「こんなもの投稿して、もう片方は放置か?」って思ってる方もいるかも知れませんが、ネタ切れなんです。許せ。
というわけで第1話、始まり始まり〜
キュゥべぇはベランダで尻餅をついて驚いている少女に近づき話を始める。
「日向ゆうなだね?僕の名前はキュゥべぇ!実は君にお願いがあってきたんだ!」
今そこで尻餅をついている少女、日向ゆうなは見滝原中学校に通う1年生だ。
ゆうなは眼鏡をかけていて、いかにも真面目な優等生のような格好をしており、キュゥべぇも真面目そうな見た目をしているのですぐに契約してくれるだろうと踏んでゆうなと話をしに来たのだ。
「世の中には魔女と呼ばれる存在がいて、魔女がいることによって多くの事故や事件が引き起こされるんだ。そして、魔女による被害を防ぐために魔女を倒しているのが魔法少女なんだ!」
「そして君には魔法少女の素質がある!それも他の人とは比べものにならないくらいにね」
「だからね、ゆうな。君の願いを何でも1つ叶えてあげる、代わりに僕と契約して魔法少女になってほしいんだ!」
そしてキュゥべぇは自身の目的を果たすべく、ゆうなに魔法少女になってほしいと告げる。しかし、それに対するゆうなの返答とそこから考えられるゆうなの正体はキュゥべぇの予想をはるかに超えるものであった。
「…?ごめん何言ってるか分かんないからもうちょっと分かりやすく教えて?」
「えっ?」
「いやだからもっと分かりやすく教えてって言ってるじゃん。できれば絵とかもあると分かりやすいかなぁ」
___そう、ゆうなはアホであった。
この時キュゥべぇは分かりやすく言って欲しいと言われるところまでは予想していたが、図も欲しいと言われるとは思っておらず少しの間固まっていたが、こんなことしている場合ではないとすぐに話を続けることにした。
「…絵は無いけれど、より分かりやすく説明することならできると思うよ」
「ほんと?じゃあお願いね。分かりやすくだからね!」
「いいかい?まず世の中には人に危害を加える魔女がいて…」
「きがいをくわえるってどういうこと?」
「人に怪我を負わせたりすることさ」
「なるほど」
「じゃあその魔女がそのまま放置されていたらどうなると思う?」
「んーー、沢山の人が怪我をする?」
「その通り、君も友達が怪我をしたりしたら困るだろう?だからそうなる前に魔女を倒しているのが魔法少女なんだ。魔法少女は素質がある人しかなれないんだけど、君にはすごい素質があるんだ。」
「そしつって?」
「才能とかと同じようなものさ」
「話を続けるね。魔法少女は命懸けで魔女と戦うことになるからね、代わりに魔法少女になる時に願いを1つだけ叶えているんだ」
「それってなんでも?」
「そうだね。無茶な願いでもなければ大体叶うと思うよ」
「つまり願いが叶う代わりに命懸けで一生戦うことになるの?」
「まあ間違ってはないかな、それから、魔法少女になる時にソウルジェムというものを貰うんだけど、これは魔法少女の証で、これがあるから魔法少女は魔法を使ったり普通の人より速く動いたりする事が出来るんだ。そして、魔法を使うとソウルジェムが濁っていって、濁り切ってしまうと魔法が使えなくなる。だから魔女を倒して、ソウルジェムを浄化…つまり綺麗にするための物、グリーフシードを集める必要があるんだ。これで大体説明は終わりだよ!」
「うーん…?魔法ってどんなのがあるの?」
「使える魔法は魔法少女によって違うからね…例えば幻を見せる魔法とか未来を見る魔法、時を止める魔法とかもあるんじゃないかな?」
「便利そうだなぁ」
ゆうなによる質問攻めが終わりキュゥべぇが一息ついていると、ゆうなが喋り始める。
「分かった。じゃあ私魔法少女になる」
