生粋のE.G.O.I.S.T   作:ペスト医師団

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報告:K-1844-3

 

報告書番号 K-1844-3

 

○当該職員の職員情報

 

 職員番号︰K-1844

 氏名︰アスカ

 容姿︰癖毛で灰色の髪の男性。黄色の目を持つ。身長は平均より低い。触らせてもらったのだが、髪はかなりふわふわして柔らかい。毎日手入れしているらしい。

 

 

○当該職員の能力評価

 

 ランクⅢ職員

 勇気︰Ⅱ

 慎重︰Ⅱ

 自制︰Ⅱ

 正義︰Ⅳ

 

○当該職員の所持E.G.Oギフト

 

懺悔(頭部 1)︰O-03-k03*1

 茨の冠。道連れギフトの上に装着

 体力+2

 O-03-k03の作業成功率10%上昇

 

道連れ(頭部 2)︰T-06-k27*2

 深緑のキャスケット

 精神力-4

 移動速度・攻撃速度 +6

 

敬服(目)︰T-03-k88*3

 他人から目が見えないほど黒いサングラス

 精神力+6

 

証明(手 2)︰T-05-k51*4

 手の甲と手のひらに刻まれた癒えない引っ掻き傷

 移動速度・攻撃速度 +2

 

額縁(ブローチ 2)︰T-02-k43*5

 誰も描かれていない肖像画のペンダント。

 精神力+2

 移動速度・攻撃速度+4

 

カトラリー(左 背中):T-01-k68*6

 白いテーブルクロスがかけられたテーブルを背負う。

 体力+8

 

○報告事例

 

 インシデントT-06-k27-E-26発生時、当該職員は アナスタシア 元福祉チームチーフK-1427が変じた姿であるT-06-k27-1-1427と交戦を行った。

 

 それ以前に アナスタシア T-06-k27-1-1427と交戦していた福祉・中央本部チームによる臨時的な合同鎮圧班は対象の精神汚染攻撃に圧倒され撤退しており、現場に到着した際の当該職員は、特に精神汚染値が限界に近かったために合同鎮圧班より放棄されたK-1943と、それを攻撃する アナスタシア T-06-k27-1-1427を目撃したという。

 

  アナスタシア T-06-k27-1-1427によるK-1943への被害を防がんとした当該職員はM-09-k95*7に酷似した腕輪を生成し、 アナスタシア T-06-k27-1-1427の敵意の矛先を自分に向けた。これはM-09-k95の効果と一致している。

 

 また、 アナスタシア T-06-k27-1-1427との戦闘中、当該職員のE.G.O武器『懺悔』は通常より多くの茨と、通常時には存在しない鎖が剣身に巻かれていた。これは前報告K-1844-2で言及した事例と一致している。

 

 交戦の結果、当該職員はK-1943と協働して アナスタシア T-06-k27-1-1427を鎮圧することに成功している。

 

 また、以前まで初回の作業で全てのアブノーマリティのE.G.Oギフトを獲得していた当該職員だが、O-02-k56*8の作業で初めてE.G.Oギフト獲得に失敗している。

 

 連続したT-09-k94*9の使用で能力が下がり、降格した。

 

○特記事項

 

 当該職員は生前の アナスタK-1427の直属の部下だった。またK-1943と生前のK-1427は公私ともに関わりが深く、K-1943と当該職員も同一時期での入社であり、その上三名とも同一部署の職員だったため、状況証拠からも、現場に居合わせたK-1427含む三名は互いに十分に有意な精神的な反応を引き起こしていた可能性が高いと判断される。

 

 武器・防具ともにWAWランクの装備を着ていたK-1427が変じたT-06-k27-1-1427の推定危険度はWAWアブノーマリティと同等であると評定された。

 

 これはWAW装備の職員と同等の戦闘能力を持つという意味ではなく、WAW装備の職員が三人以上要求される危険度を意味する。

 

 そのため、臨時合同鎮圧班によって一定のダメージを負っていたとはいえ、T-06-k27-1-1427の鎮圧の大部分を担った当該職員は当時、一般的なWAW装備職員を凌ぐ鎮圧能力を得ていたのだと考えられる。

 

