……ロープがタイプライターの上で揺れている……。
機械は、一見すると単なるタイプライターであるかのように見えるが、自らの「意志」が存在することから、アブノーマリティの条件に適合している。
アブノーマリティを前にした職員は、タイプライターを打つことでアブノーマリティと「対話」を行う。
「対話」の際、ある職員はどこからか現れたロープを使い、首を吊った。この状態に陥ったどの職員も苦悶の表情を浮かべるが、その表情に反して自殺を取り止めることはない。
いくつかの実験により、アブノーマリティの最終的な目的はタイプライターによって打ち込まれた「文書」であると判断された。
「文書」の価値はアブノーマリティ独自の価値基準で評価される。その基準についての調査は進んでいない。『文学的価値』が基準であるとの説が職員の間で囁かれているが、真偽は不明。
この「文書」は必ず一度は他の職員の手に渡る。どれだけ厳重な管理を行ってもこれは防ぐことができない。そのため、自らの過去を公開したくないなどの理由から、職員はこのアブノーマリティの作業を拒絶する可能性がある。
また、アブノーマリティに『価値がある』と判断された「文書」は強力な精神汚染効果を持つ。このアブノーマリティの作業を偏執的に希望する職員には厳重な監視が必要だ。
「文書」は必ず、自らの死を拒むかのような発言から始まる。
〈インシデントログからの抜粋〉
[警告]この文書はランク3以上の職員のみに閲覧が許可される。
収容室内での自殺、精神汚染値の高い状態での作業など、「文書」を読んだ職員によるトラブルが多発している。このような状況を改善するため、影響を受けた職員たちを制御する方法が求められていた。
様々な実験が提案され、その折、我々は「文書」を読んだ職員K-3446の拘束に成功した。
K-3446は一見理性的な対話が可能な状態だったが、「書く機械」への作業を強く希求し続けていた。インタビュアーを担当したK-3450は連日に渡って対話による説得を行ったが、それらは全て失敗に終わった。
命令に反した作業を行う意思が変わらなかったため、K-3446の拘束が解かれることはなかった。K-3446を拘束したカウンセリングルームには録音機能のついた監視カメラが配置され、経過観察が続けられた。
K-3446︰生きる。死にたくない。どうして生きているんだ。このうるさい心臓も、通っている血の一滴も、何の██がある?
K-3446︰怖い。そうだ。怖いんだ。ただ██や█を積み重ねるだけの人生なら、今すぐ終わる方がマシなんじゃないか? まだ、まだ疑っているだけだ。それを確信してしまう日が怖い。
K-3446︰教えてくれ。聞いてるんだろう? 俺の人生は███いるか? ██があるのか? クソ、あの日読んだ文章が頭から離れない。俺はイカれたのか? あんな風に堂々と、生きることを██したいんだ。それだけなんだ。
K-3446︰ああ、そうか。
この音声を最後に、K-3446は死亡した。K-3446の死体、監視カメラの映像、録音された音声は職員に著しい精神汚染を与えたため、厳重に管理・処分される必要があった。特に死体は早急に処分されたため、K-3446の死因は明らかになっていない。
当該現象による直接的な精神汚染を受けた職員たちがタイプライターによって「文書」を作成したため、二次被害が連鎖的に発生した。最終的に全職員の█0%が当該現象による精神汚染を受け、施設は致命的な混乱に陥った。
被害規模の大きさから、文書に感化された職員による「書く機械」への作業を妨害することは、どのような意図においても禁止される。
O-05-k30
書く機械
◇アブノーマリティ 基本情報
危険度 HE
ダメージタイプ BLACK
◇管理方法
1.職員は作業完了時に「文書」を作成した。
2.勇気ランク2以下の職員は自ら首を吊った。
3.作業結果が悪い場合、クリフォトカウンターが減少した。
4.クリフォトカウンターが0になると、書く機械が職員を強制的に引き寄せ「文書」を作成させた。
5.正義ランク4以上の職員が作った「文書」は、施設内のランダムな他の職員の手に渡る。私たちはこの現象を「感化」と呼ぶことにした。
6.感化された職員バレルは書く機械の作業を始めた。
◇アブノーマリティ 作業好感度
| 作業成功率 | 本能作業 | 洞察作業 | 愛着作業 | 抑圧作業 |
|---|---|---|---|---|
| ランク Ⅰ | 低い | 普通 | 普通 | 普通 |
| ランク Ⅱ | 低い | 普通 | 普通 | 普通 |
| ランク Ⅲ | 最低 | 普通 | 普通 | 高い |
| ランク Ⅳ | 最低 | 低い | 普通 | 高い |
| ランク Ⅴ | 最低 | 低い | 普通 | 高い |
◇脱走情報
クリフォトカウンター 1
非脱走オブジェクト
◇E.G.Oギフト(獲得確率:4%)
エピローグ(頬)
見た目︰
目尻とその下に、涙が流れた跡のような形の黒い痣が付く。
効果︰
MP-4
移動速度・攻撃速度+8
◇E.G.O武器
HE
エピローグ
見た目
白色のロープで出来た長い柄のムチ。
武器タイプ 特殊
ダメージタイプ BLACK
ダメージ 40-50
速度 超低速
射程 長距離
*この武器を装着した職員のHPが10%以上の時、現在の体力・精神力の15%を消耗して、武器の攻撃力を30%増加する。
縊死の生理学的な直接の死因は呼吸の停止から来るものではなく、大抵は脳への血流の停止が原因とされる。いつだって我々の思考は生命に依存し、生命もまた思考に依存している。
その脳の活動が命尽きるまで止まらないなら、どうか終わるまでの全てを言葉で伝えてくれ。
◇E.G.O防具 なし
裏話(読み飛ばしても問題ないです)
Writing machineです。安直すぎる。音楽の亜種なら文学だな!
歌う機械と似ても似つかないですが、職員が連鎖的に影響下に入れられるところは似ているのかな?
アスカくんはどうしてまだ名前のついていないこのアブノーマリティが歌う機械と似ていると思えたんでしょう。彼にしかわからない何かがあったのかもしれません。
そういえば自殺をテーマにしたアブノーマリティって意外とないような気がします。血の風呂は個人的解釈だと自殺じゃなくて自傷モチーフな気がしてるんですよねー。
ゲーム的に考えると、ほとんどの職員の正義が育っている終盤であれば、誰かが作業しては誰かが「文書」に感化されて、その人が作業したらまた他の誰かが「文書」に感化されて……という無限ループが産まれそうです。
ロボトミーでは職員が勝手に作業や移動することで起きる問題は多々あるのでこれだけでも厄介かな?
透明な一言︰いままでのアブノーマリティ含めて、管理方法の記述にもトリックや伏線があったり?