黒幕登場!
黒幕蹂躙!(される)
黒幕助けを求める!
黒幕退場!
ゲルド、魔王種に進化成功←イマココ
─Side クレイマン─
今までオーク達を映していた水晶から、スゥッ、と映像がきえる。
「あらら、ゲルミュッドのやつ、しんでもーた。こっからが面白くなりそうなとこやったのに」
そうラプラスが呟く。
「なに、念の為手頃な駒に監視させている。映像で見られないのは残念だが、私は確信しているよ。いずれ報告があるだろう」
「新たな魔王が誕生した。とね」
クレイマンは面白そうに空を見つめていた。
─Side センヤ─
「我が名はゲルド!
その名をきいて、オーク達が一斉に頭を垂れる。その目からは生気がない、それすらも食ってしまうというのか。目の前の化け物は。
「シオン!」
「はい!」
ベニマルが声をかけ、シオンが駆ける。どうやら舐めてはいないようだ。
ブォッ!ガキィン…!
その一撃は確かに重かったが、オークディザスターの持つ鉈に阻まれてしまった。
そのまま吹き飛ばされ、戻ってきた。…どうやら、見た目に違わぬ怪力持ちらしい。
…ハクロウが後ろから斬りかかり、腕と首を飛ばした。
さらに畳み掛けるように、ソウエイが糸で捕縛し、そこにベニマルが己の最大火力を叩き込み、さらにはランガが空から黒い雷を降らす始末。
…どうやらランガは、今ので魔素を使い切ってしまったらしい。
流石にこれで生きてたら、それはもう特級クラスなんだが…。
…だがそれらすら致命傷にはならず、オークディザスターが仲間を喰ったことで、再生に使われた魔力も回復してしまったようだ。
……ここまで再生力が高いと、魔虚羅を思い出すな。
《失礼ですが、魔虚羅とは?》
解答者か。……端的に言うと、一度受けた攻撃に対する耐性を獲得して、さらに再生力も耐久力も高いから、初見の最高火力で殺すしか無い、最強の式神だよ。
《…敵ではないのですね》
いや、式神として使うためには、一度そいつを倒さなきゃいけないから、実質相手との心中用。
《最悪な式神です》
それな。…んじゃ、あいつも回復したことだし。
(リムル、皆。少しいいか?)
(センヤ?一体どうして…まさか!?)
正解。
「ちょっと俺こいつと遊ぶわ」
「無茶言うな!お前でも死ぬぞ!?」
「そうですよセンヤ様!ここは皆で…「まてシオン、リムル様も」…ベニマル!?」
「何で止めるんだよベニマル!センヤが一人で突っ込もうとしてるんだぞ!?」
「リムル様、先ほどセンヤ様から届いた思念伝達は、『遊ぶ』、でした。つまり、もう既にあの化け物の倒し方が考えついているということ。であれば、ここは俺達の出る幕ではない。…違いますか?」
「…ああ、それもそうだな。……それにぶっちゃけ、あいつの戦いについていける気がしない」
「「ああ…」」
……なんか色々言われてるが。取り敢えず。
「おい
「どちらでもいイ…だガ、貴様は何ダ?うまそうナ餌ニ紛れテいたガ、貴様の様な者ハ見タことガ無イ」
「センヤ=テンペスト。そこにいる食いでのありそうな奴の親友だ、覚えとけ…いや、やっぱ覚えなくていいや」
「あア、モう貴様ノことなドどうでもいイ…貴様ガ何者デあろうト、オレが喰らっテおしマイだ」
「クッフフ…ハハッ」
「…なニがおかシイ」
「いやただ…何で自分が喰らう側だと思い込んでるんだろうって思っただけだよ」
ドッ
そう煽っていたら、オークディザスターが踏み込んできた。右のストレート、同時に後ろの武器を取ってから斬りかかるつもりか…。
「いいぜ、乗ってやる」
ゴアッ!ドッ!!
俺はゲルドの腕をわざと避けて、後ろの武器を掴ませ、空いた腹に蹴りを入れ、ゲルドを一度退かせる。
…武器を取ったゲルドは、
ドンッ!!
