムブレムには……6Fの数字が!
「ドーモ! 6階ラボ勤務のメントスです!」
メントスの6Fエムブレムは、テスラコーボーにおいて、トップインテリジェントであるテスラ25世直属のチームである証! 上から数えたほうがハヤイランクであった。
守衛ガードナーは全員がかしこまって、アイサツを交わす。そして、
「ドーモ、メントス=サン。ノーティアスです」
「ノーティ……アス=サン! ドーモ! メントスです!」
ノーティムが偽名を使う意図を汲み取ったメントスは、守衛ガードナー達に警報とセキュリティレベルを下げるように告げた。
テスラコーボー、
ノーティムと小瓶に入ったスメラギはメントスのナビゲーションの元、地下3Fの居住区を歩いていた。
「急に番号の通達を受けて急いで上がってきたんです」
「ええ、ありがとう」
まるで長年のユウジンの様な会話をしつつ二人は自然な様子で進む。
居住区は巨大に開けた空間に、カシオリの仕切りめいた形で壁を作る事で個々のプライベートを隔てている。
アングラシャチク達は基本的に外へのインターフェースを持たないテンガイコドクでもある為、ここで一生を終えるモノも少なくない。
「き、今日なんですね……ムーホン」
「ええ。いつでも出れるように準備は出来てる?」
「モチロンです! あっ……」
興奮から思わず声を上げてしまったメントスは、口元を抑えて周囲を見る。しかし、居住区のシャチク達は貴重なキューカプライベートを割いてまで、メントスの動きを気にかける者はいない。キューカにシャチクをする物好きはいないのだ!
「ふー」
「大丈夫よ。協力してくれたから貴方は必ず外へ連れて行くわ」
「メントス=サン! メントス=サンじゃねーの!」
その時、背後からコールアンブッシュ! メントスは一度、驚いた猫めいてビクッとすると、ノーティムは冷静に振り返る。
「ド、ドーモ=サメマルさん」
「ははは! ドーモ!」
それはマッスルなモータル。シャチクギョームで鍛えられた腕は、メントスに比べてヘビとダイジャの様なスケール差だ!
ほんのり赤くなった顔に片手には減った酒瓶を持っており、サカモリしながらウォーキングしていたらしい。ダラク!
「メントスさんよぉ! 頼むぜ〜、俺をテスラ=サンのラボに連れて行ってくれよ〜。見てぇんだよ〜。『氷結のオトメ』をよぉ〜」
「いや……あれは……テスラ=サンの許可がないと……」
「なんだとぉ……4Fソーコ整理にはそんな権利も無いってか!? ズルい! 見たい!」
タチバ的には、サメマルよりもメントスが圧倒的に上だ。しかし、メントスは自分のタチバを利用する事はしないのである。エライ!
「俺たちのユウジョウはどこに行ったんだぁ〜? ユウジョウだよ!? ユウジョウ!」
「サメマル=サン。飲み過ぎですよー」
サメマルは少しオーボー気質な所があるが悪いモータルではない。4Fのソーコ整理は荷物の移動と管理によってマッスルとズノーの二つを要求される過酷なシャチクなのだ。
タナオロシで数が合わない時は、催眠タヌキによって二十四時間、シャチクキョーイクをさせられるのである。コワイ!
「んんー? アイェ!」
すると、サメマルの視線はメントスからノーティムへと移った。正確にはノーティムの豊満な胸にである。
「メントス=サン! 俺たちユウジョウだよな!?」
「え、そ、そう……ですかね?」
「ユウジョウだぜ! ユウジョウだから、隣のショーフガールもユウジョウだ! ファックする!」
「ええ!? サメマル=サン! 彼女はショーフガールなんかじゃありません! 少し落ち着いて……」
「うるさい! 今日はファックの気分なんだ!」
サメマルのボーキョ! メントスをマッスルで殴り、突き飛ばすとノーティムへタックルの構え。
「オモチカエリだぜぇ……うへへ」
アイサツも無いサメマルに対し、ノーティムのアトモスフィアは実に冷静だ。こんな荒事、ナレッコと言った様子で微笑む余裕がある。
イヤー! とサメマルのオモチカエリ・ダキツキに対して、ノーティムはふわりとフーセンめいて入れ替わる。
そして、正確なシュトーをサメマルの首裏に一閃。ワザマエな身のこなしに、サメマルの意識は地面とのキスをキョーヨーする様に失った。タツジン!
「どこにでも、こう言うのは居るわね」