転生しても呪術師だった件   作:自給自足マン

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今回は2年生編の前半です。

戦闘描写?無いよ多分


幕間・新年度早々

東京都立呪術高専に入学してはや一年が過ぎ、桜やらの植物も咲き散らかしている。

 

前年の特級呪霊との戦いで反転術式を習得した俺も、流石の花粉には歯も立たずに敗れ去ってしまった。

 

「花粉の呪霊とかいたら、絶対特級クラスだろコレ…」

 

「何言ってんだよお前」

 

この人は日下部先生。俺達二年生の担任だ。

 

…俺達っつっても、俺以外停学だけど。

 

「驚いたぞ、今年は暫くお前以外の生徒いないって聞いて。何があったんだよ」

 

あれ?あんま知られてないの?

 

「禪院家のボンボンに襲われた俺の間に入って、綺羅羅もそれに便乗してボコボコに…」

 

「されたのか?」

 

「しました」

 

綺羅羅が俺とドブカスにマーキングして近付けなくした後、混乱してる直哉に一撃入れた秤は結構イケてたな。

 

「…禪院の坊ってーと、あのクズか…、え、お前は?」

 

あんま気にしてなかったんすよ。それを近くで聞いてたやつらが勝手にケンカ始めて…。

 

「さっき言った二人と、東堂と憲利と、それと西宮がやっちゃいました」

 

そのおかげで京都校は全員謹慎処分っすよ。うけるね。

 

「ああ、東堂か…確かにあいつの術式は相性悪いな」

 

いや、あいつ使ってなかったすけどね。

 

「…まあいい、俺も楽できるしな」

 

おい教師。 

 

「…つか、俺が教えられる事なんて無いだろ。お前特級じゃん」

 

む、俺の特級は厄介払いの意味での特級だから、五条先生みたいな実力は無いですよ。

 

「未だに呪力を完全に制御できないんだからやんなっちゃう」

 

「それだけの量をほぼ抑え込めてる時点で上澄みも上澄み…で、一応聞くけど、何教わりたいんだよ」

 

いいこと聞きますね。

 

「精密な呪力制御と結界術、あとは武器の使い方を知りたいです。俺持ってるだけなんで」

 

「…それは何でだ?」

 

精密な呪力制御は実は俺、呪力を抑え込めてるだけで、使いこなせてる訳じゃあ無いのだ。

 

呪力量が多すぎて他の人と同じ感覚では結界やらただの呪力強化すらまともに出来ないので、それを矯正するため。

 

結界術は領域展開の会得や帳の技術向上、()()()()()()()()()()簡易領域と落花の情の習熟に。

 

簡易領域に至っては俺に結界が耐えきれずに一瞬で崩れる始末だし、領域も例外ではない。

 

武器の使い方は、領域展開を習得した場合、術式に頼らない戦い方を覚えなきゃいけないからだ。

 

「…………」

 

「……あの、日下部先生?」

 

「めんっっっっど臭いのきたぁ……なんでそんなに意識高いんだよ…」

 

「失礼だなアンタ!?…まあ、強くなりたい理由を、思い出したんです」

 

「…そうか、一応言っとくけど、あれはお前のせいじゃないからな」

 

あれ、とは。

 

去年の十二月、アフリカで発生した蝗害呪霊の討祓任務だ。

 

アフリカの広範囲で、大飢饉が発生。その上建造物や人間、家畜なども食い荒らされて発見され、上層部は特級案件と認定。

 

任務に向かったのは俺と三年の先輩二人。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

あれは特級なんて生易しい物ではなかった。

 

広範囲と言われてはいたが、俺達が発見した時点でのおおよその被害範囲は()()()()()()()()()程。

 

呪霊本体は、()()にも及ぶ大量の蝗の呪霊。()()()()()()()()、簡易領域や落下の情によって対処可能だったことから、()()()()()()()()()()()()()

 

喰らった物の質量や呪力量に応じて増殖、硬度を増していく。

 

先輩達は跡形も無く食われ、俺も一時腕や腹部の一部が失われていた。

 

幸い俺と、後にやって来た五条先生により、呪霊を一体も取り残さずに…殆ど五条先生が祓ったことで事態は終息した。

 

…もしあの時、五条先生が来てくれなければ…俺も食い尽くされ、恐らく五条先生でも対処しきれない程になっていただろう。

 

「あれは()()()()()()として新たに登録された。下手をすれば大陸一つが消えていたんだ。…まあ大陸は()()()()()()()()…幸い()()()()()()だったから対処出来た。…あの被害はお前のせいじゃないし、むしろあれだけで食い止めたんだ。さっきも言ったが、あんまり引きずるなよ」