今度はしっかりと切りかかってきた。武器を振り下ろしてきたので、腕を呪力で強化し、受ける
ギャリリリリリ!!
地面は少しばかり陥没しているが、俺はなまじ人間の皮膚からは出ない音を出しながら受け続ける。
一瞬、ゲルドの力が弱まったところで…。
ヴンッ! ドゴ! ゴシャァ!!
武器から抜けて、勢い余って地面に埋まった所を思いっきり顔面めがけて蹴りを放ち…。
「解」
投げるように放出した呪力に御厨子を付与し、腕を切断する。
「ッ!?重く鋭イ…!!」
そう言いながらゲルドは肉体を再生させようとする。させねえよ?
「
ゲルドの傷口に突き刺したその呪具は、この世界で適応された呪具の一つ。その効果は、あらゆるスキルを解除する。
元は術式を解除するものだったんだけどね。これで再生を阻害する。
これと他数種の呪具は、とある理由で五条先生から貰い受けたものだ。
「ぐヌぅ、再生しなイ!?」
傷口に刺された呪具を抜き取り、投げ捨てようとする…が、
「こノ鎖ハ…!?」
「
俺の手には、先端を隠すように鎖の呪具が握られている。それを自分の影を伝い、ゲルドの影からゲルドに纏わりつかせる。
「ナっ…!?」
鎖から手を離し、周囲にさらけ出すと、ゲルドに纏わりついた鎖が急速に縮み、動きを封じる。
……さて、どう出る?
「……認めよウ、貴様は餌ではなク…」
「我ガ道を阻厶、敵のようダ」
ゾクゥ…!!
口の端が上がると同時に、嫌な予感がしたのでその場から離れる。
瞬間、今までいた地面は削り取られていた。天逆鉾と万里之鎖も削り取られる前に影に戻す。
「
事後宣告かよ!!
「今までは本気じゃなかったアピールかぁ!?魔王って奴も威厳を保つのに必死だなぁ!!」
(おい、センヤ!大丈夫かよ!?)
ん?リムルか。
(
(いやなんかピンチ?そうだし…)
何処を見て…。いやそもそも、おれの狙いはゲルドの
ゲルドはそれからも、カオスイーターによる攻撃を続ける。
途中、カオスイーターで味方を喰おうとしていたのを解で切り裂き、呪力を流し続ける。
皮膚、筋肉、骨、神経、果てには…
「…貴様ガ何ヲしようト、オレには関係ガ…」
そう言ったゲルドは言葉を続けることは無く、俺と同時に意識を手放した。
(……ここは?)
俺は気がついたら、荒れた大地に立っていた。
(…これが、ゲルドの心の中…?)
おれの狙い、それは、ゲルドの精神に接触することだった。
何をしていたのかというと、生前一度経験したのみなので詳しいことは言えないが、どうやら呪力を使って戦闘を続けた場合稀に相手の心と繋がることがある。
これは呪力が精神に由来するからゆえと考えているが、詳しいことはよく分かっていない。とにかくそういった事が起こるという事実が大事なのだ。
ふと見回してみると、まだ年端のいかないオーク達に、自分の肉体をちぎって食わせてやるオークと、それを心配するオークが見えた。
……オーク達の支配領域は枯れていて、食料と言えるようなものがなかったらしい。
それで、ジュラの森に赴き、恵みを分けてもらおうとしたところ…。
途中で倒れ、そこをゲルミュッドが拾ったようだ。
……一通り見て、少しだけぼうっとしていたら、一人のオークが話しかけてきた。
「見たのか」
「………ゲルドか」
そのオークは今よりも随分と理知的であるが、所々に似たようなところがある、まさにゲルドそのものだった。
「……お前達、こんなところに住んでたんだな」
「ああ、だが少し前まではここまで酷くはなく、同胞らが食いしのげるだけの食料はあったのだ」
「ただ、例を見ないほどの飢饉に襲われて…ってな感じか」
「……ああ、言い訳などする気もない。オレは自分の種族可愛さに、他の種族を虐げ、仲間を罪に加担させてしまったのだ」
……ゲルドはそういった。……これで、色々繋がったな。
「……正直言って、俺はあまり悪く思えないんだよ、お前達のこと」
納得してはいたが。ゲルミュッドに利用されていただけだし。
「………は?」
すんごい不思議そうに返された、ウケる。
