爪で引っかいたような傷が浮かぶ壁。壁の材質は裏路地の一般的な建材である。傷の外観は、人間の肌についた傷のように生々しい。
過去に苦痛を生きた者はこの壁に強い反応を示すが、その証言を理解することは難しい。
時折傷が大量の血液を生成するが、拭き取ってはならない。
職員がこの壁に強い刺激を与えると、壁に新しい傷が増え、耐え難い苦痛が職員に襲いかかる。そこに物理的な外傷は存在しないが、職員は傷の実在を訴える。
傷の実在を訴えた職員は、しばらく経つと、体中を引っかいて自殺した。
目に見える傷のみによって痛みが生まれる訳ではない。しかし、傷のない苦痛は不確かで、実在しているかどうかさえ疑わしい。
苦痛の実在を疑った者は、傷の実在を信じようとする。そこから起きる自傷は、憐憫を求めて行われるものではなく、証明である。
いつだって流れた血は、痛みよりも確かな傷の証明だった。
T-05-k51
傷ついた壁
◇アブノーマリティ 基本情報
危険度 TETH
ダメージタイプ RED
◇管理方法
1.傷ついた壁に抑圧作業をした職員は、高いWHITEダメージを受けた。
2.傷ついた壁への作業でパニックになった職員は死亡した。
3.職員リアが自殺した。慎重ランク1の職員が洞察作業をすると死亡する。
◇アブノーマリティ 作業好感度
| 作業成功率 | 本能作業 | 洞察作業 | 愛着作業 | 抑圧作業 |
|---|---|---|---|---|
| ランク Ⅰ | 高い | 普通 | 低い | 最高 |
| ランク Ⅱ | 高い | 普通 | 低い | 最高 |
| ランク Ⅲ | 高い | 普通 | 低い | 最高 |
| ランク Ⅳ | 高い | 普通 | 普通 | 最高 |
| ランク Ⅴ | 高い | 普通 | 普通 | 最高 |
◇脱走情報
クリフォトカウンター なし
非脱走オブジェクト
◇E.G.Oギフト(獲得確率:5%)
証明(手 2)
見た目︰
無数のひっかき傷が職員の手に現れる。
効果︰
移動速度・攻撃速度 +2
◇E.G.O武器
TETH
証明
見た目
血まみれの爪が長く伸びた大きな手。爪の根本からも血が出ている。
武器タイプ 拳
ダメージタイプ RED
ダメージ 6-8
速度 普通
射程 超近距離
「僕の傷は本当に実在していますか?」
何かを引っかくことに特化した爪が伸びる。装備の一部に過ぎないが、装着者はこれを自らの爪のように感じるだろう。
この装備が与える傷は痛々しく、決して消えない。文字通り世界に爪痕を残すように、振るった相手に大きな傷跡を残す。
◇E.G.O防具
TETH
証明
見た目
薄汚れた壁のような色と、血の赤が基調のアーマー。全体の表面に引っかき傷がついている。
耐性
RED(0.6) 耐性
WHITE(1.0) 普通
BLACK(1.2) 弱点
PALE(2.0) 脆弱
*RED/BLACKダメージを受けた時、5%の確率で精神力が10回復
「僕の傷は本当に実在していますか?」
無機質な壁に傷がにじみ、奇妙な様相を見せる。この防具に物理的な損傷を加えても、壁を引っかいたような無意味さを感じるだけだろう。しかし、作られた傷は決して癒えず、さりとて膿みもしない。
裏話(読み飛ばしても問題ないです)
T(トラウマ)のオリジナルアブノーマリティだ! モチーフは血液恐怖症(Hemophobia)です。
モチーフからしてもそうですが、原作の血の風呂を参考にしています。(亜種というわけではない)ちなみに、参考にしている原作アブノマがいるオリノマはシリアルナンバーを合わせるようにしてたりします。
こいつ自身の物語はまあまあ複雑な題材を一つの形に抽出できたのでかなり満足しています。離人症による自傷をテーマしてる感じです。
とはいえ、作った経緯としては最初からそういうテーマだったわけではないんですよね。
前の話のサブタイトル『流れた血は、痛みよりも確かな傷の証明だった』の文が先に思いついて、そこから連想していく形でアブノーマリティの物語を具体化していきました。
最初は『血と痛みがあってこそ生きてる感じがするぜ……ヒャッハー!』みたいなのを想像していたんですけど、なぜか陰鬱な感じになってましたね。こういった紆余曲折もとても楽しいものです。
ストーリーでは勇気上げに使われていたこいつですが、ゲーム内では正義上げ用のアブノマになりそうな気がしています。抑圧作業でのWHITEダメージは慎重ランク3未満の職員がパニックになるレベルを想定しているので、慎重を先に育てれば正義を簡単に成長させられる感じです。
透明な一言︰装備のフレーバーテキスト書くの楽しい!
次回のアブノーマリティ→
『誰もがそれを求めた。裏切り、争い、欲望……』