巨大な大蛇のアブノーマリティ。それは常に、収容室でとぐろを巻いている。鱗の隙間は粘着質なブロンズ色のエキスで満たされている。粘性が高い液体の濁った模様は額縁のように見え、一つ一つの鱗が骨董品めいた肖像画のようだ。美術評論家でもあるアブノーマリティ専門家███氏は『最も美しいアブノーマリティの一つ』であると評価している。
どのような進化の過程を経たのか、この蛇は幻覚を誘発する。鱗は遠き友人を映す肖像画のように見え、鳴き声は慣れ親しんだ声のように聞こえる。
幻覚の強度はそれほど高くない。作業を行う職員は幻覚と隣接した確かな現実を直視することができる。しかし、幻覚の維持を望む対象者の精神が、その効果を確かなものにする。
職員たちは肖像蛇の鱗から恋しい誰かを幻視するが、その幻覚は悪意によるものではなく、蛇は騙す意思を持っていない。蛇にとって重要なのは、獲物の警戒心を解き抵抗力を失わせることが、効率的な狩りにつながるということだけである。
アブノーマリティに依存する職員が続出している。実際に精神汚染値の回復が見られるため、会社は見てみぬふりをしている。しかし、職員を待つ蛇がとぐろを巻いている意味を理解しなければならない。あの大蛇は狩りの姿勢で、獲物が来るのを待っているということを。
繰り返し同じ職員が来ても、多くの職員が来ても、蛇は嘲りもせず、喜びもしない。ただ、警戒心を解いた獲物を締め付けて、その大きな口に入れるだけだ。
T-02-k43
肖像蛇
◇アブノーマリティ 基本情報
危険度 TETH
ダメージタイプ WHITE
◇管理方法
1.作業結果が悪い場合、肖像蛇のクリフォトカウンターが減少した。
2.職員アスカが指示を無視した。精神力が最大値の半分以下になっている職員が肖像蛇に対して作業を開始した場合、管理人の命令に関わらず、必ず愛着作業を行う。
3.脱走時、肖像蛇と同じ廊下にいる中で最も精神力の低い職員(パニック職員・オフィサーは含めない)は肖像蛇の近くに留まり、鎮圧作業を行わなかった。
◇アブノーマリティ 作業好感度
| 作業成功率 | 本能作業 | 洞察作業 | 愛着作業 | 抑圧作業 |
|---|---|---|---|---|
| ランク Ⅰ | 高い | 高い | 最低 | 普通 |
| ランク Ⅱ | 高い | 高い | 最低 | 普通 |
| ランク Ⅲ | 高い | 高い | 最低 | 普通 |
| ランク Ⅳ | 高い | 普通 | 最低 | 普通 |
| ランク Ⅴ | 高い | 普通 | 最低 | 普通 |
◇脱走情報
クリフォトカウンター 1
| アブノーマリティ 防御 | |
|---|---|
| RED(1.5) - 弱点 | WHITE(0.6) - 耐性 |
| BLACK(1.0) - 普通 | PALE(2.0) - 脆弱 |
脱走時HP:300
脱走時行動︰
同じ部屋内にいる職員に、常時3秒ごとにWHITEダメージを継続的に与え続ける。
制御不能になった職員のもとへ移動する。その間、別の職員が攻撃範囲内に存在すれば、噛みついてREDダメージを与える。
目的の職員に到達するとその職員を締めつけ、REDダメージを与え続ける。アブノーマリティを鎮圧するか、職員がパニックになるか、もしくは死亡するまでこの拘束は続く。
◇E.G.Oギフト(獲得確率:5%)
額縁(ブローチ 2)
見た目︰
誰も描かれてない、額縁だけの肖像画のペンダント
効果︰
精神力+2
移動速度・攻撃速度+4
◇E.G.O武器
TETH
額縁
見た目
肖像蛇に似ている、黄白色のウロコとブロンズ色の隙間、肖像画のような見た目を持つメイス。
武器タイプ メイス
ダメージタイプ WHITE
ダメージ 5-7
速度 普通
射程 近距離
抽出を行う者によって肖像画に映る人物が変わってしまうため、固定化には懐かしむ過去を持たない者が行う必要があった。
そのため肖像画に過去は映っておらず、この武器は対象自身の過去によってその心を砕く。
◇E.G.O防具
TETH
額縁
見た目
黄白色のスーツに、蛇柄の上着を着ている。上着の輪郭はブロンズ色になっている。
耐性
RED(0.8) 耐性
WHITE(0.8) 耐性
BLACK(0.8) 耐性
PALE(2.0) 脆弱
肖像画は過去を懐かしむためにあるが、過去に囚われるための物ではない。しかし誰もいないこの肖像画は、見る者を捕らえるために存在する。
この防護服を外すと物寂しい心地がするため、ずっと着用していたいかもしれない。再会は懐かしいものになるだろう。
裏話(読み飛ばしても問題ないです)
『職 員 ア ス カ が 指 示 を 無 視 し た。』
???「まあそういわれるとそうなんだがこりゃまいったなあ!」
この管理方法書いてるときちょっと面白かったです。本能作業しろって言われたのに愛着作業したのは事実だからね……。
さて、やっと物語が進んだ感があります。侵食したアスカくんの怪物っぷりをみんなに見せれると作者もワクワクしてます……ですが、それのせいで次の投稿は描写こだわって遅くなっちゃうかもしれません。気長に待っててください!
透明な一言︰あ、こいつはヘビ恐怖症(Ophidiophobia)のトラウマ型アブノーマリティです。
次回のアブノーマリティ→
『そして、雛鳥は大人になりました。』
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肖像蛇