追放令嬢のスローライフ〜主目的生存戦略〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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精霊のリファです!

「精霊じゃん! 希少種族の精霊じゃん」

 

 ルルが生み出した精霊を見て、私は大興奮。

 

 ルルも得意げに説明を始める。

 

「妖精と黄金スライムを組み合わせると精霊になったが、人工的に生み出したからか、能力は低いんだよね……ワハハ」

 

「それでもうちの場合、鍛錬は黄金スライム狩りをすれば良いし、魔力の種で魔力はブーストできるから、問題は無いよ。というか精霊には土地を豊かにし農業に適した土地を生み出すって言うから精霊の数を増やして欲しいな」

 

「心得た! 精霊の数を増やしていくぞ! ワハハ! ジョン君とハンス君には妖精をもっと捕まえてきてくるように言わないとな」

 

「それは私から言っておくよ。妖精ちゃんの名前はきめてるの?」

 

「私が名付けたけどリファにしたよ。本人も気に入ってくれているし……」

 

「その本人タコ子と何処か行っちゃったけど……」

 

「恐らくダンジョンの外に出ているんじゃないか?」

 

「ちょっと私見てくる」

 

「ワハハ」

 

 

 

 

 

 

 私、リファは元々妖精でしたが、ルル博士の力により上位種である精霊に進化させてもらいました。

 

「んん〜クッキー美味しい!」

 

 そんな私はダンジョンの外に出て砦があったので覗いてみると、猫っぽい人と悪魔っぽい人が給仕服を着て掃除をしていました。

 

「ん? 新しい人っすか?」

 

「こんにちは! 私リファって言います! ルル博士によって妖精から進化させてもらったの!」

 

「またあの博士はモンスターの合体をしているっすか……本来なら禁忌の技術なのに……」

 

「私悪い存在?」

 

「あ、いやいや、そうじゃないっすよ。技術が悪いのであって、生まれた人は悪くないっす! ……そうだクッキー食べるっすか?」

 

「食べる〜」

 

 給仕服を着ている人はリリンとルビーという名前らしく、私達みたいな言葉を喋って意思疎通ができる存在を魔族というらしい。

 

「確かに妖精の時はこんなに上手にお喋り出来なかった」

 

「モンスターの上位種が魔族って見方もできるっすが、一番の違いは性行為っすね! モンスターだと相性の悪いモンスターは繁殖ができないっす。例えば妖精だと体の大きさや相性からどんな相手でも繁殖できるゴブリンを除いて妖精は妖精同士もしくは妖精と魔族としか繁殖はできないっすが、魔族になれば、魚人だろうが獣人だろうがそれこそ人だろうが交われば子供ができるっすからね。あとは魔族になればオスメスさえ合えばモンスターとも繁殖ができるっすから」

 

「へぇ……」

 

「とは言っても、魔族は子供がポコポコ生まれる人間やモンスターと違ってなかなか産まれないっすがね。あ、魔族同士で子供を作ると、両親の特性を遺伝した魔族が生まれるっすよ」

 

 クッキーを食べながらリリンさんの話を聞く。

 

 難しい話をしている気がしてあまり頭に入ってこない。

 

「あ、居た!」

 

 砦に誰か入ってきた。

 

 赤色の髪に青い肌をした女性だ。

 

「ミディア様!」

 

 リリンが様付けで呼ぶ女性が私に近づいてくる。

 

「私の名前はミディア·デモン。今日から貴女の主となる者よ」

 

「は、はぁ……」

 

 いきなりそんな事を言われても……。

 

「ねぇリファ……作物を育てるのは好き?」

 

「好きですけどそれが何か?」

 

「精霊の仲間増やして自分だけの農園を作らない?」

 

「はい?」

 

 ミディア様と私の出会いはこんな感じだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからミディアさんに連れられて私は4階層に戻ってきました。

 

「友達でも知り合いでも良いから仲の良い妖精を複数人連れてきてこれる?」

 

 とダンジョンに潜る前に言われていましたが、私は問題ないとその提案を受け入れました。

 

 ジョンさんやオーガの皆さんに守られながら3階層を突破し、4階層の妖精達が居る場所に向かい、彼女達に精霊になれることを説明すると、強くなりたいと希望する妖精達が10人ほど集まってくれました。

