ガトランティスVSゼントラーディ 作:増えることに飽きたプラナリア
目覚めの時
ゼントラーディ、それはプロトカルチャーと呼ばれる超文明が創り出した戦闘民族
特徴として男しか存在しない巨人種族であり、己の役割に応じて様々な調整、改良が行われたクローンによって構成された、文字通り戦闘機械となるために生み出された種族なのである
そんなゼントラーディの中で最も新しい艦隊である第1001基幹艦隊……その司令官として生み出された司令中枢ユニットがこの私、【カイザ・ボドルザー】である
次に艦隊の具体的な戦略について説明しよう。司令官たる私が乗るのがこの艦隊旗艦たる大型ボドルザー級機動要塞である。全長は1万km、主砲として艦体前面の中央に配置された荷電粒子ビーム砲「ゴルグ・ガンツ砲」を備えており、単純な威力では同規模の要塞を一撃で消滅させる程度の火力を持つ、この移動要塞最大の武装だ
他には要塞の全面に敷設された対空、対艦両用のミサイルとレーザー砲に守られた鉄壁の要塞である
続いて艦隊戦力であるが、総艦艇数は650万隻と膨大で、最も小さい艦艇でも数百メートル、基幹艦隊に属する艦隊……便宜上分艦隊と呼ぶがその分艦隊の旗艦として運用されるような最大サイズのもので数キロメートルにもなる巨大な艦艇が存在する。まさに星間国家の軍隊に相応しい規模を誇る大勢力なのである
で、長々と話したがそんなカイザ・ボドルザーには、全ての司令中枢ユニットにはない特異的な個性がある……あると言うか、目覚めたと呼称した方が正しいかもしれない
私には前世の記憶というものがあるのだ
最初に俺がその記憶を思い出したのは、副官を務める巨人型頭脳の内の一体からもたらされた報告を聞いていた時だった
【メルトランディの斥候と思われる小規模な艦隊を捕捉しました。如何対処しますか?】
どのように対処するのか、そう問われても当時の私は、突然頭の中に溢れ出した過去の記憶によむて混乱の極みにあった
【司令官閣下?】
返答しないことに疑問を抱いたのか、副官がもう一度私に尋ねてくる。それに私はこのまま返答しないのはまずいと思い、咄嗟に
【迎撃せよ】
と命令を下す。それに副官はすぐに了承の意を伝えて艦隊を出撃させる。そして正面に敵艦隊と迎撃のために出撃した艦隊の位置関係がスクリーンとして表示される
そのスクリーンを元に報告を続ける副官に、私は咄嗟に
【私は思案すべき優先事項がある、この戦闘はお前たちに任せる】
と時間を稼ぐためにそう命令し、それを受けて副官たちは私の命令を遂行せんと行動を開始する
「落ち着け、まずは落ち着いて溢れた記憶を整理するんだ……」
と、必死に自分に言い聞かせながら私は直ちに電脳空間内に専用のストレージを制作し、溢れ出した前世の記憶データを投入して記憶の混濁を防ぐとともに混乱からの脱出を図る。これが功を奏して私は混乱の極みにあった状態からの脱却に成功する
「しかし信じられん。私がこのような文化を持ったマイクローンを前世に持つ存在などと…」
ストレージ内の記憶データを閲覧しながら、私は感慨深げにそう言葉をこぼす。ゼントラーディはその成り立ちからして戦闘行為に特化した機械と言える。生物として必須と言える三大欲求をはじめとしたあらゆる要素が戦闘のためだけに最適化、切除された存在なのである
「これは……もしかすれば、我々の存在意義そのものを揺るがすものになるやもしれん」
冷静に、司令中枢ユニットとしての立場から、前世の記憶をそう解釈する私は、しかしそのストレージを消す気にはならなかった
何故なら……膨大な記憶データの中の一つにあった歌を聴いてしまったから
「〜〜〜♪ 〜〜〜〜〜♪」
己の中の何かを震わせ、あるはずのない何か……腹の底から湧き上がるような未知の感覚に困惑しながら……しかしこの感覚を手放すのが惜しいと、私は本能的にそう思ってしまった
【司令官閣下、敵斥候が逃走を開始しました。追撃の許可をいただきたい】
その時、副官からの報告に我に帰った私は
【認める。迎撃に出撃した艦隊は後退、追撃にはドミレス艦隊を向けよ】
と命令を下す。それを受けて要塞から新たな艦隊が出撃してメルトランディの斥候の追跡を開始し、それを見ながら私はあの時聴いていた歌を思い出す
再び腹の底から湧き上がる何かを感じ取りながら、私は後のことを副官に任せてその感覚に浸るのだった
序章もうちょっと伸ばしてもいいですか?
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いいよ!
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だめに決まってんだろ!