その古めかしい帳簿には未知の表意文字が書かれている。そこに書かれている文字や言語のほとんどは未解読だが、すでに知っていたかのように、誰もがその記述を理解することができる。
全てのページにはとある人物の名前と、その人物が呼ばれたことのあるすべての呼び名や別名が書き連ねられている。しかしそこで確認できるのは生者の名前のみである。
帳簿を開くと、必ず自らのページを見つけることができる。書かれているものは大抵が聞き覚えのあるあだ名だろう。しかし必ず一つだけ、覚えのない名前がある。
『真の名前。それは人間の本質や可能性、あるいは人生そのもの、それら全てを意味するものだという。だからこの帳簿を読めば自分自身の全てを知り、理解することができるだろう。間違いのない真実に、君が平静を保てたらいいのだが』
この帳簿を読んだ者は自分自身への理解を深め、その価値判断の精度を高めることができる。しかし彼らは必ず自ら悟った自身の本質に沿うことに神経質になり、そこから逸脱する事に病的なまでの抵抗を見せた。
真なる物は偽を否定するだろう。
O-09-k78
真名の帳簿
◇ツール型アブノーマリティ 基本情報
危険度 HE
単発使用タイプ
◇使い方
1.真名の帳簿を読んだ者は正義に関する能力値を大幅に上昇させるだろう。
2.能力値の上昇は職員の作業内容に関与しない。
3.使用後30秒以内に管理作業に向かわなかった職員は自殺するだろう。
4.使用後に自らの最も得意な作業以外を命じられた職員は自殺するだろう。
裏話(読み飛ばしても問題ないです)
オーソドックスな即死系ツール。使うメリットもあんまりない……ハズですが、弊支部では強い意味を持つらしいです。
ちなみにクロイーさんは奇跡的に即死条件を回避しているようです。これも訓練……もとい実験の成果かな!
『真名』という概念はけっこう好きなのですが、ロボトミーに登場させるのは至難の技でしたね。
能力値が上昇する理屈として読むとその人の全てを理解できるってことにしましたが、その場合特別なのは名前じゃなくて文字かもしれない……。
あと、自分の持ってる世界観として『超自然的な能力によって得られた知識はそれだけで精神汚染効果がある』というものがあって、それが出ているアブノーマリティでもあります。
言葉にするのは難しいですが……普通人は文字を読んだり自分から経験して知識を得るのに、脳に直接知識をぶちこまれたら疑うこともできなくなってしまう、みたいな。
だからこの帳簿を読んだ人は、それが本当に真名と呼ぶべきものか検証することもできずに、そこに書かれた名前を真名だと思いこんでしまうんでしょうね。
透明な一言︰実はあらすじを変えました。かっこいいと良いんですが、むしろかっこよすぎて内容が追いついてないかもしれない。