 

「じゃあ連れて行こうか。リファ達はこの下の階層の事は知らない?」

 

「知りません。妖精の時は上に行った子が大きな狼に追い回されたし、下の階層には行く気が起きなかったんですよね。ダンジョンの意思みたいなのがあるのでしょうか」

 

「階層のモンスターは上の階層に行くことはできるけど、下の階層には行けない作りになっているのかな? ダンジョンに意思があるなら製作者である私の思考が反映されているかも?」

 

「大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫、ちょっと考え事していたわ」

 

 ジョンさん達に守ってもらいながら仲間の妖精達も1階層に向かい、そこの研究施設の中に入り、モンスター同士の合成が始まりました。

 

 カプセル全体がビカビカって光って、数秒で終わるんですね。

 

「リファ! 私も精霊になれた!」

 

「おめでとう!」

 

 友人達も精霊になることに成功し、ルル博士が、これからはミディアさんに従うようにと命令を下す。

 

 私も元からそのつもりだ。

 

 ミディアさんは強くなるためにはレベリングという黄金スライムを倒して肉体に経験値を得るのが必要と説明され、ナイフを渡されて、黄金スライムを倒していく。

 

 体が熱くなったら回復の泉で体を冷やして、再戦を繰り返す。

 

 すると体に力が湧いてくるのが分かる。

 

 またルビーとリリンが食事を用意してくれるが、食材として魔力の種の粉末を入れた粉で作ったパンを焼いてくれて、妖精の頃は空気中の魔力や回復の泉の水を飲んでいたら生活できていたけど、精霊になると体が食事を求めるようになったらしく、パンや食事が美味しいこと、美味しいこと……。

 

 そしてその食事で魔力が上がり、レベリングで体を鍛えれば魔法を扱う土壌が整うとミディアさんが教えてくれた。

 

 精霊族の人達は魔力が上がりやすい性質をしているからオーガの人達よりも早く魔法の鍛錬ができるくらいに魔力総量を高めることができた。

 

 で、最初にやらされたのが水を出す魔法で農地への水やり。

 

 広い農地とは言えないが、10人で手分けして水やりをやるとだいたい30分程度で終わる。

 

 ミディアさんが魔法を使うと雨雲を作り出して一瞬で終わらせるのを見て、将来こんな事も出来るようになるのかな〜とちょっとワクワクする。

 

 あとはミディアさんが農地を広げるので、魔法を使って耕していき、作物の種や苗を植えていく。

 

「ミディアさん、農地どれぐらい広げるんですか?」

 

「どれぐらい……それこそ見える範囲全部くらい? これからどんどん人増えていくと思うから広い農地が必要だからね。まぁ最終的にこの農地も手放すことになると思うけど」

 

「手放すんですか?」

 

「あ、いや。何でもないよ。とにかく今は魔法を使って農地を広げよう!」

 

 他にもミディアさんに習ってレンガを作る魔法や物を浮かせる魔法を習ってレンガ造りの家を作ったり、火を出す魔法で料理を作ってみたり……日常生活を便利にする魔法を色々教わった。

 

 それを数十日続けていると、私達の魔法の練度も上がってきて、オーガの皆さんと3階層で探索する機会も増えていった。

 

「おら!」

 

 前衛のオーガのが木の盾と鉄製の剣で狼を攻撃して怯ませたところを、私が

 

「ファイヤーボール!」

 

 火球を当てて倒していく。

 

「リファナイス!」

 

「はい! タケマルさんもナイスです!」

 

 現在私はタケマルというオーガとペアを組んで3階層のモンスターと戦っている。

 

 鍛錬だけだと実戦経験は培えないとジョンさんやハンスさんが言うので、3階層のモンスターとの戦闘を経験していたが、確かに分からないことだらけで、味方を巻き込まないように敵に当てる技術や移動しながら魔法を放つのは難易度が桁違いに上がる。

 

 でも強くなっているという実感は湧いてくる。

 

「よし、狼の毛皮を剥ぎ取った事だし、今日は戻るか」

 

「はい!」

 

 どんどん強くなってミディアさんみたいな凄い魔法使いになりたいな! 

 

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