ガトランティスVSゼントラーディ   作:増えることに飽きたプラナリア

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気づくとランキングに載っておりました、これも数ある作品の中から当作品を手に取ってくださった皆様のおかげであります

私自身至らぬ点が多々あり、これまで投稿した作品の誤字脱字報告をしてくださる皆様に対して、この場を借りて深く御礼申し上げます

皆様からいただく感想も本当に執筆の励みとなっております。どのようなものであれ感想をいただけるほど当作品に対して強く心を動かされたのだと思うと嬉しく思います

最後になりますが、これからも当作品のことをよろしくお願いします


恒星の親睦会 準備の巻

プレナータとクローディアは会談を終えるとすぐさま帰還を選択し、それぞれが帰りを待つ群れと政府への帰路についた

 

 

まずは私達の群れに船団が到着してからの様子をお届けしよう


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プレナータが率いる船団は連続フォールドにより日程を大幅に短縮して群れへの帰還を果たし、私たちはそれを歓声と拍手でもって出迎えた

 

 

【プレナータ、まずは1人の落伍者もなく無事に船団を帰還させた。そのことを群れの長として讃えたい】

その言葉に、プレナータは直立不動のままに

 

[我らの誇りに賭けてお約束しましたから。当然であります]

と答える。その堂々たる姿に私が敬服の念を感じる中、副官として支えていたドミトスは当然だと言わんばかりに頷いている

 

[プレナータ、報告は受けたぞ。マイクローン……人類と接触したそうだな]

そんな二人に対して今度はデメテーラが口を開く。それにプレナータは頷き

 

[はい、彼女たちは歌も兵器も使うことなく、対話という最も難しいものを用いて我々との接触を図って来ました]

とデメテーラの問いに答える。それに今度は私が口を開いた

 

【大変困難な事態に直面していたのだと、私たちは理解している…そのうえで、船団の司令官としてのお前の判断に一切の落ち度はなかった。そう群れは判断を下した】

伝えられた内容に、プレナータは少しだけ顔を伏せると小さく安堵の息を吐き、ドミトスもまた、肩の位置が少しだけ落ちる

 

【よってプレナータ船団はその結成理由を達成できたものと判断し、現時刻を持って解散とする。重ねて言うが任務達成、ご苦労だった】

と、高らかに宣言する私の言葉に、プレナータとドミトスの2人は直立不動のままに

 

【[了解しました]】

と、答えるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


船団の任が解かれた後、護衛艦隊は宣言通りに解散されて統合自衛軍に再編され、レッドアースは再び建造ドックへ入渠した

 

カルチャー機関からの報告によれば船団から得られたデータは非常に貴重であり、これらの情報からテラフロート級はさらなる改良が可能になるだろう、という結論が報告された

 

また発射時に艦体が損傷してしまったSMCに関しては、研究中の新技術を動員しての全面改修が必要だという判断が下され、一号艦のオーバーロードの改修工事と並行して二番艦「ハスキー」の建造が開始された

 

また得られた各種データをもとに新型バルキリーの開発計画がスタートし、更に既存のゼントラーディ、メルトランディの兵器に対する改修計画がスタートした

 

このような形でプレナータが無事に持ち帰ったデータが早速群れへと還元される中、私はデメテーラを呼び出した

 

【デメテーラ、恐らくだが人類は滅びの淵に立ったままの状態である可能性が高い。運用していたのがSDFN級であったことが、それを証明している】

と、デメテーラに対してそう話し出した私に彼女はこう返答した

 

[お前の記憶データにあった、第一次星間大戦の直後ということか…]

デメテーラの答えに対して私はゆっくりと頷くことで肯定を示す

 

今の発言から分かる通り、私はデメテーラには文化の記憶データの出所が私の前世の記憶であることを伝えていた。……予想に反して、彼女は私が嘘をつくわけがないと言って信じてくれた

 