「本当かい!?分かった。それが君の意思なら僕はそれを尊重しよう」
キュゥべぇはさっきまで疲れていたのにゆうなが魔法少女になると言うと、急に元気になって話し始めた。
「それじゃあ契約をするから、君の叶えたい願いを言ってくれ」
「…?さっき何を言っていたのかはよく分からなかったけど分かった」
そう言ってゆうなは深呼吸をしてから、はっきりとした口調でキュゥべぇに自身の願いを伝えた。その願いを聞いたキュゥべぇは先程のように少し固まってから、ゆうなにいくつか質問をした。
「…君にとって、それは命を懸ける程の願いなのかい?君の素質ならより大きな願いも叶えることができるんだよ?」
「そうかもね、でも、私はこの願いを叶えたい。叶わなければ多くのものを失うことになると思う」
「…一応確認しておくよ。君の願いは『このテストの答案を隠したい』でいいんだね?」
キュゥべぇは少し呆れながら、先程ゆうなの言った願いを繰り返した。
「うん、合ってる」
「本当にいいのかい?まだ今なら願いを変えることが出来るよ?」
「分かったからテストが見つかる前に早く叶えてよぉ…見つかったらスマホ没収されるし週4で塾も行かないといけなくなるんだよぉ…」
ゆうなの訴えを聞いたキュゥべぇは『多くのものを失う』というのはそういうことかと思いつつ「やれやれ」と言うと、その長い耳をゆうなの胸に当てた。すると、そこから眩い光が溢れ出し周囲を包んだ。
「うっ…くぅぅ……!」
「おめでとう、ゆうな。君の祈りはエントロピーを凌駕した。それが君のソウルジェムだ」
「これが、私のソウルジェム…」
光が収まると、手の上に何か感触を感じたのでゆうなが目をやると、そこにはぼんやりと灰色に光る卵型の宝石、ソウルジェムがあった。
「これで君も魔法少女だ。君の魔法がなんなのか、どんな武器を使うかは明日にでも調べよう。僕にはあまり関係ないけど、君達は早く寝たほうがいいだろう?」
ゆうながキュゥべぇの見ている方向を見てみると、『10:58』と表示されているデジタル時計があった。
「えっ?ああもうこんな時間!今日ドラマの最終回だったのに!」
ゆうなは一応録画しておいたから明日見ようと思う反面、こういうのはリアルタイムで見るのが一番だから残念だとも思い、何とも言えない気持ちになっているとキュゥべぇが「それじゃあ僕は帰るね」と言ってどこかへ行こうとするので慌てて引き止める。
「ちょっと待って?明日魔法とかを調べるのはいいんだけど、明日どこで会うかとか決めたほうがよくない?」
「それなら大丈夫さ、君に限らず、呼んでくれれば基本いつでも行ってあげるから好きなタイミングで呼ぶといいよ」
それはそれでなんか怖いと思いつつ「分かった」とキュゥべぇに告げると、キュゥべぇはベランダからそのまま降りていったのでベランダからキュゥべぇが降りたであろう場所を見下ろしてみると、そこには平然と歩くキュゥべぇの姿があった。
「…何あいつ」
多分今日一番の疑問を抱えたまま、ゆうなはベッドに転がり、そのまま眠りに落ちた。
「いやぁ〜よく寝た〜」
ゆうなが体を起こし、伸びながら時計を見てみると、今の時刻が6時42分ということが分かる。いつもより30分くらい早い起床に喜びを感じつつ、部屋から出てリビングへ行くと、テキパキと朝ご飯を作っていた母がゆうなの姿を見るなりその動きを止めてゆうなを見つめながら言った。
「あんた…熱でもあるの?」
「無いよ!健康だよ!」
親なんだから少しくらい褒めてくれないかと思いながら反論すると続け様に母が「それじゃあテストでなんかあったの?」と言った。
「ギクッ!」
「母さんあんたが頭悪いのは知ってたけど自分で『ギクッ』って言うほどだとは思わなかったわ…それで?テストはどこ?見せてみなさい?」
