赤いリコリスはまだ枯れない   作:Sora00

1 / 2
フローヴァに幸せに笑って過ごしてほしくて、自己満足で書き始めちゃいました。

読みにくいとかキャラ違うとかは、温かい目で読んで許してください。


不定期投稿ですが、続きますので楽しみにしてもらえたら嬉しいです。




確か、フローヴァをガチャで迎えてから音骸集めにナイトメアヘカテー周回してたはずなんだけど、いつの間にか、寝てしまっていたのだろうか…

毎日何時間と聴いていた曲がまるで、コンサートホールで聴いているかのような音が響き聴こえて目を開けると、フローヴァがステージにいた。

 

そんなフローヴァを見て俺は思わず小声で呟いてしまった。

 

「やべぇ…涙が止まらん。ごめんよ、約束守れなくて」

 

フローヴァに一目ぼれして鳴潮を始めて、ついこの間フローヴァのストーリーが来た!と意気揚々と始めたものの重いし悲しいしで号泣した人は俺以外にもいるのではないだろうか、そんなフローヴァが目の間にいたら泣くだろう?

 

まったく漂泊者、この曲が完成したら、また必ず来る?どこにいようと?どんな約束も忘れない?必ず守ってみせる?

なに言ってんだよ!フローヴァが可哀そうだろ!!

そんなことを考えながら曲を聴いていたらこの曲も悲しい意味があるんだよなぁなんて思い涙がますます出てきた。

まぁ暗いし見えないだろうと思っていたら、曲はいつの間にか終ってしまい舞台が明るくなり拍手が鳴り渡った。

俺はとっさに目を瞑りこれ以上涙を流さないようにこらえていたら、足音が近づいてきた。

 

「あなたずっと泣いていたでしょう。あの曲に悲しみを感じ取ったのは、あなたで2人目よ」

 

やばい、いま声かけられたら俺…

 

「え?あなたなんでまた泣き始めるのかしら?」

 

フローヴァの困惑した声がするけれど、仕方ないだろう。

フローヴァの声を聴きながら泣いていて、ふと気になることを思い出して震える声でフローヴァに俺はきいた。

 

「ふ、2人目?前にも理解者がいたの?」

 

多分漂泊者だろうと俺の疑問の声を聞きフローヴァは少しだが下を見ながら答えた。

 

「えぇ、かなり前に1人、理解者が現れたのだけれど彼女はいつになっても再開することは叶わなかったわ」

 

この世界の漂泊者は彼女ということは女性ってことか…この世界で俺がどういう存在になっているか分からないけど、たとえ世界が変わってしまうとしても、漂泊者との約束を叶えさせるためにも、残星組織に入りフローヴァが罪を重ねないためにも、そして何よりフローヴァの願いを叶えるため、もうフローヴァを一人にしないために……

 

俺ができることはなにかないだろうか…

 

「フローヴァ…君の曲を毎日聴かせては貰えないだろうか?」

 

そんな言葉を気が付いたら俺は言っていた。

 

「ふふ、急にプロポーズかしら?音楽にも序奏というものがあるのよ」

 

確かにプロポーズにもきこえなくはない言葉だと言われてから急な恥ずかしさが込み上げてきたが、フローヴァの言いたいことが理解できず聞き返した。

 

「えっと?つまりはどういう意味?」

 

「そうね。まずは友達からなら考えるわ」

 

フローヴァは少しだけ悲しそうな表情ではにかみそう言った。

 

そのあと時間を忘れフローヴァとずっと話し込んでいた。

俺はゲームで知っていたがフローヴァ本人から聞く故郷の話などではまた泣いてしまった。

 

「もうこんな時間なのね、そろそろお開きね」

 

外は日が暮れ始め暗くなりだしていた。どうやら長い時間フローヴァと話をしていたようだ。

 

「明日はどこに行けば曲が聴ける?」

 

「そうね、ここの近くの広場で演奏するわ」

 

正直ここがどこかは分からないけど、近くの広場をさがして今日はそこで眠るとしようかと考えてた。

 