それは、私にとってとても喜ばしいことであると同時に、彼女を信じきれなかった自分という愚かな存在に対する怒りが湧き上がった瞬間でもあった

 

【……】

だから、その日から私はずっとこの胸に消えずにその怒りが燻っていた。それが煩わしいと思う時もあるが……どうしてもこの怒りが消えることはなかった

 

[? どうした、我が夫よ]

そんな私の様子を不審に思ったのか、デメテーラが私に声をかけて来る。それに私は

 

【本当に私の事を、彼女は良く見てくれているのだな】

と、彼女に対する感謝と、こんな自分のことを思ってくれていることに対する喜び…そして、だからこそより強く感じる自分自身に対する怒りを感じながらもそれを懸命に取り繕い

 

【いや、少しこの件で考えていてな】

と、それらしい言い訳を咄嗟に発した私の言葉を、デメテーラはそうか、と言って受け入れる。それに内心で気づかれずに済んだことに安堵しながら

 

【それを考えると、私としては今の人類との接触は、時期として最も都合が良いのではないかと思っている】

と話す。それを聞いたデメテーラは少し考えるようなそぶりを見せた後に

 

[確かにそうだな。下手に銀河各地への入植化活動を終えた後の、幾つもの超長距離移民船団や入植した植民惑星をもった頃の彼らとの接触をするよりも、我らに有利に働きかけれるだろう]

そう私の意見に同調してくれる。それに頷いた私は続けて

 

【だからこそ、今回の接触は最低でも不可侵を…可能なら交流を通じて文化や技術の交流が可能な程度の友好的な関係性を構築したい】

こう話し、デメテーラはその意見に対して

 

[私も賛成だ]

と深く頷き。続けてこう言った

 

[ならば最初のインパクトが極めて重要だろう。オーバーロードとハスキーの改修と建造が間に合うなら両艦を連れて行こう]

 

【うむ、その案には賛成だ。では具体的な恒星への派遣部隊について話を続けよう】

と、デメテーラの提案に頷いた私は、より実務的な方向に話をシフトチェンジさせていく

 

このような形で私たちの群れは順調に話を進め、着々と半年後に向けた準備が進められていた。

 

一方その頃の新統合政府側の動きを、今度は見てみよう


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クローディアが無事に地球に帰還し、持ち帰った情報を共有された際の新統合政府の様子は、端的に言うならば大混乱であった

 

当然であるが人類はあの滅びの危機に瀕した第一次星間大戦を乗り越えた直後で戦災復興も半ば、戦力はズタズタととても別の星間国家、あるいは勢力と交渉したりする余裕は……本音の部分で言えばとてもではないがなかったりする状況だった

 

そのような状態でメガロード1の改修工事に始まるマクロス船団の建造が進む最中にもたらされたこの報告は、そのインパクトだけで新統合政府が壊れかけるほどの衝撃を持っていた

 

そのような状況下でも、政府としては対応をせざるを得ないため、出来る限り軟着陸させることを目的とした緊急の閣僚会議が始まっていた

 

SDF-1の艦内に設けられた会議室の一つで閣僚や、政府内での重要な地位に存在する官僚たちが軍の担当官から説明を受けていた

 

『アレクサンドリアが持ち帰った映像を解析した結果、この巨大兵器が発砲した際のエネルギー総量はその被害半径や観測した各種エネルギーなどの条件から推測するに、ゴルグ・ガンツ砲の凡そ35〜44%の出力を持っていると考えられます』

オーバーロードの主砲発射の瞬間から小惑星帯を消滅させた瞬間、そして、発射直後のオーバーロードの写真と次々に切り替えながら淡々と解説を続ける担当官に対して、集められた政府高官の反応は極端なものだった

 

『このサイズでこの火力を発揮できるのか? こんなもの…実質小型高機動化された超小型のボドル旗艦と何も変わらないじゃないか…!』

と、経済と産業を司る大臣の「ガーン」がため息を吐き出しながらそう言ったことを皮切りにして次々に意見が出ていく

 