「分かりました…」
母に促され、自室に戻り隠してあったテストの答案を手に取ろうとする。しかし、隠しておいたはずの場所にはテストは無かった。
「…あれ?どこやったっけ…」
いくらその場所を探してもテストは無く、カバンをひっくり返してみてもぬいぐるみの山の中にもテストは無かった。
「おっかしいな…」
「あんたいつまで探してるの〜?」
後ろから声がしたので振り向いてみると、そこには母がいた。エプロンを外していたので朝ご飯を準備を終わらせてきたのだろう。
「それがどこを探してもテストが無くって…」
「そんな訳ないでしょ?ちゃんと探せば見つかるわよ…」
そう言いながら母も部屋を隅々まで探すがテストの答案は結局見つからなかった。
「本当に無いわね…あんた心当たりとか無いの?」
「心当たり…あっ」
ゆうなには1つだけ心当たりがあった。昨夜の出来事だ。あの時ゆうなは確かにキュゥべぇと名乗る謎生物に『テストの答案を隠したい』と願っていた。もしかして本当に願いが叶ったのか…そう考えていると母が話しかけてくる。
「考え込んでるってことはあるのね?心当たり」
「あるにはあるんだけど…言ったほうがいい?」
「あるなら早く言いなさい?」
母に急かされたので、ゆうなは昨夜の出来事に少し嘘を織り交ぜて母に伝えた。
「…ふーん?つまり夢の中で白い狸みたいなやつにテスト隠して欲しいって願ったのね?」
「うん」
「隠して欲しいって願ったってことは点数低かったの?」
「いや別にそういうことは…」
「…まあ分かったわ。見つからないものはしょうがないし今回はお咎め無しにしとく」
「っしゃ」
ゆうなは母からお咎め無し、つまりスマホ没収&週4で塾は無しと言われたので小さくガッツポーズを取ると母から圧を感じたのですぐにガッツポーズをやめる。
「そしたらそろそろ父さんも起きるだろうし、朝ご飯にしよっか」
「はーい」
テスト探しを終え、2人でリビングに行くと既に父が椅子に座ってお茶を飲みながらテレビを見ていた。
「あなたー今日ゆうなが7時より前に起きたー」
「ブフゥッ!?ゲホッゲホ」
母が大声で叫ぶと父は不意打ちで伝えられたのもあってか思いっきり噎せてしまった。
「お前…それ本当か?」
「何で疑ってるの?ひどくない?」
「まあそうなるわよねー。でもこの子本当に起きてきたのよ?」
自分が早起きするのがそんなに珍しいかと思いつつ二人の会話を隣で聞く。しばらくすると母が朝ご飯を持ってきたので全員が椅子に座ってからほとんど同時に手を合わせて大声でこう言った。
「「「いただきます!」」」
言い終わると各々朝ご飯を食べ始める。そうしてある程度食べ進めたところで父がゆうなに質問する。
「ゆうな、お前昨日テスト持って帰ってきてたろ?あれ点数どうなんだ?」
「何で知ってんの!?」
「ネットサーフィンしてたら急にテスト部屋の向こう側から『テストここに隠そう!』って聞こえてきたからな」
そんな声が大きかったかと思いつつ質問に答えようとすると代わりに母が答えた。
「それなんだけどさっき探したけど見つからなかったのよ…」
「そうなのか?母さん相手にテストを隠し切るとはゆうなもやるなぁ」
「でもゆうなによると夢の中で白狸にテストを隠してほしいって頼んだんですって」
「それ言わないでよ〜!あ、ごちそうさまでした!ちょっと今日用事あるから行ってきます!」
ご飯が食べ終わると爆速で自室に戻ってカバンを取ってきてから玄関から出ていった娘を見て、母も父も頭を傾げていた。
「ふぅ…とりあえず外に来たけど魔女ってどこにいるんだろ?っていうかソウルジェムどこ?困ったな…キュゥべぇいる?」
「呼んだかい?」
