ヘクトール先生   作:パリス君

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対策委員会編、始まり始まり〜。


Vol.1対策委員会編 1章
アビドス高等学校


「おはようございます、先生!」

 

タブレットの映るアロナが元気よく言う。

もうキヴォトスに来てから何日か経つが、毎度アロナは元気に挨拶をしてくれる。

俺も元気よく朝を迎えれるってもんだ。

 

「ああ、アロナもおはよう……しっかし、昨日はオジサン疲れたぜぇ」

 

俺はシャーレの先生として、毎日送られてくる依頼を解決していた。

昨日の依頼は、ただの猫探し……だったんだが、猫が縦横無尽にどっか行くもんだからなぁ。

結果的に、数々の学園を走り回り、挙げ句の果てには大規模不良グループの鎮圧まですることとなった。

 

「確かに、昨日は慌ただしくなりましたね……お疲れ様です。しかしそんな活躍もあり、ここ数日間でシャーレに関する噂もたくさん広まりました。実際、今日も他の生徒達から助けを求める手紙が届いています」

 

そうアロナに言われ机を見れば、いくつかの手紙が置いてある。

 

「良い兆候です!私たちの活躍が始まるということですから!」

 

俺からすれば……今日も仕事かぁ、という気持ちだけどね?

ま、仕事はキッチリやるとするかぁ。

 

「ですがその中に……ちょっと不安な、こんな手紙がありまして。これは先生に一度読んでもらった方がいいかなと」

「不穏な手紙?」

「はい、机に他の手紙と分けて置いてある一通の手紙です」

 

俺はその不穏な手紙を読む。

 

連邦捜査部の先生へ

こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。

今回はどうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。

単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。

それも、地域の暴力組織によってです。

 

こうなってしまった事情は、かなり複雑ですが……。

どうやら、私たちの学校の校舎が狙われているようです。

今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまいます……。

このままでは、暴力組織に学校を占拠されてしまいそうな状況です。

 

それで、今回先生にお願いできればと思いました。

先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?

 

 

 

「うーん……アビドス高等学校ですか……」

「オジサンは聞いたことがないが、お前さんは何か知ってるのかい?」

「昔はとても大きな自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっていると聞きました。どれほど大きいかというと、街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらいだそうです!」

「はっはっはっいくら大きい自治区でも、遭難はないだろうよ」

「そうですよね、いくらなんでも街のど真ん中で遭難だなんて……さすがにちょっとした誇張だと思いますが……」

「ま、暴力組織に追い詰められてて、助けてほしい。なんてお願いされちゃあ助けに行くしかないかなぁ」

 

間に合わない、なんてことにはしたくないしな。

 

「そうですね!……それにしても学校が暴力組織に攻撃されているなんて……ただ事ではなさそうですが……何があったんでしょうか?」

「……アロナ……世の中にはな、予想もつかない事で争いが起こることもあるんだぜぇ?」

「先生、遠くを見てます……実体験ですかね?」

 

……三人の女神の喧嘩に王子様が巻き込まれたりな。

さて、早速アビドスに出発するかな。

 

 

 

 

 

そして、俺はアビドス自治区に着いたんだが……学校が見つからず何日も迷い続け、街のど真ん中で道に迷って遭難してしまった。

 

「フッ……オジサン、迷っちゃたぜぇ」

 

正直舐めてたぜ、遭難なんて誰もしないだろう、とか思ってたら自分がしてしまった。

出力さえ下がってなければ、走り回って探せば良いんだが……どうしたものか。

そうして俺は空を見上げる。

 

「……ん?」

 

そんな声が後ろから聞こえる。

すぐさま、キキーッ、という音が聞こえ俺は振り返る。

 

「……あの……大丈夫?」

 

そこには自転車──ロードバイクに乗った、灰色の髪の少女が居た。

獣の耳が生えているのにはもう驚かない。

 

「ん?ああ、大丈夫っちゃ大丈夫かなぁ」

「あ、生きてた。道のど真ん中で空を見上げてるから、もう死んでるのかと」

「生きてはいるよ。しかし用事でここに来たんだが、店が一軒もなくてね?オジサン、脱水と空腹で倒れそうなんだよ」

 