 事件当時当該職員が生成したM-09-k95の類似物について(以降、M-09-kb95)は、事件後、情報チーム研究部署・抽出チーム決定部署による分析・合意を経て、それが確かにアブノーマリティであることが分かった。

 

 前例からM-09-kb95はM-09-k95の亜種であると判断されたが、従来から知られるアブノーマリティの亜種関係とは異なり、その性質は無視できる程度の誤差を除いて、M-09-k95のそれに限りなく近い。

 

 数々の実験で、当該職員は資料でのみ認識したものや、ツール型ではないアブノーマリティを生成することはできず、亜種を生成できたのはM-09-k95、O-09-k91*10、T-09-k94のみであった。

 

 上記の事実から、当該職員は『自らが直面したツール型アブノーマリティの実質的なコピーを生成する能力』を保持していると仮定できる。また、これは以前までの侵蝕現象発生時にも見られた能力『ギフト侵蝕に起因するアブノーマリティ類似物体の生成』の類型なのではないかという説も唱えられた。

 

 O-02-k56のE.G.Oギフトについては、検証のため当該職員は四度O-02-k56への作業指示を受けているが、そのどの作業でもE.G.Oギフトを得ることはなかった。

 

 また、当該職員の能力全般はT-09-k94によって衰えたが、懺悔のE.G.O装備や当該職員の持つ様々なE.G.Oギフトで侵蝕現象は発生しなかった。その中には、同程度の能力値だった時期に侵蝕現象を起こしていたものもあった。

 

 これは当該職員の『E.G.Oを制御するための力』と言うべきものが成長していることを意味する。さらなる実験のため、TETHランクE.G.Oの装着を指示する予定。

 

○評価者の所見

 

 当該職員における最も重要な研究テーマがまた一つ増えたようだ。

 

 管理人も知る通り『アブノーマリティを生成した』という事実は非常に重要なものだ。

 

 『アブノーマリティの抽出』は非常に限定的な方法しか確立されていない。その安定的な方法を確立するためにあまりに多くの試練があった。

 

 無論、我々の知る抽出方法に当該職員のようなアプローチは存在しない。性質を同じくするアブノーマリティを意図して抽出する試みも、今日まで成功した試しはなかった。

 

 当該職員の能力を模倣することで、我々のアブノーマリティ抽出について、代替手段の構築、あるいは現行の抽出手順の改善が期待される。

 

 そのためにも、O-02-k56のギフトが獲得できなかった事実は、当該職員の体質あるいは能力を解明する糸口になりうるかもしれない。

 

 調査には『O-02-k56の性質』・『当該職員の体質』、二つのアプローチから慎重に仮説検証を行う必要があるだろう。O-02-k56のプロファイリングには情報チーム研究部署、当該職員に関する解析には抽出チーム決定部署の協力を要請する予定だ。

 

 『E.G.Oを制御するための力』については、本社規定の能力評価基準に該当する能力が存在しないため、新しい評価テストを設ける必要がある。

 

 教育チームとの協議の結果、有志の職員とともに構想段階の教育プログラムの実証実験を行うことになった。

 

 幸い、実験対象者は見つかっている。彼女の経過観察、あるいは成長によって『E.G.Oを制御するための力』についてさらなる理解が深まることを期待しよう。

 

P.S.特定人物の名前を誤って記載してしまったため、該当する文面への厳重な情報抹消処理を求めたい。疲労からか、最近ミスが続いている。業務に支障をきたす為、近々有給休暇を申請する予定。

 

評価者

K-1472

メイベル・マーフィー

*1
『たった一つの命と何百もの罪』または命罪さん

*2
『私たちの苦しみ』。チーフを殺した。

*3
『黒い水槽』。デカいやつが見てくる。

*4
『傷ついた壁』。リアを殺した。

*5
『肖像蛇』。アスカをパニックにさせた大蛇。

*6
『空き皿の作法』。頭が皿の男。

*7
欲の指輪。アブノーマリティ、そして職員すらパニックになってでも欲しがる指輪型のツール

*8
競争鳥。呪いの粉で他人の能力を低下させる。事故の元。

*9
紫電中毒。ずっと能力を下げて一日だけ能力を上げるバッテリー。

*10
ここではないどこか。ワープできる扉。

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