ゆうなが昨日言われた通りキュゥべぇを呼んでみると本当にどこからともなく出てきたので少し驚きつつ、キュゥべぇに質問を投げかける。
「私のソウルジェム知らない?」
「あるじゃないか、ほら、指輪」
キュゥべぇの目線の先にはカバンがあったので開けてみると中には確かに見覚えの無い指輪があった。
「これソウルジェム?昨日見たのとは違うけど…」
「君が昨日見たソウルジェムは卵型だったけれど、ソウルジェムは指輪の形に変えられるんだ。念じれば昨日見た形と同じになると思うよ」
とりあえず言われた通り適当に念じてみる。
「卵みたいな形になれ〜……」
すると指輪は光を放ちながら形を変え、昨日見た通りの形に変化した。
「本当、昨日見たやつだ」
「普段は指輪の形にしておくといいよ。その状態だと邪魔だし、落としたりしたらまずいからね」
言われてみるとそうなので一旦指輪に戻してからもう一度質問する。
「魔女ってどこにいるの?」
「魔女がどこにいるかについてだけど、僕は知らないな。でもソウルジェムを使えば探すことができるよ。そしたらまず、ソウルジェムをもう一度さっきの卵型の状態に戻してくれるかな?」
「えーっと、こうか、それでこれをどうするの?」
「後はそれを持ったまま歩き回って、光が強くなれば近くに魔女がいるってことだね」
「…それだけ?なんかコツとかないの?」
「僕の知る限りではないね。後はもう根気強く行くしか無い。でも慣れてくれば一度会った魔女の魔力パターンを覚えて追跡することもできるようになるよ!」
「見つかんないと意味ないじゃん…」
この時、ゆうなのやる気は殆ど無くなっていた。理由は単純で、『根気強く続けるしか無い』という現実がゆうなのやる気を削いだのだ。備考、ゆうなの嫌いな言葉TOP3は上から順に、『勉強』『努力』『頑張る』である。
「しょうがないし、魔女を探す前に魔法を試してみよう!」
「僕もそれをおすすめするよ。ぶっつけ本番でやってしまうと、上手く戦えないかもしれないからね」
「と言っても人に見られたらまずいしな…あ!丁度いい所に廃ビルがあるからあそこでやろう!」
ゆうなは少し駆け足で廃ビルに入り、周りに誰もいないことを確認してから魔法少女に変身しようとした。
「…どう変身するの?」
「なろうと思えばなれるよ」
キュゥべぇの説明が少し投げやりになってきた気もするがそれは置いておいて「へ〜〜ん、しん!」と口に出して適当にポーズを取ってみると案外上手く行き、光りに包まれたかと思うとゆうなは魔法少女の姿となっていた。
「なんかカッコいいような、そうでもないような?」
ゆうなの魔法少女としての姿は、灰色を基調とした忍者のような姿をしていて、色が色だけに少し地味な印象になっていた。ソウルジェムは巾着のような形になって腰に付いており、常に淡い光を放っていた。
「それで、私の武器どこ?」
「それも念じれば出るよ…」
ゆうなが何でもキュゥべぇに聞くせいかだんだんとキュゥべぇのやる気が無くなっていってる気もする。気のせいだろう。
「武器出ろ〜……出たぁ!」
次の瞬間ゆうなの手に現れたのは特に飾りのないシンプルな小刀。そしていくつかのクナイであった。
「…?いくつも武器が出てくるなんて珍しいな、やっぱりこの異常な程の因果が関係しているのか…?」
「?なんか言った?」
「いや、何でもないさ、それより武器だ。君は武器がいくつもあるみたいだね」
「こういうのって1つだと思ってたわ…」
「基本的には1つなんだけどね、君の場合はちょっと違うみたいだ」
ゆうなは他の人と違うということに少しショックを受けつつ、武器を適当に振り回してみる。
「とうっ、てやぁ」
「危ないなぁ、そこにドラム缶があるからそれを敵に見立てて攻撃してみたらどうだい?」