こればっかりは、食事を必要としないサーヴァントの時の方が便利だと思ってしまう。

そんな俺の言葉に目の前の少女は自転車を降りてから、返答する。

 

「ただの遭難者だったんだね。ああ、ここは元々そういう所だから。食べ物のある店なんか、とっくに無くなってるよ」

 

この反応的に、遭難者自体は、珍しくないのか。

 

「こっちじゃなくて、もっと郊外の方に行けば市街地があるけど」

「オジサン、ここの土地勘はなくてねぇ」

「土地勘がない?……なるほど、この辺は初めてなんだね……ちょっと待って」

 

そう言うと、少女はバックから何かを取り出した。

 

「はい、これ。エナジードリンク。ライディング用なんだけど……今はそれぐらいしか持ってなくて。でも、お腹の足しにはなると思う」

「いやぁ、お嬢さんありがとな」

「えっと、コップは……あった」

 

俺は少女からコップを貰い、それに注ぎ飲む。

流石に数日間飲まず食わずでも、口をつけては失礼だ、ぐらいの頭は回る。

エナジードリンクを飲むと、頭が冴えてくる。

 

「お嬢さん、おかげで助かったよ。ホントありがとな」

「うん。見た感じ、連邦生徒会から来た大人の人みたいだけど……お疲れ様。学校に用があって来たの?」

「あぁ、もしかしてだが、お嬢さん。アビドス高等学校、ってとこの生徒だったりするかい?」

「……そっか。久しぶりのお客様だ。それじゃあ、私が案内してあげる。すぐそこだから」

「それじゃあ、頼むぜ……あ、お嬢さんはそのロードバイクに乗ってて良いぜ。オジサン、これでもまだ現役だからな」

「分かった。それじゃあ、ついてきて」

 

 

 

 

 

「ただいま」

「おかえり、シロコせんぱ……い?……誰?横にいる大人の人は?」

 

どうやら、俺を案内してくれた生徒の名前はシロコ、と言うらしい。

 

「わあ、シロコちゃんが大人を拉致してきました!」

「拉致!?もしかして脅してきたんですか!?シロコ先輩、それは……」

「……いや、普通に案内しただけだから。うちに用があるんだって」

 

拉致を疑うのか……ここの生徒たちの日常が気になるなぁ。

 

「いよ!オジサンはヘクトール。『シャーレ』の顧問先生だ。ま、よろしくな」

「!?……え、ええ!?まさか!?」

「連邦捜査部『シャーレ』の先生!?」

「わあ⭐︎支援要請が受理されたのですね!良かったですね、アヤネちゃん!」

 

ベージュのロングヘアを左側の頭部だけまとめた髪型をした少女が嬉しそうに話す。

確か、ああいう髪型をシニヨンと言ったかな。

 

「はい!これで……弾薬や補給品の援助が受けられます」

 

アヤネ、と呼ばれた少女は同じく嬉しそうに話している。

 

「あ、早くホシノ先輩にも知らせてあげないと……あれ?ホシノ先輩は?」

「委員長は隣の部屋で寝てるよ。私、起こしてくる」

 

そして、獣の耳を生やした黒髪の少女が、ホシノ、という子を起こしに隣の部屋へ移動する。

その時、ダダダダダダダダッ!っという音が外から聞こえる。

銃声だ。

 

「じゅ、銃声!?」

「!!」

 

 

 

「ひゃーっはははは!」

「攻撃、攻撃だ!!奴らはすでに弾薬の補給を断たれている!襲撃せよ!!学校を占領するのだ!」

 

外ではヘルメットを被った少女達が銃を乱射している。

 

 

 

「わわっ!?武装集団が学校に接近しています!カタカタヘルメット団のようです!」

 

アヤネがそう言った。

地域の暴力組織の名前はカタカタヘルメット団と言うらしい。

 

「あいつら……!!性懲りもなく!」

 

