ガトランティスVSゼントラーディ 作:増えることに飽きたプラナリア
デメテーラ・ラプラミズ艦隊は私の乗る旗艦と同規模の大型ラプラミズ要塞に総艦艇数は約650万隻と私の艦隊と全く同じ艦隊規模を誇っている。これはつまるところ我が群れはその規模を倍にしたということになる
そこでまず最初に行ったのは、私の艦隊に対してこれまで制限をかけていた文化データの完全な放出と、それをデメテーラ艦隊に伝えることだった
様々な文化に触れたことで、デメテーラ艦隊のメルトランたちにも様々な変化があった。特に顕著だったのは自らの外見的特徴を個々人の感性に合わせてカスタマイズすること……文化で言うところの化粧などに該当する行為や、我々ゼントランにはあまり馴染むことのなかった可愛いものに強い反応を示したことだろう。この部分に関しては我々ゼントランとの着眼点の違いを実感した
そんなわけでデメテーラ艦隊にも文化の布教が始まったわけであるが、ここである問題が発生した。指揮系統をどうしようかとなったのである
これに関してはデメテーラとその副官達と、私と私の副官達で協議を重ね、結果として
[文化の共有、促進には面倒なしがらみは不要ではないだろうか?]
【わかる。でも有事の際に問題が起こるとまずいから、男女の区別なく一個の群れとして、群れを守るために新しい艦隊を編成しよう】
[異論なし]
と、要約するとそんな感じで方針が定まり、私たちは正式に2つの艦隊を1つの群れへと合体させ、そこから戦いたいものを中心にして新たな指揮系統のもとに艦隊を創設することとなった
で、どうせならこれをイベントにしてみようと言う話になり、新設される艦隊の兵士を募集するのに合わせて新しい艦隊の名前も募集した
結果は両者共に想定を上回る応募で、慌てて当初の想定よりも定数を増やすなどの対応に迫られ副官達はうれしい悲鳴をあげていた
そして名前に関しては私とデメテーラで吟味し、「統合自衛軍」の名前が正式決定となった
で、統合自衛軍はゼントランとメルトランの男女混成軍となるため、両軍の使用していた兵器、艦船はそのまま使うが補給や整備の観点から新兵器の開発、製造が急務だと言う点で合意を見た。そこでデメテーラ艦隊の中で研究開発といった分野に興味関心のあるメルトランをカルチャー機関に合流させ、男女を問わず優秀な人材を多用することで合意を見た
でだ、ここまでいろいろ話したところで、私はデメテーラからある提案を受けることになった
【つまりは群れとしての上下関係が必要だと?】
デメテーラ艦隊が合流してからしばらくの時が流れ、両者の交流にレッドアースへの採掘が本格化し、カルチャー機関の研究による成果が見え始めた頃、私はデメテーラからそのように提案を受けた
[そうだ、我らメルトランをお前達ゼントランは対等に受け入れてくれたが。それは全てのゼントランが同意するものではないだろう?]
その言葉に、私は即答することができなかった
私の艦隊の中に、メルトランを受け入れることに反対するものは少ないながらも存在した。その事実がある以上、即答でそれを否定することは私にはできなかった
【だが、それはメルトランの側にもある問題だろう?】
と、そう反射的に返してしまう。そこでその選択が間違いだったと気づいた時には、デメテーラが少しだけ悲しげな表情で
[確かに、耳の痛い指摘だ……我らの中にもゼントランとの合流に賛成していないもの達はいる…]
と答える。それに私は慌てて
【いや違うのだ! それを責めているわけではないのだ!!】
と自分でもはっきりとわかるくらい大きくなってしまった声で否定する。それにデメテーラは一瞬だけ表情をきょとん、とさせてから
[…ふふふ、あははは!]
と、先ほどの落ち込みようが嘘のように笑顔になると、そのまま私を見ながら
[そうだな。私たち共通の問題だな、これは]
と、明るくなった表情でそう言ってくる。それに私はデメテーラのことを傷つけてしまわずに済んだことに安堵の息を吐いた後
【デメテーラよ、あの時私が口にした言葉の全て。嘘偽りなく私の本心だ
……今はまだ多くの課題に阻まれて果たさずにいるが。いつか必ず、お前達メルトランと真の意味で対等な関係になってみせる】
それは私の決意表明であった。それを聞いたデメテーラは
[………ふふふ、ゼントランらしくないな、お前は]
と、何故か心底から楽しそうに笑ってそう言ってくる。それに私は
【う、うぅむ。自分でも自覚は…あるのだがなぁ〜……やはり意識を改めたほうが……】
と、自分でも思っていたことを指摘されたことに、危機感というか…重大性というか…とにかく問題を先延ばしにしない方が良いのではないかと考えてそう発言するも
[いや、お前はそのままでいい。……そのままであるから…我らはお前達と共にあろうと思えたのだ]
と、私の話の歌詞をへし折ってそう言ったデメテーラの意図がよく分からず、私は少し困惑しながら頷く
[それで? お前のことだ、この問題にも対案を持ってきているのだろう?]
と尋ねてくるデメテーラに、私は随分見透かされてしまったなぁ、などと感想を抱きつつ彼女の問いに答えた
【あぁ、それなのだが文化の中にちょうど良さそうなものがあってな…それを試してみようかと思うのだ】
[ちょうどよいもの…?]
頭に?を浮かべるデメテーラに、私はある記憶データを見せた
スクリーンに映し出されたのは青空の下、どこかの会場で大勢の男女が集まっていて。その視線はある一組の男女に集まっていたのだ
とても美しい純白のドレスに身を纏った…幸せそうに笑う女性を、同じく幸せそうな笑顔で抱き上げるスーツ姿の男
[これは……]
デメテーラはその光景を不思議そうに見つめている中、私はこのスクリーン上の映像に関する説明を始めた
【これは結婚と言う文化の一つだ。男女で行う契約の儀式らしい】
[け、けっこん…]
【そうだ、これは一種の祝い事でもあるらしいのだ。そこでこの結婚という儀式を我らの間でも行い。それを持って我ら男女の融和と交流を促したいのだ】
説明を終えた私は、デメテーラの反応を待とうと一度口を閉じる。そのまま少しの間を開け、デメテーラが口を開いた
[なるほど、とてもいい提案だと…私も思う]
と、賛成してくれたことに私は本当か! と声を上げる。それに肯定を示すように頷いたデメテーラは
[無論だ。だがいきなりこれを導入したところですんなりと受け入れてもらえるとはどうしても思えん]
と言い、それには同意見だった私も頷きながら
【それは私も考えていた。なのでまずは男女間で活発に交流しているもの達の中から……】
候補者をと、と言葉を続けようとした私を、デメテーラの声が遮った
[何を愚かなことを言っている! そのようなまわりくどい事をせずとも、私とお前がいるではないか!]
と、自信満々に胸を張り、自らの胸に手を添えるようにして指したデメテーラの発言に
【………は? はぁぁぁぁぁああああ!?】
と、あまりのインパクトに一瞬中央演算ユニットが停止しかけたあと、そのインパクトをどうにか処理し終えた私は、あまりの発言にそう叫ぶのだった
序章もうちょっと伸ばしてもいいですか?
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いいよ!
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だめに決まってんだろ!