「名案だ!やるねーキュゥべぇ!」
そう言いながらドラム缶に近づき、試しに小刀で切りつけてみる。
カキィィーー……ン
「…えぇ?」
結果、小刀は無傷、それはいいとして問題がドラム缶は少しへこんだくらいだということだ。
「君は攻撃能力が低いみたいだね。これだと魔女を倒すのにも時間が掛かりそうだ。地道に特訓でもしないといけないね」
「そんなぁ〜…」
『特訓』というワードを聞いて、先程よりやる気を無くしたゆうなは小刀をいつの間にか背中に付いていた鞘に、クナイは腰に付いていたホルダーのような物に戻して次は魔法を使おうとする。
「魔法は…」
「使おうとすれば使えると思うよ…」
言い終わる前にキュゥべぇが匙を投げた。それに対してゆうなは若干ショックを受けたが、持ち直して魔法を使おうと念じてみる。
「手からビームとか……出ないよね〜」
「魔法は魔法少女になる時の願いによって性質が変わるからね、君の場合だと『テストを隠す』だから単純に行くと物を隠す魔法とかになるんじゃないかな?名前を付けるならシンプルに"隠蔽"とかかな?」
「いやいやまさかそんな単純なわけ…」
そう思いつつ、ホルダーからクナイを取り出して魔法を使おうとしてみる。すると手に持っていた筈のクナイはスゥーッと消えていき見えなくなってしまった。
「…単純だった」
「君の魔法や武器から考えると、隠れながら少しずつ相手に攻撃したりするしか無いだろうね。ただそれだと使う魔力と手に入るグリーフシードが釣り合わなくなるかもしれないから他の魔法少女と共闘したほうがいいかもね」
さらっと告げられた言葉に驚きながらゆうなはキュゥべぇに質問をする。
「この街って他にも魔法少女いるの?」
「ああ、いるよ。それもベテランの魔法少女が」
「ベテラン…?魔法"少女"なのに…?」
少し疑問に思うがこの際そんなことはどうだっていい、ゆうなはそんな思いでキュゥべぇにお願いをする。
「お願い!そのベテラン魔法少女に会わせて!」
「ああ分かったよ。それじゃあ話してくるからちょっと待って…!」
キュゥべぇが話している最中に突然周りの風景が変わり始める。
「何々!?どゆこと!?」
「ゆうな、どうやら君が魔女を探しに行く手間は省けたみたいだ」
「えっ、ということは?」
「ここは魔女の結界、ここに魔女がいる」
さっきから武器が複数出たり攻撃がショボかったり魔法も単純なやつだったり他にも魔法少女がいたり突然魔女が出てきたりイベントが次々押し寄せてくるのでゆうなは若干混乱しつつも取り敢えず魔法で姿を隠すことにした。
「えーっとこうやって自分の体に魔法を…できた!」
「すごいね、もう自分の魔法の使い方を理解しているようだ。それに魔法の精度も高い、魔力も殆ど探知できないよ」
「…ちょっと何言ってるか分からないけど褒められてるのは分かる!ありがと!」
「それじゃあどうする?このまま魔女を倒すかい?それとも逃げる?」
まさに究極の二択、『戦う』か『逃げる』か、バトル漫画くらいでしか聞かなそうな質問だとゆうなは思った。しかし、これは
「決めた!一旦このまま魔女のところに行って、無理そうだったらすぐ逃げる!」
「まあそれがいいだろうね。今の君だと少し力不足かも知れないし、少し魔女を見て帰るというのは間違った選択ではないよ」
こうしてゆうなとキュゥべぇは魔女がいるであろう結界の一番奥を目指して移動を始めたが、ゆうながずっと隠蔽の魔法を使っていたので、使い魔に見つかることもなく、すぐに着いてしまった。
「ところでゆうな、君はずっと隠蔽の魔法を使っているけれど、魔力は大丈夫なのかい?」
キュゥべぇに聞かれ、「確かにどうなんだろう」と呟きながら腰にあるソウルジェムを見てみると、先程と比べると少し濁った色のソウルジェムがあった。