 

「…それでも、先輩達は死んだんだ。例え俺のせいじゃないにしても、俺がもっと強ければ死んでなかった…かもしれない。たらればだけど、もう目の前で死なれるのは懲り懲りなんだ」

 

「…何も取りこぼさないように、手の届く範囲を絶対守れるように、強くなりたい。それが理由です」

 

「…やる気もあるみたいだし、色々面倒はみるさ。ただし、期待だけはすんなよ?それは面倒臭い」

 

それしか言わんなアンタ。…ただ五条先生が、

 

 

 

 

「あの人は優しいから、信頼していいよ」

 

「あー、五条先生とは違うんすね」

 

「その言葉必要かな!?」

 

 

 

 

「…って言ってたんで期待してますよ」

 

「本当何言ってくれてんだよあのバカ目隠し…」

 

まあまあ、…実際、素人目から見ても一切の隙が無い。今俺が術式全開放で襲いかかっても簡単にいなされんだろーなってわかるわ。

 

「まず聞きたいんだが、お前は今何を使える?」

 

俺の武器?

 

「まず自分の術式二つと…」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…。

 

「あと体温自由に変えられますね」

 

「…先に聞いてたけどマジで意味分かんねえな。なんで二つ持ちなんだよ。やってることも意味分かんねえし…」

 

きかないで、おもいだしたくない。

 

「それと去年潰した特級指定団体の「おい、ここが二年の教室か?」…ん?」

 

(すっごい気になる発言したな今…)

 

何だ何だと見てみると、何やらメガネをしたポニテの少女が薙刀を持ってブンッ!…っ!?

 

「…っぶね!?何すんの!?」

 

てかこいつ、去年禪院家にいた…うわっと!

 

「うるせえ、死ね!」

 

「待て真希!!止まるんだ!!」

 

「おかか!おかか!!」

 

今度は振り下ろし…仕方が無い、ここは「シン・陰流、簡易領域」ガキィッ!…日下部先生?

 

「おい、禪院。勝手な行動はいただけんな」

 

「るせえよ。私はあれに用があんだ。…それと、上の名前で呼ぶんじゃねえ」

 

…なんかすっごい恨まれてる。憲利を思い出すなぁ…。

 

「…お前ほんっと、何したんだよマジで……」

 

さぁ…?

 

「…あ、パンダ」

 

「センヤ、久し振りだな。いやすまん、挨拶終わった瞬間真希が飛び出してここに…」

 

「あ、そゆこと」

 

「で、どうすんだよ、逃げんのか?」

 

いや逃げるっつーか…。

 

「オカカツナマヨ、明太チーズ」

 

「…え?ホントはダメだと思うけど一度落ち着かせたいから、相手してやって…だって?」

 

「わかるのかセンヤ!?」

 

まあ、ニュアンスは。

 

「名前は?」

 

「しゃけ、ツナマヨ」

 

「狗巻刺ね。俺は外張千夜、よろしく」

 

「しゃけしゃけ!」

 

語彙がおにぎり…これはたぶん、言葉が術式に関わるやつだ。

 

「んじゃ、真希ちゃんだっけ、校庭行こっか」

 

「ちゃん付けしてんじゃねえ!!」

 

キニスンナッ!

 

 

 

 

 

 

…さて着いたんだが…。

 

「今更だけど、呪力無いよね?見えるの?」

 

「…このメガネで見えるようになってんだ」

 

あ、じゃあそこは避けるか。

 

「普通呪力は器みたいなのに入ってんだけど…なんか真希のは底が抜けてるって感じかな?だから呪力が使えないのか」

 

んで、さっきの武器の使いこなし。これは…。

 

「…呪力を失う代わりに身体能力を得たのか」

 

「…ああ?分かんのか?」

 

そりゃあ見る人によるが。でも…。

 

「天与呪縛にしては、不完全すぎない?」

 

「……………」

 

「センヤ、流石にそれは…」

 

「おかか…」

 

「おま、そりゃあ禁句だろうよ」

 

…あれ?なんか空気が…。

 

「…無駄口はここまでだ、コロス

 

あ、これ地雷踏んだわ。

 

「…じゃあ、始め!」

 

パンダがそう言い放つと、真希は一瞬で接近して薙刀で切りかかってきた。

 

「オラァ!!…っ!」

 

「どうしたどうした、こんなんじゃ傷一つつかねえぞ」

 

それを腕で受け止める。…ふむ、速度はあるが重さがない。

 

「…千夜」

 

…?なに?日下部先生。

 

「お前、この戦い呪力禁止な」

 

ヴェ!?