『これだけの兵器がこの一隻だけだとはとても思えん。それに報告によると明らかに都市船と思われる大型艦もあったのだろう? どう考えても我々よりも進んだ文明と考え対応すべきじゃないか』

と、外務全般を司る大臣の「オブライアン」がそう言うと、内務と人口復活を司る大臣の「タスン」が

 

『まだ彼らについて分かっていることは少ない、憶測を重ねて議論をするのは危険過ぎないだろうか?』

と懸念を口にするも、それにたいしてオブライアンは

 

『だが事実として、彼らの話を信じるのであれば…保有する戦力は基幹艦隊2つ分だぞ? それほどの大戦力にこのような脅威的な兵器を始め様々な新兵器を有していると言う話じゃないか? こんなものを相手に今の人類が対等な関係を築けるなどとはとても思えん』

と、外務大臣としての視点からキッパリと断言したオブライアンに対し、軍からの代表として出席した新統合宇宙軍元帥の「プライム」が口を開く

 

『軍としての結論ですが、この超大型戦艦が3隻もあれば、宇宙軍の全軍が宇宙から消滅します。はっきり申し上げて、このような戦略兵器を有する基幹艦隊二つを相手に、やれと言われれば最大限努力しますが、勝利を保証することは宇宙軍としてはできない、と申し上げておきます』

暗に戦ったら負けると告げるプライムの言葉を受けた出席者たちの間に重たすぎる沈黙が訪れる

 

戦えば負ける。その事実が絶対的な不安に…そして絶望へと進化しようとする中ゼントラーディ、メルトランディの代表として出席した全権大使の「ブリタイ・クリダニク」が口を開いた

 

【私としてはゼントラーディとメルトランディが同一船団に組み込まれ、船団の司令官がメルトランだったという事実を憂慮している】

ブリタイの発言に全員の注目が集まる。その沈黙を続きを促していると認識したブリタイは続けて

 

【我らゼントラーディとメルトランディは不倶戴天の敵同士。50万周記の歴史の中で、それは脈々と続いてきた事実であり。それ故に我らの戦いは全滅か、殲滅かの二択しか存在しない】

それは純然たる事実でありこの会議の参加者は知っていて当然の知識だった。それを今この場で話すことの意味を各々が考える中、ブリタイは断言した

 

【だが彼らはそれ以外の択を選んでいる。そして……我々はそれが何かを知っている】

その言葉にほとんどのものが同意を示すように頷く中、ブリタイは続けて

 

【彼らに文化を教えた何かが存在する。我々はそれを知るために、彼らと対話をすべきだ】

結論として提案を行う。それを受けて皆がどうすべきか議論を始める中、その流れを新統合政府大統領である「ブルーノ・J・グローバル」が机をその両手の掌で叩いて止める

 

『我々はあの戦いを歌と言う文化の力と、結束によって終結させた。……あれはまさに奇跡の産物だが、必然でもあった…』

と、一旦そこで言葉を区切り、深く息を吐いたブルーノは全員の顔を見渡しながら

 

『我々ができたのであれば、他にもできたものがいても不思議ではない』

そう言葉を続け……それに全員が押し黙った。なぜならばこの場にいる全員がその奇跡によって生かされたからであり……そして目の前の人物がその中心にいた1人だったからだ

 

『故に、私はブリタイ大使の意見を採用したい。まずは、彼らのことをよく知り、対話を重ね、文化を通わせることで対等な関係構築の道を模索したい』

と、ブルーノはその言葉で発言を終え、他の参加者たちはしばしの沈黙の後に全員が肯定を示すように頷くのだった

 

 

 

かくして群れと新統合政府はそれぞれのトップの決断により、銃ではなく文化と言葉を用いたコミュニケーションを行うと言う決断を下したのだった

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