「この精度の魔法を使い続けて尚、まだ多くの魔力が残っている。やはり君を魔法少女にして正解だったよ」
「照れるな〜」
「それじゃあ今から魔女の元へ行くけど、心の準備はいいかい?」
「うん、大丈夫!」
「それじゃあ行こう」
キュゥべぇにそう言われるとゆうなはキュゥべぇを肩に乗せ、念の為魔法をかけ直してから奥へ向かった。
「あれが…魔女?グロい…」
そこにはドーム状の薔薇園のような空間が広がっていて、中央では顔がドロドロに溶け、背中であろう部分からは蝶の羽のようなものが生えている魔女が大きい椅子に座っていた。
「まだバレてはいないようだけど、バレると君の力では倒せるか怪しいから気を付けるんだよ」
キュゥべぇはそう言いながらゆうなの肩から降り、安全な場所へ移動した。
(自分だけ安全な場所からって…キュゥべぇの薄情者)
そう思いながらも目の前にいる魔女に少しずつ近づいていくゆうな。しかし、ギリギリ小刀が届きそうな場所に着くとそこに生えていた薔薇を踏んでしまい、ゆうなが「あちゃ〜」という顔をしていると、先程まで微動だにしなかった魔女が突然ゆうなのいる箇所、つまり踏まれた薔薇の生えていた場所を見つめ、ゆうなの存在に気付いたのか自分の座っていた巨大な椅子を投げ飛ばしてきた。
「うぇっ!?うわぁ逃げろ!」
素っ頓狂な声を出しながらも何とか椅子を避けきったが、その拍子にかけていた魔法が解けてしまったようで、魔女はゆうなのいる場所へ集中攻撃を放ってきた。
「攻撃されてばかりでムカつくから…とうっ!」
攻撃を避けながらホルダーにあるクナイを1つ魔女に向けて投げてみる。しかし、魔女に向かって飛んでいったクナイは魔女によって呆気なく叩き落されてしまった。
「こんなの無理無理!逃げるよキュゥべぇ!」
「出口はこっちの方だよ」
クナイが叩き落されるのを見てゆうなは逃走を決意し、キュゥべぇの言う通りの方向へ逃げて行くと本当に出口のような場所が見えてきたのでそこに何とか辿り着くと、周りの景色が歪んでいき、先程までいた廃ビルへと戻っていった。
「た…助かった〜」
「攻撃すらできていなかったようだね。君はやっぱり他の魔法少女と一緒に動いたほうが良さそうだ」
そう冷静に告げてくるキュゥべぇに対してゆうなは頬を膨らませながら言った。
「あのさ、人が死にかけてるんだからもうちょっとくらい心配してくれてもいいんじゃない?」
「僕としては心配してい
るつもりなんだけど…」
「心配してるならもっとさ〜『大丈夫かい?』とか言ってくれてもいいじゃん?なのに冷静に分析してくるし…あんたちょっと冷たすぎるよキュゥべぇ」
不貞腐れるゆうなに対してキュゥべぇは「訳が分からないよ」と呟いてからゆうなに向き直ってこう告げた。
「それじゃあ僕は例のベテラン魔法少女、『巴マミ』に君が会いたがってることを伝えてくるから、また明日会おうか」
「分かった、よろしくねキュゥべぇ」
会話が終わるとキュゥべぇは廃ビルから素早く出ていった。
「…やっぱりあいつ冷たくない?」
そして今日もまた、キュゥべぇに対して疑問を抱きつつ、ゆうなは眠りに就くのであった。
どう思いました?変だと思う箇所があったら指摘お願いします。頑張って直します。
主人公のゆうななんですけど、細かい設定とかこの物語のオチとか色々と既に決まってるんですよね。
そこまで凝った物語ではないですけど良いと思ったら是非読み続けてやってください。
ところで話のオチって「ハッピーエンド」と「バッドエンド」、それか「メリーバッドエンド」のどれが良いと思います?。
そのうち投票してもらうかもなので考えといてください。
それではまた。