 

「おい!!ハンデのつもりか!?」

 

そう声を張る真希に日下部先生が…、

 

「明らかに釣り合ってないだろ。ありがたく受け止めとけ」

 

「それじゃ意味が…!!」

 

…まあ、色々あるらしいが、仕方が無い…、

 

「…んじゃあ、解除!!」

 

薙刀ごと真希を吹き飛ばしながら、呪力強化を解除する。…つまり、この状態で俺の実力を測りたいと。

 

(お前の呪力出力じゃあ何もわからん。基礎的な能力を見せてもらうぞ)

 

「不完全な天与呪縛って事は…お前、双子でもいんのか?」

 

「あ゛ぁ゛!?…ああ、真衣ってのがな。今は京都校にいる」

 

「そっか…喧嘩でもしてんの?」

 

「テメェに関係ねぇだろうが!勝負に集中しろよ!」

 

「確かに関係無いけど…なにかすれ違ってるんなら、早いとこ話し合いとかするのを勧めるぜ」

 

いなくなってからじゃあ、戻せる関係も戻せないからな。

 

「チッ!…オラァ!」 

 

今までは動体視力なども呪力で強化していたので、今度のは一段と早く見える…が、

 

「まだまだ遅ぇぞ!」

 

「クソッ、まだまだぁ!!」

 

…防戦一方、のように見えるが、真希は全力で切りかかって、なお一度も当たってはいない。相当な焦りがあるだろう。

 

…それでも攻撃のキレは衰えない、どころか更に正確になってきている。なかなかに学ぶ物があるな。

 

「…武器はそれしか使えないのか?」

 

「ハァ…ハァ…あ?これ以外にも使えるに決まってんだろ…肉体(コレ)しかねえんだから…よっ!!」

 

会話で油断したと思ったのか、威力ではなく速度を取って最短距離の突きを放ってきた。

 

「っ!?」

 

流れるように躱して接近し、肉薄する。

 

「…とりあえず終わらせるぞ」

 

フッ…ドゴォ

 

「な…っ!?ガハァッ!!」

 

…真希は数メートル吹き飛んで、倒れ込んだ。

 

「…勝者、センヤ!!」

 

「く…そ…!!うぁっ…」

 

……気絶したか。

 

「千夜、呪力使ってないんだよな?」

 

見てたんだからわかるっしょ、先生。

 

「てゆーか、五条先生は?」

 

「ワカメオカカ、めかぶ唐揚げ」

 

挨拶が終わったら仕事に行った?

 

…何してんのあいつ。そいや去年も挨拶早々どっか行ってたな。

 

「お疲れサマンサ〜…何してんの?」

 

あ、五条先生(バカ目隠し)

 

「帰ってきたんすね。…何してたか?ちょっとケンカ売られて…」

 

「…あ、そういえば説明し忘れてた!メンゴ〜」

 

こいつほんま…。

 

「で、生徒ほっぽいて何処行ってたんですか?」

 

「ちょっと呪霊を緊急で…ね?」

 

何の呪霊よ。

 

「花粉症の呪霊で、近付くと体液が噴き出す術式持ってたんだよ。無下限もってる僕しか祓えないからさ」

 

「コレ毎年恒例なんだよね〜」

 

…先生。

 

「何だい?」

 

「あんた最高!」

 

「…?よくわかんないけど、まあ僕最強だしね!」

 

…にしても、一年の時よりも忙しくなりそうだ。




次は二年生後半です。前作主人公…出てくるかな?

花粉呪霊は年一でリポップします。ほっぽっとくと全国で体液を出し切って脱水死が続出するらしいよ。怖いね。

ちなみに数年前から急に出てきた呪霊らしい。

今回判明したこと。

千夜、一年の時に反転術式、落花の情、簡易領域を習得

千夜以外停学、担任は日下部

何を教わりたいか聞かれる。

蝗害呪霊を祓ったとき、先輩が死亡した事が判明

届く範囲を全員助けるために、強くなりたいらしい

急に真希にケンカを売られる

パンダとは顔なじみ

呪力を使わずともかなりの身体能力




特別変異呪災「大蝗害」

術式は「増殖」と「統括」

幕間にする程長くないけど、じゅじゅコラムに載せると長くなっちゃう話、どうする?

  • 纏めて幕間
  • 長くていいからじゅじゅコラム
  • 知らんわカス(作者の好きにしていーよ♡)
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