「…そもそもの話、怪しいと思ってたんだよ。ユニークスキルの名前からして」
「名前…?」
そう名前。
「だって
「…つまり、何が言いたいんだ?」
「
「?………!!まさか!?」
「そう、数百年に一度って言われるのは、枯れた大地で飢饉が起こる年と一致してて、オークロードに目覚めたオークが、皆最初は飢えてだけ…かもしれない。少なくとも俺はその可能性がよぎって、今確信に変わった」
「……つまり、オレは…」
「厄災なんかじゃない、ただ自然に呪われただけだ。…俺個人に限れば、お前達に恨みは無い。だから俺は、この戦いが終わったらオーク達を仲間に引き入れようと思う」
「……なぜ、急にそんなことを?」
「気に入ったからな、お前の事が」
「………それだけで、オレの同胞を救うと?」
「ああ、そんだけだ。何か文句あるか?」
「……例え貴様が同胞を庇ったとしても、仲間たちが反発するだろう」
「言わせない。この呪いはここで断ち切る。……もう二度と、お前みたいなのが生まれないために」
「そうか…。一つ聞いてもいいか?」
「なんだ?」
「オレの何処が気に入ったんだ?」
「……諦めが悪いところだよ。自我が沈み、同胞も何も喰ってでも、仲間を救おうとしていた。あとは…」
「……?」
「あとは、自分の腕食わせたり、自分の腕食ってたところはうけたな」
「………変わった趣味だな」
「ちゃうやん、ただのアイスブレイクよ」
「あいす…?」
「……忘れて。とにかく、そんなところだ」
「…ああ、すまないな。オレの呪いをお前に聞かせてしまって」
「いいんだよ。
「………今、何と?」
「?だから、呪いを引き受けるって…」
「……いや、何でもない。忘れてくれ…」
「変な奴」
そう言って俺達は現実に帰ろうとした。
……最後まで、俺の目は見てくれなかったな。
「……ああ、そうだ。俺とお前が戦うのは、さっきのでおしまいだ。だから次は…」
「……次は?」
「俺の親友との戦いなんだ。それに全力で戦えるように、お前の精神を引きずり出したい。辛い思いを最後にさせるが、いいか?」
「……ああ、引き受けよう」
「………ありがとう」
…戻ってきたか。
俺とゲルド、共に精神世界で語り合ったものは、互いに涙を流していた。
「お、おいセンヤ!なにがどうなって…」
ただ、まだゲルドの目に意思は戻ってない。ならここは…、
「ゲルド、約束だぞ」
やっぱ戦闘と対話って難しいですね。下のはオリジナル設定なのであしからず。
呪力による威圧効果は、精神に直接、過剰に干渉したことによる拒否反応のようなものです。恐怖を感じなかったり、そもそも呪力を知っていれば威圧は感じません。
次回、正気に戻ったゲルドとリムルの戦闘です。
所持スキル
解析鑑定、思考加速、並列演算、魔力感知など
事象適応、身体適応、精神適応、逐次耐性取得(複数取得不可)、統合分離、逆境覚醒、栄養生成、血液生成、超速再生、超才能など
呪具召喚、武具呪具化、武芸百般
呪力保持、魂及び肉体保持、身体能力封印、魔法封印、一部スキル封印など
硬質皮膚、高密筋肉、硬質骨格、再生力、超感覚など
呪力魔素化、呪力強化、呪力放出、呪力感知、各種呪術、呪力収集、呪力特性付与、呪力魔素化、呪力精神干渉←New! など
呪力隠蔽、存在隠蔽、非認識時情報取得不可など
影操作、影移動、呪力影化、魔素影化など
斬撃(解、捌)、業火(竈)、爆発特性
─じゅじゅコラム─
一部呪物には対話が有効だったりする。
幕間にする程長くないけど、じゅじゅコラムに載せると長くなっちゃう話、どうする?
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纏めて幕間
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長くていいからじゅじゅコラム
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知らんわカス(作者の好きにしていーよ♡)