「あなた、家はこの辺なのかしら?」

 

このフローヴァの質問にどう答えたらいいのだろうか…俺は1プレイヤーであって漂泊者本人でもない。元の世界に変えれるかもわからないし、なぜここにいるのかですらわからない。どちらかと言うと、帰れないのではないだろうか…

そもそも俺に帰りを待っている人は居ないし、帰れなくても問題はそこまであるわけではない。

そんな俺は苦笑いして答えた。

 

「帰る場所は、俺には無いよ」

 

そう言って、明日の公演場所を探しに行こうかとフローヴァにまた明日と言って背を向けて歩き出した。

 

フローヴァとわかれた俺は広場を探しながら、これからのことを考えていた。

漂泊者との約束フローヴァからしたら俺との約束も信じられないだろうフローヴァは友と言った。それならばこのチャンスを逃さず信じて貰えるように行動するしかないだろう。

 

そんな事を考えて歩いていたら、広場に着いた。もう日は落ち暗くなっていた。

明日の何時頃から始めるのか聞くのを忘れたが、ここに居ればフローヴァが来るだろうから問題はない。

問題があるとするならば、空腹だということだろう。気が付いたらこの世界にいて何も持ち物はなく帰る場所もない一文無し。これからどう生活、生きていくのかがしばらくの問題だろう。

今晩は広場に水が飲める場所があるからそれでいいとして、ずっと水だけでは生きてはいけない。

 

「どうしたものか…」

 

そんな俺の独り言に返事が返ってきた。

 

「いったいどうしたのかしら?」

 

返事が返ってくるとは思ってはいなかったから、驚きながら声の主の方へ見ると先ほどわかれたはずのフローヴァが立っていた。

 

「それで、何か困りごと?」

 

別に隠すような事でも無いだろうしそもそも隠し事をしたくなかったから、無一文で気が付いたらあのコンサートホールにいて曲を聴いていたと伝えた。簡単にだがこの世界とは別な世界から来たとだけ。

漂泊者や未来の話は今話すことでもないし、タイミングを見ていずれ話せるときに話すとしよう。

 

「そう、帰る場所がないと言ったのはそういうことだったのね」

 

「あなた私の毎日曲を聴きたいと言っていたわね」

 

フローヴァの真っすぐな眼差しから目を逸らさず俺は頷いた。

 

「それなら丁度いいわ。私が今住んでる場所に部屋一つ空きがあるから特等席で曲が聴けるわね」

 

フローヴァの言っていることは理解ができるがそんな事を言ってくるとは思わず俺は聞いたしまう。

 

「えっと?つまり?」

 

「あなた察しが悪いのね」

 

そんなことを言い背を向けて歩き出したフローヴァは少し歩いたら未だ立ち尽くしてる俺に向かって言ってきた。

 

「早く行くわよ。夕ご飯もまだなのだから」

 

フローヴァの元に俺は急いで行き横に並んで歩きながら言った。

 

「ありがとう、フローヴァ」

 

その言葉に返事はなかった暗い夜道を街灯でできた2人の影が並んで歩いていた。

フローヴァの住んでいる場所まで会話は特になかったが、コツコツと2人の足音がまるで音楽を奏でているかのようで、心地は悪いものではなかった。

 




今回の公演では、2人目の理解者に出会えた。彼はずっと泣きながらあの楽曲に込められた感情を理解してくれた。声を掛けたらますます泣きだしたのはすこしだけ困ってしまったが、理解してもらえたことはとても嬉しかった。
落ち着きを取り戻した、彼といろいろ話したが急なプロポーズにしか聞こえない事を言われ流石に私も驚きを隠せなかった。
時間を忘れるくらい彼と話す時間はとても楽しかった。
彼は帰る場所が無いと言っていた、もしかしたら私と同じなのかもしれない。

最初に理解してくれた彼女はどの公演にも来なかったから、もしかしたら彼もそうなるのではないかと不安に思うけれど、信じるのはこれで最後にしよう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。