シロコが怒りを露わにしている。

黒髪の少女がピンク色の髪をした一人の少女を連れて、隣の部屋から戻ってくる。

 

「ホシノ先輩を連れてきたよ!先輩!寝ぼけてないで、起きて!」

「むにゃ……まだ起きる時間じゃないよー」

 

ホシノ……あの子、今までであった生徒の中で神性を一番強く感じるな。

それこそ、半神に近いぐらいの……戦闘での動きを観察しておくか。

 

「ホシノ先輩!ヘルメット団が再び襲撃を!こちらの方はシャーレの先生です」

 

アヤネがホシノに今の状況の説明と俺の紹介をする。

 

「ありゃ〜そりゃ多変だね……あ、先生?よろしくー、むにゃ」

 

ホシノはそう言い、眠そうに閉じている瞼をチラッと開き、俺を見る。

……警戒されているな。

実際、今も眠そうにしていながらも俺を警戒し、隙がない。

やれやれ、どうやら俺は、あの子に相当信頼されていないらしい。

 

「先輩、しっかりして!出動だよ!装備持って!学校を守らないと!」

「ふぁあー……むにゃ。おちおち昼寝もできないじゃないかー、ヘルメット団めー」

「すぐに出るよ。先生のおかげで、弾薬と補給品は十分」

「はーい、みんなで出撃です⭐︎」

 

そう言うと、四人は校舎を出て、校庭へ走っていく。

 

「私がオペレーターを担当します。先生はこちらでサポートをお願いします!」

 

俺と共に校舎に残ったアヤネが言う。

どうやら映像で、四人の戦闘を見ながら指示をするようだ。

……一緒に戦場にいられないのは少し思うところもあるが、上空から戦場を見られるのは、土地をまだ把握できていない俺にはちょうど良い。

 

「あいよ。ロートル並みだが、サポートするかねぇ」

 

 

 

 

 

「カタカタヘルメット団残党、郊外エリアに撤退中」

 

アヤネが映像越しに、戦場にいる四人に伝える。

……戦闘を見て分かったが、ホシノ、そしてシロコの二人はかなり強い。

ホシノは今回の戦闘で、目立ったことをしていないが、身体の動かし方、武器を扱う技術、敵を倒す優先順位の把握、そして、それらをこなしながらも、他の三人の状況を把握できる視野の広さ。

相当の手練れだ……今まで見てきた生徒の中で最も強いだろう。

そして、シロコはそんなホシノを上回る可能性を秘めている。

それほどまでに潜在能力が非常に高い。

今の実力も高いが、今のままではホシノには届かないだろう。

そんな事を考えていると、戦場の方では喜びの声が上がっていた。

 

「わあ⭐︎私たち、勝ちました!」

「あははっ!どうよ!思い知ったか、ヘルメット団め!」

 

しかし、ヘルメット団はあまり統率が高いわけではなかったな。

陣形は崩れやすく、作戦には引っかかりやすい、さらには挑発にも乗ってしまう。

校舎を占拠しようって話だから、軍団じみた武装勢力が来ると思っていたんだがなぁ。

しかし、逆に考えれば、そんな集団がなぜここを襲う?何か執着でもあるのか?

それとも誰かに雇われているのか。

……まあ、まだ本気ではない可能性もあるが。

 

「皆さんお疲れ様でした。学校に帰還しましょう」

 

アヤネはそう戦場にいる四人に言い、映像を閉じる。

 

「先生のサポート、非常に助かりました。まるで次の行動が予測できているみたいです」

「オジサンはただ、こうなるかもな、ってのを言っただけだぜぇ?アヤネお嬢さんのほうこそ、的確な指示ができてたじゃないか」

「その、こうなるかも、が凄いんですが……ただ、褒めていただきありがとうございます」

 

その後、アヤネに、指揮のコツを教えてください、とお願いされた。

……結果、四人が帰ってくるまで指揮のコツを教えることとなった。




最近、「原作の大幅コピー」に触れるのでは、と思い始めたんですが……どうですかね?
もしかしたらロックされる?

感想なんでも書いてくださると嬉しいです。
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